「本作は「ノルマルム広場強盗事件」の真実を伝えるものではない」ストックホルム・ケース h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
本作は「ノルマルム広場強盗事件」の真実を伝えるものではない
1973年に発生した、ノルマルム広場強盗事件は「ストックホルム症候群(Stockholm syndrome)」であまりにも有名な事件。この作品は大まかなベースが事件に沿っているものの、もちろんドキュメンタリーではないので本質を伝えるものではなく、史実にヒントを得たただの「喜劇」だ。
話の展開のなかで、犯人Lars(史実はJan-Erik Olsson)の犯罪心理が全く読み取れないし、人質のBianca(同Kristin Enmark)がなぜLarsに同調する行動をとるようになったのか丁寧な心理描写がない。作品全体は最初から締まりがなく、まるでコメディのようだ。
ケースでの臨床心理を学びたい人には全くオススメできない。正直、制作サイドはこの作品で何を伝えたかったのか教えて欲しい。
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J24さんのコメント
2020年11月6日
全く同じ感想でした。ここまで合致したレビューで興奮してしまいついついコメントさせて頂きたした。
題材はいいだけにもう少し被害者の心理を追求した描写を見たかったですよね。