轟音

劇場公開日:

解説

俳優としてインディーズや短編で数多く出演を重ね、自らも短編映画などでメガホンをとってきた片山享の初長編監督作品。ある日、兄が犯罪を犯し、父がそれを苦に自殺してしまった誠は、母に助けを求めるが、母は助けてはくれなかった。家を飛び出した誠は自分を傷つけてくれるものを探し求めるが、やがてひとりの浮浪者と出会う。その出会いをきっかけに、誠の生と向き合う音が静かに響きはじめ……。主人公の誠を演じるのは、片山が脚本・出演した映画「1人のダンス」で監督・主演を務めていた安楽涼。

2019年製作/99分/日本

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映画レビュー

5.0悲劇だが、完全な悲劇ではない。そこに希望があるってことなのか。

2020年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

あまりネタバレは書きたくないたちなのであれだが、映画全体は暗いし、重い。
でも、それは内容だけではなく、登場人物の佇まいもそうさせている。
とにかく俳優が良い。
いや、良いという表現も間違ってるかもしれない。
そこにいる人にしか見えない。
数人の人生を少しずつ垣間見ていく。
少なめのセリフ(監督は、普段生活しててあまり喋らないじゃないですかとだからセリフが必然的に少なくなるんですと。なるほどと思いました)の中に営みが見える。
背景を感じる。
途中まで観て、あーそういうことかと、背景を感じながら、人と人との距離感(精神的)にヒリヒリやドキドキしながら、あっという間の99分でした。
見ごたえ十分、最後まで重たい話ではあるが、後味が悪くないという謎。
そして、映画観たなぁって感じ。
韓国ノワールとか好きな人は特におすすめかも。
ラストシーンが凄いというかそうとうかき乱されるし、のめり込まされる、訳が分からんのが、なんの感情か説明できない感情が沸き上がり、泣く、という初体験をしました。
頭ではなく、心で感じる映画なのかもしれませんね。

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hanahana

1.5ドライで逆剃りは痛い

2020年2月18日
Androidアプリから投稿

怖い

単純

兄貴が何らかの犯罪を犯して逮捕され、それを苦に親父が自殺した家庭の弟である主人公が家を飛び出し彷徨う話。

母親と二人で訪れた福井地裁からの帰り道、兄が捕まったことで自分に及ぼす悪影響を不安がる主人公に自分で考えろと返す母。自宅に帰ると親父は首を吊っており母親は茫然自失。

主人公は家を飛び出しボコボコにされる為に、見ず知らずのイキッたおっさんにケンカを売るが、腕っぷしの強い浮浪者に助けられてしまい、勝手に後をついて行きストーリーが巻き起こっていく。

先のことを何一つ母親と話すでもなく飛び出して、ただの衝動だけという感じの割に長いこと口をきかない浮浪者と一緒にいるし、浮浪者も何がしたいんだか良く判らない。
そもそも、主人公の年齢や現在何をしているのかが良く判らないけど、高校生?金持ってなかったし。結構そこ大事だと思うんだけど。
浮浪者も雇い主も裏仕事している割に脇が激甘だし。

更には、まあ最後には絡むんだろうなとは思ったし、一応絡んだけど、半分は地方FMか何かのパーソナリティの恋愛話という…。

このパーソナリティサイドも含めて、登場人物達がことごとくまともに会話出来ないズレた人間ばかりで最後の展開になる訳だけど、この作品に恋愛話の必要性を感じない。
その前に何が有るわけでもないのに長く考えに耽るシーンがいくつか挟まれてチンプンカンプンな間があるのも良く判らなかったし。

主人公にしても最初の一晩以降、ラストの展開までは序盤の感情をおくびにも出さないし、詰め込み過ぎたのかブレたのか、何が言いたいのか良く判らず、雰囲気だけになっちゃった感じかな。

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Bacchus

4.0ある種の台湾映画のようだった

2020年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

自分は台湾映画ニューシネマの時代の映画が好きですが、それと似たような感覚があった。
自然的な演技や、空間の切り取り方。あまり会話しない役者たち。
決してわかりやすい表現をしている映画ではないけど、一つ一つの芝居を通して、受け取れるものが多く、見ている人によって物語がかわってくるような作品と思える。

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summeri

4.0芝居を見る映画

2020年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画は物語のためのキャラクターを俳優が演じているというよりかは、そこにいた人を切り取ったに近い感覚の芝居の力量でした。芝居の一つ一つの動きを感じるには劇場で見るのが一番良いですね。言語化しづらい感覚を映画を通じて受け取りました。それを自分で考えるのがまた楽しいですね。 映画も消費される回転が早いことが当たり前に時代に、すぐに消化されないこの映画はとても好き。

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summeri
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