WAVES ウェイブスのレビュー・感想・評価
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音楽がいつも側に。
とても良かった。
子ども側の気持ちにも、父親側の気持ちにもなれて
苦しかったけど、
どれだけ苦しい状況でも希望を感じられてそれが美しく、
家族がどう言う結末を迎えるのか最後まで集中力切らさず
観る事が出来た。
レスリングの優秀な選手の息子が、
一つの怪我から歯車が狂って行くのだけど、
息子だけが悪いわけじゃなく、
自分も少なからず親から期待はされて来た記憶があるから、
親父からの期待と言う名のプレッシャー、
道を踏み外すなと言う視線、
胃がキリキリした。
暴力はダメだけど、なんとなく気持ちは分かる。
演出として、その後息子の顔を出さないのも良かった。
2部構成になってて、
後半は妹の話になるのだけど、最悪な状況で現れた
ルーカスヘッジスの安心感。何も知らずに近づいて来たのか
と思ったら全て知っててと言うのが憎い。
まるで天使。
壊れて行く父母の関係性の中、心の拠り所になったと思う。
兄貴が次から次へと悪い事が重なるのとは逆で、
悪い状況から少しずつ上がって行けるのかな?と言う
雰囲気が救いだった。
父親との釣り場での会話は父親目線でとても感動したし、
自分も父親として家族に危機が訪れた時どう立ち回るべき
なのか、こんなマッチョな父親ではないけど、
やっぱり家族と共に脱したいな思いました。
父親も頑固で自分が正しいんだと言う自己中な男かと
思ったら家族を守るために不器用ながらに、
言葉通り頑張って父親を演じてたのかと思うと、
一番感情移入できるキャラでした。
見事なまでの‼️詐欺映画❓‼️みんな騙されたtぴょん❓
期待の作品
不完全燃焼だが良作
映像の色彩で主人公達の心情を語る繊細で凄惨な青春譚
裕福な家庭で育ったフロリダの高校生、レスリング部のスター選手タイラーと妹エミリーの物語。厳格な父の期待を一心に背負うタイラーは成績も優秀で毎日何不自由ない生活を謳歌していたが厳しいトレーニング中に肩を負傷したをきっかけに成功の階段から足を踏み外してしまう。一方のエミリーは兄の挫折をきっかけにして自分を見失い心を閉ざすが、そんな彼女に優しい手を差し伸べる影があった。
タイラーを見つめる物語とエミリーに寄り添う物語の語り部になるのが豊かな色彩。ため息が出るほど美しい映像の翳りが主人公の心情を饒舌に語るかのように胸に響きます。暖かいはずの家族の中で孤独感を募らせるエミリーの姿には『はちどり』の主人公ウニと同じような悲哀が滲んでいて、一つ屋根の下にも断絶が蔓延るという現実を突きつけられてうなだれましたが、それだけでは終わらない希望がしっかりと刻まれている結末に救われました。
所々👍
栄光からの挫折物語かー なんて思ってたら 全然違った その視点で描かれる話はたしかに珍しいし 意味ある事だと思う
所々のショットはとても美しいのだが 全体としては間延びしてるのも感じた
どんな場面も不安感を漂わせるのは題名の如く成功はしている
この画面の美しさは日本のアニメを実写化したような感じ 心情もナイーブに描いている 流れる曲もだが 日本アニメの世界観の影響 というのが 本当に世界に浸透しているのを感じてしまう最近
好きな場面は 最初のダイナワシントンに合わせての鼻歌が上手い そして 兄と恋人のグランドで練習中に目を合わせる所 妹にルーカス ヘッジが「fuck 'em」と言わせる所
あのルーカス君はたしか 練習で兄にぼこぼこにされてた後輩?でしたよね?違うかな
題材として深いし二つの物語を見たような気になって 疲れました 日本のアニメ云々言いましたが これは日本のアニメは扱わないテーマです
妹が無垢な少女から恋を知って 家族の問題で悩む‥‥それを見事演じていて この役者はまた見てみたい
かといって 5つ星4つ星にはならないもやもやが残るのも 扱う題材が答えのでる問題ではないこと 題名通り ゆらゆらとさせる事なら監督の狙い通りなのかも知れない
その先で見出す思い
公開延期後に優先順位が下がってしまい、とうとう見逃したと諦めかけていた本作を、そのまま観ずに終えていたら一つの大きな感慨を享受せぬままだったという事であり… 今年の期待作、やはり反響が大きい話題作だけの事はあった訳だ。
兄と妹、物語のA面とB面、主人公が異なる構成が、新たな別視点で後半を没頭させられた要因だ。喜怒哀楽全てに、独特な輪郭を浮かび上がらせる演出と特徴的なカメラワーク、楽曲の選定と散りばめ方や効果的なフォーカスにセンスが光る。トレント・レズナーがスコアを担当していた意外性、同時に振り返ると妙な納得も植え付けられた訳であり、やはり彼の仕事は秀逸で幅が広い。登場人物や土地柄の絡みで、現代を代表するラッパーの楽曲使用は、すんなりとフィットする事に納得も、個人的にはAnimal Collectiveなど、他所の作品と一味違うラインナップが新鮮だった。絶頂から一転、深い哀しみを内包した作風で、ここまで多様性ある音楽を選び抜いた監督の思惑に脱帽し、全く新しい感動へと結び付く所以である。是非とも、LPでアルバムが出る事を期待したい。
A24
スタイル重視で薄っぺらい映画
吐き出して飲み込む
青春時代の誤ちと再生の物語。と、そう言い切って受け入れて感動して終わり、とはなかなかいかない絶対的な気持ち悪さのある映画だった。
兄パートのとんでもない胸糞悪さを妹パートが見事に綺麗にカバーしてくれる。
前半のストーリーに全くノレず、いよいよ感覚が鈍ってきたかしらと悲しくなっていたけれど、後半があって良かった。
大きな亀裂が入ったとき、それを埋めるには時間と対話と外の世界が必要。
一度吐き出して、もう一度飲み込むこと。
ぐちゃぐちゃに踏みつけて、もう一度拾ってみること。
人生の常、人間関係の常なのかもしれない。
エミリーにルークがいて良かった。
崩壊した家族が少しずつ修復されていく過程が好き。どうしたって自分に重ねてしまうじゃない。
ルークと父のやり取り、エミリーと父のやり取り、夫と妻のやり取り、どれにも胸を打たれる。軽率に涙ポロポロ溢してしまう。
ただし、私はこの映画はかなり気持ち悪い作品だと思っている。
まず、被害者側への気持ちがどこまで行っても見えない。
どれだけ時間をかけてもどれだけ対話を重ねても、愛する人と再生する機会を永遠に奪われてしまった家族のことを忘れてはいけない。
アレクシスが妊娠したとき、彼女の家庭ではどんな言葉が交わされたのか。どんな気持ちで未来を決めたのか。
考えただけでゾッとする。
身勝手で自分本位で、それでいて可哀想ヅラをせんとするタイラーが終始嫌いでしかない。
そもそもなんかギラついてて怖いしうるさいパリピだしすぐ怒鳴るし、事件が起きなかったとしても一生関わりたくないタイプである。
演出のわざとらしさも鼻につく。
かっこいい音楽にかっこいい映像、弾け飛ぶような完璧なマッチング。それ自体はとても好き。
でも、本当にそれで良いの?という気になる。演出、合ってなくない?ウォウウォウ。ドヤドヤしてるだけになってない?ウォウウォウ。
車内をぐるぐる回るカメラ、高揚しきったタイミングで効果的に入るくらいじゃないとただ酔うだけなのよ。
ただの青春映画で終わらせないことが目的なら、かなりの成功作なのかもしれない。
事件が起こるまでを丁寧に観せることでありったけの重さを孕ませ、キラキラした空気を気味悪く感じさせる、そんな計算があるのかもしれない。
ドン引きレベルの罪悪感を負ったあとでも恋愛事には軽率にキュンキュンしてしまうので、なんだかんだ面白く観られたけれど。
記憶には残る映画だけど
だからWAVE "S" だったのか。
この監督、テレンス・マリック監督の撮影アシスタントだったんですね。溶けそうな光が主役の映像美、しっかりと継承されていて既視感を覚えました。ストーリー自体は一歩間違えばとてつもなく泥臭い方向へ流れそうなのですが、どの部分を切り取ってもvideo art作品として成立しそうな美と音楽に相当助けられていると感じました。
予備知識なく見たから、悲しいだけの初めのWAVE が去った直後は虚しいだけでした。男って、どこまで馬鹿なの?子どもなの??自分中心なの???(怒)・・・・・・
マッチョな父、人一倍マッチョを貫かないと黒人がある線以上の水準を維持して生き抜くことが、BLMが叫ばれる今以上に難しかったのではあろう世代。でも子どもは自分のカーボンコピーじゃないんだよね。なのに、子どもは親を失望させたくなくて、悲しくも隠し事を続けて、取り返しのつかない位こじらせちゃう事って、万国共通なのだと思います。成功している親だって、人として絶対的に不完全な存在なのだと気づける年齢はせいぜい20代半ばかしら。
予備知識なく見たから(しつこいですね)、SECOND WAVEがあって、本当に救われました。エミリーは、まるでみんなのお母さんみたいでしたね。兄をフォローして抱きしめ、父を慰めて抱きしめ、ボーイフレンドの死に行く父親の最期も抱きしめ。継母も、夫よりは遥かに大人でしたね。男って、とにかくお子ちゃまなんです〜、っていう通奏低音を感じました。
それにしても、高校生の飲酒運転、ドラッグ、なんとかして!!
タイトルなし
MVのような映画
本作のキャッチコピーよりも、ティミーと並んで好きなルーカス・ヘッジ...
本作のキャッチコピーよりも、ティミーと並んで好きなルーカス・ヘッジズと、Netflixの「ロスト・イン・スペース」に出ていた
テイラー・ラッセルを見られるのを楽しみにしていた作品。
のっけから、重低音が体に響き、音響の良さに驚きました。
渋谷パルコのWHITE CINE QUINTで鑑賞したんですが、他のスクリーンでもやはり、重低音は凄かったんでしょうか??
音は良かったです。が、知っている曲がほとんど無かったせいもあるかもしれませんが、本作の選曲は全くのれませんでした。
そして、それは作品にも当てはまり途中から観るのが飽きてしまった。
ルーカス、なかなか出てこないし、、
親子の問題、家族の絆、差別心、希望、そして宗教≒聖書。様々なテーマが盛り込まれている。
暗めのお話しは色々と考えるきっかけをもらえるので好きですし、本作で語られるテーマ1つ1つが非常に重たくて暗い。
それを払拭するように、色鮮やかな色彩や映像を差し込むのはテーマとの対比を描いていたのかもしれません。
そこに共感出来ればよかったですが、自分は全く共感出来ずでした。
シュルツ監督の前作も合わなかったので、
相性があるんだなぁ。
好きなシーンもありました。
ダイア・ワシントンの“What a Difference a Day Makes”が流れるシーン。
劇中で全く違うシチュエーションでこの曲を流すその対比的な描き方は素敵だった。
そしてルーカスとテイラーの演技は素晴らしかったなぁ。テイラー・ラッセルの聡明さが表情ににじみ出ていて、、
最初はあ〜あ,やっちゃったかなぁ⁈何て思いきや否や…
美しい映像と音楽が紡ぐ驚きの展開が引っかかりも含めて心に残る
極上の映像と音楽が奏でる裕福な家庭での黒人兄妹の青春物だと思うと結構ヘビーで意外な展開があり一筋縄ではいかないのには、驚くと同時に居心地の悪い感動?をもたらしてくれる。
トレイ・エドワード・シュルツ監督の作品は初鑑賞だが、明るいフロリダの太陽の下で、兄とその恋人に起きるドラマの流れは、不安要素含み、鎮静剤中毒に陥る雰囲気や中絶反対派とやり取りなどで、サスペンスホラーなどを過去に製作していた様子が伺えて、大切な人を失ってしまう展開とテイストなどは、今作の製作会社のA24の怪作ホラー「ヘレディタリー継承」の展開を思い起こす。
だから妹が道中に車の窓から身を乗り出す場面に不必要にドキドキした。
人物の心情を画面サイズによって表すところやパトカーの回転灯の光と音が被さる心情演出や心情寄り添う音楽も効果的。
ネタバレあり
気になるところは、レスリングで優秀な選手である兄が、精神的に追い詰められて薬物依存になっているとはいえ、妊娠した恋人に暴力を振るって結果的に殺人を犯してしまう展開は、かなりドン引きしてしまう。もちろんそれ相応の罰を受けるのだが、相手側の残された家族の様子なども重苦しくて拒否反応を持つ観客も居ると思う。それも含めての人生の波を描いているが、最初に記した居心地の悪い感動だと提示している。
主役の家族は、有色人種だが、裕福で特に差別的な扱いを受けずに暮らしている様に見えるが、産婦人科の前で抗議をする中絶反対派の女性が、アフリカ系の兄に対して蔑称の言葉を使い激怒させる場面でアメリカのリアルを垣間見せる。ただ、兄妹ともに恋愛関係に落ちるのは、それぞれ違う人種なので差別は超えられるとの作り手の思いも感じる。
前半で目立たない妹が主役になる後半は、学校で居場所がない自分を受け入れてくれる恋人との交流を通じて互いの家族との再生の物語として機能には希望の波を立ててくれる。
引っかかりも含めて心に残る作品。
ポスターやコピーに惑わされないように
アメリカ版君たちはどう生きるか
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