ライトハウスのレビュー・感想・評価
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二人でそして誰もいなくなったをやったら
二人の男が島に閉じ込められて追い詰められ得ていく様を美しくもグロテスクにモノクロ映像で描いたホラー。
モノクロであるが故に初見ではわからない部分があるのだが、わかりたいか、という点も疑問は残る。そんなにはっきり知らなくてもいいかも。
これはシンプルに傑作だった
心が狂気と共に沈んでいく
観る人間を選ぶ感じ。
内容はどちらかというと、サスペンス&ホラー風味。
A24らしく、また『ウィッチ』ロバート・エガースらしすぎる「考えるな感じろ」系の作り。
デビット・リンチやアリ・アスターなどの影響も感じさせられます。
孤島での2人きりの抑圧された生活で、ベテラン灯台守からパワハラを受け続けた若者の中で育った殺意が、地獄の孤島を作り出す。
トリトンなど神話の海神と、その眷属である人魚や人を襲うカモメなど人外のモンスターが本物なのか、若者が見た幻覚なのかがわからないように曖昧に作られていました。
がっしり重たい内容に、無言で説明の少ない暴力シーンの連続、たまに発せられる激しく強いセリフ。
映画として相当ヘビーで、油断するとコールタールの沼につっこんだように心が沈んでいきます。
地獄の中に人間の面白みを感じられる人には佳作、表面の事象を追いつつハッピーエンドを求めるライトユーザーには駄作という、難解な作品だと思いました。
技法や表現は称賛しますが、作品として面白いかは…正直。
モノクロ映像で作り上げる醜悪かつ低級なるファンタジー。
A24、好きだけど…。
神話とか灯台守とか事前情報必要みたい
自分で言うのもなんですが、ややこしいのとか、比喩だらけとか、禍々しいとか、不気味とか、大好物です。素直に観られない作品も好きな方です。しかし、、、本作は完全にダメでした。何が何やらサッパリ。わかるために繰り返し観ようっ気にもなれず。
映像がとても綺麗で、どーやって映像化したんだろ?ってシーンも多く興味深いです。孤島感バッチリ。良い意味で気色悪い不気味映像たくさん。更に、ウィリアムデフォーが相変わらず見事な演技。すばらしい。
だけど、僕にとってはそれだけ。なんか、色々もりこんでるみたいだけど。何もわからんのです。1800年代の灯台守についてとか、海の神話とか人魚の伝説とか、タコオバケとかの前情報が必須なんじゃないでしょうか?
全く、何の感情もわかないのです。
きっとさまざまな匂わせが散りばめられているのだろうし、グロいシーンやラストにも意味があるのでしょうが、わからんのです。
ウィッチがとても面白かったから期待したのですが、撃沈です。素人の僕は楽しめず降参です。
霧笛が無敵の人を呼ぶ
冒頭から陰鬱な無敵の音が通奏低音となり、観客の心をゆっくりと、しかし着実に蝕んでいく。横柄で傍若無人なベテランと、規則を盾に頑なな新入りとの精神的なぶつかり合いも、ゴリゴリと精神を削っていき負荷としてのしかかってくる。光量の足りない狭隘なスクリーンも集中力を要求し、精神的な疲労を積み上げていく。このように強迫的な描写の全ては、登場人物の狂気を見るものに共有させるための足がかりとして計算され尽くしたものだ。
果たして明日で勤務が終わるというカタルシスが幻に終わり、嵐に閉じ込められた孤島で灯台守二人の狂気が加速していく中で、映し出されるものの幻影と現実の境がぼやけていく様は、完全に術中に嵌った感がある。実際にはウィレム・デフォー演じるベテランは一貫して偏屈なだけで、狂気を募らせているのはロバート・パティンソンの新人の方だけなのだが。
海鳥や人魚といった舞台装置が美しくも残酷な刃として精神を切り刻んでいく様子を追体験しつつ、最後に何を見たのかだけは謎のままとする演出が、ありがちではあるけど後を引く。不穏で不快な画面作りにまんまと乗ってしまうと、本当にただの不快な映画で終わってしまうのだが、それもまた仕掛けなので、どうか心を強く保って最後まで見てほしい。
本当の気○いの人は映画とか撮っちゃダメ
決して万人にオススメできる作品ではないです。終演後にパンフレットを買う列ができているのを見て、正気か?と目を疑いました。
映画は、閉ざされた環境で自由を奪われた人間が次第に狂っていくのを観客みんなで見守る、そんな作品でした。
絶海の孤島に立つ灯台を守る二人の灯台守。一人はベテランの老人で、もう一人は今回が初仕事のド素人の若者。私の人生では、これまで灯台守であったことがないので、自然と新人の若者側に感情移入させられてしまう。
初めての二人の食事で若者は酒を断る。これで二人の関係は船出から危なっかしい。他に誰ひとりいない島での生活を、二人はしばらくお互い名前すら名乗らずに過ごす。
ベテラン役のウィレム・デフォーが、また、これでもかと偏屈でズルい爺いを演じ、理不尽なまでにきつい仕事ばかりを若者に命じる。時には非合理な理由で若者を罵ったりもするから、観客は自然と若手への肩入れが強まっていく。
そんな関係の二人をまとめて一気に地獄へ突き落とすのは、とてつもなく荒々しく、すべてを容赦なく叩き潰す嵐。その恐怖は我々が知っている陸のものとは桁が違う。嵐によって助け合うしかなくなった二人の関係は少しずつ良くなっていく様だが、若者には時々見えてはいけないものが見えてしまっているのではないか?と映画を見ている私達に疑いが生じ始め、果たして何が真実なのか次第に客席に戸惑いが広がっていく。この頃には少し若者に肩入れし過ぎたかな?と立ち位置を修正しながらことの成り行きを眺めはじめる人も増えているだろう…
映画は始終不快な唸り声の様な音が鳴り響いているけど、まさかこれがBGMなのか?きっとサントラは売れないだろうな。ほぼ正方形のスクリーンは何サイズと呼ぶのか知りませんが、モノクロ映像のせいか、映像と暗闇の境い目がどこにあるのか次第に分からなくなって劇場全体がスクリーンになった様な錯覚さえ覚える。映画の各所では生理的に嫌な描写が混ざり、途中から薄々は感じてはいたけれど、エンドロールが始まると、ああ、この監督アタマおかしいなと確信する。テレビで流れることはないと思うし、映画館という閉ざされた環境で、もう見るしかない状況で、始まりから終わりまで一気に見るしかない映画だと思います。オススメはしません。
ここまできたら
悪い意味でオチのなさ
かなり人を選ぶ怪作
頭から離れない多くのシーン
祝祭……あ、灯台もと暗し……
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