リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
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国が有罪といったら無罪の証拠
あまりの捜査の杜撰さに驚きを隠せなかった。
確実な証拠もなしにプロファイリングだけで犯人だと決めつけ、ずぶの素人でもわかりそうなアリバイの裏付け確認を怠るFBI。
真の真犯人を突き止めることよりも、FBIが現場にいながら対処できなかったことの後ろめたさを、「早期犯人逮捕」という既成事実をでっちあげて批判をかわそうとしているようにしか思えず、憤りを感じた。
脅迫電話と事件現場の距離に整合性がとれないと「共犯がいた」とまでこじつける始末。しかもジュエルの友人をゲイ関係だとみなし、アリバイも確認せず共犯に仕立てようとする。
リチャードを騙して脅迫電話の証拠を捏造しようと画策したり、本当に目を疑うほどの酷さに権力の恐ろしさを感じた。【私は確信する】でも感じたが、証拠はどうした、証拠は。
結局リチャードを立件し裁判にまで持ち込めなかったからなのか、現場にいた他の被害者たちの証言が全くなかったのが少し気になる。テーマがぶれるからという理由で監督が割愛していたのならそれもまた潔しとは思うが、その辺の詳細も知りたかった。
一部批評家や観客からステレオタイプだと批判を浴びた新聞記者の描写もそうだが、監督が恣意的に少し事実を曲げている節は少なからずありそうだ。
しかし「メディア」による印象操作はいつの世も危険を孕んでいて、一度ついたイメージは受け手側が情報をアップデートしない限り永遠にそのままになってしまう可能性がある。監督はこの時代だからこそ、情報は鵜呑みにしてはいけないいう強いメッセージを送りたかったのではないか。
性善説に基づき人を判断しないと善き行いすら躊躇してしまう世の中になると、映画は問う。
少し愚直なまでの愛国心と正義心を持ち、劣等感の裏返しに権力側の職業につきたいリチャードのような人間は扱いづらく厄介な部分もあるけれど、あらためて「推定無罪」の重要性を感じた。
最後、結局44歳の若さで早世してしまったリチャードの母ボビが、弁護を引き受けたワトソンの子どものベビーシッターをしていたというエピソードに泣けた。
余談だがサム・ロックウェルとキャシー・ベイツのインタビュー映像を見たが、二人とも醸し出すオーラが凄い。特にサムはロックスターかよという凄み。劇中のオーラ消しの術が凄い。
やっぱり、クリント・イーストウッドは天才。実話としてのキャラクター...
やっぱり、クリント・イーストウッドは天才。実話としてのキャラクターの圧倒的リアリティに打たれるけど、この俳優を抜擢した監督もすごい。弁護士も母親もサイコー。権力の犬であり、オタクで、こだわりが強すぎて生き辛いジュエルが、最後に彼が目指したかった連邦法務官に堂々と食ってかかるシーンはサイコーだ。しかし、ジュエルが弁護士への面会を望んだのも彼のオタク的知識があったからで、この意味でもこのキャラクターは興味深い。スクープ狙いの病的ジャーナリストやどうしようもないFBIの奴らの描き方も風刺がしっかりきいている。クリント・イーストウッドは、権力に一人立ち向かう人間を常に描いてきたけど、ここんとこは、移民とかマイノリティに寄り添いつつ描いてるようにも見える。今回は弁護士の位置。
SNS時代にも通じる作品
クリント・イーストウッド監督作品
FBIが記者に情報をリークしそこから、マスコミ報道が過熱して、犯人とされてしまう。
事実でないものが、事実とされてしまうのは、SNSでの炎上と通じる現代的な問題で、
誤解が解けたとしても、そこには、もう興味が無かったり、
FBIとか警察が、都合のいいようにでっち上げ、マスコミもスクープを得るために追随するのも、変わらないなぁと
内容としては、疑われた警備員が、正義感が強すぎ&喋りすぎで、それが裏目に出る部分もありながら、弁護士の助けで闘っていく
アトランタ五輪が開催された時期に、同じ公園で撮影されたとのことで、リアルな感じ
人名がタイトルそのままだから、邦題か副題あればよりいいかなぁ😅
人物描写、設定が雑すぎる。
以前リチャードが警備員として働いてた学校の学長が、犯人はリチャードに間違いないとFBIに言うとバカなFBIは全員証拠もないのに信じ込んでしまう。学長から話を聞いたFBIは色仕掛けで迫る軽薄な女性記者に犯人はリチャードだろうと漏らす。女性記者は裏付けを一切取らず大スクープと舞い上がり一面の記事にする。暫くたって女性記者は犯人の電話とバッグを置いた時間が合わないのでリチャードは犯人ではないと思い始め、FBIに話すがそんなことは分かっている、共犯者がいるということだと取り合ってもらえないが、リチャードの母親のスピーチに感動して涙を流す良い人になってしまうが別にリチャードの嫌疑を晴らそうとは思わない。最後にFBIがリチャードに意味のない質問を次々するのでリチャードは自分が有罪になるのならこれから誰も不審物を見つけても通報しないだろうと言って勝手に帰るがFBIはその言葉が理解したのかしないのかわからないがなにも言わない。他にも弁護士の助手がリチャードの家が盗聴されていると理由もなく気づいたり、リチャードが英雄になったのは、爆発時の活躍を警官、警備員が証言したためだろうが、容疑者になってからは誰も証言する様子がないのも引っかかる。一度嫌疑がかかると晴らすのは難しいという話だが、あまりにひっかかる箇所が多すぎて話についていけなかった。
いかにもな犯人を世間も求める
レンタルDVDで
新作なのでいつもの4倍の料金だったがポイントでロハ
スクリーンで観たかったがコロナで泣く泣く断念した一作
さすがのイーストウッド監督作
下世話な女性記者のセリフ
犯人は誰でもいいから興味深い人物でありますように
本質をついている いかにもな犯人を世間も求める
母親と二人暮らしの中年の太っちょ独身男…
サムロックウェル弁護士カッコよくて頼りになる
主人公がスニッカーズなどで関係を築いていたからこそ
引き寄せた幸運ともいえる
アナログな縁もバカにできぬとのメッセージを読み取った
キャラクターのデフォルメで
だいぶ勧善懲悪感が強くなっていて分かりやすい
記者やFBIを相手に一歩も引かぬ態度は極めて痛快だ
現実はもっと玉虫色なのだろうが 映画らしい起承転結
派手さはないが、ジンワリくる秀作
リチャードは警備員の職務を忠実に果たし多くの人命を救ったのに、その後なぜか爆破犯の容疑者にされてしまう。理不尽の極みである。そしてこれはどの国でも起こり得る。
FBIは容疑者を挙げることが優先で、リチャードが真犯人とは思っていないのに外堀を埋めようと尽力する、その恐ろしさ。
主人公がまた、軽犯罪?の逮捕歴があったり銃をたくさん持っていたりで、市民の偏見を助長する人物なのがリアル。 先入観をもった報道に我々市民が誘導されてしまうのも恐ろしい。
報道を冷静・客観的に読み解く力を養わないと、自分たちも冤罪被害者への間接加害者になってしまうということを肝に銘じたい。
イーストウッド、もともとすごい監督ですが…あの歳でこの作品を撮るとは恐ろしい(笑
主役がいわゆる「キモいデブ」だから、普通なら企画の段階で話は終わる。だって客が呼べないから誰もお金を出さない。かといって二枚目俳優が演じたら説得力はゼロになる。
そんな題材を敢えてイーストウッドが監督したことに本当の意義があるんだな。。。て思いました。彼のネームバリューで一定以上の客は見込める。そしてネームバリューだけではない。。。よく出来た映画なのです。
サム・ロックウェルは今まであまり良いイメージなかったけど、本作で変わりました。
終わり方が痛快といえばそうで、自分のイメージではC・イーストウッド...
終わり方が痛快といえばそうで、自分のイメージではC・イーストウッド...
素晴らしすぎる映画です。
アメリカのマスコミとFBIをバカにしたいのかな?笑
多くの人の命を救った主人公が、逆に容疑者として無実の罪に問われる実話の物語です。
よく冤罪の映画ってあるけど、これもその類いと変わりません。よくあるよねアメリカって。。( ̄□ ̄;)
主人公は少し変わり者で正義感が強いので、裁判に不利な証言をしゃべらないかヒヤヒヤさせられますが笑
担当の弁護士のおかげで、最終的には救われてハッピーエンドにはなっております。
・・・・・が、これだけインパクトあるストーリーなのだから、もっと感情を煽るような大袈裟な演出があった方が良かった気はする。。
ちなみに作中では、裁判のシーンはありません。
尋問調査の過程が多く、その都度弁護士とリチャード・ジュエルが話し合ったり感情的なやりとりがあるだけで、流れは終始平凡でした。
反撃するところは大胆に度肝を抜くくらいやってくれたほうがスカッとするし、感動するところもセリフを選んで欲しい。。
僕が一番感動したのは、リチャードジュエルの母親が記者会見で無実を訴えてるところでしたかね。。
キャラクターの立場を想像すれば同情して当然で、そんな感情移入だけの映画だと思ってしまいました。
現代社会に起こりうる事態に警鐘を鳴らす1本
メディアを大学で勉強している自分にとって、この映画が2020年の1本目になったのも、ただならぬ偶然を感じる。
爆破テロの脅威から救った主人公のリチャード・ジュエル。しかし、地元紙のスクープによって、犯人として疑惑の目を向けられる。そんな彼の無実のために、ひとりの弁護士が立ち上がる。主題になっているのは、"メディアリンチ"から始まる、容赦ない負の連鎖である。一方的に攻撃することで、冤罪を訴える暇すら与えない。その状況下でもリチャードは"正義"を貫く。それも少し頼りなくて優しすぎるようなところもあるが…笑。その中でも立ち向かう背中がカッコいい。
リアリティとクオリティが共存した、実話を基にした作品。SNSやメディアによる情報氾濫が起きている今だからこそ、考えたくなる要素が多く、見ごたえがあった。
英雄から被疑者になった主人公の葛藤
FBI怖すぎ
権力サイドがちょうど良く利用できる人間を見つけた時ってこうも都合よく平然と利用す恐ろしさに加えて、主人公の誤解されやすすぎる性格に見ていて悲しくなってきてしまい…。見た目や出自なんかでわかりやすい力を持たない事の不利って残酷すぎる。
被害者と加害者がありながらも、どちらにも寄りすぎずに起こった事を冷静な視点で伝える映画に感じました。
次を起こさない1番の方法ってこれだよな、感情に訴える事じゃない。事実を見える様にする事だよな。
でも感情にしっかりドラマが刺さるんだよな、イーストウッドの静かな凄みがゴゴゴゴゴ。
FBIのやり口の汚さは当時当然の事だったのだろうと感じさせる内容で、たまたま目につく所に都合良く自分がいてそうなったらと思うとゾッとするよ。
弁護士が良い奴で本当に良かったと最後にしみじみ思ったのでした。
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