「美しい映像の裏に、そこはかとない不気味さのある作品」映画 えんとつ町のプペル aim_33さんの映画レビュー(感想・評価)
美しい映像の裏に、そこはかとない不気味さのある作品
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渋谷でハロウィン後にゴミ拾い活動をされている西野さんに感銘を受け、それ以降陰ながら応援しておりました。
満を持しての映画公開。STUDIO 4℃さんの手掛けた美麗なアニメーションは圧巻の一言。
プペルにルビッチが「父ちゃんなの?」と呼びかけるシーン、
ラストでブルーノの記憶が戻ったプペルのセリフで合計二度泣きました。
……が、全編を通してどうにも”不気味”という印象が拭えません。
登場人物の掘り下げがほぼないので、感情移入できない上に
当初敵対していたはずの人物や街の人々が、あまりにも唐突に味方になって行く
ご都合主義の展開。
”挑戦者=絶対正義”という感覚が当たり前のものとして扱われすぎていて、
挑戦すれば、周りが自然と(なんの苦労もなく)味方になって行く。
しあわせにつながって行く! という図式が
何の疑問もなく、前面に押し出されている感が強く
「え? 味方になる理由なんて必要ないでしょ? だって正しいんだから」
と言われている気分でした。
※唐突に押し入ってくる挿入歌然り
飛んでくるメッセージが共通の価値観を
既に持っている人に向けてのものでしかなく
そこに迎合できないものは、異端だと言わんばかりの強い主張を感じて
夢と希望を教義とする集団の所信表明のような不気味さを感じた、
というのが包み隠さない正直な感想です。
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