ミッドウェイのレビュー・感想・評価
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エンドロールで期待してしまいました。
太平洋戦争の行方を左右するミッドウェイ海戦、暗号解読の情報戦が鍵だったというのが本筋なのだが、日米の将校やパイロット達の兵士としての生き様もよく描けていたし、役者の演技も良かった。海戦のシーンも迫力のあるもので良かった。ただ、一点難癖をつけるとしたら、映画のなかで8mmか何かで撮影しているシーンがあったが、実際のミッドウェイ海戦のフィルムを最後のエンドロールで少しだけ流すのかな?と期待しエンドロール最後まで見てましたが何もありませんでした。
ミリヲタ憤慨 (B-25は、日本で民間人に機銃掃射を浴びせてから、中国へ飛んだ)
ムネアツもあるけど。全体を通じて萎えまくりです。
国民革命軍の兵士と米兵が握手?なんで?この脚本書いた人って何者なの?
もう、萎えて萎えて萎えまくりですってw
結構、憤慨してます。
登場する主な米軍機は以下。
*Douglas SBD Dauntless=ダグラスSBDドーントレス(エド・スクライン他)
*North American B-25 Mitchell =B -25 ミッチェル(アーロン・エッカート)
*Grumman F4F Wildcat= F4F ワイルドキャット
米艦隊で主要な役割を担うのは3隻の空母と潜水艦。
*航空母艦 エンタープライズ
*航空母艦 ホーネット
*航空母艦 ヨークタウン
以降、思いつく順に感想です。
◆ニミッツはミッドウェーが次のターゲットだと考えていた
映画ではレイトンの進言によりミッドウェーが次のターゲットだと考え始めた様に描写されています。実際には、本土攻撃の可能性を懸念するワシントンに対し「上陸部隊を持たずに攻撃して来る事はあり得ない」と退け、ミッドウェーが最も可能性の高い標的であり、続いてハワイと考えており、レイトンに出した指示は「証拠を集めよ」だったと言われています。当時、西海岸では日本軍の潜水艦による艦艇攻撃や、陸上への砲撃が繰り返されており、「狙いは西海岸上陸」と考えるのも無理からぬ状況だったかも知れませんが、上陸攻撃には大部隊が必要です。日本軍と言えども、それだけの兵力を太平洋を越えて派兵することは不可能だと、ニミッツは考えていたと思われます。
ちなみに、当時アメリカは日本軍の上級幹部に通じる諜報に成功しており、あらゆる機密情報は筒抜けであった事も分かっています。
短期決戦を念頭に置いた時、アメリカの太平洋戦争への戦意を喪失させ、米国内世論を「欧州戦線」に差し向ける効果、と言う意味でもミッドウェーを陥落させると同時に、太平洋艦隊を壊滅させることが、日本にとって理想的であったことも間違いなく、ニミッツはそれに気づいていたと考えられます。
◆B-25による日本空襲
いわゆるドーリットル空襲も登場します。空母ホーネットから飛び立ったB-25、16機は、日本各地を空襲した後、15機は中国本土に不時着。1機はロシア領内に到達。当時、中国本土に展開し日本陸軍と戦闘していたのは、コミンテルンが創設に関わった国民革命軍。この空襲は国民軍の協力の元に行われたのは事実ですが。基本的には、米兵は僚友どころか、日本以上の敵国のはずです。敵の敵は味方にならないところが「革命軍」でしょ?現場の兵士にとって米英は悪魔でしょうよ。
◆空母ヨークシャーの復活
珊瑚海はソロモン諸島南部の海域。日本軍と米豪の連合艦隊は、この戦争で初めての海戦を展開したのが珊瑚海海戦です。空母ヨークシャーは日本海軍に多大な損害を与えましたが、被弾した250kg爆弾が飛行甲板を貫通し火災発生。エンジンを損傷の上、至近弾で燃料漏れを起こしています。現地で応急処置を行った後、乾ドッグでの修理を行うために真珠湾に向かいます。この時、日本海軍はヨークシャーがミッドウェーに現れるとは考えていなかったでしょう。勝負を分けた要因の一つがヨークシャー。ヨークシャーは、ミッドウェー海戦に参加するため、出航後も修理を続けていたと言われています。
◆図上演習が行われたのは大和において。やり直しさせたのは宇垣纏連合艦隊参謀長。
ミッドウェー海戦のみならず、ハワイ攻略までを含めた図上演習の結果、日本海軍は大打撃を被り作戦を続行することが不可能となります。「連合艦隊はこうならないように作戦を指導する」と発言したのは宇垣纏参謀長。南雲忠一ではありません。
止まりそうにないのでw、今日はここまで。
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9/15追記
◆日本側描写が適当
米軍機動部隊への攻撃か、ミッドウェーからの帰還機の収容かを悩むシーン。収容を優先したのは米軍機動部隊の敵位置情報に誤りがあったため時間を見積もり損ねた事。貧相な電探技術だった海軍は、敵急降下爆撃機の接近を察知できず急襲されたこと。等が要因として挙げられますが、描写無しでさらっと流されました。
◆運命の5分間は無かった
マクラスキーやベストは「各空母の甲板には航空機が並んでいた」と証言。所謂、大口の類でしょう。その他の日米両軍関係者の証言がつなぎ合わされ「米軍の攻撃があと5分遅ければ、日本は迎撃に間に合っていた」と言う伝説が生まれますが、生き残った隊員の証言で、「収容がひと段落して休憩に入ろうとしていたところ」であったことが判っています。運命の5分間の日本側証言は、慢心と油断からの失策を隠蔽する意図もあったとの推測もあります。
◆垂直爆撃機だけの編隊攻撃と言う勇気
TBFアベンジャー、B-26マローダー、SBDドーントレスなどなど。いずれも鈍足ですし、ペイロードが大きく、小回りが利きません。ゆえに、護衛戦闘機に守られながら攻撃対象の元に向かいます。ミッドウェーでは、南雲の機動部隊に対する攻撃は、護衛機が付いていなかったのは事実ですが、毎回毎回、SBDだけで飛び立つのっておかしいです。
◆至近距離の水平爆撃では航空母艦は撃沈できない
SBDドーントレスの爆弾槽に実装でできる最大の爆弾は1,600lbs。映画の見た目からは、現在のMk.82相当の500lbsと思われます。空母赤城に命中させた場面は、ほぼ水平爆撃と言って良い入射角。甲板を突き抜けるには運動エネルギーが足りません。爆発しても、甲板に穴を空けるだけで、甲板下の爆薬を連鎖的に爆発させ、沈没させることは困難と思われます。
◆強力なダウンフォースが働く空母後方から近付き、充分な推進力も無く甲板上面に浮上することは不可能。
これは、映画的演出って事で。でも。無茶ですよw
◆サシの勝負でゼロ戦をやっつける急降下爆撃機
そもそも、ドーントレスの機銃は何で後ろ向きに装備されてるのかと言う。バック取られるから、なんですよね。赤城の艦載機は零戦二一型 (A6M2b)で、機銃は、翼内に九九式20mm、機首に九七式7.7mm。二機がかりで小回りの利かない鈍足のSBDドーントレスを取り逃がすのも、どうかと思いますが、こちらも演出って事で。下(ドーントレスの死角)から近付いて爆弾槽に7.7mmを撃ち込めば終わりなのに、真後ろから追いかけるなんて。ドジだねw
「史実を徹底的に調べ上げて」、この内容ってのは、いけがみ(あ)的悪質さを感じます。
結局、普通の戦争エンタメですやん。やっぱり、エメリッヒだったぁw
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9/17追記
◆民間人に対する機銃掃射を行ったドーリットル隊15番機
非戦闘員・民間人に対する攻撃は国際法上、禁止されています。ドーリットル空襲には16機のB-25が投入されましたが、15番機は日本各所で民間人に対する機銃掃射を行い、死傷者も出ています。人に対する攻撃を行たのは、ドーリットル隊だし、空襲と原爆で30万人の非戦闘員・民間人を殺害した人たちに、こんな映画を作って欲しくないわい、ってのが一番の憤慨ポイントでした。握手、以前に。
史実の一部を意図的に隠すのは印象操作の常套手段ですよぉ。
日米両軍兵士に捧ぐ、なんてメッセージで締めくくられてもねぇ...
この内容じゃねぇ。
シラケるって。
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9/24
第二次世界大戦が終わった時。「大英帝国の世界」は、「米ソ対立の世界」に変貌していました。日米開戦によって、ドイツとイタリアは「日独伊三国同盟」の取り決めに従い、アメリカとの戦争に自動参戦することになり、これはアメリカが欧州戦線に参加する根拠にもなりました。
ナチス・ドイツを壊滅させたのはソビエトだと言っていいでしょう。アメリカの参戦は、ドイツをソビエトに占領させないため。そして、ソビエトは、日本をアメリカに占領させないため、不可侵条約を破って北海道上陸を目指しました。
言いたいことは。
どれだけの命が失われても、それは大国の覇権争いの流れの中での「一幕」にもならない細事。だから、全ての戦争映画は「反戦映画であってほしい」し、更に言うなら「戦闘の場にヒーローなんか、居てはならない」。利用されるからね。いや、ヒーローは居ても良いけど。例えば、沈没した敵国戦艦乗組員を救助した帝国海軍指揮官とかね。
鎮魂は良いんですけどね。過剰演出と杜撰な史実・戦闘場面描写連続のヒーロー映画なんか、要らないです。
ドンパチが好きならお薦めだけど、ミリオタ的には△。大甘で5段階の3点
「インディペンデンス・デイ」シリーズのエメリッヒ監督が、太平洋戦争の重大な分岐点となったミッドウェー海戦を史実に則って描く超大作ということで、ミリオタとして期待半分心配半分で見に行きました。
初戦の真珠湾攻撃から珊瑚海海戦、そしてミッドウェー海戦に至る約半年を、主にアメリカ側からの視点で描く物語で、両国の艦隊首脳とアメリカ側のパイロット達を描く群像劇となっています。脚本もこれまでのアメリカが描く日本のトンデモ戦争映画(作戦会議を戦国時代のような陣幕で行うとか)ではなく、かなり正確に時系列に沿って描かれていて好感が持てました。戦闘の迫力も凄くて、ドンパチが大好きな映画ファンなら満足できる内容と言って良いでしょう。
しかし、頑張っているけれど海軍マニアから見るともう一つ詰めが甘いのです。この映画を作るために20年資料を集めたとのことですが、本当なのか?それにしては日本側の描写がかなり甘いというか。
例えば、冒頭で1937年に主人公の一人である情報将校のレイトンが日本で山本五十六に会うのですが、山本の階級が既に大将になっているのが間違い。山本五十六が大将に進級するのは昭和15年、すなわち1940年です。のっけから間違っていて、「おいおい」と心の中で突っ込んでしまいました。この時山本は海軍次官で階級は中将です。他にもミッドウェー海戦の際の源田実航空参謀が大佐になってました。この時源田はまだ中佐です。
それから、冒頭の真珠湾攻撃の際に沢山の零戦が機銃掃射をするのですが、増槽(落下式燃料タンク)を付けたままなのです。被弾炎上を防ぐために戦闘前に切り離して捨てるのが鉄則なのに…。映画の日本軍のパイロットはみんな死にたいのかな?(苦笑)
また、多くの人が指摘しているのがトヨエツ・國村・浅野以外の日本将兵が片言の日本語な事。これは昔から言われていることなんですが、何でアフレコでちゃんとした日本語を吹き替えないのか?こんなこと、お金なんてそれほどかからんでしょうが。単なるやる気の問題だと思うのです。
日本海軍の艦艇では、空母が全部左艦橋になってるのがおかしい。確かにミッドウェー海戦で活躍した飛龍や赤城は艦橋が左側にあるけど、加賀と蒼龍は通常の右側艦橋です。こんなの、ネットでリサーチしても簡単に分かることなのに…。
日本側の描写で変なのが、九七艦攻や九九艦爆が魚雷や爆弾を搭載せずに丸腰で飛んでいること。攻撃前なのに、どうやってこれから敵に魚雷や爆弾を当てるのかな?アメリカ側のSBDドーントレスやTBFデバステーターがしっかり爆弾や魚雷を搭載しているので、日本側を描くのに手を抜いているのだろうなと観ていて分かってしまいました。
一番駄目なのが、空襲を受けている日本側の機動部隊が全く回避運動をしていないことです。本来空襲を受けたら艦隊は敵の攻撃を避けるためにくるくるとミズスマシのように弧を描く回避運動をするのですが(これを駆逐艦乗りは盆踊りと呼びました)、映画では微動だにせず列を作ってただまっすぐ進むばかり。ミッドウェー海戦は多くの写真が残っていて、日本側の赤城の回避運動の写真も残っているのに、ちゃんと見て再現したのかなと疑問に思ってしまいます。
人によってはそこまで細かく突っ込まなくてもいいじゃんと言うかもしれません。その昔、「トラ・トラ・トラ!」では赤城の艦橋が右側だったし…。でもあれは空母CVS-10ヨークタウンを赤城に見立てて使うための苦肉の策だったわけで、現代のCGなら簡単に再現できることです。CGのすごいところは、これまで不可能だった映像を全て叶えてしまうこと、ならばその当時の映像を完璧に再現することこそが一番大事なのではないでしょうか。その意味で、日本側の描写が甘々なこの作品は私的には高い点数を付けることは出来ません。
脚本的には、アメリカ側のパイロットを描くのなら、同じように日本側のパイロットも描いて欲しかったですね。ベストやディキンソンに相対するのは飛龍飛行隊長の友永丈市大尉です。彼の獅子奮迅の戦いも描いてくれれば日米双方のミッドウェー海戦映画と言えたのですが。
まあ、ディープなミリオタじゃなければそれほど気にならないと思いますので、大甘で星三つ付けておきます。僕はこれから「トラ・トラ・トラ!」のBDを見て口直しをしようと思います。あと、録画した「坂の上の雲」も見よう、うん。(苦笑)
あの破壊王が?
ハリウッドの破壊王ことRエミリッヒがミッドウェイ海戦を撮るということで観る前から不安だった🥺が手堅くまとめあげた。変な?日本兵の描き方も無く、むしろ日本側への敬意すら感じられた。あの綺麗な海の下には今も沢山の兵士が眠ってる、それを忘れてはいけない。豊川悦司、浅野、園村さんは安定感があったな。特に浅野忠信のラストシーンは良かった🍀
奇跡の事実に脱帽
戦争映画はノンフィクションか、人命の尊厳か、アクションかに分かれます。この映画はノンフィクション寄りで、アメリカが恐れる日本軍に対して、いかにしてどんでん返しをしたのかという、奇跡的な事実を描きたかったと感じました。
およそ80年前の出来事が、いま起きているような錯覚に襲われました。ミッドウェイの戦いでは実際にはアメリカの天才的な情報戦に敗れたというのがよく分かります。その激しい交戦は海だけが知っているというセリフが流れると、善悪をこえた歴史の流れに居住まいを正したくなります。
若い頃だったら、日本軍に加担したくなりますが、今はむしろ人類という単位で考えれば、いかに無益なことかよく分かります。
ドイツはヨーロッパを蹂躙し、日本は中国を支配下に置きました。宇宙はこの経験を人類に課し、アメリカの勝利を持って、戦争の時代をほぼ終結させました。この妙なる時間の流れは不可思議としか思えません。いずれにしても、最初から最後まで釘付けでした。心に残る秀作です。
よかった
これまで見聞きしたものの中で一番米軍が日本軍を高く評価して恐れている。米軍は物量にものを言わせる上に、情報が全部筒抜けになっていて、そもそも勝てる見込みがなかったと思っていたので意外だ。米軍もギリギリだったように描かれているのだが、映画的にその方が盛り上がるのでそのように表現しているだけかもしれない。空母の中での食事が豪華で、パンなんか山積みにされていて、それと比べて日本軍の惨めな食卓を見せて欲しい。
特に真珠湾攻撃は最高に気分がスカッとしてワクワクする。その後はじり貧でつらいばかり。戦闘は艦隊がどこをどう進んでいるのか位置関係がよく分からなくてもやもやする。
ミッドウェー海戦全体を詰め込んだ作品
戦争全体をいろんな視点から約2時間に詰め込んだら、
「内容が薄く感じちゃうよなぁ。」って印象です。
日本軍視点、米軍視点、情報戦視点、パイロット視点、、、
個人的には、もっと的を絞って、もっとテンポが良ければ、見応えがあったのになぁと思ってしまいました。
(※「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」はそういった作品作りになっていたのではと思う。)
ただ、
約2時間にミッドウェー海戦全体をまとめながら、
エメリッヒ監督の思いを強く感じる、
良い作品だったのは確かです!!
思いが強かったからこそ、
いろいろ詰め込んでしまったんでしょうね^_^
飽きずに面白く鑑賞できる佳作
日刊ゲンダイに連載されている保阪正康さんの「日本史縦横無尽」というコラムにミッドウェイ海戦のことが書かれている。
ミッドウェー海戦時の日本とアメリカの海軍の質と量を比較すると、圧倒的に日本が優勢であった。「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の正規の航空母艦を軸にした日本の機動部隊に対し、アメリカ海軍は「エンタープライズ」「ホーネット」の2艦を中心とする戦力であった。搭乗員にしても日本はベテランのパイロットが中心で、アメリカ軍のパイロットは戦闘経験もなく、空母から飛び立ったことのないパイロットさえもいたというのである。それなのに敗れたのは何度か繰り返したように情報力の差であり、全体におごっていたというのが真相である。(2020/4/23日刊ゲンダイ)
本作品を観ると、保阪さんの指摘がことごとく正鵠を射ていることが判る。米軍の側に立ってみれば、真珠湾で受けた大打撃から海軍を立て直し、ミッドウェイ海戦の勝利に至るまでの苦しい道のりが判るし、日本軍の側に立ってみれば、真珠湾攻撃で講和に至るどころか、眠れる獅子を起こしてしまったと認識していたのが山本五十六以下のごく僅かな軍人たちだけであったと判る。加えて情報戦に長けていた米軍が日本軍を先回りして待ち伏せすることでミッドウェイ島の海戦を勝利することができた。保阪さんの言う通り、情報力の差が勝敗を分けたのだ。太平洋戦争はミッドウェイ島の戦いで大勢が決している。早期の講和を夢見ていた山本五十六の夢はあえなく破れてしまったのだ。その後は軍官僚の面子と保身のためだけに戦争が継続された。もはや負けるために戦っているようなものである。
戦争に賛成だろうが反対だろうが、死の恐怖、捕虜になる恐怖は変わらない。朝一緒に食事をした人間が夕方には海の藻屑となっている状況は、精神的にかなり堪(こた)えそうだ。人間には何でも慣れる能力があるから、最前線のそんな状況にもいつかは慣れてしまうのかもしれない。しかしPDSDになる者は数多くいる。戦争は人間の精神を破壊するのだ。ミッドウェイ海戦の勝利も敗北も、どちらも喜べない。
本作品では前線の個人の描写は米軍兵士に限られているが、未体験の戦闘の恐怖や死んでしまうかもしれない絶望感などは米軍も日本軍も同じだろう。戦闘シーンは迫力があってとても興奮した。敵味方の砲弾や銃弾が飛び交う中で攻撃が成功するのはほとんど僥倖に近かったことも判った。戦争映画としては飽きずに面白く鑑賞できる佳作だと思う。
さすがエメリッヒ監督です。
アメリカ目線の真珠湾、ミッドウェイですが、とても素晴らしい作品です。
ミッドウェイまでは、ホントに日本が優勢だったんですね。
戦争は、よくないことですが、アメリカの活躍したヒーローたちはとても素敵でした。
今年は、あまり戦争映画がなかったので観れてよかったです。
良くも悪くもエメリッヒ
コロナでずっと映画館行っておらず、今年の1月にパラサイト観て以来、8ヶ月ぶりに行きました。最初のNo more映画泥棒 がリニューアルされてました。
さてミッドウェイですが、単純に面白いかそうでは無いかで言えば、面白かったです。でも、不満点を上げるとめちゃくちゃあります笑
『不満点』
・浅野忠信の演技がヤバすぎ。阪神ファンのおっさんが空母でわめいてるようにしか見えん。
・人間ドラマがどうでもよすぎ。まぁこれはエメリッヒだから予想通り。
・最後に登場人物のその後が説明されるのだが、誰が誰だか本編中に非常に分かりづらく、その後を描かれても全然乗れない。
・主人公の人間ドラマすら希薄。苛性ソーダを吸った理由も特に必然性が無いし、もったいない。ココは、何かエピソード付けれるじゃん!と強く思う。
・日本本土を空爆した後、中国に不時着した人居たけど、あのエピソード意味あった?
とまぁ不満多めですが、CGすごいし空戦シーンはめちゃ楽しい。それだけに、個々のエピソードが弱いのが本当に残念。エメリッヒはなんだかんだ好きだけど、なんでこうもストーリーが弱いのかなー。
撮影、視覚効果、音響のアカデミー賞は確実かも?!
今までの戦争映画よりは史実に沿ってはいます、ただ、意図的に日本人を貶めたり、アメリカ人を英雄にはしています、でも、当時の米軍が日本を恐れていたり、それらしいことはあります、多分監督は歴史通りに描くことはできたけど、商業的にこんなストーリーで妥協したんでしょうね。
でも、映像は凄いですよ、CGとわからないほど精度が高くて、それでいて映画史上最高の迫力です、これは映画館でみないと、そんな映画です、すくなくとも映像はダントツで史上最高です。
中共に逆らえないハリウッド
多くのコメンテーターが日米双方からの視点を公平に表現しているということで鑑賞したが、酷いプロパガンダ映画であった!
冒頭の真珠湾攻撃の場面は、ハリウッド映画では仕方がないが日常平和な真珠湾を日本が
一方的に先制攻撃した情景を母娘の危機など心情的に訴えていますね。
実際は本体を事前に退避させ、日本軍の攻撃を待っていたというのが史実でしょう。
極めつけは東京を空爆した爆撃機が中国に逃れ、現地人と手を組むという場面。
そこに日本軍の爆撃が行われ、米兵曰く「なんてことだ、民間人を無差別に爆撃するなんて」(こんな感じ) おまえ東京でそれしてきたばかりじゃないか! 開いた口がふさがりません!
ハリウッド映画もこれまでですね、中共のプロパガンダを組み込まないと作品を作れないなんて。
ムーランも然り! トランプ大統領頑張ってくれ!
零戦!!
零戦カッコいいです!
もっと零戦パイロットのエピソードも入れて欲しかったな
映画は流石のエメリッヒ監督で迫力満点です
是非、映画館でこの迫力を体験してもらいたいです
迫力だけでなく最後の監督の一言がなんとも泣かせます
日本人としては複雑な描写も多少はあるものの我慢出来るレベルかな…
当時の戦力比較は例えるならフルチューンしたスーパーカブで大排気量ノーマルのハーレーにゼロヨンをいどむ様なモノだったんですよね
スタートで勝ってても中盤から怒涛の追い上げでカブを点にしてしまう
ミッドウェイ海戦時はレース前半でまだカブが前に居たのでしょう
元々の排気量が桁違いなのですから、どんな改造しても勝てませんよね…
映画では日本軍が凄まじい強さで描かれてますけど所詮は壊れる限界まで改造されたカブの爆走です
その後のハーレーのアクセルのヒト捻りで余裕のブッチギリを見せられると思うと劇中の米軍将兵達の危機感も白々しく思えてしまいます…が、
…ミッドウェイ辺りまでは本当に危機感があったのかな?
と、まぁ色々と思いを馳せる映画ではありますけど上映時間の2時間はあっという間に過ぎます
そのくらい面白いって事ですね
鑑賞する前に山本、南雲、山口の各将兵達の評価を少しでも調べておくとより楽しめると思いますよ
不思議な心境
アメリカ側に偏った作られ方ではなかったので良かった。
日本人ではなかったら、空母を撃沈されるシーンは爽快な気分だろうけれども、自分は複雑な気分で観賞しました。
戦闘シーンは迫力があり楽しめた。
ハリウッドしぐさ炸裂のアメリカ目線戦争映画
徹頭徹尾アメリカ目線の物語なので、その辺は覚悟しておくことをおススメします。
基本的に日本海軍が出ていればOK、空母や戦闘機の空中戦があればヨシ!な人向け。
作中では日本側の愚かさや残虐さが強調され、またドーリットル空襲では当時同盟国のChina(人民共和国ではなく中華民国なのを忘れてはならない)をヨイショすることを忘れない「ハリウッドしぐさ」は健在。
というか…ドーリットル空襲のくだりは蛇足もいいところで、そこの尺を日本側描写に回せばより良い脚本になったのでは。
日本軍の見どころの伊号潜水艦と飛龍の活躍は全カットなのはいただけない。
それでも、日本俳優陣は制約の多い中光る演技を見せている。ただあくまでも悪役(ヒール)であり、生活感までは描写されない
アメリカ俳優陣は見事なキャスティングで、演技も上々。
一方、モブ日本兵がネイティブには程遠いカタコトの日本語だらけなので、気になることこの上ない。
あと、ミリオタ的には「旋回機銃の命中率がこんなに高い訳がない」感が…
まあChina資本に忖度しなければならないアメリカ映画の限界でしょうかね。
昭和天皇陛下のシーンももう少しあったがカットされたそうなので、ディレクターズカットあたりで追加してほしいもの。
事実を正確に知ることが、次に進める唯一の方法
まず、この映画は、多少の演出はあるにせよ、アメリカサイドと日本サイドの状況を平等に表現した映画であることに、今、観るべき映画だと強く感じる。
第二次世界大戦と言っても、恥ずかしながら、私たち日本人は、どうして、アメリカと戦争をしたのか、どのように始まったのかを正確に理解していないと感じる。
色々な形で、実は、宣戦布告はしていたとか(これをハルノートというのか)、アメリカが、石油の輸出をストップしたことにより戦争をせざるおえなかったとか、なんとなくは、知っている。でも、この映画を観て感じたことは、日本はきちんとしたプロセスを踏んで戦争を始めたわけではなく、奇襲攻撃で、まだ、戦争が始まっていると思っていない相手に対して攻撃をしたということだ。
もちろん、戦争に正しい、正しくないを論じても意味のないことかもしれないが、アメリカという国が、建国して以来初めて、他国からの爆撃を受け、その、卑怯極まりない行動に国民全員が、本気で怒ったことは事実だと思う。
私たち日本人は、敗戦国であるということと、広島や長崎に核兵器を落とされたことにより、戦争の被害者だという意識が、ものすごく強いと思う。
それは、確かに忘れてはいけない過去ではあるのだけれど、その前に、戦争の加害者であるという事実に対して、何が間違っていたのかをきちんと事実として受け止めるプロセスが抜け落ちてしまっているのではないだろうか?
ミッドウェイの海戦は、アメリカと戦争になり、日本が、確実に負けるだろうということを決定づけた戦いだったと思う。
戦力としても、この海戦は、この後取り戻せるものではないほどのダメージを負ったし、なぜ、ここまで、やられてしまったのかを考えてみても、既に自分たちの暗号が敵に傍受されていたことが原因ということは、薄々わかっていたと思う。
確かに奇襲攻撃という、卑怯な手を使って、最初に有利に進めることは出来たかもしれないが、このミッドウェイで負けた時点で、もう、敗戦への道筋は見えていたと感じる。
だとしたら、なぜ、この時点で、戦争を止めることが出来なかったのか?
多分、既に進出していた中国での状況や、陸軍、海軍の思惑など、そう簡単にこの時点で止めることを決断できなかったのだろうと思う。
でも、歴史に「もし」はないとしても、もし、この時点で、停戦をしていたら、その後、あれだけたくさんの人の犠牲を追わなくても済んでいたのではないかと思ってしまう。
このミッドウェイでの敗戦は、その時は日本国民に対して、勝利と伝えられて、国民の戦意を煽った。
その後、戦争に負け、アメリカに占領され、他国の様々な状況に揉まれながら、結果的に今の日本がある。
でも、ミッドウエイで負けた時も、戦後も、そして今も、私たち日本人は、正確な事実に向き合えているのだろうか?
確かに戦時中に一般の人たちに正しい情報は入ってこない。
戦後だって、ずっと、アメリカにとって都合のいい事実しか、知らされていなかった。
でも、今は?少なくとも、自分で知ろうと思えば、ある程度の事実は知ることが出来ると思う。
今、起きている、または起きるかもしれない紛争は、このミッドウエィの海戦の時に何が起きていて、なぜ、そのまま突き進んでしまったのかを理解しなければ、また、同じことを繰り返してしまうのではないかと思う。
その意味で言えば、この映画は、今、自分に起きていることの一つとして、観ておくべき映画だと思う。
黒板の”MIA”(Missing in action)の羅列が悲しい
冒頭の奇襲シーンでマイケル某監督の既視感に不安が募ったが、心配していたよりずっと真面目に作られていた。題材が題材だけに数多くのツッコミは避けられないが(日本軍の参謀が皆インターンシップ中の学生みたいとか)それでも史実に忠実かつ英雄譚としてもしっかり作り込んであった。むしろ開戦後のトピックスを淡々となぞっていくので昔戦記物に夢中になった世代じゃないと展開について来れるのかなあと心配になったくらい。
戦争映画は迫力あるシーンにどうしても血沸き肉躍ってしまう男の子の心情と、悲劇を繰り返してはいけないという大人の心がぶつかってジレンマになりがちだが、この映画はその心配無し。エメリッヒ描く戦闘シーンが迫力を通り過ぎて恐怖心しか湧き起こさない。あんなリベットだらけのガラクタ(いや当時はハイテク機なんだろうがそう見える)で何千メートルも急降下したり、零戦に追尾されながら魚雷発射まで水平飛行したりと、ブラック企業なんてレベルでは無い。本当にこの時代に生まれ合わせなくて良かった。特に目を背けたくなるのは大活躍のドーントレスの陰で人柱になったデバステーターだ。戦闘機の護衛も無く、Go!と言った途端に殆どが撃墜される。これは実質特攻と変わらないのでは。米軍が人命重視と謳っていたのはあくまで後に余裕ができてからで、この頃は下手したら日本よりずっと命を消耗品扱いしていたように見える。(確かパイロットの戦死は米軍の方が多かったのでは)
日本でも歴史に埋もれる前にこういう純粋に日米両軍が相見えた映画をとって欲しいものだ。今のアニメの技術とストーリー構成で十分良いものが作れると思うがなあ。(「決断!」になっちゃうか)
意外とイケるエメリッヒの戦記もの
SFX満載のディザスタームービー専門の監督さんらしく、戦闘機同士の空中戦や空母への爆撃シーンはド迫力ですが、作品としては意外や地味に手堅くまとめた戦記ものでした。ミッドウェイ海戦をピンポイントに描くのでなく、真珠湾から順ぐりに日米双方の事情を交えながら、丁寧に太平洋戦争史をなぞっていくのがいい感じです。とは言え、その分お話は目新しくもなく、全体にキャストが地味なのが痛し痒し。主役の艦爆パイロットなんか悪役ヅラで、イマイチ感情移入がしにくかったです。
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