劇場公開日 2021年6月18日

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「前作よりおもしろい!」クワイエット・プレイス 破られた沈黙 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前作よりおもしろい!

2021年6月22日
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鑑賞方法:映画館

怖い

単純

興奮

最初に断っておきますが、ホラーは大の苦手なので、自分から好んで見ることはありません。しかし、友人に誘われて、中途半端に終わった前作を見てしまいました。本作はその続編ということなので、続きが気になり、勇気を出して鑑賞してきました。

正直言って緊張で疲れましたが、前作を超える出来で、観てよかったです。冒頭こそほのぼの始まりますが、これが前作で描かれなかった、始まりの1日目の出来事です。平穏な日常に突如降りかかる惨劇が、観る者を一気に恐怖のどん底に突き落とします。

あいかわらずクリーチャーにまつわる謎は解明されず、その正体も目的もわかりませんが、それがかえって不安と恐怖を煽ります。とにかく、こうしてこの事態が始まったのだということだけは確認できました。そして、この恐怖世界が客席にまで広がり、以降は全編通して緊張しっぱなしで、こちらも息を潜めて成り行きを見守りました。

主演のエミリー・ブラントは相変わらず美しく、命をかけて我が子を守る母を熱演しています。そんな彼女以上に、本作で注目すべきは二人の子供。はっきり言って息子のほうは「いい加減にしろ!」と叱り飛ばしたくなりましたが、ラストで帳消しにしていました。娘のほうは、ミリセント・シモンズの好演が光り、恐怖に打ち勝つ勇気や信念の大切さ、家族を想う愛が強く伝わってきて、「よく頑張った!」と抱きしめてあげたくなりました。

本作は、恐怖はあるがグロさはなく、登場人物の単独行動がよけいな危機を招くというお約束の展開ながら、「ホラーはこれでいいんだよ!」と言いたくなる、一種の予定調和のようなものを感じます。また、前作でガバガバだった音の扱いも、本作では大きく改善しており、気になる点はほとんどありませんでした。

総じて前作よりできがよく、怖かったけど見てよかったと思える作品で、満足度は高いです。

おじゃる