デンマークの息子のレビュー・感想・評価
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印象深い映画ではあったが・・・
全体に散漫で映画としての主張は分かるが、観客に届けたいと言う気持ちにチョッと独りよがりな感じが見て取れる。テーマも厳しい言い方をすればどの国でもあり得る話。もう少し何とかならなかったのだろうか?監督の生真面目さだけが記憶に残る作品だ。
今のデンマークでの移民難民問題
設定を2025年としていますが、今のデンマークでの移民難民問題として鑑賞しました。フランス映画の「レ・ミゼラブル」ほど緊張感が続かない映画なので、途中ダレてしまう。
移民難民問題に、「多文化共生」などの理想論では何の解決にもなりません。
多くの移民難民を受け入れたイギリス・フランス・ドイツなどの西欧主要国で、移民難民は多くの問題を引き起こしている。移民難民があまりに多いので、移民難民の街が国内に点在するようになり、移民難民の街へ元の国民はほとんど行かないし、逆も同様です。移民難民の街だけでなく、国全体の治安も悪くなってしまった。
それらの国々を近くで見ているデンマークは、移民難民の受け入れには消極的です。東欧の国々に至っては、ロマ(ジプシー)で1000年以上苦労しているので、移民難民を拒否しています。
移民難民に厳しいといわれている日本でも、住民のほとんどが外国人という団地が点在するようになってきました。
去年、デンマークのことを研究していて、民主主義が移民問題でゆれてい...
去年、デンマークのことを研究していて、民主主義が移民問題でゆれていることを知ってたから、冒頭からショッキングだった。
メロドラマ調だが、緊張感があった。
ありえる未来。いや、近未来。
近未来のデンマークが舞台。あくまでタラレバのストーリーですが、いやいや昨今の世界の、日本の動きを考えると・・・・薄寒くなります。
ありえます。ありえますよこれ。だって、我々は人間という複雑怪奇な生物なんですから。
対岸の火事じゃぁありません。単一民族国家、島国、少子化、外国人の受け入れ・・・どんどん日本も同様のお話が発生する土壌が出来上がっていく近未来が待っています。
そもそも村社会の国。外国人を「ガイジン」という目で見る(見ていた)民族性、過去国内で発生したと言われる他国民族へのジェノサイドの事実・・・・。決して日本においても絵空事ではないと思います。本当に怖い話です。
人間だから民族関係なく手に手を取り合って生きるべき・・・確かに綺麗事だと思います。同じ日本人同士だって利害が一致しない、価値観が一致しない、性格が一致しない・・・喧嘩になりますもん。
そもそも国民性の違い、国の歴史の違い、宗教の違いなど根本が違えば、より激しく喧嘩するし受け入れ難いでしょう。うまくいかなければ少数派を切り捨てたくなりますよね。絶対に、違いが少ない方が良いですもん。越えるべきハードルが少ないですから。
しかし・・・そこに安易に流れるかどうか?それはよくないと言いたいが、じゃぁどうすれば?の答えはありません、残念ながら僕は。苦労して考えていくんでしょうね、人間ですから、僕たちは。
さて、本作はその答えの見えない世界を見事に、かつ無常に描いています。
前半と後半でメインキャストが変わる(意図的かな?)という面白い展開、潜入捜査という緊迫感、そして後半のメインキャストがなんとも微妙な立場・・・という点がこの物語を分厚くしています。
そうですねー、例えるなら名作漫画デビルマンの不動明の心境でしょうか?
「俺は人間のためにデビルマンになったんだぞー!」って。「それなのにー!」って。
無常ですよ、無常。
本当に人間という生き物は・・・なんて弱い生き物なんでしょうね。
弱いからまとまるし、異質を排斥していくんでしょうね。
でも何かうまくいかなくって、別なやり方を選ぶんでしょうね。
その繰り返しで進んいくのでしょうね。
ただ、ただ日本や世界の国々が過去の歴史を踏まえて進んで欲しいと願うばかりです。
チラガー、ミミガー、ツラミ
2024年にコペンハーゲンのノアボート駅で爆破テロが起き23人が犠牲になって1年、超右傾テロ組織デンマークの息子や、移民排斥を掲げる極右政党に対抗意識しようとする過激派集団の話。
前半は極右政党の党首襲撃しようとする過激派に入った若者を、後半はデンマークの息子と極右政党の繋がりを曝こうとする潜入捜査官をみせていく。
荒んだ世情の鬱屈とした様子は良い意味で不快だし、この気持ち悪さはなかなか好みだったけれど、テンポは悪いしストーリーの進行もまどろっこしいしでダレてしまった。
そしてなんでこのタイトル?w
もう少し頑張ってね。
興味ある映画だけど、もう少し起伏があってコンパクトにしてくれると眠くならないかも。
流れ的にそうなるのかなぁ〜ってラストなので、それほど衝撃はなかったです。
どこぞの国の元大統領と被ったわ。
我が国はどうか?
2025年のデンマークにて。移民によるテロが発生し、移民排外主義の極右政党の誕生と、それに対する移民の若者の闘いを描いた作品。
非常に興味深いテーマで期待していた作品。
まさに今現在の世界で起こっている問題を描いた作品であるが…
結論から言うと、最初と最後は非常に良かったものの、間の中だるみがちょっと長過ぎたかな、といった印象。必要なシーンではあるんですけどね。
序盤、まだまだ子供の19歳に英雄になれなんて無茶苦茶言うなぁと思ったりしたものの、悍ましい落書きをされる団地や、より過酷な移民たちの現実を目の当たりにし、ザカリアに移民排外主義への反感を煽る流れに期待値が高まる。
やはりやめないかと言ったのは、同じ立場の若者とその家族に情が沸き始めてしまったからか?
彼も複雑な立場、色々な葛藤があったのでしょう。。
長い前振りが終わり、本編(⁉)スタート。
しかしここからがちょっと…。無駄なことはないと思うが、とにかくローテンションでやや眠気が…。
それでも最後は中盤のテンションが吹き飛ぶほどの展開へ。
シンプルとも言えるが、なかなか胸をえぐられるクライマックスだった。
上述の通り、映画としての評価も難しい作品だが、とにかく本作のテーマ、「移民問題」は根が深く非常に難しい問題。
本作でも描かれる、移民たちと極右の衝突について。
…いや、そんなだから排斥されるんだよ~ツッコミを入れそうになるも…寧ろこれこそがリアルに起きている惨状の動機なのか。
テロに対する報復。報復がまたテロを生む…。
鶏と卵の問題に似ている?いや、全く違うか。
正直なことを言ってしまえば、本作では悪役よりに描かれている極右党首のノーデルについて…。
彼はさすがに極端すぎるかもしれないが、その考え方に全く共感できないのかと言ったら…。
少なくとも、ワタクシ個人的には、売国よりは愛国を支持します。
陸地続きになっている国は大変ですね。
(尤も、島国の利点を活かせていない国もあるんでしょうけど)
世界的に見れば、福祉等充実している我が国日本。
うまくやってほしいのですが…これからどうなっていくのでしょうか。
話を戻して、移民と極右のどちらも、正義とも絶対悪とも描かれていない本作。
それだけに、今このテーマに興味をもつ私としては超傑作になるポテンシャルがあったと言えるが…
最初と最後だけ際立っていたのが逆に惜しく感じられてしまう作品だった。
社会の分断に解決法をどう見出すか?
なにも新鮮な話題ではないし、デンマークでは近似値未来のはなしかもしれないが、既に現実的になっている話題。米国大統領の政権交代時期(2020-2021)にもトランプの極右の動きに介入していたとされている。でも、2019年の作品なんだねえ。この話で二時間もかける必要があるのかと単純に思った。だから、監督は誰なのか調べてみた。サリム監督はイラクの両親を持って、デンマーク生まれで彼は二つの文化の中に片足ずつを入れて仕事をしていた
と。まるで、この映画の主人公マリックのようある。モスリム 国からの移民の流入が社会混乱の原因であって、移民は自国に帰るべきだと主張する白人至上主義と諸アラブ国の移民が二つに分かれて闘う。コペンハーゲンのNORREPORT駅で 二十三人が爆弾によって殺されたから マーティンはMartin Nordahl新しく極右の党を二千二十四年に(?)結成した。
極右とモスリム の移民の間の警察の情報収集を仕事にしているマリック(Zaki Youssef)は十九歳のザカリヤ(Mohammed Ismail Mohammed)や家族にあってから、マリックのこころが動揺し始めた。ザカリアの母親の息子に対する愛。それに、十九歳と言う年齢でテロに足を踏み入れ、母親はこの息子をまだ子供あつかいしているようだ。『いい見本になる友達ができてよかった』とマリックに直接いう。それに、母親は二人分の弁当まで用意してくれている。マリックがザカリアの自宅を訪問するシーンが好きだ。それにマリックの目の動きはあるが、厳しい目つきをしながら、その奥底にある戸惑いや疑問点があり揺れ動いてるのがわかる。
その十九歳と言う少年がテロ行為に走る。それも、マーティン殺しを命令される。マーティンは白人至上主義者。自分の妻はスウェーデンからきた移民なのに、彼の理論からいくと移民でも、白人の移民は許可されるようだ。マーティンとユーゴスラビアの移民と結婚しているドランプがかなり被るが、これが、監督の思惑かどうかは見当もつかない。それに、マーティンの深みのなく論理を押さない会話力もトランプと被ってしまう。
私はデンマークのことを良く知らないが、デンマークがこうなるなら、世界の小国もこのような闘いがもっと起こるだろうと示唆している映画のよう。すでに、現実かなりそうなっているけど。
私たちに、人道的に移民を受け入れることの一つの悪い結果を見せて果たしてどんな解決策を取ったらいい結果になるのだろうということを考えさせてくれる。
本当に移民を追い出せるのか?
主人公は2人というより、1人ずつ、といった方が良いかもしれない。
極右政党の台頭と、アラブ系移民の排斥。警察の潜入調査。
極右は暴徒化し、移民はテロで対抗する。
ストーリーはシンプルだし、デンマークに特有の状況ではないはずなので、特に面白い作品ではなかった。
ただ、現実問題として、極右政党が政権を取れば、「追い出そうとしても、しつこく居座っている」移民に対して、本当に権利を制限したり、簡単に追い出せるものだろうか?
自分たちの“価値”を全欧州に分からせてやる、と決意した移民との、「対テロ戦争」の泥沼に陥るのではないか。
そういう問題提起を、改めて今一度、投げかけた作品ということなのだろう。
監督は、移民二世であるという。
日本も、「外国人受け入れ政策」を進めている。
日本にメリットがなければ、外国人は自ら逃げ出すだろうが、皮肉なことに、日本が魅力的なほど、欧州の現在は未来の日本となる。
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