「頑張る人には誰もが優しい」ステップ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
頑張る人には誰もが優しい
全裸監督が面白かったのもあり
山田孝之・國村隼が出演となれば観てみようという感じで観賞
感想としては期待通り
両名の高い表現力を堪能しながら
優しさに溢れた良い映画でした
主人公の武田健一が娘の美紀が2歳の時に妻朋子が急逝
親戚関係も引き取る話も出るが健一は妻に誓いを立てる
かのように美紀を一人で育てていく決心をします
その決心は揺らぎながらこれでいいのかと自問自答しながら
月日は過ぎていきます
周囲の人々はそんな頑張る健一に好意的で協力的
朋子の父も健一に新しい人が見つかるとこまで応援するほど
そして奈々恵という死産で家庭が壊れてしまった経験を持つ
女性と仕事の中で知り合い距離を縮めていきます
しかし美紀は素直に受け入れることが出来ませんでしたが
徐々に変わっていきます
シングルファザーの子育ては現実的には大変だと思いますが
映画のテーマ的には結構見られる感じがしますが
これを山田孝之らが演じるとずいぶん違って見えました
登場人物がそれぞれ心に傷を抱えながらそれでも
頑張り続ける健一に優しく接しますが
こんなに優しい人ばかりじゃないと思う人もいるでしょうが
だいたいそういう人たちは事情を知らない無神経な人間しか
いないのでわざわざ出す必要もありませんしね
ただ気になったのは終盤健一が位牌の前で朋子と
「交信」してしまうシーン
再婚することなどに直接答えを貰ってしまうのですが
ここがちょっと不要だったかなと思いました
だって答えを聞けないから精一杯頑張ってきたのであって
ましてやその答えが健一の想像だったとしたら
意味が変わってきてしまいますし
ここはちょっと蛇足だった気がします
朋子の美紀への思いをそれぞれの生きている人達が
それぞれ考えて支えた
そこまでの描写で充分だったと思います
と言う部分もありましたが全体的には良かったです
題材にこだわらず演者で観てみるのも良いなと思いました