ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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2人の少女の屋上シーン
ずっと観ようと思っていてようやく鑑賞。私が1番良かったのは、2人の少女の屋上での会話シーン。
よく喋るようなった。
なってない。
なったよ。
それに明るくなった。
なってない。
なったよ。
このラリーがあと数回繰り返される。
2人の雰囲気。表情。間合い。本当に良い!作品自体の話をすれば、ちょっと期待値上がり過ぎたのもあるかもだか、ストーリーがね、後半どうしてもダメでした。そのカットいる?という過剰感も何度か。そんな展開にしなくてももっと深くて清くて暖かいものに仕上げて欲しかったかなー。もちろん草彅剛はがんばってた!
作品
壮絶に愛と夢を貫く人間ドラマ
凄いという言葉では物足りない。とんでもない衝撃作である。傑作である。不遇な環境のなかで、極めてリアルな人生を生きながら絆を深めていく母娘の物語と、彼女達のバレエへの夢追い物語が見事にシンクロした悲哀溢れる人間ドラマである。
主人公を始めとして登場人物達の人生を容赦なく赤裸々に表現している。人生の壮絶さが心に突き刺さってくる。それでもなお、それでもなお、愛と夢を貫く物語に圧倒される。涙が溢れて止まらない。
本作の主人公は、新宿のニューハーフクラブで働く、トランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)。彼は、育児放棄された親戚の少女・一果(服部樹咲)を預かることになる。最初は反目していた二人だったが、次第に心が通うようになり、凪沙は一果への母性が芽生えてくる。そして、凪沙は、バレリーナになるという一果の夢を支えていくが・・・。
主人公を演じる草なぎ剛と少女役の服部樹咲が本作のキーパーソンである。様々な想いを内に秘めながら弱みを見せず気丈に生きようとする凪沙を草なぎ剛が完璧に演じている。凪沙になり切っている。一果との絆が深まるプロセスを、時に粗野に、時に母性を感じさせる演技で、巧みに演じている。今まで色々な役柄を演じてきた草なぎ剛だが、凪沙役は彼の最適役である。本作は彼の代表作になるだろう。
少女役を演じる服部樹咲は、親に見放され自暴自棄になった時の近寄りがたい雰囲気、凪沙との不器用な交流、バレエに打ち込む時の懸命さ、バレエを踊る時の艶やかさ等、不遇で多感な夢を追いかける少女という難役を見事に熟している。特に、有り触れた場所で地味な普段着でバレエを踊るシーンは、それまでの彼女の想いが体現され美しく切ない。熱いものが込み上げてくる。
ラストは希望を未来に託して終わる。壮絶な愛と夢の物語は希望で結実する。観終わって充足感で心が満たされる。
本作は、愛すること、夢を追いかけることの意味と壮絶さを我々に強烈に提示している。
演技はいいが脚本が残念
草彅剛の演技はとてもよかったです。ニューハーフを演じるのに話し方は(きのう何食べたの内野聖陽のように)無理に作った感じもないし、佇まいや所作もとても自然で役になりきってたように思います。
そこが本当に素晴らしかったので手放しに賞賛してしまいがちですが、冷静にふりかえると映画の出来としてはエンタメ映画の域を出ないレベルだなと。
まず全編を通しLGBTである事に皆とても苦しんでるような表現をしていてなんだかなーって思いました。
例えば周囲もLGBTへ気遣いはあるんだけど、どこかで誰かの何気ない発言や行動で人知れず少し心を痛めるといった表現であれば「あ、ほんとは孤独なんだな」と伝わるのですが、そういう悪気の無い不理解ではなくわざとらしい悪意が多くて、露骨にセンセーショナルによせすぎていました。
イチカの前で泣き崩れ「私気持ちわるい?」「なんで私だけ…私だけ」と言って大泣きするシーンも説明すぎというか無理やりねじ込んだ感が強かったです。その世界で生きてる人ってこういつまでも割り切れずに発作的に感情が高ぶるものなのでしょうか?
どこかノンケの人間が共通して抱きそうなテンプレ的なLGBT像をなぞっている気がしてリアリティに欠けてる印象です。気づきがないんですよね。あ、実はそう感じていたんだ。って言う。
化け物だとか気持ち悪いなんて100万回言われたろうし、その感情に折り合いをつけて自分をさらけ出して長年生きて来たんだろうから、もっとその先の感情を見せて欲しかった気がします。
そういう意味で脚本が浅い気がしました。
あと、ケガをしてバレエが出来なくなったリンが他人の披露宴の最中に踊り狂ったあげくに飛び降りてしまいましたが、障害を負った人達があまりに人生に絶望し悲壮感を持ちすぎた表現をし過ぎている気がします。
まだ人生始まったばかりの中学生がケガをして、バレエが出来なくなったから死ななければいけないって程彼女はバレエに盲目に生きていたのでしょうか?あの歳で地下アイドルまがいの事をして男を金づるにする事もいとわなかったし、イチカとキスをするほど性に対しては奔放で、他人に嫉妬して成功を妨害しようするほど自分がかわいいのに、あんなに綺麗な死に方をするでしょうか?もっと柔軟性をもって泥臭く生きていけそうな子だと思いましたが。
終盤からエンディングにかけての凪沙に対する身内の不理解さや身体の悪化もそうだし、イチカの成功を際立たせるために他の事象を悲運に描きすぎてわざとらしさやあざとさを感じました。
脚本の稚拙さを特に感じたのは母親3名(イチカの実母、リンの母、ナギサの母)で、露骨な不理解さや失礼な態度がほんと漫画的というか、この作品の薄っぺらさを象徴する存在であったと思います。
原作をそのまま映像化した素晴らしい作品
苦手なバージョンの草彅くんでした
草彅くん演じてくれてありがとう
生を性を姓を全うするということ
流行りのトランスジェンダーとか多様性とかカラフルな自分って何?そんなの世界規模で指標にされてすることなの?それに疑問も持たず、ただ従うだけ?
授かった生を性を姓を大切にする。当たり前なことが当たり前でなくなっている昨今。
終始主人公が悲しかった。
ありのままの自分を表現することが許されず来たような健二。
ありのままでいいんよ、ありのままの性でありのままの姿で。
ありのままが歪め、縮こまされて、切り刻まれて行く悲しさを終始見せさせられた。
愚かとしか良いようのない性転換も自らを否定する悲しさを感じた。
私の知り合いに先天的に男性器を持っていながら、後天的に女性器も発達した世界的にも希な人がいる。
彼はどうも表面上(服装や格好)は女性を選んでお水の世界にも入った。
今は足を洗ったらしいが相変わらず女装。どちらの性も持っているのだけれど。
男性の彼が好きだったなぁ。女装しだしてから彼は閉鎖的になって遠ざかってしまった。
自分の身体を大切にして欲しい。ありのままの自分を愛してあげて欲しい。
結局はそこに行きつく。
それは私自身にも言えること。昔は女性であることを否定して男になりたかったなぁ。それって、自己否定。
ありのままの自分を愛するんよ。愛でるんよ。
それを自分にしてあげることが人には出来るんよ。
服部樹咲の顔面力
美少女だが何だろう?迫力がある。
一昔前の蒼井優とかに通じる雰囲気だ。
こっから化けたら凄い子になるかもしれない。
ストーリー上、LGBTの世界が当たり前のように拡がるのだが主演草なぎ剛の演じようがちょいとお母さんになってる。
恐ろしい演技力だ。
トランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)と姪っ子一果のコンビの不器用さに不安を感じるけど、二人に幸せになってほしいと願いながら観てしまう。
バレエが物語を彩るため、バレエのシーンが多いが素人目にも服部樹咲の舞に見入らされる。
友人役上野鈴華との友情を越えた関係を見せられても、違和感に感じないほど役に入り込んでいるようだった。
親に恵まれなかった一果と金持ちの両親に何もかも決められていくリンの友情は切ない。
母親に代わる繋がりを見せた凪沙(けんじ)とDQNな母親を見比べると何でこっち選ぶんだ?と…感じる程の母性を見せた草なぎ剛に驚きを禁じ得ない。
実の母親のあばずれっぷりが目を背けるレベルで対比すると「さすがにこの母親はない」と思うが 凪沙(草なぎ剛)だって理解者なしでは好奇の目を避けられないから仕方ないのか…
ラスト間際のオムツ交換シーンはツラい。
身体の手術はあんな結果もあるのがトランスジェンダーの厳しさをいっそう感じる。
ラストは美しく終わり心にのこるが、何かモヤモヤする。
唯一無二
美しい!!映画館で観るべき!!
こんな人生って辛いか!ってのを、これでもかってぐらい突きつけられて、押し付けられて、
その隙間に、とんでもなく美しい一瞬が差し込まれる。
それがあるから生きてけるし、人生って素晴らしいって思える。
すごい良かったです!!
特に中盤の2人で踊るシーンと海のシーンは最高過ぎる!!
イチカとリンがめちゃ良かった。
草薙くんは喋ってないときの眼差しがめちゃ良かった。
僕の心が汚いからか、バラエティーに毒されてるのか、
トランスジェンダーの役がどうしてもコントっぽく観えちゃいそうだったけど、ギリ大丈夫でした。TVで集中力なく観てたら危なかったかもと思いました。
集中してみないと勿体ない映画だと思う。
一昔前のドラマとかでのトランスジェンダーの扱われ方って、大体、ギャグ担当&辛い思いしてる分、人生分かってて優しいヤツみたいな感じで、
そうゆうキャラの出し方が好きじゃなかったんですけど、そーゆう嫌だ味は全然なくてよかった。
あの24時間TVの気持ち悪さというか。
ジェンダー関係なく、人間はみんな汚くて悪くて優しくて美しいよね。
ストーリー的に回収してくれないモヤモヤみたいなのが、けっこうあったんですけど、多分、お話を観せたい映画じゃないから!ってことなんだと思います。
見逃し再上映してくれてホントよかった!
泣いちゃうから、1人で観に行くのがオススメです!
かなりよかったけど、、
草薙君の演技が神がかってて、まさにニューハーフを演じていた、あまり綺麗とは言えない部分がリアル。
ヒロインの女の子、やさぐれていて、最初はあまり可愛く感じないんだけど、本当にどんどん綺麗になっていくのが見てとれるのが凄い。
ヒロインの子の才能に惚れこんで、性転換までして母親になろうとする執念はわかるんだけど、お涙頂戴なラストにしたかったような作りにするのはちょっと浅いような、、
あと、親友?の子、半ば無理やり友達になって、百合的なシーンを入れてみたり思わせぶりなんだけど最後まで拾わないし一体なんだったの?ってなる。
性転換した草薙は失敗?してやたらダメージをうけていたけどあんなぼろぼろになってしまうの?目もあまり見えなくなってたような?
とにかくところどころでよくわからないシーンが唐突にでてくる(バレエの大会で実の母親が突然現れたり、草薙のところに戻ってきたら完全に壊れてる、金魚がいないのも認識してないレベルになってる理由がよくわからない)
とにかく話を詰め込みすぎてて雑な部分がある
草彅くん、本当好き♡
評判良かったから、ずっと観たかった作品。草彅くんの女装、竹久夢二の絵のような、薄幸の美人で、決してはっちゃけたゲイバーのホステスじゃないところに、妙なリアリティを感じました。
いちかちゃんは表情によって、草彅くんにも似てたし、水川あさみにも似てたし、タッキーにも見えたw
女優としてのカメレオン感、顔が小さく手足が長い少女漫画の等身、演技演技してない台詞回し…オーディションで選ばれるのはこういう子なんだなと納得しながら観てました。
ストーリーは確かにリトルダンサー感はあったけど、チョコレートドーナツも彷彿させたかな。万引き家族、そして父になる…など、血の繋がりだけが親子じゃないというテーマは色々ありましたが、凪沙の役が悲しすぎて、重過ぎました。
少年成長物語好きな私としては、もちろん少女の成長も嬉しかったりしますが、りんちゃん役も悲しくて、そこの救いがほしかったかなと思います。
やっぱりベタでもいいから、ハッピーエンディングがいいな。
最近は一本の映画の中でよく居眠りし何回も途中で巻き戻しすることが増...
草彅剛!
草彅剛さんが凄かった。
観る前は草彅剛ファンが贔屓目に良かったと言ってるだけ
なんじゃないか?という気持ちもあったけど、
全くそんな事なかった。
草彅剛を知らない人でも凄い役者だと分かるような
演技だったと思う。
いちかのために働き始めるシーンなんか、
容姿は草彅剛のはずなのに、えっ!と思うほどに
役に憑依していた。
所作や言葉遣いや表情もキャラクターそのものという感じ
だった。
ただ草彅剛さんの演技は誰もが評価すると思うのだけど、
脚本はやや説明不足な気はしていて、
時間経過して次のシーンとなるのだけど、
その飛んだ時間で何があったかって結構重要なんじゃない?
と思ったり、これってどうなったの?と言うシーンが
結構あった。
いちかちゃんは無口なキャラクターだけど、
それにしても感情が分かりにく過ぎたかなと思いました。
LGBTに理解ある方だと思ったけど、全く何も分かってない
と言う事がよく分かりました。
面接のシーンで「LGBT勉強中です」と面接官が言うけど、
あの悪意のない言葉が1番傷付ける感じ、
あれは自分なんじゃないか?とゾッとしました。
リトルダンサーのように、いちかになれなかったもう一人の
自分を重ねる感じをもっとストレートに見せて欲しかった。
だけど、やはりこの草彅剛は絶対観た方が良いと思います。
邦画の新しい時代
白鳥になれなかった凪沙、なった一果
草なぎ剛、主演男優賞は真っ当な評価である。これは凄い!草なぎ剛以外の誰がこれを演じられるのか、彼でなければ成り立たなかっというくらいはまり役だった。トランスジェンダーの苦悩は「今は白鳥になれた」ような芸能界他で活躍されてる方々が振り返る過去で聞く話でしかなかった。どんなに辛くても今はこうなれた、的な。でもきっと誰もが白鳥にはなれない、そんな闇の部分をさらけ出したストーリー、映像に戦慄を覚えた。女装したら本物の女性よりきれい、な人ではこの役はダメです。(これは草なぎさんには失礼かもしれないが)そして別の闇を抱える一果、凪沙と同類の暗さを帯びながらも見事に白鳥へと成長する、その闇と光を実に見事に演じた。凪沙と同様に彼女のバレエをいつまでも見続けていたいと思う自分がいた。
哀しすぎる
一言「哀しすぎる」。
草なぎさんがトランジェスター役に挑んだ、話題作。
実は簡単に感想が書けない、ずっしり重たい内容です。
子供の頃に気づいた自分の性の違い。
それを背負って街の片隅で生きていた、主人公・凪沙(なぎさ)が。
母親に育児放棄された、遠縁の子一果(いちか)と預かる所から話が始まります。
愛情を受けずに育った一果と暮らすことで。
そこに擬似親子愛が生まれ。
「一果を守りたい、一果が才能を持つ“バレー“をもっと練習させてあげたい」。
そう思った凪沙は、肉体労働に出るけど力がない。
「ヘルメットに名前書いとけよ」と言われたシーン。
ここが私は印象的で、話の転機にもなったかな。
凪沙で生きてきたけど、本当は違う。
凪沙と一果これからは、どうなるのだろう。
途中引き離されても、心はずっと通じている。
ハッピーエンドで終わってほしい。そう願ってみてました。
そうじゃないと・・・。
草なぎさんの体当たりの演技に圧倒。
言葉がないっていうのは、こういうことか。
いやいや、よくここまで演じれたね。
そしてこれがオリジナル脚本というのも、すごいな。
結構重たいのでおすすめ!っていうわけにはいかないのだけど。
機会があったら。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「一人で生きな意見のじゃ、強くならんと」
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