ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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ハチミツしょうが焼ソテーはお母さんの味
1.終わりかたがいい。
2.エンドクレジットのあとの最後のワンショットがいい。まあ、途中で帰る人もいないと思うけど。
3.服部樹咲(新人)が素晴らし過ぎて、もうどうしようもない。彼女の持ち味を活かすことができたこんないい映画でデビューできたことを祝ってあげたい。イチカって、ずっと呼んじゃいそうです。
4.リン役の上野鈴華も良かった。かわいそうだったけど。タバコふかしてあぐらかくと、あんな美少女がオヤジ顔になるところも感心した。
5.田口トモロヲがでてたかわからない。それほど、どの役者でも、メイクさんたちの努力、力量が素晴らしい。
6.草薙剛の凪沙の痛々しさが半端ない。究極の母性愛&自己犠牲と目が見えなくなるほどの栄養失調。ハエの羽音。金魚。新宿裏通りのアパートのリアル感。新宿の夜景の美しさとの対比。風俗営業やタイでの手術場面のリアリティー。
7.バレエ練習場面での真飛聖のリアリティー。これは宝塚の強み。それに、彼女が凪沙を色眼鏡で見ないところ。「わたし、今、お母さんって言いました?ごめんなさい。ごめんなさい。」の場面での凪沙の嬉し恥ずかしアクション。
8.伊豆七島の見える下田の海岸の美しさ。
9.ハニーシロップジンジャーポークソテー 一果は二枚 わたしは 一枚
10.健二と剣太郎の友情
まだまだありますけど
女、また母親になりきれない人の切なさが実感できる映画
ある見方をすれば、この映画は純粋でとても美しい映画である。
確かにトランスジェンダーの話で、未だある一般的なイメージであれば
男性が女性の格好をするというところの違和感はあるのではと考える。
ただ主人公である凪沙の葛藤やそのやさしさはとても純粋であり美しいと感じた。
そして純粋がゆえに切なさが込み上げてくる。
一果がだんだん凪沙が心惹かれていく部分など、母性といった枠組みではなく、
人間愛を実感できる。
また注目すべきは草彅剛の演技である。その演技に飲み込まれていく。
実際に存在しているかの様な演技は吸い込まれそうであった。
常に彼ベースで考えさせられてしまい、ずーと目が離せない感じであった。
そして相手役の服部樹咲、その他キャストにもいい。
単にトランスジェンダーの映画ということではなく、人間愛としての映画として観て欲しいと思う。
また草彅剛の演技にも注目して欲しい。
お勧めします。
飛べないスワンたちの物語
出演のふたりだけが白鳥のように捉えている方が多い気がしましたが、私は登場する人物全部が飛べない白鳥じゃないかと思っています。
凪沙も一果の母親も傷つきながら必死に羽ばたこうとしているように見えました。
草彅さんのインタビューでそれぞれのシーンは順撮りしたと言っていましたが、変化して行く一果の顔つきがとても印象に残っています。
ただ、時間経過や起こる事柄に対して細かい説明がないのでモヤモヤや疑問を感じる方もいるかも知れません。
監督にツッコミを入れるとすれば、一果が自傷行為を続けているのに色素沈着すらないのはどうなんでしょう…
内田監督が美しく残酷なバレエを描きたかったと言っていたけれどラストのバレエシーンは本当に美しかった。
エンドロールが終わってもどうか最後まで席を立たないで!
【追記】9/27 原作本読了
本を読むと映画で省略された部分も補完できた。
時間経過がわかりにくかったのも説明が書かれている部分をカットしたからだと思います。
カットしたのは観客の想像力に任せたのか、予算上そうしたのかは分からないですが気になる人は読んでみると疑問点がスッキリするかも。
凪沙がスイートピーで働く前のストーリーや瑞貴との関係も出来れば本編に加えて欲しかったかな。
2人の女性を取り巻く、純粋さが美しい
予告編を見て、公開初日に行ってきました。
草彅剛の演技力はもちろん、真飛聖のバレエの先生としての真っ直ぐな眼差し、りん役の子の最期の大きなジャンプの衝撃、一果の自傷に走ってしまう純粋さなどは本当に見応えがありました。
ただ、時間に収まりきらなかったのか、凪沙の病状の急展開についていけず、でも一果目線なら突然でも仕方がない描写なのか、なぜ引越しをしてるのか、失明に至るまでのほんの小さな描写でも欲しかったところです。
広島での卒業式の時の一果の友人関係も良好すぎて東京の時とのギャップが出ていたので、そこももう少し描写して欲しかったです。
一果の、りんと凪沙の死の乗り越え方も気になってしまうのがこの映画の見る人の想像力を掻き立てるところなのでしょう。
それがまた美しさを孕んでいる感じがします。
身もふたもないことを言ってしまうと一果が東京に来なければ、りんも凪沙も死なずに済んだのでは、と思ってしまった。愛の代償か、言葉にしない幼さからの罪深さを感じてしまった。
凪沙と一果の切なくも深い愛の物語
自分の心の奥底から…切な過ぎる程深い呻き声と嗚咽が聞こえた…
終わりました……………泣きすぎて、泣きすぎて
………終わってベンチでボーッとしながら思い出しては胸が痛くなってしまう。そんな心の奥に響く映画でした。草彅剛さんは、もちろんのことボロボロの母親役の水川あさみさんも、素晴らしい。が……草彅くんと並んでの主役と言っても過言では無いほど凄いのが、服部樹咲ちゃん。13歳のこの映画が初めてというとんでもない大型新人さんです!スラリと長い手足、あどけなく、悲哀に満ちた表情……とにかくバレエが素敵💓💞最初から最後まで心をぐわっと掴まれて、その世界へ入ってしまいました。何度涙が溢れたでしょう。大きな出来事に泣くと言うより、ジワジワと奥の方から胸が苦しくて…ままならない人生を辛く悲しい性を背負って必死で生きてる人間像に…涙ぐみます。そんな大人の哀しさの横に一果ちゃんが いる事でホワッと救われるんです。テーマは様々で、人間の数だけ悩みや辛さも無限にあるんでしょう…お金のある無しに限らず幸せの1番大切な要は「心」。そう深く感じました。この映画、今年最高……かも。久々に心の奥が震えるほど泣きました………。
バレエが美しくって。ついこの前、Amazonプライムで「2人のスワン」って洋画を観たのでバレエという芸術に惚れ惚れしていた所でした。
いやぁーこの新人ちゃん凄いわ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )⸜❤︎⸝
※そうそう、忘れてはいけない大切な親友…りんちゃん。上野鈴鹿ちゃんって女の子なんだけどその子が、またいい💓💞この子がいて、樹咲ちゃんがまた光る……꙳★*゚そしてりんちゃんも切ないの………😭 これ以上語れない。映画を観て下さいね(*^_^*)是非
『37セカンズ』を観たあとでは、すべてが足らないように見えてしまいました。
性同一性障害、LBGTともに知識としては、かなり一般化してきましたが、そのような方と直接知り合ったり話をした経験がありません(相手の方が隠していて気が付かなかっただけかもしれませんが)。どんな人であれ、ひとりひとり考え方も個性も違うのが当たり前だし、ましてや個々の内面については何も知りません。それなのに、何かの折に『そのような人たち』となんの悪気もないまま、一括りにして語ってしまうことがあります。
社会やメディアにおいて構成人数が少ないカテゴリーに属する人たちについて、〝◯◯の世界の人たち〟と括ってしまうことが少なからずありますが、それは個々人の立場や背景を理解する労力に比べれば、一緒くたにした方が楽だからだと思います。
今年の2月に公開された映画『37セカンズ』はそんな楽をする思考法で凝り固まった私の脳ミソを破壊するほどに、ひとくくりにできない〝個人〟を描いていました。
主役は障害のある女性でしたが、終始『障害のある方達』という括り方とは無縁で、あくまでも(たまたま障害がある)ユマという個人の物語でした。
それでいて観賞後は、健常者の誰もが普段から持っているであろう『障害を持つ方々への潜在的な〝後ろめたさ〟のようなもの』があぶり出され、その向き合い方について、さりげなく、それでいて深く考えさせられたのでした。
『37セカンズ』と比べてしまうと、次のような点が不十分に見えてしまうのです。
•この映画は性同一性障害の方の中でも、かなり限定的な世界に生きる人たち、という描かれ方をしているために、大多数の鑑賞者にとって〝自分とは縁のない世界の物語〟という印象を与えかねない。
•あの手術をあれほどハイリスクなものとして描いてしまったゆえに、親が性同一性障害の子どもの心を理解してあげること(偏見との闘い)、子どもの身の安全を願うこと(親が子を思う気持ち)の狭間で親が葛藤する、というテーマが吹き飛んでしまう。
•女性=母性を強調したかったのだと思いますが、被虐待児である一果にとっての『安全基地』になるという意味では、性転換手術をしなくとも〝母〟的な存在としてとっくに寄り添えていました。なので、あの手術は、あのラストを迎えるために無理やりに入れた不自然な印象が残りました。
水川あさみさん演じる母親の立ち直り振り(少なくとも一果が自傷行為もかなりの程度まで治まり、バレエを続ける環境は守ることができた)もまったく触れられていないのは不可解でした。彼女も彼女なりに一果が中学を卒業するまでは、バレエ留学の奨学金を得られるほど支えてきた〝母親〟だったのに。
草彅剛さん始め、役者さんたちの奮闘は素晴らしいのに、人間性を掘り下げるテーマについて、少し雑に描いている印象が残りました。
ミッドナイトスワンを見て
予告の映像も見て本も読んでから映画を見たのですが、衝撃でした。
見終えて持って行きようの無い気持ちになり、帰宅してからも何も出来無かった。そうなのか!
自分の身体と心が合わないって
こんなに苦しいものなのか?
と初めて知りました。
普通に自分たちが傷つける事をやっていたんだ!という衝撃。
1人独りが自分の行動言動を見直すチャンスをくれた映画です。
草彅剛さんがあるき方表情等で内面の動きの微妙な変化をとても伝わるように演じていて、そして、
ここ迄踏み込んで演じている。
服部さん無表情な眼差しから笑顔が出る迄の変化。バレエの美しさ!
りん役の無常感の演技。
ミズキとの深い友情。
水川さんと凪沙のバトルシーン。
凄かった。
もう言葉が出ないほどの衝撃に打ちのめされています。
見るべき映画です。
心がこの映画から離れられません
余韻に浸っていたい
公開初日レイトショーで観てきた。
しばらく動きたくなかった。
誰とも話したくなかった。
どんな音楽も聴きたくなくて、車のオーディオ消して帰ってきた。
余韻が強く残る映画。
ストーリー自体はなんとなく知っていた。それなのに、その展開や映画としての描写法に驚いた。
新人の服部樹咲の演技、バレエシーンにも惹き込まれる。
そして何よりも、草彅剛という俳優の凄さを感じた。
私は過去の彼の作品をあまり観たことがない。だから単に私が知らなかっただけなのか、この作品の彼が特にそうなのかは判らないが、とにかく「草彅剛」自身はそこに存在しなかった。彼が演じているのだけど、そこにいるのは彼ではなく「凪沙」というひとりの人物そのものだった。
元SMAPに対する興味で観る人もいるかもしれない。現に私がそうだ。
でも、同情心や判官びいき的な感情は一切要らない。キチンと評価されるべき映画。
2人が抱える苦しみと希望が胸を打つ
幼少期から自身の性別により悩み苦しみ続けてきた凪沙と、親の育児放棄で孤独な哀しみを抱えている一果。そんな2人が心を通わせることで、微かな希望や生きがいのようなものが育まれていく様が、セリフで説明するのではなく、2人の表情や行動から伝わってきました。
特に本作はバレエシーンに想像以上に尺を使っていますが、服部さん・真飛さんを始めエキストラの生徒さんまで皆しっかりバレエ経験者なのがとても良かったです。説得力があり、言葉で説明しなくてもどんな思いで今踊っているのかが伝わってきます。
一果が凪沙の苦しみや希望を背負って踊るラストシーンは色んな想いがこみ上げ、涙が溢れました。
ただ、本作の結末は、個人的には悲しすぎて、出来ればもう少し幸せや希望を感じさせて欲しかった…。このあたりは好みだと思いますが。
でも観て良かったです。今後の服部さんの活躍が楽しみ!
最後の光明を見せる必要があったのか…?
監督の構えたミットに見事なまでの草薙剛の投球が決まってます。暗い画面と相まって見事としか。
服部樹咲は最初無口すぎるのがちょっと…虐待受けてるなりにボソボソって喋らせた方がストーリー的に良かったと。
後半あれだけ良い子?になるのだから他人とのコミュニケーション少しくらいはスタート時から付けてあげて欲しかった。
ボロボロで終わる作品って結構好きなんだけど最後のダンスシーンで夢見させる終わり方には…?
せいぜい空港から旅立つ!みたいな終わらせ方の方が暗いままで終われてよかったのでわと。
草薙剛は見事に自分の色を活かして演技切ったと思う。
無理してやさぐれモノを演じた?◯◯の作品とはかなり出来が違ったと。
俺的には吾郎ちゃんは『岸田森』の線でいってもらいたいなぁ…
【”何故、私だけが・・”と言う思いを抱えて生きている二人の”女性”が出会い、関係性を深めていく美しくも切ない物語。】
ー性同一障害に幼き頃から悩みながら生きてきた凪沙(草彅剛)と、酒浸りの母親(水川あさみ)のネグレクトの環境下、必死に生きてきた少女一果(服部樹咲)がある理由から一緒に暮らし始める所から物語は始まる。
◆このレビューでは、凪沙を”彼女”と表現します。-
■印象的なシーン
・”新宿駅東口”の近くで、初めて会った凪沙と一果のそっけない遣り取り。そして、その状態は凪沙が一果を家に連れて行く時も、家についてからも続く・・。
”あたしは子供が嫌いなの・・”
”風呂はあたしがいない間に使う事”
”部屋を綺麗にしておきなさい・・”
一言も発せず聞き流す一果の姿。
ー 二人とも、辛い生き方を続けてきたため、気持ちが荒んでいることが分かる。が、凪沙はストレスが限界を超えると自分の腕を噛む一果の姿を見て、そして一果は酒に酔い”何で私だけが・・”と涙を流す凪沙の姿を見て、お互いの境遇を知り、徐々に距離を縮めて行く過程が自然に描かれる。とても、印象的な序盤で作品への期待が膨らむ・・。-
・東広島から越して来た一果は、学校に東京の学校に転入するが、中々馴染めない。ある日、ふと覗いたバレー教室で踊る少女の姿をこっそり見つめる一果。その少女りん(上野鈴華)は有名なバレリーナの子供で裕福な家庭で育っていたが、いつの間にか仲良くなる。
ーその理由は、りんの家庭が裕福ではあるが、父親に二人の愛人がいたり、その反動で母親がりんに過度にバレリーナとして大成することを期待するという歪んだ家庭にある事が、上手く語られるし、二人がバレー教室の費用を稼ぐために”アルバイト”を行う理由も良くわかる。
そして、屋上での二人の唇が触れ合うかどうかの震えるキスシーン。心寂しき二人の少女の姿が良く表れているシーンである。-
・一果の想いを知った凪沙が彼女のバレリーナとして体力をつけるために作った”ハニージンジャーソテー”を美味しそうに食べる一果の姿。
”野菜も食べなさい”
”いただきますは?”
ー実の母親にしっかりと育てられてこなかった一果を、実の母以上の愛情を込めて一果の想いを叶えようとする凪沙の姿が、心に沁みる・・。彼女には、矢張り強い”母性”があるのだ・・。-
・一果のバレリーナの素質を見抜いたバレー教室の先生(真飛聖)は一果を期待を込めて厳しく指導する・・。一方、りんにはある足の不具合が見つかり・・。
ーそれでも、りんは一果を応援し彼女に自分の果たせなかった夢を託しながら、自らも愚かしき両親の前で”新たな世界”へ飛翔する・・。実に、実に切ない・・。ー
・大舞台で結果を出せない一果の前に”改心した”母親(水川あさみ:他の作品でも出演されているが、良い女優さんである・・。何か大きな転機があったのだろう・・。)が現れ、一果を観衆の前で強く抱きしめる。その姿を見て凪沙はある重大な決意をする・・。
ータイは性転換手術の先進国であるが、衛生状態は大丈夫だったのだろうか・・-
・高校を卒業した一果は凪沙と再び暮らし始めるが、凪沙の手術が上手く行かなかった事が描かれる。そして、凪沙は一果に海に連れて行ってくれと頼む。
ーこの一番大切なラストに向かう辺りから、物語の進行がやや粗くなってしまう・・。実に勿体ない・・。-
<草彅さんの演技は勿論凄いのだが、りんを演じた上野鈴華さんと、何と言っても一果を演じた服部樹咲さんの姿には、驚いた。本当に新人さんなんですか? 新たな素晴らしき若手女優誕生ではないだろうか?
物語としては、序盤から中盤はとても良かったが、終盤がやや勿体ないなあ、と思った作品。
けれど、心の傷ついていた三人の女性たちの”魂の再生”の物語としては、秀逸な作品である。>
痛くて悲しくて美しかった
演技はもうそれぞれの役者の皆さん素晴らしくてなんと言葉にしていいか解らない。
草彅剛さんの目が様々な色に変化して次第に愛溢れていくさまは鳥肌がたったし、服部樹咲ちゃんの新人とはおもえない存在感が素晴らしかった。親友役の子も田中さんも…全員の名前を書いてしまいたいほど、皆さんが素晴らしかった。
でも何より、決断の数々の景色のいくつかを詳しくは描かす、彼女達のそれまでの姿で、その決断を想像出来る描き方で、余韻が凄すぎる映画でした。あの時はこうだっただろうといつまでも考えてしまいます。
辛い悲しい美しい …気づかない間に涙が流れていて、それからはとまらなかったです。
興奮のあまり感想を書かずにはいられませんでした。
演技はとてつもなく素晴らしい。が...
初めて予告を観たときには、正直不安しかなかった。どんなに良作であっても、これまでに彼らの作品が忖度や故意のネガキャンによって埋もれてしまうことも多く、題材自体がコントと嘲笑される危険性を持っていたからでもある。
しかし、無意識に植え付けられてきた先入観、その全てを、草彅剛はほんの数分で消し去ってしまった。これまでも草彅の映像作品はいくつも観てきたはずだし、女装コントも沢山見てきたはずなのに、である。
そこには「凪沙」がいた。
草彅だけでなく、他の俳優陣の演技も、まるでドキュメンタリーを見ているかのようにリアリティがあり、自らを取り巻く世界のすぐ隣に、この世界が実在していることに改めて気づかせてくれる。
絶賛レビューはたくさんあがっているし、どれも嘘偽りなく、ほぼ同感である。
しかし残念で仕方がないのは、特に後半、時系列と、それに伴う登場人物の感情の変化が、全くつかめないことだ。
最終的にやむを得ずカットしたのか、元々撮っていないのかは不明だが、あと数分伸ばしてでも、映像として入れるべきだった。
それでも撮影後に書かれたであろうノベライズを手に取れば、映像で明らかに不足している部分を補完でき、凪沙と一果、その他の登場人物達への思い入れは、なおのこと強くなる。
だが、草彅が優しく素直に表現していた部分が、ノベライズでは少し下品なト書になっていたりもして、書き手が潜在的に持っている偏見も垣間見えてしまう残念な部分も。
公開に際し監督自身が何度も自虐的に「不安」を語るのは、脚本の荒さを自ら理解しているからなのか、それとも演者を信用していないからなのか......
この作品を愛し、草彅が「草彅剛の代表作」と言うほどのクオリティにまで引き上げたいと思っている方は、鑑賞後に是非、ノベライズを読んで欲しい。
そしてできればもう一度、映画館で鑑賞し、その細やかな表現を確認して欲しい。
(本来は、ノベライズ無しでも完結されるべき作品でなければと思うのだが。)
いずれにせよ、俳優陣の素晴らしい演技が脚本の稚拙さを遥かに超えているので、鑑賞後の満足度は高い。
草彅剛本人は全く気にしていないと思うが、ぜひこの素晴らしい演技が正しく評価される日本映画界であってほしいと願う。
草薙剛さん、凄い俳優さん。揺さぶられたなぁ
心が揺さぶられた映画。
観る前と観た後の自分は全然違う人になってました。
この世の中の生きにくさを感じているトランスジェンダーに対する考え方も自分の価値観も大きく変わり、人がそれぞれ自分のままで生きられる世の中とはどういうものなのか。
心のひだに染み渡る素晴らしい映画でした。
一果の虐待されてきた心の傷は想像を絶する痛みを感じ取り辛かったです。バレエに目覚めて本当に良かった。映画でありながら完全に凪沙と一果を味方する身内の気分になりました。笑
帰りは涙でもう大変でした。
とにかく多くの人に観てほしい映画です。
美しく、カッコいい映画
考えさせられる映画
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