ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
全681件中、601~620件目を表示
生まれ落ちた時から始まる葛藤
トランスジェンダーではない私には、気持ちはわかりません。
ただ、女である心はわかるから。
なんで、どうして、自分は女という性に生まれなかったのか。
何で自分だけ…。
主人公の葛藤が痛いほど胸を打ちました。
そして主人公のみならず、関わりのある人が皆、それぞれ「何で自分だけ…」と、苦しんでいるように、私には見えました。
こういった内容の映画が好きなので、個人的には高評価ではある。
けれど、それは中盤までだったかなぁ。
すこし中だるみした感じ。
ただ、音楽が素晴らしく良かったので、最後までもったような。
YouTubeの長い予告編は見ないでいった方が映画をより楽しめたかなぁと感じました。
思いっきり、心えぐられた。
いや〜心えぐられたよ。トランスジェンダーの凪沙が擬似親子関係から真の親子関係へのいたるハッピーエンド的な物語かと思ったら、全然違う。無防備だったもんだから心身ともにヘトヘトになったちゃった。
いとこの子供なんか普通、預からないと思うけど、そこはおいておいて、一果のThe思春期ぶりがいい。完黙に近い無口なうえに、凪沙がひるむくらい反抗的な態度。このへんは、新人と思えないくらい服部樹咲の演技が完璧だった。喋らずに表情と仕草で演技するなんて、高倉健ばり。
ラスト近くでの海のシーンでは、ちょっと素人ぽさが出てたけど、椅子を投げつけるシーンは最高。凄みさえあった。こっちが震えるくらいの暴発だね。そうかと思えば、ときたま見せるあどけない表情もいい。
内田監督にはやられたよ。中盤でのあの出来事は、全く予期できていなかったから、呼吸ができなくなるくらいの衝撃を受けた。ほんと、びっくりしすぎて涙もでない。「世界で一番ラブストーリー」ってうたってるけど、心をガリガリとヤスリで削るような展開が続くもんだから、涙も枯れちゃいました。
全く想像外のストーリーだったけど、久々に泣いたし、音楽もすごくよかった。今、サントラ聞きながら書いてるけど、思い出して涙が出そう。
_φ(・_・名作でした。終始嗚咽。見ないと損。
LGBTを扱った映画で思いつくのが『チョコレートドーナツ』。おそらくかぶるのかなぁと思っていましたが、この映画それ以上の秀作ですよ。
ネグレクトのこども一果を養育費目当てで引き取ったLGBTの凪沙の話。共同生活をしていく過程で 凪沙の母性が強まっていくのだが、、、、、、。
さまざまな人生の場面の陰と陽を巧みに描いています。健常者とLGBT 、男と女、成功者と敗者、本物と偽物、、、、。バレエの印象的な曲が効果的に入りジンと心に響きます。
ラストシーン、、、涙腺崩壊。凪沙は一果に憧れて、一果は凪沙を母として敬愛していたのでしょう。
草なぎ、、、、とても良い演技。日本代表する俳優です。SMAP完全卒業。
服部樹咲、、、、楽しみ!思春期の女の子全開でした。良い演技。
上野鈴華、、、、おそらく一果の金持ちの友達?見逃せない良い演技、期待大の女優になるでしょう。
特筆すべきは新人服部樹咲
草なぎの演技のうまさは、いきてるね。
内容は、僕好みではないね。僕は、ハッピーエンド派やからね。しかし服部樹咲は、少女のもつ危うさ、したたかさを兼ね備えてる。ラストでは、美しい!
そして上野鈴華も可愛い。エロい!
キンキーブーツやブラックスワン、真夜中のカーボーイを思い出したよ。
新宿に佇む白鳥
見事な女優デビュー・服部樹咲
トランジェスターの主人公と親から虐待されてきた少女。孤独な2人が偶然出会い繰り広げる疑似親子のラブストーリー。草なぎ剛はトランジェスター役を見事に演じていたが、それ以上にオーディションで抜擢された新人女優・服部樹咲の七変化する演技が素晴らしく見事な女優デビューを果たしました。
ストーリーとしては途中で中だるみしたようにも感じたがそれでも十分見応えある作品でした。
2020-171
かつての原田美枝子・蒼井優。新人女優のみが成し得る奇跡。
草なぎ剛がトランスジェンダーを演じるのだが、真の主人公は母にネグレクトされ広島から親戚を頼って上京してきた少女・一果である。この13歳の新人・服部樹咲が圧倒的に素晴らしく今年度女優賞を総なめにすることはまず間違いない。登場してきた瞬間「あ、原田美枝子だ」と思った。そしてドラマが進むうちに「花とアリス」の蒼井優に重なる。でもそれはもちろん彼女を見出した事も含めて内田英治監督の力量であろう。転校してきた高校で唯一の友人りん(上野鈴華)との屋上でのやりとり。バレエコンクール舞台の一果とシンクロして踊るりん。草なぎと海へ向かうバスの後部座席。グッとくる好きな映画的シーンがいっぱいでたまらない。草なぎくんの話題で逆にこの傑作が「色物」と目され敬遠されてしまうことを恐れる。今、絶対に観るべき一本。
心が痛い
美しさと残酷さが目に焼き付いた
ハチミツしょうが焼ソテーはお母さんの味
1.終わりかたがいい。
2.エンドクレジットのあとの最後のワンショットがいい。まあ、途中で帰る人もいないと思うけど。
3.服部樹咲(新人)が素晴らし過ぎて、もうどうしようもない。彼女の持ち味を活かすことができたこんないい映画でデビューできたことを祝ってあげたい。イチカって、ずっと呼んじゃいそうです。
4.リン役の上野鈴華も良かった。かわいそうだったけど。タバコふかしてあぐらかくと、あんな美少女がオヤジ顔になるところも感心した。
5.田口トモロヲがでてたかわからない。それほど、どの役者でも、メイクさんたちの努力、力量が素晴らしい。
6.草薙剛の凪沙の痛々しさが半端ない。究極の母性愛&自己犠牲と目が見えなくなるほどの栄養失調。ハエの羽音。金魚。新宿裏通りのアパートのリアル感。新宿の夜景の美しさとの対比。風俗営業やタイでの手術場面のリアリティー。
7.バレエ練習場面での真飛聖のリアリティー。これは宝塚の強み。それに、彼女が凪沙を色眼鏡で見ないところ。「わたし、今、お母さんって言いました?ごめんなさい。ごめんなさい。」の場面での凪沙の嬉し恥ずかしアクション。
8.伊豆七島の見える下田の海岸の美しさ。
9.ハニーシロップジンジャーポークソテー 一果は二枚 わたしは 一枚
10.健二と剣太郎の友情
まだまだありますけど
女、また母親になりきれない人の切なさが実感できる映画
ある見方をすれば、この映画は純粋でとても美しい映画である。
確かにトランスジェンダーの話で、未だある一般的なイメージであれば
男性が女性の格好をするというところの違和感はあるのではと考える。
ただ主人公である凪沙の葛藤やそのやさしさはとても純粋であり美しいと感じた。
そして純粋がゆえに切なさが込み上げてくる。
一果がだんだん凪沙が心惹かれていく部分など、母性といった枠組みではなく、
人間愛を実感できる。
また注目すべきは草彅剛の演技である。その演技に飲み込まれていく。
実際に存在しているかの様な演技は吸い込まれそうであった。
常に彼ベースで考えさせられてしまい、ずーと目が離せない感じであった。
そして相手役の服部樹咲、その他キャストにもいい。
単にトランスジェンダーの映画ということではなく、人間愛としての映画として観て欲しいと思う。
また草彅剛の演技にも注目して欲しい。
お勧めします。
飛べないスワンたちの物語
出演のふたりだけが白鳥のように捉えている方が多い気がしましたが、私は登場する人物全部が飛べない白鳥じゃないかと思っています。
凪沙も一果の母親も傷つきながら必死に羽ばたこうとしているように見えました。
草彅さんのインタビューでそれぞれのシーンは順撮りしたと言っていましたが、変化して行く一果の顔つきがとても印象に残っています。
ただ、時間経過や起こる事柄に対して細かい説明がないのでモヤモヤや疑問を感じる方もいるかも知れません。
監督にツッコミを入れるとすれば、一果が自傷行為を続けているのに色素沈着すらないのはどうなんでしょう…
内田監督が美しく残酷なバレエを描きたかったと言っていたけれどラストのバレエシーンは本当に美しかった。
エンドロールが終わってもどうか最後まで席を立たないで!
【追記】9/27 原作本読了
本を読むと映画で省略された部分も補完できた。
時間経過がわかりにくかったのも説明が書かれている部分をカットしたからだと思います。
カットしたのは観客の想像力に任せたのか、予算上そうしたのかは分からないですが気になる人は読んでみると疑問点がスッキリするかも。
凪沙がスイートピーで働く前のストーリーや瑞貴との関係も出来れば本編に加えて欲しかったかな。
2人の女性を取り巻く、純粋さが美しい
予告編を見て、公開初日に行ってきました。
草彅剛の演技力はもちろん、真飛聖のバレエの先生としての真っ直ぐな眼差し、りん役の子の最期の大きなジャンプの衝撃、一果の自傷に走ってしまう純粋さなどは本当に見応えがありました。
ただ、時間に収まりきらなかったのか、凪沙の病状の急展開についていけず、でも一果目線なら突然でも仕方がない描写なのか、なぜ引越しをしてるのか、失明に至るまでのほんの小さな描写でも欲しかったところです。
広島での卒業式の時の一果の友人関係も良好すぎて東京の時とのギャップが出ていたので、そこももう少し描写して欲しかったです。
一果の、りんと凪沙の死の乗り越え方も気になってしまうのがこの映画の見る人の想像力を掻き立てるところなのでしょう。
それがまた美しさを孕んでいる感じがします。
身もふたもないことを言ってしまうと一果が東京に来なければ、りんも凪沙も死なずに済んだのでは、と思ってしまった。愛の代償か、言葉にしない幼さからの罪深さを感じてしまった。
凪沙と一果の切なくも深い愛の物語
自分の心の奥底から…切な過ぎる程深い呻き声と嗚咽が聞こえた…
終わりました……………泣きすぎて、泣きすぎて
………終わってベンチでボーッとしながら思い出しては胸が痛くなってしまう。そんな心の奥に響く映画でした。草彅剛さんは、もちろんのことボロボロの母親役の水川あさみさんも、素晴らしい。が……草彅くんと並んでの主役と言っても過言では無いほど凄いのが、服部樹咲ちゃん。13歳のこの映画が初めてというとんでもない大型新人さんです!スラリと長い手足、あどけなく、悲哀に満ちた表情……とにかくバレエが素敵💓💞最初から最後まで心をぐわっと掴まれて、その世界へ入ってしまいました。何度涙が溢れたでしょう。大きな出来事に泣くと言うより、ジワジワと奥の方から胸が苦しくて…ままならない人生を辛く悲しい性を背負って必死で生きてる人間像に…涙ぐみます。そんな大人の哀しさの横に一果ちゃんが いる事でホワッと救われるんです。テーマは様々で、人間の数だけ悩みや辛さも無限にあるんでしょう…お金のある無しに限らず幸せの1番大切な要は「心」。そう深く感じました。この映画、今年最高……かも。久々に心の奥が震えるほど泣きました………。
バレエが美しくって。ついこの前、Amazonプライムで「2人のスワン」って洋画を観たのでバレエという芸術に惚れ惚れしていた所でした。
いやぁーこの新人ちゃん凄いわ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )⸜❤︎⸝
※そうそう、忘れてはいけない大切な親友…りんちゃん。上野鈴鹿ちゃんって女の子なんだけどその子が、またいい💓💞この子がいて、樹咲ちゃんがまた光る……꙳★*゚そしてりんちゃんも切ないの………😭 これ以上語れない。映画を観て下さいね(*^_^*)是非
『37セカンズ』を観たあとでは、すべてが足らないように見えてしまいました。
性同一性障害、LBGTともに知識としては、かなり一般化してきましたが、そのような方と直接知り合ったり話をした経験がありません(相手の方が隠していて気が付かなかっただけかもしれませんが)。どんな人であれ、ひとりひとり考え方も個性も違うのが当たり前だし、ましてや個々の内面については何も知りません。それなのに、何かの折に『そのような人たち』となんの悪気もないまま、一括りにして語ってしまうことがあります。
社会やメディアにおいて構成人数が少ないカテゴリーに属する人たちについて、〝◯◯の世界の人たち〟と括ってしまうことが少なからずありますが、それは個々人の立場や背景を理解する労力に比べれば、一緒くたにした方が楽だからだと思います。
今年の2月に公開された映画『37セカンズ』はそんな楽をする思考法で凝り固まった私の脳ミソを破壊するほどに、ひとくくりにできない〝個人〟を描いていました。
主役は障害のある女性でしたが、終始『障害のある方達』という括り方とは無縁で、あくまでも(たまたま障害がある)ユマという個人の物語でした。
それでいて観賞後は、健常者の誰もが普段から持っているであろう『障害を持つ方々への潜在的な〝後ろめたさ〟のようなもの』があぶり出され、その向き合い方について、さりげなく、それでいて深く考えさせられたのでした。
『37セカンズ』と比べてしまうと、次のような点が不十分に見えてしまうのです。
•この映画は性同一性障害の方の中でも、かなり限定的な世界に生きる人たち、という描かれ方をしているために、大多数の鑑賞者にとって〝自分とは縁のない世界の物語〟という印象を与えかねない。
•あの手術をあれほどハイリスクなものとして描いてしまったゆえに、親が性同一性障害の子どもの心を理解してあげること(偏見との闘い)、子どもの身の安全を願うこと(親が子を思う気持ち)の狭間で親が葛藤する、というテーマが吹き飛んでしまう。
•女性=母性を強調したかったのだと思いますが、被虐待児である一果にとっての『安全基地』になるという意味では、性転換手術をしなくとも〝母〟的な存在としてとっくに寄り添えていました。なので、あの手術は、あのラストを迎えるために無理やりに入れた不自然な印象が残りました。
水川あさみさん演じる母親の立ち直り振り(少なくとも一果が自傷行為もかなりの程度まで治まり、バレエを続ける環境は守ることができた)もまったく触れられていないのは不可解でした。彼女も彼女なりに一果が中学を卒業するまでは、バレエ留学の奨学金を得られるほど支えてきた〝母親〟だったのに。
草彅剛さん始め、役者さんたちの奮闘は素晴らしいのに、人間性を掘り下げるテーマについて、少し雑に描いている印象が残りました。
ミッドナイトスワンを見て
予告の映像も見て本も読んでから映画を見たのですが、衝撃でした。
見終えて持って行きようの無い気持ちになり、帰宅してからも何も出来無かった。そうなのか!
自分の身体と心が合わないって
こんなに苦しいものなのか?
と初めて知りました。
普通に自分たちが傷つける事をやっていたんだ!という衝撃。
1人独りが自分の行動言動を見直すチャンスをくれた映画です。
草彅剛さんがあるき方表情等で内面の動きの微妙な変化をとても伝わるように演じていて、そして、
ここ迄踏み込んで演じている。
服部さん無表情な眼差しから笑顔が出る迄の変化。バレエの美しさ!
りん役の無常感の演技。
ミズキとの深い友情。
水川さんと凪沙のバトルシーン。
凄かった。
もう言葉が出ないほどの衝撃に打ちのめされています。
見るべき映画です。
心がこの映画から離れられません
余韻に浸っていたい
公開初日レイトショーで観てきた。
しばらく動きたくなかった。
誰とも話したくなかった。
どんな音楽も聴きたくなくて、車のオーディオ消して帰ってきた。
余韻が強く残る映画。
ストーリー自体はなんとなく知っていた。それなのに、その展開や映画としての描写法に驚いた。
新人の服部樹咲の演技、バレエシーンにも惹き込まれる。
そして何よりも、草彅剛という俳優の凄さを感じた。
私は過去の彼の作品をあまり観たことがない。だから単に私が知らなかっただけなのか、この作品の彼が特にそうなのかは判らないが、とにかく「草彅剛」自身はそこに存在しなかった。彼が演じているのだけど、そこにいるのは彼ではなく「凪沙」というひとりの人物そのものだった。
元SMAPに対する興味で観る人もいるかもしれない。現に私がそうだ。
でも、同情心や判官びいき的な感情は一切要らない。キチンと評価されるべき映画。
全681件中、601~620件目を表示