ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
全670件中、141~160件目を表示
物語に感動
トランスジェンダーとLGBTQを分けて考えることができない人は多い。 今までは良くても、今はダメ。 そんな事も言えないなんて、息苦しい。 それがダメなら何も言えないわ。 と言う人は多い。 その小さな笑い、ごまかし、投げやりな思いやりが、今までどれだけの物言わぬ人の心を擦り減らし疲弊させてきたのかを、少し考えて欲しいだけなのに。 正直、演技は拙い人が多いし、演出もありがちなドラマみたいな場面が多かった。 この作品が「何故、私はこんなに生きづらいのか?」と苦しんでいる人に、少しでも希望が持てるきっかけになれば良いなぁと思います。 彼女は初登場から歩き方がバレリーナでした。 バレエが下手なフリは大変だっただろうなぁ。
愛されたい気持ち
都会の喧騒、転落していく人生など、シビアに描かれていました。 トランスジェンダーと言う難しい役柄を、 草彅さんが等身大に演じていました✨ バレエを通して成長する姿は、みにくいあひるの子のように見えました。 思春期の女の子が、親に愛されたい気持ちが、伝わってきました。 一果を演じた女の子は、新人でしたが、 遥かな可能性を感じました。
まずは知ること
前情報なしで観ました。 草なぎくん演じるなぎさがバレエのシーンが多いのかと思いきや、新人女優のバレエ姿が多く、 とても魅せられました。 いちかとなぎさが2人で階段で踊るシーンがとても美しかったのが印象的です。 草なぎくんはほぼ女性にしか見えず、男性の姿をしたシーンも女性に見えました。 性転換手術って危険なの?映画を見終わってから調べました。 日本でも手術を行っているそう、保険適用されたのは2018年って最近なんですね。 ただし、保険適用されるのはホルモン治療を受けていないこと。 安価で医者からの説明不足だったり情報が少なかったりして、ホルモン治療をすぐ受けてしまう人が多いみたいですね。 監督さんのコメントもまずは知ってほしいとの願いで映画を作られたそうで、 多様性のありかたが広がって、偏見や差別が少なくなるといいですね。 まずは知ることが大事だと思いました。
浅い描写と冗長な展開
普段は邦画(アニメーションを除く)を敬遠しがちなのだが、話題の映画ということで。
主役の演技は総じて悪くないと思う。しかし、凪沙(草彅剛)が一果の前で初めて涙を見せる場面には少し違和感があった。感情を堪えきれずに涙するという場面のはずが、台詞から妙に説明臭さを感じる。そもそも、小学生の頃から性同一性障害を自覚して生きる凪沙がそれだけを理由に号泣すること自体、少し考えにくい。失恋など何かきっかけがあれば話は別だが。「性的マイノリティの苦しみを描く」というコンセプトばかりが先行して、説得力を欠いてしまったシーンだと思う。
(その他にも、凪沙の面接のシーンなどは「性的マイノリティへのハラスメント」を描きたかったのだろうが、意図が見え見えで白ける。あのような台詞も現実には見られない。)
ストーリーがやや冗長に感じたのは、テーマを絞り切れていないことが原因だと思う。凪沙の性的マイノリティとしての葛藤、「母親」としての葛藤、一果の内面とバレエの成長、実親からの虐待、友人の死など、プロットが余りにも煩雑である。よって例えば、友人(恋人?)の自殺という重要な出来事も浅い描写に限られてしまっている。もう少し凪沙に焦点を絞って脚本作りをした方が内容も濃く、物語の軸が定まったのではないかと思う。脚本が役者の努力を殺してしまった、と言っても過言ではない。
ところで、タイの性転換手術に言及したレビューを見かけた。あれは手術の失敗というよりは凪沙の自暴自棄が原因ではと解釈した。手術後に一果を迎えに行くも、取り戻すことができず、生きる希望を見失ってしまったのだろう。もちろん一果には本当の理由を話さず「油断」と誤魔化したが。そう解釈すれば、あの時凪沙は絶望の中で病に伏していることになるが、それが予期せず一果と再会でき、一緒に最期を過ごすことができたのは、母として本望だっただろう。
少女の成長物語
ナギサで映画は始まるけど、この話の主人公は少女の一果であると思う。 草彅くんの熱演は認めるけれども、歩き方は明らかに変やし、バーのお客さんに「キレイ〜!」と言われるシーンがあるが、誰のこと?って感じで決して美人にはなってない。草彅くんが女装した、って域から出ない。そう、女装なんだよー。これには考えさせられるものがあって、これが露出の少ない俳優さんだったら違ったのではないか、と思う。草彅くんはもう、テレビで我々にありとあらゆる面を見せていて、ちょっとやそっとではそれが剥がれないのだ。テレビに出続けていて私生活も露出しているような人を使うことは、ファンを呼び込めるかもしれないが、マイナスもあるということである。 しかし水川あさみは終盤まで彼女とわからんかった。佐藤江梨子は最後までわからんかった。やっぱSMAPは別格ということかも。そういう人があの役を演じること自体が褒めるに値するってことか?…問題が循環している。 草彅くんが気になり過ぎて、内容が十分入ってこなかったというのが正直なところ。しかし改めて、悲しい話だった。自分ではどうしようもないことで、生きる上で苛烈な苦労を強いられるということは、性の問題に限らない。バレエ教室が一果の救いになったように、周囲や社会が差別せず、変わることで、彼らの痛みが少しでも軽減されれば…
バレエダンスのシーンが美しくて引き込まれる いちかの雰囲気やダンス...
バレエダンスのシーンが美しくて引き込まれる いちかの雰囲気やダンスが変わってくるのも愛らしい ただ少し残酷で消化しきれてない、、
ネームバリュー
お話はとても面白かったです。ただイマイチ映画の世界に入り込めなかったのは やはり「草彅剛」演じる凪沙さんが女装した草彅剛以上のものを感じなかったからだと思う 演技力というのは「その人」がそこに本当に存在してるかのように観客に感じさせることだと思っているので 「草彅剛」のようなネームバリューのある人であればあるほどやっぱりそこが問われるのではと 娘役の女優さんは新人さんということで、ここでしか見た事がないだからそういう意味では楽なわけです だからお話としてもバレエダンサーを目指す娘のお話になってました 凪沙さんの役を新人のおっさん俳優にやらせろとまでは言いませんが、、 良い映画だっただけにそこだけちょい残念でした
余韻にどっぷり
はじめは草彅剛やんって思ってたけど、愛というか母性みたいなものを獲得した後の姿が凄い。就職のために髪切ったシーンも顔が母すぎて、この個性との絶妙なバランスを兼ね備えた芝居ほんとオンリーワンだと思った。服部樹咲の「いやじゃ」が満点すぎる。
多くを語らずも伝わるのか
表題通り。全てのことを明らかにせずに、ひたすら一果のバレエを描いていたように思えた。りんや凪沙のことを示すことがなかったのが残念。 りんが一果にどんどんと差をつけられていき、りんが怪我でバレエができなくなる場面が辛かった。最初は自らよりも劣っていたのに、いつからか一果が上になっていく。中学生ながら、彼女はどう受け止めたのだろう。そういった嫉妬心もありつつ接吻をしたり、一果の出番になった時間に、彼女と同じものを踊ったりする辺り、彼女たちの絆の強さを感じた。彼女はあの後死んでしまったのだろうか。 そして凪沙。女になりたいと言う葛藤が、一果にバレエをさせたいという気持ちに変わるところが素敵。自らが生まれ持っていて、同時に醜く感じている男という性を使ってまで。仕事場で局部を触られる場面や、風俗のようなところのくだりは観ていられなかった。一果の実母とは違う、真の母性を感じた。実母は最後には少しは改心するようだが、凪沙には劣る。 凪沙は一果のバレエ関連が片付くと、タイにて去勢手術を行う。その場面やミズキのくだりの生々しい表現に耐えられなかった。 個人的に一番好きな場面は、凪沙が一果を抱き締め、「私たちみたいなのは一人で生きていくしかないの。強くなりなさい」と話し、その後「一人にさせたくないから」と仕事場に連れていく場面。重い過去を持つ人間は、恋愛でそれを癒すことは間違っている。一人で、自分で、慰めて励ますしかない。そう感じた。 自らの性、己の強さ、母性、様々なことに対し考えさせられる作品。しかし、終わりがあまりにぼんやりとしていた上に、考えさせられ過ぎる。それらを踏まえてのこの評価である。
アカデミー賞が好きそうな作品
草なぎさんの演技も 新人の服部樹咲さんの演技も動きも素晴らしかった! ちょっと淡々とし過ぎの様なもどかしさもありました。 感情などが分かりずらかった。それが狙いなのかも知れませんが私にはモヤモヤ感。 思わずウルウルとした感情を誘うシーンもありました。 見終わった2日後にも余韻が残ってるという事はいい映画だったかも知れない。
不幸を乗り越えて
主人公の女の子が綺麗だった。 自分の大切なものを失って強くなる物語なのかな? 白鳥の湖との親和性もあるんだと思うけど、勉強不足で分からんかった。 なんか、ままならないし、うまくいかないなーって感じた。 映画館で見るべき作品だったね。 うまく言語化できない。 78/100
124分あっという間でした
2021.4.1 TOHOシネマズ日比谷 気になっていた作品だったのですが観る機会がなく・・・ 日本アカデミー賞作品になり上映されてる映画館をさがして観ることが出来ました。 仕事帰りに 色々な事を考えさせられる作品でしたが124分あっという間でした。 映画館も満席に近い状態でした、 当たり前ですが皆さんマスクして静かでコロナ禍でも安心安全。 色々な作品を映画館で観たいと改めて思いました。
トランスジェンダーと母性
強く印象に残ったのは凪沙の美しさだ。
初めのお店のシーンで「スクール水着が着たかった」と話していた時は違和感があったが、一果がお店のステージで初めて踊った時に見とれる凪沙は美しいと思った。
草なぎがこんな名優だと知らなかった。
そして虐げられて育った無口な少女が凪沙と出会うことにより、しっかり自分を見つめる女性に変化していく。そんな演技ができる服部は素晴らしかった。
それでも、この映画の最大のテーマは「母性」ではないだろうか?
一果がコンクールの舞台で動けなくなった時、あれほど虐げられた母親を頼ってしまった。
母親の持つ母性とはかくも強力なのだ。
それを見た凪沙は、母性を持つために女性の身体を持つことを決意した。
また、一果は女性の身体になった凪沙を見て、自分にとって母親より重要な存在に気づいた。
昔「トランスアメリカ」と言う映画を見たが、トランスジェンダーになって実家に帰った時の親の反応が余りにも対照的だ。
また「トランスアメリカ」を見たくなった。
ピアノソナタによる映像詩
2020年度の日本アカデミー主演男優賞を受賞した、草彅剛扮するトランスジェンダー・凪沙の異様な熱演につい目がいってしまいますが、本作の本質は、一人のバレリーナが成長し開花していく凄絶で悲愴な通過儀礼を描いた物語であり、寧ろ草彅剛は脇役中の中心人物に過ぎません。 不幸な境遇で生まれ育ったために寡黙で内向的な少女と、物事にぞんざいな凪沙の絡みが中心故に、台詞が少なくト書きの多い脚本構成となり、勢い俳優たちの無言の高質な演技が求められます。 そのためか、映像に台詞の少ない尺がやたらと多いようです。中盤辺りの主人公の少女と親友となる女の子とのノーカット長回しはその典型であり、全体に間延びした印象が拭えません。 抑々アクションもラブロマンスもなく、美しい自然風景もない、ただ都会の喧騒の中の暗鬱で惨憺たるシーンが多く繰り返されるのですが、不思議に映像に緊張感はなく無機質的な透明感が漂っています。 それは台詞に代わって映画全体の空気を染め上げている美しく艶やかな音楽の功績です。渋谷慶一郎氏のソロピアノBGMは、儚い哀愁を帯びつつ、本作の人物たちの心の奥底に蟠る暗い情念の炎を、リリカルに観客の胸に響かせ共鳴させてくれます。スローテンポで流麗なリズムと切なく遣る瀬無い旋律は、耳に心地良く流れていくので、悲惨で身につまされるストーリーにも関わらず、私にはピアノソナタによる、バレリーナの成長譚を描いた清澄な映像詩を観た印象がしています。 多分、観客の中の涙腺に共振した人には、悲惨な報われぬ愛に強烈な同情と憐憫が沸き上がったことでしょう。 バレリーナとなる少女・桜田一果を演じる新人・服部樹咲は、精一杯熱演したとは思いますが、前半の不安・絶望・焦燥・諦観・羨望の入り混じった感情をほぼ無表情無言で演じており、後半の能動的所為に結び付くにはやや違和感がします。特に前半は、作品を通じてややローアングル気味の仰角ショットが多いので、余計にただ無気力なだけに映ってしまっていたのは残念に思います。
過去観た邦画の中でダントツ一位。傑作。
映画を見終わってエンドロールが流れた時の、あの余韻とピアノの音が混ざった空間。言葉には言い表せない。涙がひたすら流れた。 とにかくこの映画に出演してる人の演技力は凄まじい。自然で、本当にその役を生きているかのようだった。 草彅剛さんの演技は言うまでもなく、イチカ演じる服部樹咲がとにかく凄い。少女ゆえの儚さ、素朴さがありバレエを踊る姿はどこか切なくて悲しくて美しくてうっとりしてしまうほど。 アカデミー賞受賞は妥当。というかこれが受賞しないわけが無い。見る前に自分の中にあった高めのハードルを軽々と、もはや清々しいまでに爽快に超えてゆく。 人間、皆取り巻く環境、境遇、思いは違えどそれぞれ悩みがあり、苦しみ、今を必死に生きている。アカデミー賞を獲るまでミッドナイトスワンの存在すら恥ずかしながら知らなかった。だからこそ、今こんなに素晴らしい作品に出会えて、本当に良かった。きっと、後先どんなに素晴らしい映画が世に出ようともこの作品は一生忘れないと思います。 まだ観ていない方がいたら、DVD化を待たずに一度映画館に足を運んで観て欲しい。損はしない。きっと、心を動かされるはず。
なぜ自分らしく生きてはいけないのか。
ストーリーはシンプルです。登場人物の心情に沿って観ていくだけで、言葉にしない思いがビンビン伝わってきました。ナギサさん、イチカちゃん、友人のリンちゃん、イチカのお母さん...etcどんな境遇であれ、自分らしさと責任(期待されている役目)のズレがある。優しい人ほど期待を優先し、応えてあげようと無理めに頑張る。自分らしさがどんどん遠去かっていく。 でも自分らしさを出すのは、勇気が要ります。自分を出せば、嗤われ、蔑まれ、嫌われる。誰かを困らせ、失望させ、不機嫌にさせる。そしてついには犠牲にし、幸せを壊してしまうかもしれない。自分を出すのは、わがままで反社会的で、調和を乱す行為なのか。そう問いかけられている気がします。ジェンダーがテーマのようで、実は人類共通の問いです。 自分が望む自分と、みんなが望む自分。 中身と外見。 本質と世間体。 ズレが大きいと苦しみも大きい。どう重ねればいいのでしょう。 ナギサさん、はじめは意地悪な人。イチカちゃんは、変な子(全く口をききませんから)。でもなぜ意地悪か。なぜ口をきかないのか。 世の中に、人間に、突きつけている。 どうせみんな優しさも愛も人間らしくありたい気持ちもないんでしょう。 人に酷いこと言っても恥も感じないんでしょう。 同じじゃなきゃ許さないんでしょう。 それならこっちも期待しない。完全防備。ガチガチの鋼鉄並みのシールドで、心を覆い隠す。 やられたらやり返すだけ。 でも、同じように、自分にも突きつけている。 やられるからやり返す、そんなこと本当はしたいわけじゃない。傷付いたからって誰かを傷付ければ、そんなことをしている自分がもっと嫌になる。 袋叩きにあわないよう強く見せるしかない。一人でも生きていけるように。 でも頑張っても頑張っても、楽にならず光も見えない。自分を守る殻だけどんどん頑丈になっていく。 「どうしてわたしばっかり...」夜更けの部屋で、絞り出すように泣くナギサさん。 辛いねぇ..と胸が詰まり、思わず声をかけたくなりました。 あなたばっかりじゃないよ。 ジェンダー関係ない。これは誰にでも共通の問いかけです。肌の色や国籍、職業、学歴、年収、外見、出自。差別したい人がいる限り、なんでも差別の基準になり得ます。 なぜ自分が自分らしく生きるのを、認めない人たちがいるのか。 自分らしく、いていいよ。 なりたい自分に、なっていいよ。 ナギサさんはなかなか自分に言えなかった、でも誰かに言って欲しかったその言葉を、イチカちゃんには言ってあげられたのだと思いました。無言の言葉で。 無言の言葉を聴く耳を持つ人は少ない。でもイチカちゃんにはちゃんと届きました。白鳥は美しい佇まいの下で、必死で水を掻いている。ナギサさんもイチカちゃんも、誰でも、スワンなんだと思います。 たすきは渡されました。こんな形のハッピーエンドがあろうとは。自分らしく生きる、という聖火はまだちゃんと灯っています。国内だけでなく、世界の皆さんに観てほしい作品でした。
もうマイノリティでは無いよ。
周りにゲイの友だちも多いので、存在自体をどうとも思う事も無い。
が
すでにマイノリティとも思ってないゆえ
この映画の中で何度か出てくる「何で私だけ」と悲しむ姿に関しては、あまり同情してあげられないと思ってしまう。
それぞれ、自認する性の不一致だけで無く、色々な悩みを抱えてる人が世の中には居るから。
視点を変えれば、一果の母も苦しんでいるかもしれない。
凪沙の母も、息子の事で悩んでいるはず。
LGBTQだけではない。
登場人物の心境の変化が少し急展開だったような気も。
一果と出会う前から、凪沙の歩んできた人生をもっとじっくり見たかった。
性転換手術からその後の大変さが描かれてるのはとても良かった。
切って縫って、ハイ、終わり。じゃないからね。
女性と母の話
すばらしい。とにかく素晴らしい。 この感動ふたつ伝える ●役者の演技が良い 主演の草なぎ剛の演技が素晴らしい。特にバレエの先生から言われたある一言のに対しての微笑みは印象的だ。 ●女性とは何かを考える 女性であることが母なのか、それとも母だから女性なのか。無償の愛と言うところに対して性別の壁はなかった。 この映画を見たとき、新聞記者のようなモヤモヤさと道徳を感じた。 後世に受け継ぐべき映画だ。
全670件中、141~160件目を表示