「【諜報活動考】」オフィシャル・シークレット ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【諜報活動考】
この事件で、最もゾッとするのは、法廷で検察側が証拠を示さず、争うのを中止したことだ。
キャサリンが無罪になったという高揚感より、僕は、この法廷を通じて様々なことが明らかになることを拒む、戦争犯罪を主導した組織の闇が続いていることの方が、よほど怖いと思う。
イラク戦争の闇については、他の映画「バイス」や「記者たち」でも触れられるが、この作品で語られる、諜報活動の地道な作業の積み重ねに改めて驚く。
だが、現在、イギリスやアメリカの、このような諜報活動は、対中では劣後していると言われている。
冷戦下では、ロシア語を理解する諜報員が多くいて、傍受した会話などの内容を理解し、分析できていたのが、今は、中国語を理解できる分析官が相対的に少なくなってしまったからだ。
理由は、中国は所詮は新興国だと軽く考えていたこと、中国の経済発展が激しく、経済の拡大によって、資本主義的な権利の考え方が根付くと勝手に自由資本主義サイドが信じ込んでしまっていたこと、一帯一路のような野心を中国が抱くとは考えていなかったことなどで、政府機関としての諜報活動の体制が対中で整備が著しく遅れたのだ。
さらに、SNSの活動などで意図的か否かを問わずフェイク情報が増え、真偽の確認に、より時間が必要なことも重要な要因だ。
これに対して、中国の諜報活動の活発さは、サイバー攻撃や、違法なハッキングによる重要情報の盗難などニュースで報じられているところからも明らかで、中国人の多言語の理解能力は群を抜く状況になっている。
諜報活動は外交上、非常に重要だ。
だが、必ずしも監視は外にだけ向けられるものではないことも「スノーデン」のケースでも明らかだ。
だから、正しくコントロールすることが望まれるのだ。
そして、国家は、これを利用して犯罪を犯してはならないのだ。
ワンコさん、共感頂き有難うございます!自国の有益のみ最優先に国内外で諜報活動しており、犯罪も厭わないというのが実際なのでしょうね。。日本はどうしてるのでしょう。。