ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価
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女性のみならず、不遇や抑圧に“弱い立場の人”が立ち向かう姿を描く人間賛歌
オルコットの半自伝的小説「若草物語」が原作。舞台となった19世紀半ばのアメリカで、女性はまだ社会的弱者であり、作家志望のジョーを含む四姉妹が社会の偏見や圧力に向き合い抗いながら成長する姿を描く。
そんな主題を継承する表現者としてグレタ・ガーウィグは最適だ。元々劇作家志望で、美人女優の立場に甘んじることなく脚本や共同監督などで製作にも関わり続け、「レディ・バード」で単独監督デビューし絶賛された。未婚のパートナー、ノア・バームバックとの間に子をもうけ、ウディ・アレンの「ローマでアモーレ」に関して「(性的虐待の)事実を知っていたら出演しなかった」と語るなど、生き方や発言に強さを感じさせる。
多様性が謳われマイノリティーの社会的受容が進んだとはいえ、#MeTooやBLMが示すように差別や不平等の現実は中々変わらない。そんな今、単なる女性映画に留まらず、普遍的な人間賛歌として観られるべき傑作だ。
劇場で優雅な気持ちで味わいたい「不朽の名作」! シーンが変わる際の「時間軸」には要注意
本作は、本年度のアカデミー賞で「作品賞」を含め、脚色賞、 主演女優賞(シアーシャ・ローナン)、助演女優賞(フローレンス・ピュー)、作曲賞、衣装デザイン賞の主要6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞しています。
見どころは多いのですが、まずは、何と言っても超豪華キャスト共演でしょう。主演の次女役のシアーシャ・ローナンはアカデミー賞の常連ですし、長女役のエマ・ワトソン、4女役でアカデミー賞にノミネートされたのは「ミッドサマー」の主演でも話題となったフローレンス・ピュー。そして、4姉妹の母親を本年度アカデミー助演女優賞を受賞(「マリッジ・ストーリー」)したローラ・ダーン、さらには4姉妹の伯母をメリル・ストリープという最強の布陣。加えて、男優も「君の名前で僕を呼んで」で脚光を浴びてアカデミー主演男優賞にノミネートされた、いま最も旬と言えるティモシー・シャラメが準主役級です。
「悩みが多いから、私は楽しい物語を書く」 L・M・オルコット
という言葉から始まる本作ですが、この人物こそが「若草物語」の著者名です。
そして、この「若草物語」という4姉妹を中心とした物語が「半自伝的な本」ということが、本作の作り方に関係しているのも注目点なのです。
最初は主人公の次女ジョーが「ニューヨーク」の出版社に原稿を持ち込むシーンから本編が始まり、長女のメグ、3女のベス、4女のエイミーの4姉妹がバラバラに登場するため状況が少しだけ分かりにくいのですが、すぐに「7年前」の4姉妹が「マサチューセッツ」で一緒に暮らしていたスタート地点に戻るので、頭を整理することができます。
ただ、その後にまた「ニューヨーク」にいるジョーのシーンになります。
このように、時間が「今」と「7年前」のように行き来するため、劇場ならではの集中力が少し必要になります。
しかも、本作が独創的なのは、時間軸を「7年前」といったように示すのは最初の1回だけで、あとは観る側に委ねる点なのです。
そのため、例えば、最初は「ニューヨーク」と「マサチューセッツ」という場所が時間軸を判断する上での助けになります。
また、本作では「今」と「7年前」の間を埋めていくため、例えばジョーが居眠りをする時や歩いている時、立ち止まった時などに、昔のシーンに戻っていたりもします。
つまり、観る際には「時間が行き来する作品」だと最初に分かっていると、場面転換の時に「今はどこ?」と確認することで混乱せずに物語をつなぎ合わせことができるのです。
逆に、この視点を持たずに観てしまうと「起承転結」さえも見えずに、ボンヤリとした作品だと感じてしまうことにもなり得るわけです。
頭を整理して美しい全体像が見えた時には、なぜこの物語が今の時代にもシンクロしているのかが分かると思います。
いつの時代も人間の感情の本質は変わらないものなのです。
この映画は、必要に応じて時間を行き来させる手法により、物語を重層的に広がっていかせることに成功し、観終わった後は多幸感も広がっていく名作だと思います。
(評価を4.5にしたのは、時間軸の話を事前に知らないと混乱する人が出かねないためです)
おとぎ話のような風景の中で繰り広げられる四姉妹の青春劇
これまで「若草物語」にはあまり興味が湧かなかったのだが、本作は第92回アカデミー賞6部門ノミネートで衣装デザイン賞受賞ということと、なんといっても豪華キャストに惹かれて鑑賞。
観始めはちょっと複雑な時系列のストーリーに置いてきぼりにされ少々困惑したが、じきにペースがつかめその後はゆったりと鑑賞できた。
おとぎ話のような風景の中で繰り広げられる四姉妹の青春劇は、甘くそして切ない。気がつけば自分が四姉妹の父になったがごとく目を細めて観てしまう。
たくさん好きなシーンはあったが、特にベスのピアノをベアが奏でたシーンは涙なしには観れないほど良い。製本工程もなんだかじんわりとくる。
もちろんとてもつらく悲しいシーンもあるのだが、観終えた時はとても心が澄んだ気がした。やはり名作だ。
背景は美しいが配役が合わなかった
ジョー役 ふけすぎ
エイミー役 もっとふけてるしかも太りすぎおばさん
メグ役 彼女がジョーっぽい
シャラメ←彼の作品2作目だけどほんとにすきじゃない アメリカで旬の若手らしいがなぜなんだ?
早送りだし最後まで見なかった
話が面白くないなら役者が好みじゃないと集中できなくなってしまった。
四姉妹が楽しくウェイウェイしてるのを延々とみていたい😁
ストーリーオブマイライフとてもよかった🤗
四姉妹が楽しくウェイウェイしてるのを延々とみていたかった
時代感とか衣装がとてもいい💃💃💃💃
最近はやりの『自立した女性かっこいい!』映画なのかなと思って見てたけど、ジョーさん色々とへこむことがあったら『メチャクチャさみしい🥶!』とか言いだして『昔告ってきたあいつならワンチャンあるかも🤔!?』って手紙書き始めたときには思わずズコー!ってなった✌️👁️👄👁️
しかし『本気出せば大抵の女はいけっから』みたいな顔してシャラメってるローリーに本気めのグーパンしたり豪快に振るなど全体的にはジョーさんポイント高いので良かった🥳
ローリーは振られたあと吹っ切れた感じでジョーさんに背を向けティモティモ歩きだすんだけど、ジョーがまだ言い残したことがある感じで呼び止めるとすごいスピードで振り返って戻ってくるとことかも良かった🥳
四姉妹の成長物語
恥ずかしながら「若草物語」は初見。小説でもアニメでも見たことがなかった。この映画は、第二部を映画化したものらしいけれど、四姉妹ならではのかしましさ、喧嘩や対立、優越や嫉妬、愛情表現が豊かに盛り込まれていた。父親の従軍、四姉妹の適性、舞踏会、男女の格差、ローリーを巡っての恋の三角関係、小説に何が求められているかなどなど、原作がしっかりしているだけに、現実感と見ごたえがあった。
それぞれが、成長してメグは結婚、ベスは病死、エイミーはローリーのプロポーズを受け入れ、ジョーはどうなるかっていう所で、小説の成功、フレデリックの訪問と彼との結婚と、ハッピーエンドになって良かったって素直に感じた。それぞれが、波乱万丈、恋愛や結婚もストレートには行かない、でも、幸せに向けて直向きっていうところが、人気が出た理由なのだろう。
現代の映画のストーリーに比べると、日々の生活に根差した人間の成長が描かれていて、単なる奇抜なストーリーに陥らない、力強さがあった。
アニメの若草物語しか知りませんが
ジョォの原稿シーンから始まるんだと見ていて。最初の章部分かな?ってみてたら、アニメのナンとジョォ先生との間の部分ですね。
とにかく良かったです。アニメだと、勝ち気で男勝りってイメージが強かったですが、とにかく、可愛くって可愛くって。やっぱり原作読まないと駄目ですね。
ベスの死やらローリーとジョォとエイミーの関係やら。見ていて、懐かしい部分と切ない気分が混ざっていました
見て本当良かったです。
4人姉妹、それぞれの自立と結婚観。
有名なオルコットの自伝的小説『若草物語』を新しい視点で実写化。
監督・脚本はインディーズの女王・グレタ・ガーウィグ。
はじめてメジャーな大作を監督しました。
主演はシアーシャ・ローナン。
(出来る女なら、任せといて・・・ねっ!)
監督と主演のシアーシャの2人はmee too運動の騎手のイメージそのものなので、
溌剌と生きる小説家志望のジョーの生き様が鮮やかに浮かび上がる傑作に仕上がりました。
時代は19世紀半ば、南北戦争時代のマサチューセッツ州ボストンです。
マーチ家の4人姉妹の次女ジョー(シアーシャ・ローナン)は、作家を夢見ています。
冒頭から出版社に小説を持ち込むシーン。
作者は自分(女性)とは決して名乗りません。
女が小説を書くなんて・・・そんな偏見の根強いアメリカ出版界でした。
この時代女性が表現者として認められることも、経済的に自立することも困難だったのです。
でもジョーは信念を変えません。
たとえ隣家のローリー(ティモシー・シャラメノ)が、どんなにジョーが好きでも、夢の実現のため、文学修行のためニューヨークに勉強に行ってしまうのです。
「若草物語」は女の子の定番の小説。
私も子供の頃、メグ、ジョー、ベス、エイミーの4姉妹のストーリーに夢中でした。
ジョーは私のヒーロー。ローリーとジョーのロマンスに本当にヤキモキしました。
そしてベスの病に心を痛めました。
家計を助けるために長い黒髪を売ってお金を渡すジョーのエピソードにどんなに驚いたものか・・・
鼻の低いエイミーが洗濯バサミで鼻をつまんで寝る姿は、鼻の低い私も真似したものです。
それにしてもちゃっかりモノのエイミー。
お金持ちの叔母さん(メリル・ストリープ)にくっ付いてロンドン遊学とは、まったくモー!!
ジョーの気持ちを考えなさいよ、ねーっ!!
(まだまだお金持ちと結婚するのが一番の理想で、女の幸せ・・とされた時代です)
だからこそ、自立した生活を目指すジョーがひたすら格好いいのです。
ティモシー・シャラメ君はシアーシャには、ちょっと軽くて若くてお茶目で、弟みたいでしたねー。でもトビキリの美形でチャーミングでした。
おまけにエイミーとローリーは???なんですよ、いつの間にか!!
ベスの重病、戦地の牧師のお父さん。慈善家の優しいお母さん。
19世紀半ばのアメリカの生活や女の子の生き方や衣装・髪型・インテリア。
お父さんが留守の家庭の心細さや寂しさ。
「若草物語」の4度目の映画化は、ジョーが小説家になるまでの物語。
女性の自立は永遠のテーマですね。
細やかな日常を描いていて、辛い戦争やベスの病気が影を落とします。
それでも4人姉妹は志たかく、それぞれが輝いていました。
すべての女性にオススメです。
過去鑑賞
リメイク版。 少女時代の小さい可愛らしいエイミーのイメージが合って...
リメイク版。
少女時代の小さい可愛らしいエイミーのイメージが合ってなくて残念。キャストの4姉妹の雰囲気は旧作の方が好きだな。
時代が行ったり来たり交錯しますが、ストーリーの構成、展開としては良かった。女性の立場、将来や現実も描かれていて、現代に通じて伝わってくるものがある。
お隣のフローレンスさんがベスのピアノの音色に寄り添うシーンが素敵でした。
総じて、ルロイ版の方が好みかなぁ…
「若草物語」は、
49年公開の
「哀愁」「心の旅路」のマーヴィン・ルロイ版と
94年版に続いての3作目の観賞。
キネマ旬報では
一番評価の高い「若草物語」映画だが、
最も映像美に溢れた
最も映画らしい「若草物語」と言えそうだ。
時系列を複雑に入れ換える構成で、
四姉妹の資質と感情を丁寧に細やかに
描いていたのではないだろうか。
ただ、作品に深みをもたらした
その複雑な構成だが、
私は前2作品を観ていたので
何とか時系列を判別出来たが、
初めてこの「若草物語」に接した方は
各場面がどの時点での描写なのかに
戸惑いを覚えたのではないだろうか。
また、名優メリル・ストリープの
配役はどうだろうか。客寄せ以上には
あまり彼女を使う必要性を感じなかった。
例えば、藤沢周平原作映画
「たそがれ清兵衛」での岸惠子や
「山桜」での富司純子のように
作品の肝の部分で
印象的に登場させる邦画の方が
この点では優れているように思う。
また、理解不能なのは
ローリーの想いなのだが、
彼が最も恋愛感情を抱いたのは
ジョーだとしても、
全姉妹に興味を持ち続けたようにも描かれ、
彼はキリスト教的慈愛に満ちたマーチ家
そのものに恋していたようにも感じられる。
それはキリスト教思想が
色濃く反映された結果なのだろうか。
原作ではどのように
彼は描かれているのか知りたいところだ。
ベス以外の三姉妹は結果的に
金銭感覚に支配されない結婚を選択する。
そこに原作者オルコットの
女性の自律的期待を感じるが、
この映画では更に一歩進んで
女性としての選択と言うよりは、
人間のそのものの尊厳的選択を感じて欲しい
との作り手側の意思があるのだろうか。
原作がどんな点にウエイトを置いて
書かれたものかは分からないが、
多分にこの映画は
男女間の垣根を取り払うべく
今風に昇華させた作品に感じる。
一方、ルロイ版は、エイミーとローリーの
パリでのシーンを全てカットするなど、
大胆な話の集約と演劇的デフォルメ手法で
まとめた印象だったが、
特に、
「私のベス」とした題名本の出版交渉は
ベア教授を通して行われたとの改変で、
彼が終盤マーチ家を訪れるのは
出版された彼女の本を持ってきたためという
愛の成就の感動的なラストシーンは、
「ストーリー…」とは異なる設定の
見事なまでに磨き抜かれた
脚本の賜物だった。
残るは33年の
キャサリン・ヘップバーン主演で
「マイ・フェア・レディ」の
ジョージ・キューカー版「若草物語」だ。
観る機会があれば嬉しいのだが。
読んでないと全くわかりません
現在と過去が行ったり来たりで、且つ服装や画像も変化ないので全くわかりません。おまけに背景や伏線も描かれないので、場面が変わるたびに「なんで悲しんでる?」「なんでくっついた?」「この二人の関係何?」みたような謎が次々と出てきます。
途中で一回止めてWIKIのあらすじ読みながら観ましたが、画像の説明のみで背景の説明はないので、それでもやっぱりまるでわかりません。
まあ、超有名小説だから読んでない方が悪いんでしょうけど。
「坊ちゃん」読まずに映画だけ観て「わからない」なんて言ったって「オマエ馬鹿か?」ってことですからね。トホホ
製本、装丁シーンに感動した
昔の本ってこんなに作るのが大変だったのだと衝撃を受けました。
考えてみれば全てが活版。。。それだけでも大変な作業。。。
装丁の際に革を使っていたのにも驚き!!
物を大切にしなければいけない。と改めて考えさせてくれました。
ハウス「愛の若草物語」の最終回でエイミーが将来ローリーと結婚する的なことを言っていたのを思い出し、びっくりしたのを思い出しました。30年の時をかけてやっと真相を知りました。
原作読まなければ。
絵画の様に綺麗な映像。
主演女優も美し過ぎる。
ちょっと前に映画館で見たが、その時は時系列が理解できなくて、寝てしまった。Amazonで配信が終わると言うので、見てみた。
ベスの女優さんが『ベビートゥース』の主人公だと気が付いた。
そう考えると、キャスティング凄いんですね。どこかで見た俳優ばかりだと思ったら、好きな映画に出ていた俳優ばかりだった。
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