花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
全263件中、201~220件目を表示
私も夜景を見るよりミイラに感動するタイプです。
.
好きな音楽、映画、小説、趣味が全部同じな大学生の2人が付き合い初め、同棲を始めるがそれぞれの就職や仕事によって徐々に変わり始めて、、という話。
.
この2人の趣味というのはいわゆるサブカルと呼ばれるちょびっとディープでマニアックなもの。押井守を見て興奮したり、デートでアキ・カウリスマキ(余談ですが最初のカットだけ見てすぐに『希望のかなた』だ!ってなった自分、だいぶ染まってるなと思いました)の映画を見に行ったり、一緒にデルダをプレイしようとしたり、家の中にたくさんの本が飾ってあったり。
.
もちろんこんな投稿をしてるぐらいなので小説とか音楽についてはわからないけど、私も押井まもるううう!!!ってなったし、デートで夜景を見に行こうと言われるよりミイラ展に誘われたら一発で落ちるタイプなので終始頷きながら見ていた。
.
でも麦が就職してから、多忙でパズドラしかできなくなっちゃったり、前田裕二の『人生の勝算』を読むようになったり、元々の趣味を楽しめなくなっていく。これは自分も去年就職して東京に来て、忙しいという訳では無いけど環境が変わってあんまり映画を見ることができなくなったのと被った。
.
なんか見れても映画に集中できなくて、何も感じなくなったんだよね。どう生きるか、何を大切にして生きるかはその人次第だから悪くは無いと思うかど、私は映画を全く見れなくなるような状況になったら今の仕事辞めようと思った。 結局、麦と絹の中で大事にしているものが違ったんだと思う。
.
お揃いの白いスニーカーを履いていた2人が革靴と黒い靴を履くようになり、真夏でも常に開け話されていたベランダの窓が次第に閉めたままになっていく、恋愛が終わっていく経過をその年のサブカルを混じえながらもまざまざと見せられて辛かった。
.
こういうマニアックな趣味を持っていると、趣味が合う人を見つけるとたちまち嬉しくなっちゃうけど、必ずしもその人と価値観が合うわけでもないのが難しい。
.
ありふれたラブストーリー。そこが良い。
最高の離婚とカルテットが好きなんで、同じ人が脚本担当してるこの映画も当然見なきゃってことで、まぁ観てきたんですよね。
まず、見る価値ありです。
意外性とかはない話です。だからこそ凄い。
多くのひとが、「あの時の恋」を思い出して、切ないというよりは、恋とか愛とかについて、その正体について考えてしまうことでしょう。
あちこちで沸いては消えてるであろう恋愛話。それが物語として成立していることが、この作品の素晴らしいところだと思います。
個人的には、「誰もが映画のように特別な経験をしている」というよりは、映画館を後にするカップルの背中をみながら、刹那的な輝きを感じてしまう寂しさの方が強かったです。
いや、僻みや卑屈では無くてね。
観た人で集まって、それぞれ何を感じたか語り合うのに最適な作品だと思います。
色々考えさせられました
よく離婚会見で「性格の不一致」「価値観の相違」なんて理由を述べられる芸能人の方々がいらっしゃいますが、前者は他人の性格が一致するわけがないので後者がしっくりくるといつも感じてました。
でもこの映画の絹と麦は超(私には)マニアックなゾーンでの価値観というか嗜好(思考?)が見事なまでに合うためそれが逆に引き金になってしまったのかななんて思ったりしました。
何か最近観た映画で「恋愛と結婚は別物だ!」みたいなセリフを聞いた記憶がありますが正直そんなものなのかな~って思ってしまいます。
私事で恐縮ですがうちの夫婦はある部分はバッチリ価値観がかぶりますが、ある部分は対局で(特に笑いのツボは全くかぶらず、ここ結構重要だと思うのですが…)それでもかれこれ30年以上大きな波風も経たず今に至っています。最近同時期結婚の親友夫妻がそれぞれ新たな道を選んだばかりで(かつその修羅場(?)に同席する機会があったので)考えさせられました。
劇場内はやはりオジサンには居心地 最悪状態で、カップル85%、女の子同士10%、オジサン&お兄さん5%くらいでしたがこの映画を観終わったカップルたちはどんな感想を持ったか出口調査をしたい衝動にかられました。
正直、絹と麦はこのまま結婚しても結構うまくやっていけたんじゃないかなんて思ってしまいましたが老夫婦のやってるパン屋さんが閉店したことを伝えた絹のメールへ麦の返信が『やってしまった』感満載でしたね。
お決まり『Jonathan』での最後のシーン、彼たちの出会いのシチュエーションと被る若いカップル(なんと最近の私一押しの清原伽耶さんでしたね!贅沢な起用ですが嬉しかったです)を見てお互いに涙してしまうシーンではこちらも思わず泣いてしまいました。この映画での唯一の涙シーンでした。
菅田将暉さん、有村架純さん、どんどんうまくなってますね。こんなにナチュラルなセリフと表情に感動すら覚えます。脇も豪華でしたね~オダギリジョーさんの怪しさ満載の役どころ、絹の良識的なご両親もアンパンパンと松重さんに「早く言ってよ~」っていつも言われている元社長さんでしたし…
坂元さんの脚本、土井さんの監督、これからこのコンビで数多くの作品を創ってほしいものです。
タイトルの『花束みたいな恋』はある一定の期間は美しさを誇れるのですが、やはり根を張った花たちとは違う、ということを表しているんでしょうか。マニアックな趣味部分に出てくる作家さんや作品たちの名称たちとともに私には難解でした。
長年の結婚生活を送ったご夫婦、新婚夫婦、交際中のカップル、色々な層に観て感想をお聞きしたいものです。いやあ楽しめました。
2人の相互から見たナレーションがこの映画とすごくあっていた
終電過ぎに出会った2人が付き合い~就活~そして別れの5年による物語。
2人がお互いのことをナレーションで表現するのが物語に入り込めたかもしれません。
最後の新しいカップル👫の登場の時に出会った頃を思い出したかのように泣けるのがすごく良かったです。
可愛い 愉しい 素敵な恋愛物語
最終 二人は結ばれないけど
どちらが悪いとか責める気持ちや
切なさや残念な余韻は残らず
「花束みたいな恋をした」
二人を応援したい気持ちになる
可愛い素敵な物語
理想と現実
男女の思考の違い
すれ違う気持ち
共有できなくなってしまった価値観
変わっていく優先度
お互いの本当の気持ち・感情が上手く表現されていて
主演二人の演技も本当に素晴らしいです。
この物語(作品)を観賞した
麦くん絹ちゃんと同世代のカップルは
自分たちに置き換えて
不安になったり共感したり
どんな気持ちで見終わったのかな?
カップルで観賞すると複雑な気持ちになるかも・・・
これから恋愛が始まる未来形の人
現在進行中の人・過去形の人によって
見え方・感じ方は違うだろうけど
知り合ってから30年以上
ハードルに衝突!高さ調整を繰返してきた
我が熟年夫婦の感想はタイトル通りの内容に「2人可愛いかったね♪」でした。(≧∇≦)
最高に素敵な映画でした♪
ただただよかった
CMに惹かれて鑑賞。
みなさんおっしゃているとおり、良い意味で期待を裏切られる映画です。
王道の恋愛映画と思いきや、主人公の二人はいわゆるサブカル系男女です。
お互い共通の趣味を持ち話が合うこともあり、運命の人に出会えたかのように急接近していきます。そして見てるのも恥ずかしくなるような、ひたすら幸せの日々が続きます。
ただ、ずっとやりたいことをできるわけではなく、二人は生活するためにサブカルという趣味に没頭するのではなく、仕事をして生きていこうとします。
そこからはすれ違いの日々。現状維持をするため現実に生きようとする麦、好きなことを仕事にという理想を追い求めようとする絹。
結局二人は別れてしまいますが、別れ話をするシーンも、別れてから本音で話すシーンもとても綺麗に描かれています。
やはりこの映画の良いところは、とてもリアルだということです。
作中にも現実の作品が多く出てきますし、何か大きな出来事が起こるわけでもなく、ただ普通に生きていたら誰にでも当てはまりそうな出来事が散りばめられています。
過剰に好きと言葉にしないところとか、何気ない言葉や表情で喧嘩になるところなど
そんな出来事を有村架純と菅田将暉が見事に素の演技として演じ切っています。(ここは非現実!)
恐らく二人にはコミュニケーションが足りなかったのでしょう。
麦の仕事が忙しくなってから、二人は相手のことを気にして本音を話さなくなってしまいます。
別れてから、麦がミイラ展に引いていたことや絹がガスタンクに興味がなかったことが分かります。
でも、お互い相手の好きなことを理解しようとはしていました。もう少し話をしていたら未来は変わっていたかもしれません。
ただ、ラストは前向きな終わりで良かったです。お互い背を向けながらのバイバイ。あれ最高です。
もしかしたら二人は何年後かによりを戻すかもしれないし、このまま別々の人と結婚して昔こんな素敵な恋をしたと子供に話すかもしれません。
ただ、何かのきっかけで思い出すことがたくさんある花束みたいな恋をしたのでしょう。
※個人的には長年付き合っている彼女がいるので、いままで以上に大切にしたいと思わされた作品でした。。。
イヤホンは左右でひとつ
今恋してる人
これから恋する人
昔恋した人…
なんだか懐かしいような、羨ましいような、胸が温かくなるような…色んな大切なことを思い出させる映画でした。
坂元裕二さんの脚本が洗練されていて菅田将暉さんと有村架純さんが口にする台詞が似合いすぎていてリアル恋人みたい。
それにしてもノーチェックだった次々出てくる豪華な助演陣にびっくり!
みんないい味出してた。
劇中とエンドロールで出てくるイラストもステキ!
初恋は成就しないというけれど…
どんなに気が合っても運命的な出会いをしてもなかなか簡単にはいかないしたくさん泣いたりするけれど…
恋をしながら大人になってきたんだね〜私たち。
恋人たちの5年間を丁寧に描写して
色とりどりの花をたくさん集めた花束みたいなラブストーリー。
芝居が上手い
人からお勧めされて鑑賞。
なんか、全てがリアルで面白かった。
もどかしさとかも含めてリアル。
ファミレスの最後のシーンはジーンときたよね。
いやぁ、いい映画だった。
最後の別れ方のシーンオシャレだった。
コミカルなところはめっちゃコミカルだし。
いい映画。
全ての恋は終わりのはじまりである
長年付き合っている恋人がいる私には刺さりすぎた内容。麦も絹も2人で一緒にいるために努力をして歩み寄っているのに、どうして上手くいかないのだろう。これ以上2人はどうしたら上手くいったのだろうと心を抉られた。自分たちだけではどうしようもないような出来事が重なり、合っていたはずの価値観は変化していき、すれ違いにつながったのだろう。
すれ違っていくシーンでは、互いの心理がナレーションを通じて描写されたが、どちらの気持ちも理解できた。ただしそれは言葉にしないと相手に伝わることはない。視聴者である私は2人の心情を理解できても、コミュニケーションがなければ伝わらない。コミュニケーションがどれだけ大事か、改めて痛感した。
しかし前半の幸せなシーンが多さに救われ、別れた後の2人の明るさに救われた。離れた方が幸せな運命だったのだと思った。
こんなにも価値観の合う2人。こんなにも相性の合う2人がすれ違っていく様は、変わらないものなんてない、視聴者にそう訴えているようだった。
坂元作品の真骨頂
冒頭、カップルが一つのイヤホンで2人で曲聴くという王道の場面から始まる。
しかし、そのイヤホンを2人で聴く現象に対して音楽制作の立場からツッコミが入る。
ここら辺が「最高な離婚」を見ていたものとしては、「うぉぉぉ坂元作品だ!!」と言ったような妙な興奮を覚える。
そこから坂元節が出るは出るは。
ここで一気に引き込まれた。
そのあと、主役2人の出会いが描かれる。
話の大筋、それぞれの話が明大前で交錯する構成は他の作品でもかなり見受けられるが、随所に坂元節が仕込まれていて飽きさせない。(映画ファンだという男性がマイナーな作品といってショーシャンクの空にをあげるところなんかはかなり皮肉が効いていて面白かった。)
兎にも角にも、2人が出会い、デートを重ね、告白、そして付き合う。
この告白がまた憎いくらいドキドキする。
2人に残されたタイムリミットまで刻々と迫ってくるその感じ。
そして意外とあっけない、しかしキュンキュンする告白。
そこから2人で夜の道を歩いて初めてキスするまで。
とても良い。
そこから2人がすれ違い、別れるまで描かれる。
この作品には2人の恋の象徴ともいうべき小道具が数多出てくる。
2人の若さを表していた「イヤホン」
2人のすれ違いを演出した「靴」
等々
個人的に印象に残ったのはゼルダの伝説ブレスオブザワイルド。
最初は大体どのくらいの時期の話かを表すための小ネタかと思っていたのだが、麦の社会人としての忙しさを「(ゲームの進行度が)ゾーラの里で止まっている」というナレーションで表現したのには驚き入った。
別れのシーンは過去、今まで見てきた失恋のシーンで一番泣いたかもしれない。
そもそも恋愛にとことん縁がない僕は恋愛映画を見てもあまり共感することもなければ、感動することもない。
しかし、この作品の別れは唯一と言っていい。
お互いに笑顔で別れようとするもののかつて自分たちが座っていた席に座る若いカップルたちを見て泣きながら「別れたくない」という菅田さんの演技に心打たれた。
2人の出会いがかなり運命的でファンタジー寄りに描かれているからこそ、その後の現実的な別れがかなり心にくる。
そして、この後オープニングのシーンに戻る。
別れた後、再び2人がばったりカフェで会う。
その後の去り際2人が背中合わせに去るとき後ろ向きに手を振る。
このワンシーンがあることによって、それぞれがまた新たな恋を見つけたことが示されて見ている人を清涼感がさっと包む。
かなり綿密に練られた脚本でこれぞ坂元裕二作品といったところだった。
キラキラ恋愛なんぞクソ喰らえ!
これは2015年から2020年までを生きたカルチャーを愛する人間を描いた映画です。
冒頭から別々の異性と仲良くしている主演2人が映ります。既に物語の結末を冒頭で描くあたり意地悪な作品だなと思いました笑
最初の出会い自体は奇跡みたいな出会い方で、終電を逃して、たまたま入ったバーで、押井守監督がいて、天竺鼠のライブを2人揃って逃してて、みたいな句読点が続く模様が非現実的でクスクス笑えてきました。こんなに合う?と。
少しだけ時間を重ねて、スマホ越しの告白からのお付き合い。すぐにキスと展開早いな〜と思いつつニヤけていました。セックスまではもっと早く…非現実そうな現実が目の前で繰り広げられており、パンケーキを食べてる何気ないシーンも実はセックスした後の2人と、なんとも毒の効いた描写だなと思いました。
前半部分はバカップルぶりが遠慮なく発揮されていて、2人での暮らしの場所を大きくしてフリーターすげーなと思いながら見ていました。住居作りの過程も面白く、こんな部屋に住んでみたいなと思うくらい素敵な部屋でした。
年月が経つつれに滲み出してくるカルチャーの匂いがたまらなく心地よかったです。シンゴジラ然り、君の名は然り、ゼルダ然り、と大好きな作品たちが固有名詞で語られているだけでなく、ちゃんと物語の軸として支え合っているので、とても感心しました。
しかし、2人とも就職してから雰囲気は険悪になってきます。生活のすれ違いだけでなく、読む本の種類が変わってきたり、態度が投げやりになってしまったり、喧嘩するようになってしまったりと、私自身が元カノにフラれた時に言われた"価値観が違う"という言葉が思いっきりささりました。こうやって彼氏彼女の関係は乱れていくのだなと。本を雑に投げたり、バンッ!と置いたりと本好きならしてほしくない行為もやってのけてしまうので見ているだけで辛いシーンでした。
ただいるだけの2人と化してしまったのもあり、終盤あたりは他人行儀のような感じでした。しかし別れを切り出そうと考えているタイミングも同じで、何かと相性自体は良いんだろうなという2人が最後に楽しんでいる様子は、付き合いたての頃の2人のようで微笑ましいと思いつつも、寂しいなとも思いました。最初に告白したファミレスで別れを告げる。この演出がグッときて、終わってしまうのかこの恋は。とヤキモキしてしまいました。2人の過去を鏡写しかのように描かれる若者2人も(清原果耶さんが不意に出てきて驚きました。)また共通の話題で盛り上がっている、そんな2人を見て泣き出す2人、そして抱きしめながら別れのモノローグが出るあたり演出にくいなーと思いました。
別れた後も少しだけ過ごす2人は付き合っていた頃よりも楽しそうだけれど、モノローグで入る"もうこれは別れた2人"で現実に引き戻してくるので、もう少しこの幸せを味合わせてくれよ!とニヤけながら見ていました。
鑑賞日 2/4
鑑賞時間 14:45〜17:10
座席 K-14
ストーリーは予告編どおりだけど
大学生の男女の出会いから社会人になって別れるという予告編どおりの展開なのに、主人公二人の心の動きが優しくて切なくて、引き込まれてしまう。脚本と演技の心理描写が細やかで素敵でした。
一つのシーンに主人公それぞれがナレーションで心の内を語る。観客は両方聞くことで、段々と惹かれあい、徐々に互いに想い合いながらも歯車がずれて、諦めていってしまう感情の流れがわかりすぎてしまって切なくなりました。
菅田将暉と有村架純のさりげない自然な雰囲気がいい!菅田将暉の学生から社会人へ変わっていく役作りは流石です。
でも、この映画のいまどきの恋愛観には賛成できませんけどね(親目線です(^^;;)
ずるずる同棲すると結婚できなくなりそう
仕事とは何か、恋愛とは何か、結婚とは何か。
本作はダイアリー調で麦と絹のそれぞれの視点から、二人の出会いから別れまでを描く。
イラストレーターの夢を諦めて現実的に仕事に打ち込む麦と、現実的に資格を取得し就職したが夢を追いかけ転職を試みる絹。
やがて二人は、趣味も、仕事感も、結婚観も、人生観も、ちょっとずつ違うことに気づく。
二人はどこでボタンの掛け違えをしてしまったのだろう?おそらく、出逢った時からだ。
一見すると趣味の合うもの同士が惹かれあったかのように見える。しかしそれは、恋愛のマジックに魅せられた幻想だった。
絹は麦のことを「『電車に乗っている人』ではなく『電車に揺られている人』だと表現した、とてもロマンチックな人」と評価した。実際には麦は『電車に座っている人』と言っていた。
また絹が麦の部屋を最初に訪れたとき、絹は本棚をみて「自分の家そっくりだ」と言った。麦の視点からは文庫本のタイトルを見て絹は発言したのだと思っていた。しかし絹の視点では、行くはずのない国々の『地球の歩き方』が並んでいるのを見て「自分の家そっくりだ」と言った。
同じシーンをそれぞれの視点で回想する場面は、
微妙にだが確実に二人が異なった印象を抱いていたことを暗示している。
"同じ音を聴いているようで、LとRのイヤホンからは全く別の音が出ている"というのは、そういったメタファーでもある。
最初から掛け違えていたボタンが、
恋愛のマジックに魅せられて、
あたかも噛み合ったかのように事は進んで行く。
やがてマジックが溶けると、
あとはどうやって破局に至るを考えるしかない。
麦はハードルを下げて結婚すれば良いと提案する。
結婚生活はお互いが我慢しながら現実を引き受けて送るものだ。
しかし二人の物語は、幻想の中にあった事に気づく。
現実を引き受けることはもうできない。
仕事とは何か、恋愛とは何か、結婚とは何か。
理想と現実の間を彷徨いながら、出逢いと別れを通じて成長する若者たちの物語。
ストレートに面白く、一方で胸に突き刺さる良作。
ただしカップルで観に行く事はお勧めしない。
花束みたいな恋をした 観ました。
タイトルの『花束みたいな…』で色んな想像をしてました。誰でもこんな思いあったよなって思わせる二人の関係にもっていかれました。自分の中でリアルタイムではなく過去とリンクする事で はっとしてしまった。
花束のように盛りだくさんなきらびやかな光景がずっと続くと信じてたのに… 褪せることないと。『…恋をした』の過去形がせつないです。麦くんと絹ちゃんとっても良かったな。こんな二人の時間が人生にあったことが幸せ。
普通の人の日常的な恋愛を描いた物語
学生時代に知り合った男女の人生の恋愛模様を描いてる
恋愛でよくありそうな状況を色々提示してるが
別れそうになりつつあるのに結婚を持ち出す男に
こんな人居そうって思わず思った
夢を諦めて生活し現実を生きるので手一杯になり
性格も変わっていく男にとてもリアルを感じた
家族の為に頑張ってこうなってく人多いよね
自分はそのレールから外れちゃってるから
哀れみの情しか浮かばなかったけどね
しかしタイトルの意味が全然わからないまま終了
何かもどかしさが残った感じだった
普通に学生から同棲、結婚に至るような人達の人生って
こんな感じなのかな?
私の人生とかけ離れてるのでへ〜そんなもんかねぇって感じで観ていた
悪くない作品と思ったけど
深い恋愛感情を想像できない感じで感情移入があまりできなかったし
まぁ、話も盛り上がりもなく終わった感じだった
約2時間のひとつの恋愛
私自身、ひねくれ者であり、ハッピーエンドが嫌いで、現実離れしすぎたフィクション作品が嫌いです。それを前提としての感想です。たまたま終電を逃して出会い、共通点の多い2人、互いに惹かれない告白し、付き合う。少し大袈裟な部分がありましたがそれもまぁフィクションだからこそ。仕事や結婚に対しての考え方、互いが互いに対する理解の欠けから、マンネリ化。そして最後の別れのシーン。思いとどまる2人の元に、昔のふたりに全くそっくりな若者が登場。え、ループ系?と感じて思わず苦笑い。(笑)そこも、映画ならではの演出なのでしょうが、フィクションが嫌いな私はそこが残念な部分でした。しかし、菅田将暉さんと有村架純さんの演技は素晴らしく、あの二人だからこその作品であると思います。始まりは終わりの始まり、当たり前なのに目を背けたくなる言葉だなと。そして、永遠に学生のまま居たいものだと強く感じました。
団子みたいな恋をした
自分とあんなに読む本とか身につける物とか選ぶプレゼントまで似ている相手って、安心感や居心地の良さはあるだろうけど、刺激はないし学びや気付きも少ないからね。マンネリになるよ。
自分と似ている=相性がいい、とはならない。
挙げ句すれ違いになったらお互い歩み寄ったり支え合おうとする姿勢が足りないところまで似ている。飽きてどうでも良くなりながらダラダラ続けるとこまで。
ああいうすれ違いを乗り越える過程で絆が深まり、お互いに成長するものなんですが、どうやらそういうのはない二人みたいですね。
そんなの別れますよ。
花束みたいな恋って、もっと自分にない世界観や魅力がある人に出会って、新たな自分を開拓されたような感動があって、身を焦がすような恋…なんじゃないのかな?
よほど自分大好きなナルシストか、結婚焦ってる人じゃない限り、こういう自分と趣味嗜好が似ている相手に燃え上がることはないと思う。
花より団子ってことわざがありますが、これじゃあただ花(未知なる刺激的な相手との燃えるような恋愛)より、団子(自分と極めて似た相手との安定のある恋愛)を取ったカップルの、悲しきマンネリの末路ですよ。
泣きながら別れてますが、あんなに歩み寄る気持ちが全くもてない無関心な相手との別れの時にあんな風に泣かないでしょ。相手を理解しようと必死に努力したけれど埋まらなかった…とかなら分かりますが、全然違うじゃないですか。一体どんな涙なのか、不明でした。
最後にお互いに新しい恋人がいながらこっそり手を振り合うシーンで、ずっこけました。自分の恋人が元恋人にそんなことしてたらさすがに気持ち悪い…。ああ~そんなとこも似てるんですかと。
思い出を美化するのはいいのだが、あの長い交際を経て一つでも相手から自分にない何かを学び得たり、自身を顧みて反省することはあるんだろうか?
自分と価値観の合わない相手にことごとく興味を失うというナルシストな二人なんで、なんとなくそんなのはなさそうに思えてしまうのがまた悲しい。
ハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもなく、ラ・ラ・エンド・・・・なんちゃって
映画の余韻ってわけでもないんでしょうけど、鑑賞後も麦と絹の数々のシーンが、頭の中でよみがえってくるんですよ。
そして、何故か主題歌でもないのに、YOASOBIさんの『たぶん』が頭の中に流れ出すの。
昨年の『たぶん』をモチーフにした映画、こんな感じで作って欲しかったなと思っちゃいました。
さて、私は恋愛映画を観る時、登場人物たちを応援したくなる事が多々有るんですね。
そして、この映画の序盤の二人も微笑ましくって、応援したくなっちゃいました。
ただ、応援はするものの、そのままスムーズに行ったら映画にはならないわけで、中盤以降はすれ違って行きます。
それでですね、この映画を良いなと思ったのは、すれ違う二人がどちらも悪くないと思えるんですよね。
いや、細かい悪い所が有るからすれ違って行くんでしょうけど、やっぱり大筋では悪くないと思えるの。
お互い悪くないのにすれ違って行く。この相手が悪くないと分かっているのにすれ違って行く感じ、とても辛いですよね。
この映画は、この感じが良く出てたなと思います。
と、偉そうに書いてきましたが、自分自身はたいした恋愛経験ないんですけどね・・・。
同棲
恋の始まりの楽しさを大好きな2人が演じてくれたことで、『いいなー』とニマニマしながら鑑賞。
でも、大学卒業して『自立』の方法として『同棲』はあり得ないんじゃない?…と思ってしまう世代。
それも、自営業的クリエーターとアルバイトの組み合わせでは、、、。
そして、男女の優先順位の相違からギクシャクしていく。あんなに似た者同士で盛り上がっていたのに。
ちょっと悲しいけれど、それが自分はどういう人間なんだろうと考えるキッカケにもなる。
2人のファミレスでの話し合いは、見ていて苦しかった。
でも、ちゃんと本当の気持ちを言い合えたからこそ、前に踏みだし、爽やかな再会が出来たんだと思う。
過去はいい思い出として花束のように抱えておくもので、決して引きずってはいけない。
恋愛と結婚は切り離して考えるべき?なの?
あっさりとした感じのエンディングだったので、観終わった直後は平常心でした。でも映画から感じ取ったもろもろがボディーブローのように身体に効いてきて、若干辛いです。
なんというか、「こうだよね!」って決めつけられてるような感覚なんです。
『忙しいと心を亡くす。エンタメを享受できるのは心に余裕があるからで、その余裕があった方が人は明るくいられる。』
『隙間時間のソシャゲーよりも家に帰ってからの据え置きゲーム。瞬間的なパズドラよりも、楽しみが無限にあるゼルダでしょ。』
徐々に心のHPが削られてくんですが、「うっせえわ!」と受け流していたんです。でも、最後のファミレスのシーンでダメでした。主演二人以外のキャスティングをよく知らずに行ったので、清原果耶さんと細田佳央太くんが出てきて、『純粋無垢でフレッシュ』を存在感そのもので体現されてしまったので、心は完全に死にました。『恋愛感情が失われたまま、惰性で結婚という選択肢を取るべきではない。』そんなメッセージを説得力を伴ってぶつけてくる、そんな若い2人でした。(素晴らしい俳優さんたちだと思います)主人公2人がさめざめと泣き、愁嘆場突入かと思いましたが、カラッとしたエピローグで少し救われました。(最後に手を振り合う感じ、2人には恋愛感情が残っていなかったとしても、友情は残ったのではないかと思うのですが、どうでしょう)
結婚して6年目に入りますが、果たして自分はどんな気持ちで妻にプロポーズしたのだろう。今、妻への想いに恋愛感情はあるのだろうか。ないと、どうなっちゃうのだろう。どうするべきなのだろう。ぐるぐる考えつつ、日常の生活を送っています。
全263件中、201~220件目を表示