ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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俳優、草彅剛氏の名演技に感動
予告編を見た瞬間から絶対に見たいと思い、プレミアボックスシートを予約して、見に行った。
本当に見て良かった。
感動した。
涙がポロポロ出て草彅剛さんの演技に震えた。
何回見てもきっと泣いてしまう。
草彅剛さんの役作りは、深い。
彼の作り出す、孤独感、飢餓感、胸が押し潰されそうな悲しさ、痛々しさに、ただ、圧倒された。
上辺を演じているのではなく、キャラクターをなぞるわけでもない。
草彅さんは、その役に入ってしまう、なりきってしまう役者ゆえに、見ている自分は芝居を見ているというよりは、無力な傍観者であるような気持ちになった。
水川あさみさんは、バラエティなどで見ると明るく綺麗な方であるという印象なのだが、この映画の中では、くたびれた醜い、業の深さを感じさせるような憐れな女性を、登場回数はそう多くはないながら、うまく演じているため、一瞬誰だか分からなかったぐらいであった。
服部樹咲さんは、美しかった。
踊りの表現力、技術だけではなく、若くひたむきなその姿勢から、これから先もきっと輝ける、そんな事を予感させる存在だった。
テーマが深く大きいため、なかなかスムーズな展開が難しそうであり、諸所にぶつ切り感が否めないものの、草彅剛氏の珠玉の演技ゆえに一見の価値以上の映画になっていると思う。
観るものを凌駕し、魅了する草彅剛氏の圧巻の演技力が、渋谷慶一郎氏の奏でる美しくも哀しい旋律のなかで、際立っていた。
もう一度、映画館へ見に行く予定だが、2度目でもやはり楽しみである。
。。。俳優、草彅剛氏の活躍をこれからも楽しみにしています。
海とスクール水着
悲しくて美しい。
草彅さん演じる主人公が、少女と出会い、母性が生まれたゆえの悲しく切ないストーリー。
ナギサの母性を感じるシーンが出てくるたびに泣けてしまいました。
コンクールの時、一果ちゃんのバレエの演技がすごいという噂話がきこえたときのナギサの嬉しそうな表情。本当の母(水川あさみ)が現れて、いたたまれなくなり、その場を立ち去るナギサ。そしていよいよ女になる(性転換手術)を受ける決心をする。
「一果、私ね、女になったの。だからあなたのお母さんにもなれるのよ」
号泣です、号泣。。あれは草彅さんではなく、ナギサにしか見えないことにもビックリです。
子を持つ母として、ナギサの想いが切なすぎて苦しくなりましたが、一果がバレエの道を切り開いて進んでいったことにより、報われた。
ナギサがどうなったかの描写がなかったのですが、
最後のエンドロール後の映像は、回復して元気になったという解釈でいいのかな。。
是非とも多くの方に観て欲しい作品です。
凪沙ならではの格好良い母性!
草彅さんの演技が好きなので、予告を見た時から見に行こうと決めていた。
今回の、トランスジェンダーという役は難しいと思うけど、草彅さんは凪沙というリアルな人を生んだと思う。
本当に素晴らしい役者。
LGBTに偏見はないつもりでいるけど、実際のところを知らなかった。
今はまだまだLGBTの人が生きづらい社会なのだと知ることが出来た。
「どうして私だけ」と嗚咽する凪沙を思い出すと、数日経った今でも泣けてくる。
凪沙という人が、私の中に隣人のように根付いてしまった。
今後はLGBTのニュースを見聞きする度に凪沙を思い出して心配したり喜んだりするだろう。
本来の自分で働けるのがショーパブだけなんて社会はいけないね。
法律や人の頭が柔軟でないから、子供には中性的な名前をつけた方が良いみたい…と考えた。
実家を出る時の凪沙の、赤いコートの後ろ姿がとても凛々しく、プライドに溢れていて格好よかった。
自然体
何も画のないエンドロールでもう少し泣いてから帰りました。
草薙剛さんは綺麗でしたけどものすごく現実でした。美しい映画ではない。いろいろ考えてしまってエンドロール終わるまで立ち上がれずもう一度泣きました。
イオンシネマは月曜日、誰でも1,100円で見れるんですね。知らなかったのでとてもお得でした。
感想+小学生の母親としてネタバラシます
映画本体にはとても満足しました。
凪沙がとにかく魅力的。なぜだろう?優しいからかな?
現実には辛い思いをしながら生きている人生なのでしょうが
男とか女とか性別を越えて会ってみたくなるような人柄でした。
ストーリーについては人が死に過ぎる。
二人も殺さなくても十分面白い映画なのに残念でした。
なのでマイナス1です。
小3の娘を連れて行きましたが、少し難しかったとのこと。
親から見ても、あんまり理解していなかった様子。(うちの子は若干幼いタイプというのもあるかも)
親として気になった点をネタバレで箇条書きにします。
親子で見に行くか悩んでいる方は参考にしてください。
・一果が裏バイトとして素人カメラマン相手の撮影モデルをやっていた。(一果は着衣モデルだが周りには水着などでモデルしている子の描写アリ)
・暴力的描写が3回。一果が上記のカメラマンに椅子を投げる。同級生に椅子を投げる。凪沙の友達がモップで男を殴る(若干の流血描写)
・一果の友達の自殺(飛び降り)
・凪沙の局所手術風景(流血は印象にない)
上記を知ってたら私は連れて行かなかったかも。。。
一番嫌だったのは自殺の描写です。
もしかしたら娘は気づいていなかったかも?と思う位の一瞬さですが。
私自身はもう一度見に行きたいと思う位良かったです。
また凪沙に会いたいので、次回は娘抜きで集中して観賞してきます。
母親の愛情
ずっとつつましく掃除して孤独に過ごしてきた凪沙だったのに、1人の少女のために母性を開花させてしまった。それが良いことだったのか、、、少女がいなくなって、自分の生活が崩壊までしてしまい苦しむことになる。でもきっとそれも幸せに感じたのだと信じたい。
みんな違って、みんないい。
2回目10月25日
どうしてももう1度観たいと思って2回目鑑賞。
1回目の時は、衝撃的過ぎて、しっかり見れていなかったような気がしたんだけど、2回目見て改めて気付く。
セリフが本当に少ない映画だなぁということ。
それなのに、凪沙や一果やりんやバレエの先生やみんな、苦しいほどに気持ちが伝わってくるのは何故だろう。
それは、凪沙がそこにいて、一果が育っていく姿をリアルに感じ取れるからだと思う。
映画は、フィクションの世界なはずなのに 凪沙に会いたいと思った。
草彅剛は、ものすごい表現者だと思う。
彼自身も言っているが、自分は役者ではないとコメントしている。
本当にそのとおり。彼は、役を演じていない。
その人物と自分を重ね合わせて、その人になるのだ。
セリフはあるけど、その言葉は、その役柄の人物と彼自身の中から出てくるものなので、
凪沙の孤独感や一果への愛情も本物なのだ。
30年近く、芸能人として活躍して、色々なことを乗り越えた上で、
役に自分を素直に重ねて表現出来る草彅さんの人としての純粋さに 改めて感動した。
1回目9月27日
凪沙が、自分の母親から病院行ってと言われた時、「病気じゃないから」と言ったところで、締め付けられるように苦しくなって、涙が出た。
背が低いことや痩せていることと同じくらいの違いでしかないLGBTだということ。
特別に扱われることでもないし、気持ち悪がられるようなことでもない。
でも、現実は、すぐには受け入れてもらえない世界で、生きにくさと戦っていかなければならない。
ネグレストの親のもとで暮らすことも、子供は自分では選べない。
貧困でもお金があっても 自分のことにしか興味のない親との生活は、生きる意味を失いそうになる。
この映画を観て少し救われるのは、一果が凪沙から、生きる世界を見つけてもらえたこと。
草なぎさんの凪沙は、それぞれの人の心に みんな違っていていいんだって思えるような優しさがあった。
予告編は観ずに本編を観てほしい
扱うのが難しいLGBTを扱うからには感動仕上げにしてるんだろうな、くらいに思い、しかし気になって観に行った。
予告編を観ずに映画館に直接行ってよかった。
ストーリーの進行とともに、心の機微をあおる美しい画角が丁寧に散りばめられているのだが、
あらかじめ予告編でそれを提示されるよりも自分で初めて観る、ということがこの作品を鑑賞するにおいては功を奏すると思う。
自分が人生において感じたことのある悲哀、苦悩、どうにもならなさ、逆効果、それらをプチプチ刺して来つつも、
主人公凪沙の純情さを描く、
香りは強いがとてもとても美しい一輪の花のような映画。
邦画がすくなくて。
素晴らしいところ多数。
撮影が素晴らしいかった。照明も。美術も。そして新人女優の服部樹咲。と、そのバレエ。これらによってこの映画のクオリティが数段あがっているのは間違いない。
トランスジェンダーと家庭からはぐれた女の子の同居もの。白鳥というサインで繋がってく物語。
ヒロインの同級生の設定と変化が面白い。
個人的にはふたりの心が繋がって夜の広場で踊っているところでじいさんが話しかけてくるところがジーンときた。
惜しいな、と思ったのは転換点のバレエコンクールのシーン。母親の出し方がなあ。。
メロドラマといえばメロドラマなのだけど、後半の海外シーンふたつ入れ込むなど力が入っていてよかったです。
美しく、せつないだけじゃない。
設定、配役の面白さと一果の演技が─
肉親に自分を認めてもらえないことが一番つらい。
正直入ってこなかった、、、
唐突すぎるシーンが多かった。端折りすぎなイメージ。
の割には蛇足に感じるシーンが多かった。
テーマ自体は悪くなかったと思います。
バレエのシーンも良かったです。
翼揚
性別に対する問題に関心が高まっている現代に投下されたトランスジェンダーの人物を描く映画。素晴らしかったです。胸が痛みました。
現代の日本で取り上げられる問題をうまく物語の中に溶かし込んで、一つの問題に焦点を当てながらも、幾つもの物語に派生させていく展開が非常に面白かったです。物語も無駄のないキレイな124分で非常に見やすく、草彅くんが女性にしか見えなかったです。男性なのに女性にしか見えず圧倒的な演技力を見させていただきました。服部さんも初出演作品ながら孤独な少女を見事に演じきっていました。彼女が楽しい事を見つけて笑うたびに自分もホッとした気持ちになりました。
個人的に気になったのは凛の存在です。物語のキーパーソンだとは思うのですが、突然のキスだったり、ステップを踏みながら軽快に屋上から飛び降りて自殺という急展開に呆気を取られました。バレエのできない苦しさがあったとは思いますが、やはり生きないとなにかを成すことはできないと考えているのでこのシーンは不満でした。「生きていれば」などの言葉は無責任だとは思いますが、やはり物語の中だとしても生きていてほしいと自分は考えています。
ラストシーンで静かに死にゆく凪沙を見て心が痛みました。血の繋がりはないけれど、母親の気持ちを授けてくれた一果の美しい姿を見て息を絶やす彼女の姿はこの映画の全てを持っていきました。ただその後一果がなぜ海に入っていくかはイマイチ分かりませんでした。
全てを見終わった後でも放心状態でした。性問題を描いてきた作品はかなり見てきましたが、その中でもダントツの衝撃作でした。キャスト・製作陣の皆様お疲れ様でした。美しい作品です。
きれいなものは心のなかに
一番よかったなと思うところは、主人公のイチカちゃんが厳しい環境の中で生きてきた身の上ではあったけれどバレエに出会って、苦しい気持ちをたくさん味わってきたイチカちゃん自身が美しいものを人に見せるという尊いことをやってのけるというところです。
イチカちゃんもナギサさんも、親や性別という自分が生まれついた時から持っていたものに苦しまされてきたのですが、自分が望むものを自ら掴むという偉業をやってのけました。
ここが私は一番脚本として疑問だったのですが
なんで人が死なねばならんのでしょうか。
ナギサさんは手術が成功してひとりの女性として美しい人生を歩んでてほしいなーと思ったり、イチカちゃんの友達のリンちゃんだってそうです。どうして…。と思わざるを得ない映像に苦しくなりました。
人が亡くなるというのは大変なことです。
映画はお話しなので現実ではないですが、現実の人間が見るものです。
ゆえに、辛いことはいつの世もありますが、
辛いことを辛いまんま言う表現ってどうなんだろうと思わざるを得ないのです。
直接的な表現で疑問に感じた点はあったものの、イチカちゃんが羽ばたいてくれたことで、この映画を観てよかったなと思うことができました。
いろんな人がいていろんなことがあると思うのですが、生きていく中で、きれいなものを自らの心のなかで育て、また、人の心の中にあるきれいなものをきれいだなあと思えるように、きれいなものを分けあえるように、生きていきたいなとこの映画を通して思いました。
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