ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価
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綺麗
複雑な心境に
4姉妹の子供時代のキラキラした感じも、大人になって色んな悩みを抱えている状況も、どちらも今の自分にとってはしんどく感じてしまいました。
子供の頃はジョーみたいに自立した女性になりたい、と思っていて。
そして現在ジョーが憧れた「自由な中年女」になっています…が、そんなにいいもんかしら?!?!
金持ちのイケメン(なんたってティモシー・シャラメ)にプロポーズされたい人生だった…
あぁ、なんだかモヤモヤしてしまいました。
でもジョーも一瞬血迷っていたしそういうところは共感だな〜
この映画は衣装もとてもよくて私は特にエイミーの服が好きです。
クラシックながらも現代っぽい感じもあり見ていて楽しかったです。
解説付きの特集をどこかでしてくれないかなぁ。。。
素晴らしかった。
昔も今も一緒のことがある。
まさに現代!
時系列の描き方が独特
沢山のシーンが心に残る
オルコットの原作は遠い昔に読んだ記憶があるが、卒読、濫読の学生時代だったので、内容については殆ど覚えていない。性格の異なる4人姉妹のありふれた青春模様を描いた小説だった印象はある。中心的に読んでいた明治文学の波乱万丈に比べて、平凡な日常が坦々と過ぎていくストーリーは退屈で、あらかた読み飛ばしてしまっていた。
本作品を観ると原作の「Little Women」は世界中で翻訳されているだけあって、人が青春時代に直面する普遍的なテーマに正面から取り組んでいる作品だと改めて思う。親の庇護を離れて社会に出ていくに当たり、自分はどのように人生を生きていけばいいのか。女が自立しにくい時代だから金持ちを狙って結婚するのか、結婚が女の幸せとは限らないと断じて独りで生きていくのか、または女優を目指すのか。
エマ・ワトソンが演じた長女メグの台詞に使われた「struggle」という単語が印象的で、もがくとか、あがくといった意味で使われるが、当方としては、山田洋次監督の「男はつらいよ」の主題歌に使われている「奮闘努力」という言葉を当てたいと思う。結婚に反対する妹のジョーに対し、メグは結婚して子供を生んでいろんな苦労をするのが私の幸せなんだと説明する。そのときに使われた単語が「struggle」であり、寅さんが歌う「奮闘努力の甲斐もなく」という歌詞を英語に訳したときに必ず使われるであろう単語である。
万感の思いを込めて妹に「struggle」と語るメグの表情は女の優しさに満ちていて、エマ・ワトソンの女優としての面目躍如のシーンである。鋭敏なジョーは人それぞれに多様な生き方があり、それは肯定されるべきなのだということを悟って、メグに抱きついて泣く。このシーンを観るだけでも本作品を鑑賞する価値がある。
隣はお金持ちの豪邸で、反対側には貧乏人のあばら家がある。これらのお隣さんとの関わり合い方もユニークで慈悲に満ちており、この家族の生き方は本作品を観たり原作の「Little Women」を読んだ世界中の人々に感動を与えたと思う。
本作品は青春群像の映画で、青春時代に抱くあらゆる感情、すなわち期待、羨望、失望、劣等感、優越感、嫉妬、侮蔑、怒り、憎悪、赦し、愛情、哀悼などが、喜怒哀楽が激しくて感情表現がストレートな4人姉妹によって矢継ぎ早に繰り出される。年配の観客は青春とはなんともはや忙しいものだと苦笑しつつ、自分のことを振り返って思い出を懐かしむだろうし、若い観客はまさに自分そっくりだと共感しながら彼女たちの生き方に固唾を呑むかもしれない。
文学作品だがテンポよくストーリーが進むので135分があっという間だ。演出も役者陣の演技も素晴らしい。沢山のシーンが心に残る、とてもいい作品だと思う。
懐かしさと、愛に包み込まれる映画
女性の自立が難しかった時代、それを成し遂げようとする次女のジョーと、個性豊かな四姉妹、温かく優しい母、時代背景を映すようなご近所の様々なご家族との交流が描かれた作品です。
ジョーがNYでの執筆活動に苦労しながら7年前の夢のように楽しかったマサチューセッツでの"少女時代"を回想しながら進む本編は、今の時代に生きる私たちにも通じる感情もあり、懐かしさがより込み上げてきます。
やはり見応えは少女時代の楽しい日々ですね!まるで子猫がじゃれあってるように可愛くて、思わず笑顔になってしまいます。
また衣装や当時の時代を映す映像が本当に美しく、海辺に遊びに行くシーンでは、あー、そんなドレスで海に行くのねー(^^;と、ルノワールの絵画だったか、海辺での貴婦人の様子を描いた作品で、ドレスで海辺にいた作品があったように記憶してますが、その絵画の人物が動くとこんな感じだったのかもな、とも思いながら見ていました。どれもとても美しいです。
やっぱり映画はいいですね!!劇場で観れるようになって本当に嬉しいです!
自立と結婚と幸福と
劇場で浸りたい良作
世界的に有名な「若草物語」ですが、恥ずかしながら読んだことはなく、四姉妹の物語であるということぐらいしか知りません。そんな状態での鑑賞でしたが、想像よりはるかに楽しめました。
主人公は、有名な作家になることを目ざす次女のジョー。物語は彼女を中心に描かれますが、その周囲の人物も決してただの脇役ではありません。姉妹のメグ、ベス、エイミーはもちろん、両親も、マーチおばさんも、ローリーも、隣人のお金持ちの老人も、作品の中のすべての人々が、実に生き生きと描かれています。そんな周囲の人々との交流が丁寧に描かれるからこそ、ジョーの生き様がさらに色濃く浮かび上がるような印象を受けました。
序盤こそ舞台背景や人物関係がつかめず、少々まごつきましたが、何度も何度もインサートされる回想シーンのおかげで、いろいろなことが明らかになってきます。これが、静かに降り積もる雪のように重層的に物語に奥行きを与えていく感じで、実に心地よかったです。おかげですっかり世界観に浸り、何度も微笑んで、何度も泣いて、何度も幸せな気分になりました。
作品としては、四姉妹がそれぞれの夢を抱き、現実と直面して悩み、自分の生き方を模索する姿を通して、自立して生きることの難しい時代の女性の生き方を描いているのかもしれません。しかし、それ以上に、家族とともにある幸せ、人との絆の大切さを堪能し、心温まるひと時を過ごすことができました。素敵な作品に出会えたことに心から感謝です。
ひさしぶりの映画館、待ちに待ったこの作品を!
大人になった4姉妹の今に、過去の回想が混じりながら、ストーリーは展開していく
ただ単に原作を実写化していないところが、新鮮でもあり、そして、4姉妹がとても生き生きと存在していて、昔の話を観ている感じがしなかったのもよかった
監督、脚本を手掛けたグレタガーウィグが、原作の時代や原作者を調べたと読んだけれど、確かに物語に新たな命を吹き込むような、今を生きる女性にも通じるストーリーを見事に作り上げたと思う
子供の頃の私は、ジョーが一番大好きだった
でも、その頃の私は幼すぎて、4姉妹の時代の女性の生きにくさを知らなかったし、あの頃の日本もまだまだ「女性の幸せは・・・」で語られる時代だったように思う
だから、気づいていないことがたくさんあった
大人になって見てみると、この物語の中に込められたいろいろなことに気づかされた
そして、決してたやすい生き方ではないのに、あの時代の中で、出来る限り自分らしく生きようとしたジョーが、やはり大好きだ。と思った
きっとそれは不器用な生き方なのだろうけれど
予告編にも入っているジョーの台詞
「女の幸せが結婚だけなんておかしい。そんなの絶対間違ってる!でも・・・どうしようもなく孤独なの」
(原語で見ると少し違うし、前の文章もありきだけど
Women have minds and they have souls as well as just hearts. They’ve got ambition and they’ve got talent as well as just beauty. I am so sick of people saying that love is just all a woman is fit for. I’m so sick of it! But—I am so lonely.)
今のように結婚も仕事も、なんて選ぶことも出来ない時代の女性であるジョーには、感じている違和感がイコール結婚を否定することになってしまうのだろう
けれど、今ならそうじゃないとは、正直思えない
素敵な家族物語と愛を知る物語
ラストの製本過程が好き
独身のまま終わるハッピーエンドの小説なんてあるか?という編集長の問いに、心の中で「アルプスの少女ハイジ」と叫びたくなったが、調べてみると、若草物語の方が先に発表されたみたいです。南北戦争時代、オルコットの自伝的小説が原作となっているのですが、まだまだ封建的な時代に女性の自立というテーマを盛り込んだ秀作です。
時系列をかなりバラバラにしてあるのですが、次女ジョーが髪を切ることを知っていれば理解できる範囲です。幼少期の無邪気な四姉妹のシーンがほとんどないので、それぞれの性格や趣味が確立されてからなのでわかりやすいとも言えます。
慈善活動や相反する社交界ダンス、そして父親不在の家庭をだれが支えるのかといった考え方も絶妙に描かれ、金のために結婚することへの問題提起など、女性目線で瑞々しく映し出されていました。
とにかく美しい風景(特に海岸)と見事な編集には驚かされたのですが、もう少しつっこんで女性の地位向上、婦人参政権の問題なども時間的には取り入れることができたと思います。ちなみに一番好きなキャラは長女メグ(エマ・ワトソン)!ジョーにしろエイミーにしろ、結婚してもケンカが絶えそうもない気がする・・・
尊すぎるわこの映画…
恥ずかしながら原作未読だけど、原作読者も4姉妹をこのキャスティングで想像してた人いないんじゃないだろうか。
姉妹が戯れる画だけみても西洋絵画をみてるような尊さ…そこにティモシーシャラメがスクリーンで見たことないようなおちゃらけ演技で出てくるともう尊すぎて頭クラクラしてくる…
「女性が幸せになるための結婚」を否定しながらも、「愛する人から愛され、一緒に暮らす幸せ」を肯定する尊さ。
自分の感情にも他人の感情にも嘘を付かない一方、「怒りに支配されてはダメだ」との教えにハッとする純心さを持つ少女の尊さ。
裕福であることが決して幸せとは限らない、としつつも、経済の格差が生死の格差にも直結していることをストレートに描いてしまう尊さ。
人の文化的表現的活動が、他人の心を動かすだけでなく、自分自身の癒しと成長にもなることを示す尊さ。
顔の造形以外にもいろんな尊さが味わえる尊い映画です。
愛に溢れる家族の物語
堪能した。
川崎の街は、すっかり人出が増えたが、映画館内は、間引きもあり、相変わらず快適だ。
作品は、若草物語の作者の家族を題材にした、女性の自立を語る物語。今の時代にあってるんだなあ、とアカデミー候補だったのも納得だ。
こういう、少し時代が前の映画というのは、衣装やセットに力が入っていて、見甲斐がある。本作も、その点も楽しい。
四姉妹が、それぞれの道を自分で切り開いていくこと、挫折や妥協も含めたそれらが、観ているこちらに、すんなり届くことが、この映画の一番素敵なところじゃないだろうか。何をなすか、よりも一緒懸命生きることが大切と、すっきり思えました。
その中での、恋愛。「結婚は重要な経済問題」と皆が理解している中で、愛があるからいいやと、愛のために何かを諦めるとか妥協するところもなく、自分には心地よい話でした。
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