ライトハウスのレビュー・感想・評価
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狂気
1801年に実際に起きた事件をもとにした作品。
もともと気の合わない2人だけで4週間の灯台守。確かに気が変になりそう。おまけに年配の先輩は灯台の灯り守はやるがそれ以外の重労働は全て若者に押し付ける。ちょっと酷いよな〜。ペンキ塗りの途中で落下しても、そのまま放っておくなんて酷すぎる。
待ち望んだ4週間、嵐のせいでさらに延長。精神的に参るよな〜。
木こりをしていた時に犯した罪の贖罪として、灯台守の任務の辛さ,精神錯乱という罰を与え海のトリトン王の描写やラストの海鳥に突かれる場面があるようだけれど、辛さに耐える日々と錯乱しつつある幻覚や人魚との妄想などの織り交ぜ方も絶妙。
カラーではなくモノクロであること、画面のサイズ等、とても効果的。この元になった事件の後から灯台守は3人になったそうで、映画「バニシング」はその後なんだな。
海鳥、怖いです😬
ベテランと新米の灯台守が衝突を繰り返しながらも最後の夜を迎える。 ...
ベテランと新米の灯台守が衝突を繰り返しながらも最後の夜を迎える。
ここまではよかったが、嵐が来て島から出られなくなると、後半はメチャクチャな展開。
食料が数週間に一度しか届けられないし、本土と連絡を取る手段が一切ない。
2人は酒で気分を紛らせようとするが、とんでもない争いに発展する。
あまりにも醜い狂い方で気分が悪くなった。
ホラーとしておもしろい。
映像の面白さだけで観れる。
人魚の造形や最後のシーンもよかった。
誰がどうしてなど理解しようとするとちょっと疲れてしまうので、感覚的に観て悪夢を見たような気分を味わえればよい映画かと。
わからない。
理解するには、なにか特別な知識が要るのかな?
神話とか言い伝えとかことわざとか西洋史とか。
私には無理な作品でした。
デフォーさんもパティンソンさんも好きな俳優さんだから
2人の演技を見ることにしました。
ホントにわかりませんでした。
鑑賞動機:評判8割、デフォー&パティソン1割、A241割。
いやこれは中々に扱いに困るわあ。『ウィッチ』のつもりでいると、迷子になる。
スタンダードサイズのスクリーンが閉塞感を倍化させる。海も空も料理もカモメもパティソンもみんな灰色で陰鬱極まりない。唯一タライの排泄物がマイルドになっていてホッとした。何か上陸してきそうな霧笛。
予告を見てた時はひょっとしてこれはある種のコメディ(『ミッドサマー』とか『ハウス・ジャック・ビルト』的な)なのではと思ったが、むしろアロノフスキーの『マザー!』みたいな、色んなものに見立てられている…らしい、たぶん。
Dog/God.
簡単なストーリーで複雑怪奇
ザ・A-24映画。極めると映画はこうなるのか。
本作は過去製作されたどんな作品の中でも最もスケールの小さい作品ではないだろうか。なぜなら、灯台守の男二人が永遠といがみ合い、酒の力で仲良くなり、また喧嘩をするだけの映画だからだ。だが最初から最後まで釘付けになってしまうのは何故か。全編モノクロという事もそうだが、画面サイズが小さくなっており、観ている我々はその場を覗き込んでいる様な、一種の閉塞感を感じる状態で鑑賞しているからだろう。
その二人の様子は、デリカシーの欠片もない先輩風を吹かす初老の男性と、寡黙で何か秘密を抱える若者。彼が抱えている秘密が後半に生きてくるのだが、衛生的とは思えない環境下も相まって、この時点で観客も不快感を既に感じているはずだ。
そして、若者に降りかかる災難と不気味な現象の数々。これらが現実の物なのか、はたまた彼の妄想なのか、鑑賞中に誰もが疑問に思うそれは、最後まで明かされる事は無かった。観る人によって、全く違う解釈になるのだろう。
絶対に灯台には近付けさせない「先輩」と、次第に灯台に固執していく若者が後半に差し掛かるに連れて狂気さが際立っていく訳だが、酒を飲んで二人で踊っているシーンなんかはかなり異常だった。そこで明かされる真実と細かい伏線の回収。支離滅裂なストーリーに見せかけ、緻密に練られている様だ。まず万人受けする作品ではないが、幽霊やゾンビよりも怖いのはやはり人だ。あのラストシーンは、人であるが故に陥った闇の末路を象徴する為のものなのでは無いかと思った。
「ウィッチ」の監督だが、独創的な設定と世界観はこの先も爆発するのだろうか。またこういう逸材をウォルト・ディズニー等の会社が放って置くのだろうか。これから先が楽しみである。
元ネタがわからなくても、なにやら凄いのは伝わってくる
個人評価:3.8
禍々しくすべてに不吉な影が落ちる。
強烈な光を放つ灯台。その光が強ければ強い程、その麓が最も暗く闇が濃くなっていく。
ロバート・エガースが作り出す世界観。しっかりとこちらまで呪われました。
ウィッチよりもさらに抽象的な物語だが、はるかに強い呪いを感じる。
実話をベース・・・?怖すぎでしょ。
随所に神話や古い映画・小説の引用があるとの事だが、マニアでない私は置いてけぼりをくらうが、分からなくても、こだわりが半端ないのが伝わってくる。
そしてデフォーの怪演。数日は夢に現れそうだ。
不愉快で嫌悪感が残るか、アートだと崇めるかの二者択一‼️❓
確かに演技は凄いし役者冥利に尽きるとも考えられる。
でも、ただ、汚くして、えげつなくして、起承転結がなく、理念もなく、何も残らないものを作り、満足する輩を褒めたいとは思わない、いや、思うには歳を取り過ぎた、あざとさがわかるから。
多分、子供騙しの想像力で作られているのが、透けてみえるから。
ただ、演技と映像は秀逸でした、褒めてあげたい。
映画通のための映画
映画を観て「よく分からなかった」とだけは言いたくない。当然伝える側の問題もあるのだろうが、それは恐らく意図によるもの。台詞や画、音楽や伏線など、監督が用意した点と点を消化できない観客にも責任はあるのだ。チェスも当然ルールを知らなければ面白くない。誰にでも分かるようにやさしく人間の奥底に眠る感情を垣間見たいのであれば、名探偵コナンやクレヨンしんちゃんなどを観ておけばよいのだろう。ちなみに私はチェスを知らない。
そんな嫌味を前提に、この映画は私には難しすぎた。悔しい。悔しいけど勉強してまた観よう!とは思わない。映画は楽しいのが一番。そう、コナンもクレしんも恥じる必要はないのだ。
いびつにすら感じる独特なアスペクト比と終始色のない世界。狂った演技に理不尽に見える暴力。しかし懐古主義を楽しむためには「古」を知る必要がある。ギリシャ神話や米文学など博識な人にはたまらない作品なんだろう。羨ましい。そんな人間に育ちたかったと本気で思う。
でも、そんな人たちと友達になろうとは思わないかもしれないな。
唯一無二の不快な映画体験
狭い正方形に切り取られた画角、白黒で暗い映像、爆音と沈黙、狂気に満ちた二人の男、意味不明な現象。とにかく意味がわからず不快な2時間を体感させるヤバい作品。
終始ライトハウスで過ごす二人の男をひたすら観続けていると、自分もその場にいるような感覚に陥り、頭がおかしくなりそう。波音や雨音が煩くて、不潔で、孤独で、とにかくここから早く出たいと思わせる力が凄いです。主演二人の演技もとんでもない。狂ってて不気味で、だけどたまに愛らしさがのぞくのがまた怖い…。
良い意味で二度と見たくないです。
決して愉快な気持ちになる作品ではないが、何度も味わいたくなる一作。
サンダンス映画祭で絶賛された、ロバート・エガース監督の最新作。インディペンデント系の名作を数々製作・配給しているA24が手がけ、長編デビュー作『ウィッチ』(2015)で高い評価を得ているエガース監督作品ということで、いやがうえにも期待感が高まります。
だが、「確かに一筋縄ではいかない物語である事は分かる。映像も入念に計算されていることも分かった。でも何が言いたいのか分からない。一体本作の何が素晴らしいのか」と、鑑賞後も首をひねる人は少なくないでしょう。もっともそれも無理からぬことで、スタンダードサイズよりもさらに長辺を切り詰めた、ほぼ正方形の狭いスクリーンサイズ(さらに縦構図が多いので、画面の閉塞感がいや増している)、美しさよりも荒々しさ、醜悪さを露悪的に強調した照明と映像(モノクロームである上に、コントラストをかなり強めている)、さらにその嫌悪感を加速させるようなロバート・パティンソンとウィレム・デフォーの演技、といったように、エガース監督は、およそ観客の審美感覚を満足させるような要素を作中から(恐らく)意図的に取り除いています。
実は物語の筋としては、ある「タブー」を犯した若い灯台守が罰を受ける、とごく短く要約できてしまうもので、そこまで大きな「謎」は出てきません。それでも本作が極めてミステリアスな雰囲気をたたえているのは、作中のあらゆる場面、表現、諸要素が古今東西の文学、美術の引用、暗喩に満ち満ちているためです。さらにデイヴィッド・リンチ監督作品を彷彿とさせるような、現実と幻想の境界線を曖昧にした演出が物語の「とっつきにくさ」を加速させています。
灯台が象徴するもの、ウィレム・デフォーと『白鯨』のエイハブ船長といった分かりやすい暗喩もありますが、古典的な宗教画をそのまま取り入れた構図も多く、引用元が分からないと場面全体の意味が分からなくなる箇所も少なくありません。この点、例えばジョイスの『ユリシーズ』が、全編にちりばめられた要素を理解しなければ、単に男がダブリン市街を散歩している物語としか読めない、ことと似ています。
本作のパンフレット、公式ホームページはこれらについての解説がかなり詳細で、鑑賞後に一読したら、意味不明と思っていた場面にはこのような意味があったのか、という驚きの連続でした。鑑賞後もやもやしていた人もスッキリ、本作に心動かされた人はますます感動が深まりますので、できれば鑑賞後にこうした資料のご一読をおすすめします。また、インターネットの「画像検索」も場面の引用元を調べる上で意外に有用でした。
決して楽しい気分で劇場を後にできる映画ではありませんが、何度も見返したり資料を精読して、知的探究心を満足させたくなる作品であることは間違いありません。
映画史に残るだろう
凄いものを見てしまった!
多分100年後にも、映画好きに語られる映画になるだろう。
と言って難解な、一人よがりの映画ではない。十二分に映画本来のエンタメ性と見世物的なあざとさを兼ね備えている。
音響・映像・物語の3要素が完璧に融合している。
オープニングの音響と映像からして、何かとんでもないことが始まると予感させ、それから片時も気をそらすことなく観客をグイグイ引きずり込む。
140年前の、まだ船乗りたちの迷信が息づいていた頃、外界から隔絶された孤島の灯台。登場人物は高圧的なクソ爺の灯台守と、半月の約束できた新米の若僧の二人きり。究極のワン・シチュエーションで人間の心理劇が始まる。二人の演技が素晴らしい
フィルム・ノワールの遺産を受け継いだ光と陰の美学と謎を秘めたモノクロ映像といい、正方形というあえて動きのダイナミズムを制限して閉塞感を作り出す画面サイズといい、只者ではない。
閉塞された二人の言動と幻想とが化学反応を起こして、二人の関係性や人物像が次々に変化してゆくのがこの映画の眼目。説き明かされない謎を孕んだまま、物語の結末がどうなってゆくのか、目が離せなくなる。そして衝撃的な結末へ。
エンドロールに流れる歌と着想の説明クレジットで、これがどんな世界の物語だったのか再確認できて、すべて納得。
賛辞ばかりとなったけど、けなすところが見つからないのです。
ある程度の事前知識必須だが美しい映像は一見の価値あり
複雑怪奇なストーリーと昔のブラウン管テレビを想起させるアスペクト比。
夢か現かはたまた…
ストーリーや背景となる事件、モチーフとなった神話を理解できた今もう一度みたい映画である。
意味がわからない、でも目が離せない
見終わった直後の感想は「本当にわけがわからない映画」でした。
分かる人にはきっとわかるやつです。
ただ、こんなにわけがわからないのに、あっという間に終わりました。そしてとんでもないものを観たという気分になりした。
映像が「映像」というより、ポスター等の絵に近く、セリフの言い回しもどこか古典の舞台のよう。それらが良い感じに野蛮さや汚さを中和し、さらに人魚や海の神といった伝説のイメージが加わって夢の中のような、御伽噺でも聞いているような不思議な感覚におちいります。
不快と感じるギリギリをせめていてそこがまた絶妙な気がしました。
例えるなら「すごい変わった味なのにクセになるグルメ」でした。
何を表現していたかについては、解説読みたいです。他監督の経歴、過去作、考え方等を知れば何かわかるのかもしれません。そういうのもまた世界が広がって楽しいはず。そして調べた上で再び観ればまた楽しい。
観る人によって色々な視点や感じ方を観た人でわいわい話せばそれも楽しいかもしれません。
主演お二人の芝居もすごいです。
気が狂った灯台守
1890年代、ニューイングランドの孤島で灯台の管理をおこなうため、2人の灯台守が島にやってきた。ベテラントーマス・ウェイクと若者イーフレイム・ウィンズローは、最初からそりが合わずに衝突を繰り返し、険悪な雰囲気の時に島を襲った嵐により、2人は島に閉じ込められてしまった。そして、・・・てな話。
白黒で4x3と古臭い画面で暗くて見難く、狂っていく様子がよくわからなかった。
どこまでが現実で、どこが夢?幻?なのかわからず、これがホラーとしても、なんだったんだろう?
合わなかった。
お~いら岬の~♪灯台守は~♪
日本での灯台守の映画の代表作『喜びも悲しみも幾年月』(1957)は夫婦、家族で灯台守をするのが通例だった頃の映画。まさかこの『ライトハウス』での人間関係が真逆の醜い部分ばかり表現しているとは・・・
中盤までは時系列通りに、パワハラ上司さながらのウィレム・デフォーが新人いびりをするといった孤島での陰湿劇。4週間という期限も終わりに近づくと仲良くなってる二人だったが、その後が妄想や悪夢も加わって理解不能になった。それは現実?それとも願望?といった感じで。
最初から気になってたのがレンズの管理は自分の領域だと拘っていたデフォー。代名詞は“she”であることから、女性を象徴しているものだと感じ取れる。やりたくてしょうがないパティンソンだったが、途中からは自分も“人魚”に夢中になってしまったからあきらめたようだった。
男二人が1ヵ月も閉じこもっていたらおかしくなる。心の中の醜い部分が露呈してくるものだと思う。さらに嵐のために連絡船もやってこず、アルコールも無くなり、精神状態にも影響を及ぼす後半戦。攻撃的な人間になったり悪夢にうなされたり、もう、わや!結局、以前助手だった男は本当に殺されていたのか?4週間以降何日経っていたのか?不明な点は多いし、デフォーのセリフはどこまで本当のことだったのかもわからない。ラストのカットはモノクロであることもあってグロテスクでもあり美しくもある・・・のだと思う。
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