デビルズ・ソナタのレビュー・感想・評価
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血は争えない音楽家と悪魔召喚
著名な作曲家である父マーロウの訃報を受け取り、遺産相続のためにイギリスからフランスへと渡る天才ヴァイオリニストのローズ。「父は死んだとばかり思ってた」という言葉通り、幼い頃のローズは母とともに捨てられ、父を憎んでいたのだった。フランスのある村にある豪邸で遺品を整理しようとしていたローズだったが、マーロウの遺作と思われるヴァイオリンソナタの楽譜を見つける。しかし、見たこともない不思議な記号が描かれていて・・・
村では子どもの失踪事件が相次いでいて、村人はマーロウのことを疑っていた。一方で、記号の謎を解き明かそうとマネージャーに楽譜の写メを送り、独自に調査してもらう。それが徐々に秘密結社“闇の騎士団”に関連しているとわかるのだ。
序盤からマーロウ目線のPOVやら俯瞰図、ローアングルと、カメラの構図も面白いし、映像的には満足できる。マーロウのライフワークでもあるソナタはとんでもない作曲だったということや、興味本位で深みにはまってしまうチャールズの姿、また、悪魔を呼ぶ音楽だという発想には驚かされる。
謎解きも探偵モノのような展開だったし、逆さまにしたり、ずらして重ねたり、あぶり出しといったギミックも見事。終盤が説明不足だったことが残念でしたが、独演会のローズの目はさすがに不気味で鳥肌が立つくらいでした。チャールズも音楽家だったんだろうけど、彼の嫉妬心や野望というのも知りたかったかな。
悪魔を呼び出すソナタ
天才バイオリニストの父親が焼身自殺、遺産を相続することになる。
古くて広いお屋敷に行くと、父親が残した楽譜がみつかる。
ルトガー・ハウアーが助演、懐かしい。
ホラー+謎解き+クラシック。極上の調べが襲う恐怖。
【賛否両論チェック】
賛:ホラー映画に、謎解きやクラシック音楽の要素が上手く組み込まれていて、恐怖の中にも不思議な雰囲気を感じさせる。
否:終わり方はやや呆気ない印象を受けてしまう。急に驚かせるシーンやグロシーンもあるので、ホラー映画が苦手な人には向かない。
ストーリーそのものはオーソドックスなホラー映画ですが、そこに楽譜の謎解きと、何よりクラシックの調べという、非常に魅力的な要素が見事にマッチしています。
亡き父が遺した数々の謎と、ヒロインを襲う恐怖の影。そんなミステリーとホラーが程よく混ぜ合わされた、なんとも不思議な雰囲気がステキです。
ラストはややあっさりしすぎてしまった感もありますが、一風変わったホラー映画ですので、是非チェックしてみて下さい。
謎解き×悪魔系ホラー
音楽は悪魔。取り憑かれたら最期。
謎の自死を遂げた父、偉大な作曲家だった父、彼の遺した謎の中身とは。その正体とは。
ゴシックな雰囲気たっぷりの、古典的謎解き×悪魔系ホラーのスマートな掛け合わせが面白い。
美しい旋律を奏でる遺作、その譜面に残された意味深なマークにワクワクする。
解き明かすことで完璧な演奏ができる、という意欲を沸き立たせる設定よ。
そしてだんだん見えてくる、マーロウの残酷で黒い所業にドキドキした。
暗く壮大な目的意志にもゾクッと来る。
大勢の観衆の前でこのバイオリン・ソナタを演奏する意味の恐ろしさよ。
さらに、映画の中で私たちはこの曲をフルで聴いてしまっている。
もしかしてこの映画を公開すること自体、悪魔の計画の手の内…なんて考えるともうたまらん!胸キュンが止まらん!やめてーー!!
ローズのマネージャー、チャールズの佇まいがとても魅力的で、こんな人についていきたいなぁなどと思ってしまった。
ピークトラペルが印象的なファッションも素敵。まさにダンディでかっこいい。
マネージャーという立場の哀愁。
彼の持つ音楽への愛、好きだったが故のもどかしさやモヤモヤが痛く刺さる。
「お前の才能があれば…」の言葉はそのまま本心だよね。
派手派手な怪奇現象に頼らず、堅実でシンプルな良いつくり。
心地良い空気が流れていて観やすかった。
ただ、前半の起伏があまりにも無く、ボーっと眺めてしまった部分も。
もっとがちがちに脅かし怖がらせてくれていいのよ。
ローズ役の女優さんがマーゴット・ロビーに激似で、豪華キャスト出演ホラーの雰囲気をなんとなく味わえた。
教会!?
2020年2作目
失踪した天才作曲家の娘が、父の死の報せをきっかけに、遺作となった楽譜の謎をといていく物語。
ジャンルはミステリーホラーという感じだけど、そこまで複雑な内容ではなく、ホラー描写もそれほど強くはないので比較的観やすい作品。
真相に近づき始めた辺りから盛り上がり出し、父親が行っていた事等々、個人的にツボだったけれど、更にその先を観たかった気もする。
眼光
生後14ヵ月で失踪したクラッシックの救世主と呼ばれた作曲家の父親が残したバイオリンソナタ54番という曲の楽譜を読み解く物語。
天才バイオリニストと呼ばれる主人公ローズは実は有名作曲家マーロウの娘で、焼身自殺した父親の屋敷から謎のシンボルが記された遺作が見つかるというストーリー。
悪魔か呪術かという流れはありつつも、謎解きミステリー的に展開していき中々面白かったけど、終盤急にオカルト寄りに。
最終的に人を魅了する凄い曲が出来ただけ?チャールズは何で?
展開やストーリーは面白かったけど、ちょっとオチに物足りなさと難解さというか投げられた感があった。
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