劇場公開日 2020年6月12日

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「いい映画だと思う」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 侍JAPANさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5いい映画だと思う

2020年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

当方、60代の爺さんですが、姉妹や従妹が多かったおかげで、子供のころにこの原作や続編、また同じ著者の「八人のいとこ」シリーズなどだいたい読んでいます。また1949年の映画(エリザベス・テイラーがエイミー(鼻に洗濯ばさみ‼)を演ったやつ)も見ています。

まず弁護しておきたいのですが、全体にニューイングランドの白人中流家庭のいやらしい道徳観がプンプンしているからと言って顔をしかめてはいけません。また勉強はできるが不細工でもてない女子学級委員長の白日夢だと軽蔑してはいけません。キャラクター設定が類型的だと嗤ってはいけません。ご都合主義的なストーリーから逃げ出してはいけません(さすがに主人公の取ってつけたような結婚には、楽屋落ち的な言い訳があったが)。

このドラマの時代は、日本でいえば幕末からせいぜい明治維新で、オルコットは江戸時代の生まれですよ。現代ではばかばかしく思えても、その時代では輝いていたはずですね。

むしろ、現代では退屈で凡庸なお話をこれだけ面白くできた、脚本・演出・演技(特にシアーシャ・ローナンとフローレンス・ピュー)を称賛すべきだと思います。映画芸術という表現形式の偉大さを強く感じられた作品でした。

侍JAPAN