「芸術への冒涜」映画 えんとつ町のプペル kana1812さんの映画レビュー(感想・評価)
芸術への冒涜
絵(背景)は綺麗。それで★1点。
一言で言うと、同調圧力に対抗する映画なのに、ここのレビューは「よかった」の★5つばかりで、同調圧力に対抗できない雰囲気が出ていて特大ブーメランになってて失笑。
ざっくばらんに感想を。
1個人の意見なので参考程度に。
ハロウィンの踊りの始まりは、CG綺麗だが色使いが奇抜で見てて引き込まれるというよりはしんどかった、観させられてる観が強かった、頼んでないのに。
カメラワークがとにかくダサく、。素人作品丸出し。
もっと奥行き感とか、楽しんでる傍ら汚れながら仕事をするプペルを手前でぼかしながらハロウィンの全貌を写して焦点切り替えるとかできなかったか。
hydeさんの曲まで使ってるのに非常に残念な出来映え。
序盤のトロッコで目まぐるしくかわる場面展開。
子どもは好きかもしれない。
ディズニーっぽさもあるかも。
でも、しかし。
それって絶対的に必要なシーンなのか?
物語を進めるうえでなくてならないシーンか??
この辺でもはや疑問がたくさん。
そしてちょっと疲れてしまった。画面に酔う。
登場人物毎の感想は以下。
◆ルビッチ
主人公はまっすぐで努力家。母想い。
しかし
想ってることを胸に秘めて行動できない。
友達がいないから、ごみ人間に友達申請する…?
動機が不十分で、展開に違和感が。
めちゃくちゃ魅力的かといわれると、そんなに惹かれない…
◆プペル
結局何者???最後まで分からなかった。
心臓は上から降ってきた。それは、父の一部?
心臓が何を表している(比喩)のか?
また、ブレスレットが脳にあったので、父がリンクするのはわかるが、では、プぺルが「すみません、わかりません、はあ…」みたいに言ってた人格は誰???
最後心臓がバーーーンと飛んで行ったが、あれはお星さまになりましたってこと?
成仏したのか?
せっかくの映画。動画なんだから、動きで魅せて説明するか、それが弱いならナレーションでもつけて説明してほしかった。
◆ブルーノ
まっすぐで嘘がつけない。キャラは立ってた。
結局異端審問会に処刑されたのか?わからず。
ガタイが良いのに喧嘩に負けるところが納得いかない笑
結局、酒場で聞いた噂話を信じて、観たことない星の話を信じ、言い聞かせてた(紙芝居をして子どもに夢を見せていた)とのことのようだが。
それって、物語の本筋として弱すぎやしないか?
◆スコップ
おしゃべりで動きもコミカル。
物語で重要なキーパーソン。
とてもよかった。声優もはまってた。
◆アントニオ
かつて夢をみていて、それをあきらめたから、
ルビッチが夢をかなえることで自分が否定された気持ちになるので、いやがらせをする。
でも、最後はルビッチの熱意に惹かれてそれを肯定する。なるほど。
しかし彼の心をそこまで動かした動機は???
ルビッチの演説?
ママとのやりとり?
心の変化をもう少し丁寧に表現してほしかった…
◆ダンさん
結局どうなってしまったの????
◆適役の吹き矢した煙突掃除屋
悪役。
なんとなく不思議なポジションを醸し出しつつも、ひっかかるシーンをちりばめて(ルビッチに警告したり、こっそりブルーノの仕立て屋に行ったり)悪い顔!身内にスパイがいる感じに、ちょっとワクワク。
吹き矢でダンさんを打ち落とすシーン。まったく迷いがなくて恐怖さえ覚えた。
ここまではよかった。
で…????
この人そのあとどうなった??
蒔いた種まきっぱなし?
お縄になるか、煙突掃除屋のみんなの前で詫びるシーンがあってもよかったのでは。
結局黒幕が雑な片付け方で、そこが気になってしまっていいシーンも入ってこない。
映画って全体に落としどころがないと、たった一つのほころびで印象が変わってしまう。
周りのスタッフはなにも言わなかったのか??
腐るお金Lの発想はよかった
レターポットの存在は聞いていたので話もすんなり入ってきて、スコップの表現もわかりやすかった。
でも子どもには難しい。なんせ展開が早い。説明の端折りがすごい。子どもは理解できない。
…
そして
途中の挿入歌。
J-POPの日本語歌詞がきつい。
ダンスロックな感じも違った。
(単純にアーティストとしての唄のうまさだったり声色は素敵。そこを否定はしてません)
物語とはまったくマッチしてなくて浮きまくって不思議な気分でしかなかった。
あそこのシーンでメッセージ性のある音楽は
いらない。。。なぜ採用した。。
ルビッチとプぺルの関係性の発展を絵や動きで魅せるなら、オケとか、なんならオルゴールとかの方がよかったのでは。
そして、終盤に向けてかなり駆け足な印象。
こんなんだったら最初のハロウィンやトロッコは要らなかったのでは。
最後の口上について。
煙の上で無煙火薬を、今まさに放とうとするシーン。
ここで異常なまでに語られる
永遠としたブルーノの口上。
きっと、きっといいことを
沢山言ってるんだろう。
心に響くことも言ってるんだろう。
でも、でも、、、、、
映画なんだから。
動きのある絵を、魅力的に魅せてほしかった。
細かく躍動感をもって作られてたように見えた、折角の最後のクライマックス。
正直、映像をもっとゆっくり見たかった。
そのあとでよかった。口上は。
なんなら、ルビッチとブルーノの過去の親子睦まじい姿(水彩や色鉛筆タッチのイラストでスライドショーのようにゆっくり)くらいがちょうどいいのでは。。
映画は同時進行なので、
もう、ごっちゃごちゃ。という印象。
伝えたいメッセージがあるのなら
聞き手がもっとも聞き取りやすく、
感じ取りやすく、
納得しやすいようにプレゼンするのが
提供者の務めだと思う。
分かってもらえなくてもいい、
自分はこう表現したいんだ!!
と思うなら、万人へ「大人も泣ける」「満足度100パーセント」と謳うのはやめた方がいい。
そして。
映画終了後にスタンディングオベーションで拍手してる人が1人。拍手してる人がその周り3、4人。その後、照れ笑いを浮かべて談笑。
鬱憤が溜まった映画の内容に加えて、
さらにがっかりした。
その拍手はいったいなんだ?
映画に「拍手をしてはいけない」という決まりなどないが、余韻はそれぞれで楽しんで欲しかった。
ググると監督がどうやら誘導しているようで。
固定概念を無くそう、勇気のいる一歩を。的な
さらに萎えた。
勇気出すくらいなら拍手なんてしなくても。
拍手は本当に心が動いた時に気付いたらしてるものではないのか。感動とは考えて計画してするものなのか。
まとめると。
第一に、物語があまりにお粗末。
第二に、映画の動きの良さを全く活かしていない。
第三に、音楽と映像の融合を理解してない。
第四に、拍手を「起こさせ」ている。
総じて、芸術を冒涜する作品。
期待していただけに、非常に残念。