長沙里9.15

劇場公開日:2020年6月5日

長沙里9.15

解説・あらすじ

「友へ チング」のクァク・キョンテク監督が朝鮮戦争下で歴史の闇に埋もれた実話をもとに描いた戦争アクション。北朝鮮の猛攻を受けた韓国軍が戦況を打開するためマッカーサー将軍の指揮下で計画したクロマイト作戦(仁川上陸作戦)。奇襲を成功させるため、軍上層部は無謀とも言える陽動作戦を発動する。イ・ミョンジュン大尉らが率いる訓練期間わずか2週間、平均年齢17歳の772人の学生兵たちは「長沙里(チャンサリ)に上陸せよ」との命を受ける。しかし、彼らに支給されたのは使い古された武器とわずかな弾薬、最小限の食料だけだった。イ・ミョンジュン大尉を「V.I.P.修羅の獣たち」のキム・ミョンミンが演じるほか、アイドルグループ「SHINee」のミンホ、「トランスフォーマー」「ミュータント・タートルズ」シリーズのミーガン・フォックスらが顔をそろえる。

2019年製作/104分/G/韓国
原題または英題:The Battle of Jangsari
配給:クロックワークス
劇場公開日:2020年6月5日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 【今作は、朝鮮民族分断の朝鮮戦争時、対北朝鮮戦で仁川上陸作戦遂行のために、陽動作戦に使われた韓国学生兵士たちの姿を描いた哀しき戦争映画である。】

2026年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■北朝鮮の猛攻を受け敗走を続けた韓国軍は、戦況を打開するためマッカーサー将軍の指揮下で大規模な仁川上陸作戦を計画していた。
 その奇襲上陸を成功させるべく、韓国軍上層部は無謀とも言える陽動作戦を発動し、イ・ミョンジュン大尉に訓練も殆どしていない学生兵士772人を率いて「長沙里に上陸せよ」と命じる。

◆感想

・ご存じの通り、朝鮮戦争は民族分断の戦争であり、且つその背景には韓国を支援するアメリカを筆頭とした西側諸国が掲げる”民主主義”があり、一方北朝鮮は、中国、旧ソ連が背後に着いた”共産主義”がある。

・その犠牲になったのが、今作では韓国及び北朝鮮の若き兵士である。韓国映画ではどうしても北朝鮮が悪として描かれるケースが多いが、今作では劇中に北朝鮮の若き兵士が母に宛てた手紙を読みながら銃弾に倒れるシーンや、北朝鮮から逃げて来た韓国兵士が且つての友と出会うシーンなどが盛り込まれている所が、良いと思う。

・又、韓国軍で跡取りの兄の代わりに入隊した女性兵士の最後のシーンも哀しいのである。

・頭に来たのは、韓国のイム将軍が長沙里の戦いの責任を事務係であるイ大尉に押し付けるシーンである。米軍の女性従軍記者はそれに対し英語で”部下を見捨てる将軍は、初めて見た!”と吐き捨てるのである。

・多くの犠牲を出しながらも、長沙里の戦いを終えたイ大尉に対し、死刑判決が出るがラストのテロップでそれが撤回された事が明かされる。当たり前である。

<今作は、朝鮮民族分断の朝鮮戦争時、対北朝鮮戦で仁川上陸作戦遂行のために、陽動作戦に使われた韓国学生兵士たちの姿を描いた哀しき戦争映画である。>

■そして、今でも韓国では成人男性は兵役3年が課されているのである。ベトナムも同様の状況に陥ったが、こちらはアメリカの撤退により多大なる犠牲を払いながら、南ベトナムの降伏により、民族分断は解消された。
 いまだに民族分断が解決されないのが、朝鮮半島なのである。
 朝鮮半島は、今でも休戦状態なのである。これ以上の悲劇があるだろうか・・。

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NOBU

3.0 帰る場所を抱えたまま、형(ヒョン)と엄마(オンマ)へ戻ることなく

2026年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

観ている途中で、「ああ、やっぱり」と思った。
『友へ チング』のクァク・キョンテク監督作品だと知って、妙に納得した。

형(ヒョン)と엄마(オンマ)。
国家や理念よりも、兄と母という最も近い存在を軸に物語が進む。その時点で、これはいかにも韓国映画だと思いながら観ていたし、その感覚は正しかった。

学徒の出陣は、心いたいものしか残らない。
それでも彼らは、祖国のため、故郷のため、家族のためという思いで戦場へ向かう。若者が戦争を「選ぶ」のではなく、「選ばされる」構図は、昔も今も変わらない。

観終わって「良かった」と言える映画ではない。ただただ、胸に重いものが残る。

一方で、米側の視点をここまで描く必要があったのか、という疑問は残った。
女性米軍記者という設定は理解できるが、その視点が強くなることで、学徒たちの死が“記録される対象”として整理されてしまった印象もある。
描写をもう少し抑えていれば、若者に死を迫る戦争の冷酷さは、説明ではなく、より直接的に突き刺さったのではないか。

それでも、家族を思いながら命を失っていく若者たちのどうしようもなさは、強く心に残る。
簡単には受け止めきれない映画だった。

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critique_0102

4.0 韓国という国の哀しさと強さ

2025年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

驚く

韓国のFaction映画をよく見るようになってつくづく思う。
映画作りへの熱情と真剣さ以上に、この国の悲しさを感じるのだ。

日本の敗戦後、息つく間もなくソ連と米国それぞれの支配下になってしまった朝鮮半島。
憎み合うというよりも
同胞間で憎しみ合うように仕向けられた。
ほんの子供、学生同士に殺し合いをさせるまでに。

南北2つに分割されたことが、当人たちに依らぬ疑いや憎しみを生み出し続けるのだ。

朝鮮戦争から60年以上も経ってはいるが
半島統一への悲願、この映画を見てその思いが分かる気がした。
朝鮮半島、朝鮮民族で他国に翻弄されぬ豊かな国を作り上げたいという願い。

なんのために同胞が殺戮しあうのか
物語の最後に、米軍記者と上司がその答えを口にする。

登場する学生たちそれぞれの背景も過不足なく描かれ
彼らが「捨て駒」ではなく一人ひとりが家族の一員であり一人ひとり無限の可能性に満ちた若者であることがひしひしと伝わる。

あまりの悲しさに涙が溢れて目が腫れてしまった。

※鑑賞後、主人公がアイドルグループSHINeeの一人であると娘から聞かされた。
たしかに一人だけ非常に端正な顔立ちであるが、役柄や演技は決して甘いものではなかった。
韓国の男性はアイドルであろうとも兵役へいく。彼はおそらくこの撮影の後、入隊したものと思われる。気持ちはいかなるものであっただろう。

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Sister-Tamer

4.0 朝鮮戦争における仁川上陸の捨て駒にされた学生兵による「長沙上陸作戦」に光をあてた

2022年8月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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Kazu Ann