リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
全372件中、141~160件目を表示
明日は我が身
人の命を助けたのに犯人扱いされ主人公が
追い詰められて行くさまを描いた映画
日本の報道でもあることだが
とにかく他の社よりも早く記事にして
自分の名声を得たいがために実名報道する様は
そのことで名前をあげられたものの気持ちなど
全く無視である
何かを成すときに時に人は悪魔に代わることがある
特に権力を持つものは誰も止めることが出来ない
それに立ち向かうには物凄い意志が必要になる
主人公ジュエルと弁護士の二人が
無罪を勝ち取るべく戦う姿はみるものに勇気を与える
ジュエルの無実を信じる母を演じるキャシーベイツにも
心を打たれる 大きな瞳で涙をボロボロ流す姿は
私も共に泣いていた
クライマックス FBIの輩に思いのたけをぶつける
ジュエルに心の中で拍手喝采だった
イーストウッド監督の作品は大好きだ!
第一発見者は容疑者か?冤罪か?
1996年のアトランタ爆破テロ事件の実話をもとに描いたサスペンスドラマ。1996年、五輪開催中のアトランタが舞台。監督はクリントン・イーストウッド。
警備員のリチャード・ジュエルが、公園で不審なバッグを発見する。その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾だった。
警備員の仕事を一生懸命に行い、不審物発見で爆弾テロを未然に防ぎ、一躍英雄視されたのもつかの間、FBIによる、第一発見者が怪しいという無根拠かつ強引な捜査と、メディアによる犯人であるかのような報道。前日まで英雄だと持て囃していたテレビコメンテーターが、今日はあっさり「怪しいと思っていた」と手のひらを返した。そしてアメリカ全国民がメディアに踊らされ虚偽の報道を鵜呑みにしてしまう。
これは、まさに現代社会の負の連鎖。
マスメディアとSNSによって、出来事が虚偽でも事実でも関係なく、驚異的な速度で拡散されてしまう。この意味を上手く取り入れ巧みな技でメッセージ性も高い。90歳のイーストウッド監督の恐るべき時代感覚には脱帽だ。
「第一発見者が疑われるなら、警備員の誰もが不審物を見つけても通報せずに、自分だけの身を守り逃去るのが得策、ということになってしまう」というジュエルの言葉が胸に突き刺さった。
事件のことを全く知らずに鑑賞
今日は、川崎で映画
「リチャード・ジュエル」を観ました。
アトランタ五輪の時のコンサートでの爆発テロの犯人にされそうになった男の物語です。
若い太った警備員の話で、冤罪を晴らしてゆく弁護士がサム・ロックウェル。警備員リチャード・ジュエルに、ボール・ウォルター・ハウザー。リチャードの母親に、キャシー・ベイツ。
監督はクリント・イーストウッド。実話の映画化で、なかなか見応えがあります。
事件のことは、全く知らずに鑑賞したので、この、1996年の実話の成り行きに、同時進行で感情移入しました。
やはり、なんと言ってもすごいのは、監督のクリント・イーストウッドでしょう。
20数年前の事件ではありますが、どこまで脚色しているのかはともかく、この短い時間のなかで、ミスリードしたFBI捜査官と、記事を書いた新聞社記者の内面にまで踏み込んで描いています。
クリント・イーストウッドのすごさもありますが、これを製作、公開したアメリカの映画界も大したものです。ありとあらゆる権力とメディアの記事をただ純真に信じてはいけないというメッセージが込められています。
すごく怖さを感じる映画でした
リチャードにかけられた誤解、FBIの真実を曲げた強引な捜査、そしてメディアに流され負の感情に飲み込まれていく世論。
どれも自分自身に起こりえることで、気がついたらリチャードの立場になっているかもしれないし、情報に流され無意識に誰かを追い詰める側になっているかもしれない。
他人事とは思えず怖くなります。
それがフィクションでなく実話だから。
【感想ブログ】 https://toomilog.com/richard-jewelljp
怒れよジュエル
恐怖
クリントイーストウッドだったか!
アトランタ五輪の時に起きた事件を映画した、と。
いわゆる冤罪的な物語、と。メディアがこぞって
容疑者を追い詰める話は、現代ではSNSがそれに
変わりつつあって、社会問題だなぁと感じでいた
ので、ちょっと観に行きました。
人物描写が丁寧で、リチャードの人となりも
よく分かる展開で最後まで集中して観られました。
最後のエンドロールにクリントイーストウッドの
名前を見つけ、あ〜なるほど納得!と思いました。
確かに彼の作品に通じる人物描写だなぁ、と。
人の人生って人間関係によるところが大きいですが
リチャードは良き友人を持ちました。それも
彼の素直な気持ちがその関係性を築いたと言えますね。
報道記者や彼を吊し上げたFBI捜査官のその後が
語られませんでしたが、それもクリントイーストウッド
なりの視聴者への問いかけなのでしょう。
あまり注目されている映画とは思えませんが、
今年の推したい一本でした。
アメリカじゃあ白人デブはバカにされる変態が多いんじゃないかな
2020年 6本目 ★★★ 「権力は必ず腐敗する」
リチャード・ジュエル見た。まず、松本サリン事件を思い出した。警察やメディアが作り出す冤罪の恐ろしさ。
映画評論家の町山智浩さんの「良い脚本は、必ず主人公が成長する」という言葉を思い出した。リチャード・ジュエルはホント軽くムカつくとあるけど、自分が信じたもの憧れたものに裏切られる事で成長するのが悲しかった。
この映画みてると、イーストウッドは、自分が過去に演じていたマッチョなアメリカを本当に危ないと考えてるのだろうか。権力は必ず腐敗してしまう。
リチャード・ジュエルは、あの悪役をいってに引き受けた女性記者が実際は「お前の記事が冤罪の原因を作った」と責められて自殺してる。
それを知ったら、嘘でもいいから彼女が「新聞に謝罪記事だしましょう」とかで彼の無罪を訴えるとかあっても良かったのになと思った。
現代だからこそ意味のあるメッセージ
明確な偏りを感じる、しかしそれが事実と思わせる表現力
起こった事実を淡々と描きながら、時に音楽などで効果的な劇的表現─。正直、悲しみの涙が止まりませんでした。
表現が過剰にも感じましたが、不思議と違和感を感じることなく、素直に事実として受け入れることができたような気がします。
偏見に満ちた表現も数多く出てきて、嫌悪感もありましたが、それが全て感動に持っていかれて、実に巧みだなぁと思ってしまったので、いやらしさを感じる人が多いかもしれません、自分は単純にボロボロ泣いてしまいましたが…。
役者のパフォーマンスが特に素晴らしく観じたのは、展開がシンプルためだったのか、あるいは役者の演技を生かすためのこの展開だったのか─。とにかく酷すぎるこの事実を単純明快に伝えることだけに注力したようにも感じました。確かにステレオタイプ的な人物像や表現があまりに多いようにも思いましたが、実際にあったこの事実があまりに単純で偏見に満ちた“暴力”であると感じる上では効果的だったようにも思います。
英雄で変わり者のリチャード・ジュエルを最強に肯定的に描き、彼を貶めようとする輩すべてを徹底的に糾弾している─単純なこの視点を受け入れるか否か、それによってこの作品の感じ方が全く違ったものになるような気がします。
個人的には、この一方的で安直な表現が実に爽快に感じたし、それがむしろ意図的であり知的にもところがありました、攻撃している者の力を借りて、徹底的にやり返すような─。
誰にでも起こりうる現実
1996年アトランタオリンピックの時に実際に起こった爆破テロ事件を本作
爆弾の第一発見者となったリチャード・ジュエルは瞬く間に人々の英雄となるがその後、操作の指揮を指揮するFBIに疑惑の目を向けられ・・・
『正義』とは一体何なのか?
それを考えさせられました。
良かれと思って言ったことや行動したことが裏目に出てしまうことって誰にでも起こりうることなんだと、大なり小なり。
ジュエル自身、過去に(他者から見て)歪んだ正義によって問題視されたことが発端となり英雄から容疑者へと叩き落とされるわけですがそれって我々の生活においても起こり得ることではないのでしょうか?
ただキャシーベイツが報道陣に対して息子の無実を訴えるシーン、そしてラストの捜査対象から外れたという案内を受け取りポールウォルターハウザーが涙を流すシーン、恥ずかしながら涙が止まらなかった。
『自分にとっての正義』が必ずしも相手にとっての正義ではないのだ。
本当のヒーローの名を映画タイトルにする事で永遠に刻む
同監督による「ハドソン河の奇跡」と同様に、本来多数の人命を数ったヒーローとして人々に記憶されるべき人物が歪められ、逆に糾弾される対象に追い込まれてしまった実話を元にした作品。
類似したその他の事件と同様に、マスコミや人々は、糾弾している最中にはエキサイトして騒ぎ立てるが、その後、疑惑晴れたあとの後始末はどうなんだろうか?
この映画の主人公も、後の真犯人の逮捕で完全に疑惑は晴れて復権したとは言え、結果的にその後亡くなっており、早死と言える。
恐らく、世間は「真犯人逮捕」の方には報道も過熱するだろうが、誤認された被害者のその後についての関心度はそれほど高くは無かっただろうと想像できる。
そうした、本来アメリカのヒーローとして永く記憶に刻まれるべき人物だったにも関わらず、人々の記憶が薄れて行きかけている人物に対し、クリント・イーストウッドの眼差しは優しい。
主人公の名前そのものを映画タイトルに冠する事で、彼の名前は人々の記憶に永遠に刻み込まれる事になる。
弁護士役のサム・ロックウェル、すごく良いです。
「ジョジョ・ラビット」でお気に入りとなったことも手伝って、今作鑑賞の動機にも貢献してまス。
キャシー・ベイツの演技もよかったですね。
主人公の彼は、実際のリチャード氏にソックリとか?
色々あるけど好き
地味なテーマ。淡白なストーリー。お間抜けなFBI。頑固な主人公。
Netflixの「殺人者への道」のように、主人公が何年も刑務所に放り込まれるわけでも、新たな証拠が見つかって劇的な裁判が始まるわけでもない。
イーストウッドの代表作ではまったくないし、色々ツッコミ所は多いけど、それでもなぜか好きなタイプの映画です。面倒くさいんだけど、嫌いになれないんだよなあ、リチャードみたいな不器用な男。
メディアと国家が一市民を追い込む恐怖。サム・ロックウェルに惚れた!
この映画を見てリチャード・ジュエルの英雄ぶりに驚嘆するではない。彼は不完全なごく普通の一市民だ。この映画を見て思うのは、メディアのペンの怖さと、国や政府(この映画の場合はFBIという大組織)の前に市民は無力であるという絶望。この映画においてリチャード・ジュエルはその闘いに勝利したものの、世の中には国家とメディアによって潰され敗北した市民が多数いるのも事実だろう。
オリヴィア・ワイルド演じる女性記者が打ち出した「FBIがリチャードが容疑者である可能性について捜査している」という第一報は決して間違いではない。この記事はリチャードを犯人と断定する見出しではないし、実際に捜査していたのは事実だからだ。けれどそこからメディアは「英雄が実は犯人」というトピックを面白がり、報道を過熱させ、彼の人物像にステレオタイプなラベリングをし、それが人々には恰も彼が容疑者であるかのように広まっていく。それを一市民であるリチャード本人の力ではどうすることもできないという怖さ。そしてこういうことが現実に起こりうるということが悲しいかな理解できてしまう怖さ。それをクリント・イーストウッドがFBIの怠慢も含めて冷静かつ理路整然と語っていく。
リチャード・ジュエルはこの件に置いて英雄でありもちろん被害者であるが、だからと言って聖人君子ではない。彼の過剰な正義感はやや常軌を逸した面が見え隠れするし、その言動には行き過ぎた部分も目に付く。同時に彼は警察に憧れを抱いておりその職務に強い敬意を払ってもいる。そのことが物語を多面的かつアイロニックにし、深みを与えていたと思う。
ただこの映画の一番の見所はサム・ロックウェルだと言いたい。オスカーを受賞してから好調の続く彼は、もうここ数年出る映画出る映画全部面白く、その中において彼の演技がとりわけ輝く。今回も弁護士役としてリチャードに寄り添う姿がクールでかっこよく決まっていたし、逞しい柱のように作品を力強く支えていて(まさしく名助演)これまでも好きな俳優さんではあったけれど更に一気に惚れてしまった。
惜しむらくは、第一報を報じた女性記者およびジョン・ハム演じるFBI捜査官の立ち回りだろうか。いずれも「メディアの悪」と「国家の悪」を象徴するだけの役割しか与えられていないかのようで、この二人に関してはまるで記号化されたような奥行きのないひどく一面的な描写に転じてしまうのはかなり気になる点だった。
こと女性記者に関しては、終盤においてリチャードは犯人ではないと確信を得るその展開が極めて見え透いたものであると同時に、その様子が実に肩透かしな描かれ方で全くドラマティックでない。てっきり「彼女のペンがリチャードを窮地に追い込み、しかし彼女のペンがリチャードを救出する」とでもいうような流れに行くかとワクワクしたが、実話ベースである以上そんなでっち上げは不可能だったか。彼女の存在はもっと大きなカギになるかと思いきや思わせぶりで完結したような印象だった。
正直者と信念と尊厳と
リチャード・ジュエルを観てきました。
今回も、事前情報一切なし。
何の話で、誰が出てくるのかも一切分かりません。
最初、ぽっちゃりした方が出てきて、さぁ、何の話なんだろうと観ていきます。
出会いがあり、別れがあり、平凡な毎日があり、あれ? これは本当に何の映画なんだろう?
と思ってみていたら、話が急展開。
しっかり伏線を回収しつつ、ハラハラドキドキ。
憤慨しつつも、他人ごとではない、はたして自分がこの状況に置かれたときに、このような対応ができるのか、信頼にこたえることはできるのか。
正直者が馬鹿をみない
途中、あまりにも耐えられない仕打ちをうけて、主人公の本音がようやく出たときには、本当、やるせないなぁと心から共感しました。
そこまで追い込まれていながら、最後のセリフがさらに心に響きます。
根っからの正直者が本当にいるんだなと、びっくりしました。
もちろん、聖人君主の物語ではなく、ごく普通の、ただ、少しだけ正義感の強い凡人が、当たり前のことを当たり前にやろうとした結果、あやうく全てが台無しに、まさか、このまま報われないことがあってはいけないと思いながら、画面を食い入るようにみている自分がいました。
欲を言えば、相手側がなぜ、そうしてしまったのかの、心理描写もしっかり描かれていると、さらに良かったかなぁと思いました。
お母さんの演技が俊逸です。
もちろん、主人公と相棒は完璧。
相棒のパートナーもいい味出しています。
登場人物自体は少ないですが、瞬きするのを忘れるくらいに、丁寧に描かれている美しい映画です。
もう一度見てみたいと思う、心温まる作品だと思います。
素晴らしい映画をありがとうございます。
イーストウッドは間違いない
全372件中、141~160件目を表示