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山田礼於監督はフリーランスの映画監督、TVドキュメンタリー作家、大学時代テレビ朝日でずっとADをやっていたそうで、ドキュメンタリーの撮り方はTVスタイルから学んだそうです、3年、100回を超える片渕監督への取材、全国各地の劇場廻り、ファンとの交流の様や原作を掘り下げたロケハン、音響効果の工夫などメイキングを含めた数々のエピソードは素晴らしい。片渕監督は広島の平和記念式典にも参加しており、まさに後世に伝えるべき平和を守る作品を創るにふさわしい偉人ですね。
驚いたのは片渕監督は祖父が映画館をやっていたので幼いころから映画漬け、なんと2歳7か月で、東映動画の「わんぱく王子の大蛇退治」を観たことを覚えているという、私も映画好きの両親に連れられてよく映画を観たが記憶にあるのは小学生になってから、やはり、片渕監督は天才かも・・。
エピソード中でも興味深かったのが全国89館150回以上観て回り記念のファンアートを描いた水口さんと言う、のんちゃんファンの存在、秋田と埼玉の映画館のキャラメル・キャンペーン。実は私はマンションの映画鑑賞会のボランティアをしていてこの映画を上映した時にお茶菓子に森永キャラメルを用意していましたから、実際の映画館でやっていたのを知って思わず溜飲がさがりました。(私的な話でごめんなさい)
原作が漫画だから絵コンテが既にあるようなものでアニメ化は簡単ではないかと思っていたのですが甘かった。
着物の柄を描くのに着物に詳しい8人のスタッフを雇ったとか、描かれている場所の現地視察、相生橋や浦賀水道、呉の町を一望できる高台などのロケハンの綿密さには頭が下がりますね。音響効果も呉の町に響く砲弾の音はリアリティを出すため自衛隊に収音に行ったという熱の入れよう、これらの裏の努力は本作を観て知りましたので、もう一度本編を観たくなりました。他にも、おまけのようなものだが秋田の映画館御成座のペットの兎てっぴーちゃんや片渕監督の愛犬トントンちゃんなどのインサート、山田礼於監督の優しい遊び心、センスを感じました。ドキュメントをエンタテインメントまで高めた傑作でした。