劇場公開日 2020年7月17日

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「【若くして妻を亡くした男と彼と関わる"家族"が、遺された幼き娘を心優しき少女に育て上げる姿を描いた作品。様々な家族の在り方を描いた作品でもある。】」ステップ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【若くして妻を亡くした男と彼と関わる"家族"が、遺された幼き娘を心優しき少女に育て上げる姿を描いた作品。様々な家族の在り方を描いた作品でもある。】

2020年7月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

■今作が涙なしでは見られない理由
 ・勿論、早逝した妻の分までシングルファーザーとして懸命に幼き美紀を育てる健一(山田孝之)の姿。

 ・美紀が通う保育園のケロ先生(伊藤沙莉:素敵な女優さんになられたなあ・・)が涙ながらに美紀が保育園を嫌がるようになった理由を語るシーン。
”忙しくて、美紀ちゃんから言われたことをそのままにして・・。普通は家に帰ればお母さんがいるのでそこで子供は癒されるんですが、美紀ちゃんにはきちんとした対応をしなければいけなかった・・””お父さんの抱っこは”忙しい”から・・”

 ・美紀を可愛がるが、分を弁えた義父(國村隼)、義母の存在(余貴美子)。そして、言うべき時にはきちんと健一にアドバイスをする。
ー彼ら祖父母の存在は、美紀にとってもとても大切だと思う。ー

 ・母の日に”お母さんの顔を描く”という学校の課題に、行きつけの喫茶店の亡き妻に似た女性(川栄李奈)にあるお願いをする健一。そして、翌日、嬉しそうに彼女と公園で遊ぶ美紀。美紀の描いたお母さんの顔は笑顔で、頭の上には金色の輪が書いてある・・。
ーもう、涙腺が・・。-

 ・妻の兄夫婦が不妊治療をしていたことが、さりげなく義理の父の口から告げられ、”人生は思うようには、行かない・・。けれど、少しづつ直して行けば良い・・。”というセリフ。

 ・亡き妻の祖母の家で家族そろって、盆を過ごす風景。”正しい、日本の夏だな・・”

 ・健一が妻を亡くした後、初めて気を惹かれる女性奈々恵(広末涼子)と美紀との関係を近づけようと努力するが・・。
ー食事会の後、必ず吐いてしまう美紀。幼いながらも、イロイロと身体が正直な反応をしてしまうのだろうか・・-

 ・義理の父が倒れ、病室に美紀が”謝恩会”として、訪れるシーン。気丈に振舞う義父の姿。奈々恵にかける言葉。
ーイカン、又、涙腺が崩壊しそうだ・・-

◆随所で語られる妻を失った健一のモノローグが、一人で娘を育てる若き父親の気持ちを絶妙に表現している所も良い。

<妻を若くして喪った男が、周囲の力添えもあり、幼き娘を小学校卒業まで育て上げる日々を丁寧に描いた作品。涙を堪えるのがかなり難しい作品でもある。>

■蛇足 健一の能力を買う上司(岩松了)が蕎麦屋や鰻屋に昼食を誘う場面で、”必ず爽やかなイケメンサラリーマン”が颯爽と暖簾を上げて出てくる・・。どこかで見たことがあるなあと思っていたが、あれだけ繰り返して登場されると・・。
 ”貴方は、中川さんですよね・・。”

NOBU
もりのいぶきさんのコメント
2020年7月23日

NOBUさん、お邪魔します。

>颯爽と暖簾を上げて出てくるイケメン
観ている最中は、
「彼」のことが気になりませんでした。 残念

むしろ
「上司(元)の誘いなのにそば屋か」
「あ、ウナギにグレードアップした」
「あ、また蕎麦に戻った」

世の移ろいを昼食メニューで表しているのかなー などと、
そっちに思考が行ってました。

もりのいぶき