「ドイツで隠された真実と言えば」コリーニ事件 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
ドイツで隠された真実と言えば
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ドイツで過去の暗部といえば、ナチスドイツだから、殺された実業家が元ナチだということは想像がつく。この物語が白日の元に晒そうとしているのは、戦争犯罪だけではない。戦後、ドイツが復興していく過程で、戦争犯罪の時効を短縮する法律がこっそり成立していたのである。この法律のおかげで、主人公の恩人も訴追を逃れていたのである。
難しい問題だよね。敗戦国の非道行為は、犯罪で、戦勝国の同様な行為は合法になってしまっている現実があるから、ドイツ政府が元ナチの人間を事実上の恩赦してしまうことも苦しいながらも理解できる。
例えば、満州の日本人にレイプ、強奪、殺人など暴虐の限りを尽くしたソ連軍の犯罪が問われたなんて聞いたことない。こういった矛盾は永遠に解決することはない。
一方で、何の罪もない父親を殺されたコリーニの側にたてば、当然、銃殺を命令した将校を刑務所送りにできないのであれば、個人的に報復することは仕方のないことだと思う。自分の中でもブレブレでどう感情を処理してよいかわからない。
想像とは全く異なるラストには驚いたが、物語として結論づけることを作者がためらったのだと思う。
重苦しい話ながらも、ピザ屋のロックなお姉さんのかっこよさが印象に残った。
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talismanさんのコメント
2021年5月4日
はい、ピザ屋のお姉さん、ありがとう!です。主役の彼は今、ドイツで人気があるらしく「おとなの事情」(スマホ見せっこの話)のドイツversionリメイクにも出てます(まだ見てませんが)。