劇場公開日 2022年7月15日

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「どういう年齢層を想定しているのだろう…。」ミニオンズ フィーバー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0どういう年齢層を想定しているのだろう…。

2022年7月17日
PCから投稿

今年207本目(合計483本目/今月(2022年7月度)19本目)。

ということでこちらです。ネットフリックス契約者は前作など見ることができるので予習でみていれば有利かな…というところです。
内容的には「おそらく」9~14歳くらいの子を想定して作ったのではないか…というところですが(「小学校」などが出るため)、後述の問題でこの年齢層には理解が難しいです。

ストーリーそれ自体は他の方が書かれているので、ものすごく気になった点を書きます。

この映画も含めて、海外のアニメ作品が日本で公開される場合、「建前上は」字幕版と日本語吹き替え版があるのですが、日本では「吹き替え版の資金回収」の論点があるので、実際字幕版の放映回数が異様に少なく(13回放送して、字幕0回、吹き替え版13回という映画館もある)、「事実上、日本語吹き替え版を見ることを強制されてしまう」現状は、一応趣旨は理解はしますが(吹き替えに要した費用の回収)、本来は視聴者の自由な選択に任せられるべきです。

その上で選択肢がないので日本語吹き替え版を見ると、これも???な状況になります。
吹き替え版なので日本語になっていると思いきや

 ・ 町の看板などが一部英語のまま、文全体で一部日本語、一部英語というものさえある
  (ただ、おもに街を舞台にする関係上、 Hotel だの Shop だのというレベルで、英検3級(中学卒業程度)で十分たります)

 ・ 物語中盤で中華街に行くシーンがあるが、「鍼灸院」の意味は想定年齢層ではわからないのではないか…と思えます。さらに「私は「はり」の達人なの」というセリフも、「はり」が「鍼」と正しくあてはめられるのはかなり難しいです。

 ・ この中華街のシーン、さらに「功夫武術」といった掛け軸がかかれているシーンがある(ここは吹き替え版だとそのまま)のですが、「功夫武術」は日本ではカンフー映画と、漢字の類推がきくことにより「ギリギリ理解できる」範囲で、これも何かならなかったのか…と思えます。

 一方、ストーリー的にはこうした年齢層を想定してやさしめで、物語が言わんとすることは理解はやさしいのですが、理解に妨げが出る映画で、9~14歳くらいの「おそらく想定されている年齢層」だと脱落者が続出しそうな気がします。
また、他の方も書かれていたとおり、「なぜかしら」この世界で関西弁(大阪弁)を話す人が出るのですが、かといって映画内で関西文化を参照するシーンもないし、私も大阪には10年近く住んでいて、ある意味地元(広島)より慣れてしまっているのですが、語彙レベルで難しい語(関東圏の方などわかるかなぁ…)も出てきます(出ても数か所でしかない)。
これもなぜに関西弁なのか謎です(日本とコラボしているといった事情もない)。

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 (減点0.8) いろいろ書いたのですが、結局のところ、海外アニメ作品は原作である字幕版を「正」としてみるべきであるのに、日本では「大人の事情」で吹き替え版を事実上強制される事情があり(大阪市全体でみても、字幕版を見たいなら1日に1本しかないのに、吹き替え版は各種映画館でのべ80本近くある、というちぐはぐさ)、さらにそこで「鍼灸」といった、想定年齢層がわからないのでは…と思える語(まさかこの映画、60~70代がターゲット…なわけないですよねぇ)が出るなど、「想定年齢層を考えると難しすぎる」という部分はどうにもこうにも否めません。

 ストーリーとしては本当に単純でわかりやすいのですが、ちょっと今後は、この手のアニメ作品はできれば避けたいなぁ…というところです。
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yukispica