「【”心優しき霊能者の若人、哀しき令和の陰陽師と娘を魑魅魍魎道から、正道へ引き戻すノ巻”《前編・・。後編はあるのかな?》。平手友梨奈さんの無表情な”上目遣いの三白眼”が印象的な作品でもある。】」さんかく窓の外側は夜 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”心優しき霊能者の若人、哀しき令和の陰陽師と娘を魑魅魍魎道から、正道へ引き戻すノ巻”《前編・・。後編はあるのかな?》。平手友梨奈さんの無表情な”上目遣いの三白眼”が印象的な作品でもある。】
■今作の印象
・序盤、幼い頃から幽霊が見える事に悩まされて来た三角(志尊淳)が、除霊士、冷川(岡田将生)に”サンカク君・・。” ”ミ、ミカドです・・。”などと、BL風のアプローチをされ、更に胸に掌を載せられて、
”ああ‥、こんなに良く見えるのは、君が初めてだ・・。”
などと言われながら、マンマと冷川の助手になってしまう流れは、
ー ”お、BL風のお二人が仲良く除霊して、ハッピーエンドかな?”
などと有り得ない妄想に耽りながら、志尊さんの”戸惑う表情”に、
”この素敵な俳優さんって、絶対に、その気があるよなあ・・”
などと、ファンの方から飛び蹴りを食らわされてもおかしくない”邪気に満ちた心”で鑑賞・・。ー
◆が、今作はそんなに柔な作りではなかった・・。(反省。茶化してすいません・・。)
・哀れな子羊かと思っていた三角が、連続殺人事件を呪いで引き起こした女子高生、英莉可(平手友梨奈)と冷川の哀しき過去を透視し、彼らの現代での所業の根源を突き止めていく姿と、霊を信じない半沢刑事(滝藤賢一:邦画の良きバイプレイヤーである。どのような役も熟す、この方が出演するだけで、映画が締まる。)と冷川の幼き頃からの”ある悲惨な事件”を通しての関わりが徐々に分かって来る過程で、物語に何時の間にか引き込まれる。
ー そして、人の愚かしき性が併せて描かれる。
それは”信じてはいけない禍々しいモノ”を信じる事で、自分の存在意義を見つけようとする人々の哀しき姿。
ある意味その犠牲となった幼き冷川と英莉可の姿が描かれることにより、現代の彼らの所業が分かるという作品構成の妙。ー
◆この時点で、救われるべきは冷川と英莉可であることが、明白になる。
◆言霊、結界、呪、という陰陽師が使用していた言葉を使っていた冷川自身が、彼に掛けられた”呪”により、哀しき事件を引き起こしていた事実が分かった際に、幼き冷川の傍に寄り添った三角の優しき姿。
ー 冒頭の二人で焼き肉を食べながら、契約を交わすシーンが、ふと思い出される。ー
◆英莉可も同様で、仲の良かった三人家族に入り込んだ”禍々しきモノ”に家族を壊された恨みが、彼女にあの”穢い、呪われた結界”を作らせたことも、キチンと描かれている。
<最初は、斜に構えた態度で見ていたが、いつの間にか画面に吸い寄せられた作品。幾つかの瑕疵はあるが、見応えがある作品であると思います。続編はあるのかな・・。>
■蛇足
・”呪”を掛けられた者が眼から血を流すシーンは、ヨルゴス・ランティモス監督の「聖なる鹿殺し キリング・オブ・セイクリッド・ディア」を容易に想起させる。
第二作があるならば、是非、”不条理な世界観””只ならぬ、忌まわしき雰囲気”を醸し出すレベルの作品を期待したいものである。
コメントありがとうございます。
期待するものは、観る人それぞれ違うのは当たり前ですが、この作品は、どう料理しようが期待したくなる素材に溢れてるのは確かだと思ってます。
北川景子さん復活 VS 3人の霊能力者なんて陳腐な話でもいいのですけど、続編見たくなりました。