ジョン・F・ドノヴァンの死と生

劇場公開日:

ジョン・F・ドノヴァンの死と生

解説

「Mommy マミー」「たかが世界の終わり」などで高い評価を得ているカナダ出身の若き俊英グザビエ・ドランが、初めて挑んだ英語作品。2006年、ニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去る。自殺か事故か、あるいは事件か、謎に包まれた死の真相について、鍵を握っていたのは11歳の少年ルパート・ターナーだった。10年後、新進俳優として注目される存在となっていたルパートは、ジョンと交わしていた100通以上の手紙を1冊の本として出版。さらには、著名なジャーナリストの取材を受けて、すべてを明らかにすると宣言するのだが……。物語は、ドランが幼いころ、憧れていたレオナルド・ディカプリオに手紙を送ったという自身の経験から着想を得た。出演は「ゲーム・オブ・スローンズ」のキット・ハリントン、「ルーム」のジェイコブ・トレンブレイをはじめ、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツら豪華実力派がそろった。

2018年製作/123分/PG12/カナダ・イギリス合作
原題または英題:The Death and Life of John F. Donovan
配給:ファントム・フィルム、松竹
劇場公開日:2020年3月13日

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(C)THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.

映画レビュー

3.5画面の隙間から聞こえてくる人々へのエール

2020年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

幼い頃、レオナルド・ディカプリオにファンレターを送ったことがあるというグザビエ・ドラン。そんな自身の体験から発想したという最新作は、母と2人で暮らす少年の孤独と、ハリウッドで活躍するスター、ジョン・F・ドノヴァンとの孤独が重なり合って、単なるスターとファンの交流という枠を超えて行く。興味深いのは、 自分のセクシュアリティを隠して生き続けなければならないスターという稼業の窮屈さ、不自然さ、悲しみ、エゴが、キット・ハリントンという適役を得て切ないほど観客に伝わってくるところ。特に、キャシー・ベイツ演じるベテラン・エージェントがジョンに対して突きつけるショービズ界の非常な現実は、怖すぎて震える。やがて、ジョンと同じように、ハリウッドのどこかにいるに違いない、本当の自分を偽り続ける人々へのエールが、画面の隙間から聞こえてくるような気がするのだ。勿論、それはすべての人へのエールでもある。

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清藤秀人

4.0スターとして在ることの孤独と影を想像させる

2020年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

グザヴィエ・ドランが子供の頃レオナルド・ディカプリオにファンレターを送ったことに着想を得た物語。ドラン映画は前に観始めて途中で挫折したことがあり、以来苦手意識があったが、新作は英語作品ということもあってか無理なく楽しめた。 ルパートが子役の頃に人知れず文通していた相手は人気俳優のジョン・F・ドノヴァン。年齢差はあっても同じ業界にいてそれぞれ疎外感を抱える2人は、手紙を通じて絆を感じ孤独に耐えていた。だがジョンは少年との文通が世間に知られた時、報道陣に発した言葉でルパートを傷つけてしまう。スターとして振る舞ううち本心を隠すことが習い性になり、本意でない発言で大切な人を、そして自身をも苦しめる影の側面を考えさせられる。 騒動の後、キャシー・ベイツが演じるマネージャーとジョンとのやり取りが切なくやるせないが、ビジネスの前に「人間らしく在ること」を訴えてもいるようで、そこに希望を感じもした。

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高森 郁哉

3.5僕のヒーローが死んだ。彼も僕と同じにゲイだった。

2023年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2018年(カナダ/イギリス)123分 グザヴィエ・ドラン監督は子役出身で幼少期からテレビ・映画に出演。 主役の少年・ルパートも子役志望でゲイと虐められてる少年。 ゲイであることを認めているドランの自伝的要素も感じられる映画です。 アイドル俳優と文通するファンの少年・・・ 「タイタニック」に感動したドラン監督がレオナルド・ディカプリオに ファンレターを書いたエピソードをヒントに膨らませたのがこの映画です。 ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)テレビ映画の人気俳優・ジョン・F・ドノヴァン (キット・バリントン)に、ファンレターを出します。 7歳の時です。 そしたらジョンから返事が来たのです。 その文通はこっそりと母に内緒で5年間続いて、ジョンから100通の手紙が 届いたのです。 (ジョン直筆の緑色インクの手紙・・・ルパートが舞い上がったのも当然です) 映画のファーストシーンは、ジョンが死んで、発見されるところからはじまります。 自殺か?他殺か?事故か? そこに至るまでに何がジョンに起きたのか? 成人して人気俳優になったルパート(ベン・シュネッツァー)が、記者の インタビューに答えて、ジョンの生と死の真相を振り返る形式で進みます。 正直言って、「死の真相」に、新鮮さのカケラもなかったです。 込み上げる感情も湧かない映画でした。 ジョンはルパートのヒーローだったけれど、私たち観客のヒーローには なれない男です。 映像・音楽・撮影・美術はクオリティが高い。キャスティングも良い。 総合点では3・5かもしれないけれど、実質的には3・・・かな? ルパートのジェイコブ君、凄く可愛かった。 ピュアな笑顔と頬ぬらす涙、悪態までが刺さりました。 「ルーム」や「ワンダー君は太陽」のジェイコブ君です。 それだけでも観る価値はあるます。 グザヴィエ監督の永遠のテーマである「母親との確執」と「差別されるゲイ」 きっと永遠に言い続けたいテーマなんでしょうね。 ルパートのママはナタリー・ポートマン。 離婚したシングルマザーですが、真面目で一生懸命で、美しい。 しかしジョン・F・ドノヴァンのママはスーザン・サランドン。 ナタリーの対照的にアルコール依存症気味の、ジョンと心の通わない母親です。 (この点もジョンには不利・・・だったんですね) グザヴィエ・ドランは、自身のアイデンティティである「ゲイである自分」 そして愛し過ぎて憎んでしまう「マザー」 このテーマから、彼はいつ卒業するのでしょうね。 それほど当人にとっては、重大でも普遍的テーマは他にもあるはず! 「好きでこんな身体(心?)に生まれたわけではない!!」 ノーマルに生まれた私には差別され阻害されたドラン監督の心の傷の深さ。 そこに共感し尽くすことは不可能。 差別と闘うことが、使命・・・ドラン監督の永遠のなのでしょうか? そしてひとつ残念だったのは少年ルパート役のジェイコブ君の外見が、 7歳から11歳に変化して見えなかったこと。 もう一つ、俳優の100通の手紙とルパートの100通の返事を、 読みたいです。 何が書かれているのか、とても興味があります (たとえ虚構でも・・・)

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琥珀糖

1.5知識なしに見に行って

2022年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

男性の同性愛映画だとは思わなかった。 解決のない話は見てもいまいち。 まぁ、登場人物が楽しそうならいっかって言う作品かな。

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ふらんすぱん

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