花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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仕事とは何か、恋愛とは何か、結婚とは何か。
本作はダイアリー調で麦と絹のそれぞれの視点から、二人の出会いから別れまでを描く。
イラストレーターの夢を諦めて現実的に仕事に打ち込む麦と、現実的に資格を取得し就職したが夢を追いかけ転職を試みる絹。
やがて二人は、趣味も、仕事感も、結婚観も、人生観も、ちょっとずつ違うことに気づく。
二人はどこでボタンの掛け違えをしてしまったのだろう?おそらく、出逢った時からだ。
一見すると趣味の合うもの同士が惹かれあったかのように見える。しかしそれは、恋愛のマジックに魅せられた幻想だった。
絹は麦のことを「『電車に乗っている人』ではなく『電車に揺られている人』だと表現した、とてもロマンチックな人」と評価した。実際には麦は『電車に座っている人』と言っていた。
また絹が麦の部屋を最初に訪れたとき、絹は本棚をみて「自分の家そっくりだ」と言った。麦の視点からは文庫本のタイトルを見て絹は発言したのだと思っていた。しかし絹の視点では、行くはずのない国々の『地球の歩き方』が並んでいるのを見て「自分の家そっくりだ」と言った。
同じシーンをそれぞれの視点で回想する場面は、
微妙にだが確実に二人が異なった印象を抱いていたことを暗示している。
"同じ音を聴いているようで、LとRのイヤホンからは全く別の音が出ている"というのは、そういったメタファーでもある。
最初から掛け違えていたボタンが、
恋愛のマジックに魅せられて、
あたかも噛み合ったかのように事は進んで行く。
やがてマジックが溶けると、
あとはどうやって破局に至るを考えるしかない。
麦はハードルを下げて結婚すれば良いと提案する。
結婚生活はお互いが我慢しながら現実を引き受けて送るものだ。
しかし二人の物語は、幻想の中にあった事に気づく。
現実を引き受けることはもうできない。
仕事とは何か、恋愛とは何か、結婚とは何か。
理想と現実の間を彷徨いながら、出逢いと別れを通じて成長する若者たちの物語。
ストレートに面白く、一方で胸に突き刺さる良作。
ただしカップルで観に行く事はお勧めしない。
花束みたいな恋をした 観ました。
タイトルの『花束みたいな…』で色んな想像をしてました。誰でもこんな思いあったよなって思わせる二人の関係にもっていかれました。自分の中でリアルタイムではなく過去とリンクする事で はっとしてしまった。
花束のように盛りだくさんなきらびやかな光景がずっと続くと信じてたのに… 褪せることないと。『…恋をした』の過去形がせつないです。麦くんと絹ちゃんとっても良かったな。こんな二人の時間が人生にあったことが幸せ。
普通の人の日常的な恋愛を描いた物語
学生時代に知り合った男女の人生の恋愛模様を描いてる
恋愛でよくありそうな状況を色々提示してるが
別れそうになりつつあるのに結婚を持ち出す男に
こんな人居そうって思わず思った
夢を諦めて生活し現実を生きるので手一杯になり
性格も変わっていく男にとてもリアルを感じた
家族の為に頑張ってこうなってく人多いよね
自分はそのレールから外れちゃってるから
哀れみの情しか浮かばなかったけどね
しかしタイトルの意味が全然わからないまま終了
何かもどかしさが残った感じだった
普通に学生から同棲、結婚に至るような人達の人生って
こんな感じなのかな?
私の人生とかけ離れてるのでへ〜そんなもんかねぇって感じで観ていた
悪くない作品と思ったけど
深い恋愛感情を想像できない感じで感情移入があまりできなかったし
まぁ、話も盛り上がりもなく終わった感じだった
約2時間のひとつの恋愛
私自身、ひねくれ者であり、ハッピーエンドが嫌いで、現実離れしすぎたフィクション作品が嫌いです。それを前提としての感想です。たまたま終電を逃して出会い、共通点の多い2人、互いに惹かれない告白し、付き合う。少し大袈裟な部分がありましたがそれもまぁフィクションだからこそ。仕事や結婚に対しての考え方、互いが互いに対する理解の欠けから、マンネリ化。そして最後の別れのシーン。思いとどまる2人の元に、昔のふたりに全くそっくりな若者が登場。え、ループ系?と感じて思わず苦笑い。(笑)そこも、映画ならではの演出なのでしょうが、フィクションが嫌いな私はそこが残念な部分でした。しかし、菅田将暉さんと有村架純さんの演技は素晴らしく、あの二人だからこその作品であると思います。始まりは終わりの始まり、当たり前なのに目を背けたくなる言葉だなと。そして、永遠に学生のまま居たいものだと強く感じました。
団子みたいな恋をした
自分とあんなに読む本とか身につける物とか選ぶプレゼントまで似ている相手って、安心感や居心地の良さはあるだろうけど、刺激はないし学びや気付きも少ないからね。マンネリになるよ。
自分と似ている=相性がいい、とはならない。
挙げ句すれ違いになったらお互い歩み寄ったり支え合おうとする姿勢が足りないところまで似ている。飽きてどうでも良くなりながらダラダラ続けるとこまで。
ああいうすれ違いを乗り越える過程で絆が深まり、お互いに成長するものなんですが、どうやらそういうのはない二人みたいですね。
そんなの別れますよ。
花束みたいな恋って、もっと自分にない世界観や魅力がある人に出会って、新たな自分を開拓されたような感動があって、身を焦がすような恋…なんじゃないのかな?
よほど自分大好きなナルシストか、結婚焦ってる人じゃない限り、こういう自分と趣味嗜好が似ている相手に燃え上がることはないと思う。
花より団子ってことわざがありますが、これじゃあただ花(未知なる刺激的な相手との燃えるような恋愛)より、団子(自分と極めて似た相手との安定のある恋愛)を取ったカップルの、悲しきマンネリの末路ですよ。
泣きながら別れてますが、あんなに歩み寄る気持ちが全くもてない無関心な相手との別れの時にあんな風に泣かないでしょ。相手を理解しようと必死に努力したけれど埋まらなかった…とかなら分かりますが、全然違うじゃないですか。一体どんな涙なのか、不明でした。
最後にお互いに新しい恋人がいながらこっそり手を振り合うシーンで、ずっこけました。自分の恋人が元恋人にそんなことしてたらさすがに気持ち悪い…。ああ~そんなとこも似てるんですかと。
思い出を美化するのはいいのだが、あの長い交際を経て一つでも相手から自分にない何かを学び得たり、自身を顧みて反省することはあるんだろうか?
自分と価値観の合わない相手にことごとく興味を失うというナルシストな二人なんで、なんとなくそんなのはなさそうに思えてしまうのがまた悲しい。
ハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもなく、ラ・ラ・エンド・・・・なんちゃって
映画の余韻ってわけでもないんでしょうけど、鑑賞後も麦と絹の数々のシーンが、頭の中でよみがえってくるんですよ。
そして、何故か主題歌でもないのに、YOASOBIさんの『たぶん』が頭の中に流れ出すの。
昨年の『たぶん』をモチーフにした映画、こんな感じで作って欲しかったなと思っちゃいました。
さて、私は恋愛映画を観る時、登場人物たちを応援したくなる事が多々有るんですね。
そして、この映画の序盤の二人も微笑ましくって、応援したくなっちゃいました。
ただ、応援はするものの、そのままスムーズに行ったら映画にはならないわけで、中盤以降はすれ違って行きます。
それでですね、この映画を良いなと思ったのは、すれ違う二人がどちらも悪くないと思えるんですよね。
いや、細かい悪い所が有るからすれ違って行くんでしょうけど、やっぱり大筋では悪くないと思えるの。
お互い悪くないのにすれ違って行く。この相手が悪くないと分かっているのにすれ違って行く感じ、とても辛いですよね。
この映画は、この感じが良く出てたなと思います。
と、偉そうに書いてきましたが、自分自身はたいした恋愛経験ないんですけどね・・・。
同棲
恋の始まりの楽しさを大好きな2人が演じてくれたことで、『いいなー』とニマニマしながら鑑賞。
でも、大学卒業して『自立』の方法として『同棲』はあり得ないんじゃない?…と思ってしまう世代。
それも、自営業的クリエーターとアルバイトの組み合わせでは、、、。
そして、男女の優先順位の相違からギクシャクしていく。あんなに似た者同士で盛り上がっていたのに。
ちょっと悲しいけれど、それが自分はどういう人間なんだろうと考えるキッカケにもなる。
2人のファミレスでの話し合いは、見ていて苦しかった。
でも、ちゃんと本当の気持ちを言い合えたからこそ、前に踏みだし、爽やかな再会が出来たんだと思う。
過去はいい思い出として花束のように抱えておくもので、決して引きずってはいけない。
恋愛と結婚は切り離して考えるべき?なの?
あっさりとした感じのエンディングだったので、観終わった直後は平常心でした。でも映画から感じ取ったもろもろがボディーブローのように身体に効いてきて、若干辛いです。
なんというか、「こうだよね!」って決めつけられてるような感覚なんです。
『忙しいと心を亡くす。エンタメを享受できるのは心に余裕があるからで、その余裕があった方が人は明るくいられる。』
『隙間時間のソシャゲーよりも家に帰ってからの据え置きゲーム。瞬間的なパズドラよりも、楽しみが無限にあるゼルダでしょ。』
徐々に心のHPが削られてくんですが、「うっせえわ!」と受け流していたんです。でも、最後のファミレスのシーンでダメでした。主演二人以外のキャスティングをよく知らずに行ったので、清原果耶さんと細田佳央太くんが出てきて、『純粋無垢でフレッシュ』を存在感そのもので体現されてしまったので、心は完全に死にました。『恋愛感情が失われたまま、惰性で結婚という選択肢を取るべきではない。』そんなメッセージを説得力を伴ってぶつけてくる、そんな若い2人でした。(素晴らしい俳優さんたちだと思います)主人公2人がさめざめと泣き、愁嘆場突入かと思いましたが、カラッとしたエピローグで少し救われました。(最後に手を振り合う感じ、2人には恋愛感情が残っていなかったとしても、友情は残ったのではないかと思うのですが、どうでしょう)
結婚して6年目に入りますが、果たして自分はどんな気持ちで妻にプロポーズしたのだろう。今、妻への想いに恋愛感情はあるのだろうか。ないと、どうなっちゃうのだろう。どうするべきなのだろう。ぐるぐる考えつつ、日常の生活を送っています。
もしも恋人とこの映画を見ていたら 泣きながらお互いの手を握りしめ合っていたと思う。
ドラマの冒頭で2人の最終的な選択が分かる。
結末を知っているからこそ、幸せなそうな2人のシーンに涙が止まらなかった。
恋が始まる高揚感も
恋が終わる喪失感も描写がリアルだった。
少女漫画のようなドラマチックな展開はない。
世界中のどのカップルにも共感を得られる作品だ。
出会って、
お互いに共通点を見つけて好感を持つ。
肩が触れ合うくらい近くを歩く。
体が触れるだけで鼓動が速くなって
告白されるかもしれない雰囲気で
一瞬時がとまる間も、
告白後の
照れ臭くてぎこちない雰囲気もまた良い。
恋愛の1番美味しいときは
愛情を100%渡して100%で返ってくる時。
年月を重ねると
いい意味でも悪い意味でもお互い変化し、
すれ違っていく。
脳裏に別れがチラつく時の胸の重苦しさ。
見て見ぬふりをしてきたことを、ついに話し合う緊張感
別れようと決めたのに
いざその時になると足掻こうとする気持ち。
すべてがリアルで、まるで恋愛の始めから終わりを疑似体験をしたかのようだ。
菅田将暉と有村架純の泣きの演技は最高だ。
特にラストのファミレスのシーンは
冒頭からある心理描写のナレーションがなく
2人の表情だけで語る。
菅田将暉の涙の拭い方が上手い。
上映中に、同棲中のパートナーと喧嘩したことを思い出した。私が新しい仕事を始めてマインドが変わったからだ。この映画を見て、絹と麦と同じ選択をしたくない、まだ自分たちはすれ違いを修正できる位置にいると思った。帰ってきたら思い切り抱きしめたい。
私のようにこの映画を見て、影響を受けるカップルは出てくるだろう。
彼女との初映画
脚本、坂本裕二。これは観に行くしかない。そう思ってる時に彼女からこの映画観に行きたいんだよねと言われた。この映画の中の2人ほどまでとはいかないけれど趣味があって良かった。
上がりに上がりきったハードルだったけど、そのハードルを最初の3分で超えてきてしまった。つかみが抜群だった。その後の押井守の件で
「俺結構映画はマニアックって言われるけど」
「え?例えば?」 ←これ菅田将暉
「ショーシャンクの空にとか?」
このセリフでこの映画の僕の中の地位は確固たるものになった。
僕は常日頃から言っているが、ショーシャンクの空にを観た人は全員映画好きを語り出す。あの時代感と名前は有名だけれど金曜ロードショーでやっていないからという理由でマニアック?は?笑 笑わせないでくれ。
というわけで最初っから最後まで楽しめたが強いて言うなれば去年のM-1のマヂカルラブリーのフレンチのネタのように最大瞬間風速が前半にあるタイプだったと思う。結果ラストもうまく締めくくった為文句は一つもないが、最大は前半20分だったように思えた。
恋愛、結婚あるある
恋愛、結婚でのすれ違いはこういう所ですね。
この2人にとって一番大切なことは、互いに仕事があって、生活を共にできることだったはず。夢ばかりでは生きていけませんから。恋愛や結婚に限らず人は平凡な日常を当たり前だと勘違いして、大切な事を忘れて引き算ばかりしてしまうものです。
麦の方は最後に絹を失いたくないと言ってくれました。
絹の方は自分の気持ちを優先してしまいました。
そもそも別れる理由は無かったのでは?この先誰と付き合っても誰と結婚しても、絶対に起こる問題です。こんなに合う2人はそうそう居ないもの。だからこそ、失った大きさ、麦の懐の深さは後から来そうです。
数年後再会した続編に期待したいものです。
演出では、やはりコロナ渦なので、ハッピーエンドではないスッキリしない結末はちょっとキツいかなと感じました。「花束」という言葉が入ったタイトルとあの主演のお2人なので、まさかの結末は裏切られた感が否めないかもしれません。その点は評価的に惜しいです。
インテリアはとても素敵でした。
菅田将暉と有村架純の演技はとても良かったです。
すでに2度観に行きました
現代の恋愛そのものでした。
誰もが共感できる場面がたくさんあり
自分と重ねてみてしまう方も多いのでは
と思いました。
20代後半〜30代前半の女性におすすめの映画だと思います。
想像よりも大人な映画なので
若い子たちにはよさが伝わらないかも。
また、脚本家らしいセリフが多く面白いです。
有村架純の演技力が個人的にとても良かったです。
喧嘩せずお茶を出す。
優しく受け答える。
我慢している感情がむんむんと伝わりました。
背中で表現できるその様は
何度見ても魅了されました。
やはり男より女の方が大人ですね。
それが伝わります。
最後のファミレスのシーン
昔を思い出す場面が最も印象的でした。
どうしてあの頃の気持ちになれないのか。
好きなのに。
悔しくて泣ける。
今まで見た恋愛映画で
一番心に残りました。
大人ってなんでしょうか。。。
好きなものが似ているばっかりに、2人だけの世界が心地良すぎて、大人になることを咀嚼するのにとても時間がかかってしまう。麦と絹はそんな2人なんだと思います。
麦との2人だけの世界が心地よくて一緒にいたかった絹と、心地良い世界を諦めてでも絹と一緒にいたかった麦。2人の思いは段々とすれ違っていきました。
2人だけの世界を諦めきれないまま、無理矢理に大人の仮面を被ることを覚えた麦。好きな世界を追いかけ続ける絹に対して、いつまで学生気分なんだとぼやきますが、私には麦の方が、大人になることを上手く咀嚼しきれていないような気がしました。
麦が必死に働いているのは絹と一緒にいるためだと、これは社会的な男性の性役割や本能的な部分もあったのかもしれませんね。
男って、どうしてポロッと勘違いされるような言い回しや、それ言ったらダメだろうってことを言っちゃうんでしょうか。(笑)
そして、どうして女はサラッと流せば良いものを逐一反応してしまうのでしょうね。(笑)
それでも、素直に謝れる麦と、サクッと許してあげられる絹は、私なんかよりずっと大人です。。。(笑)
そういった細やかな口喧嘩のやり取りも描かれていて、人間らしさたっぷり素敵な映画でした!
ネタバレを受けていても楽しめた。
あり得ないとあり得るが入り混じった作品。
そこまでお互いリンクするなんてあり得ない!
と思うこともあれば
すれ違っていく姿にはあり得るなあ〜
なんて思いながら見ていた。
天竺鼠だと穂村弘だとか
キノコ帝国だとか羊文学だとか
Awesome City Clubだとか
わかるワードもあれば
知らないサブカルもたくさんあった。
何年か後にこの作品をみたら
そういう時代だったなーって思うのかな。
古い家をあれだけ
おしゃれにできるなんて、羨ましい。
猫と住めるなんて羨ましい。
絹ちゃんの意思は強かった。
最後、あそこでもう一度やり直してみよう
と思う人はいると思う。
でも、もう彼女の中では決まっていたんだなあー
前を向いていたんだなー
20代の恋愛がリアルに描かれていたと思う。
価値観が変わりやすい時。
個人的に清原果耶さんが最近気になっている。
いつ登場するのだろうと思っていたが、そこね。
私も映画のチケットを栞として
使っていこうかな。
菅田将暉と有村架純はベストカップル
なんてリアルで切なくて感動するラブストーリー映画なのか。
有村架純を目当てに観たけど、途中でもう結婚してくれ!と思う程。
最後のファミレスのシーンは流石にきましたね。恋愛と結婚は違うという当たり前のことを、改めて認識させられた。
たしかに、恋愛って花束みたいなモンかも。
丹精に計算されつくした脚本と演出、主役二人の高い演技力が見事に現れている、恋愛映画として傑作ではないかと!
しかしながら、好みが分かれるのもたしか。
・序盤のイヤホンの話に嫌悪を覚え(言いたいことは頷けるが、他人カップルにわざわざ言うことではない)
・二人の好みのサブカルまるで知らん
・本棚、同じ作家サンに偏ってないのは逆に不自然では
・新潟長岡の花火なんぞ知らん(お父さんの話し方は長岡の人と微妙に違うし、長岡の人が花火のことしか考えてないってのもどうなん)
・社会に揉まれ、大好きだったものが手につかなくなる人もいるが、麦クンあまりにも変わりすぎ
・倦怠期から別れのシーンまで冗長に感じる
…とか言う人もいるだろうけど苦笑
それらすら、最後まで通して観ると、二人の5年間の恋
を描き切るには必要なことだったと思う。
何よりキャスティングが秀逸。有村架純-絹ちゃんの見つめる演技と、菅田将暉-麦クンの目を逸らす演技は、二人に生まれた心の距離を見事に表現している。
その他キャストも演技巧者揃いで何気に豪華。(演技力が伴っていない人への配役すら、きちんと考えられていた…)
趣味趣向がぴったりで相性も良かった二人が、社会の中で距離ができ…というのはありがちな話。だが、絹ちゃんが就活してる時点で「リアリズムな女が変わって、絵描きの夢見る男が変わらん」…という予感もいい意味で裏切られる。しかも、菅田将暉が、言いそうもないリアリズムでアナログな社会家庭的台詞を繰り返し言うとか、もうたまらない!笑
そして、二人の間の小道具やサブカル趣味嗜好も、一つ一つが丁寧に作られていたのも素晴らしい。
・白スニーカー(奇跡的お揃い…脱ぐまで気がつかない!→社会人靴→初々しいカップルの…思い出すがもう戻れない、喪失感)
・Switch(TV脇のコントローラー→携帯モード→絹ちゃんTVで一人プレイ、やんやある→傷心の麦クン一人でプレイ)
・再演された舞台(映画やイベントじゃないところがミソ! 「前に見ただろ」と麦クンは言ったが舞台好きな人はきっとツッコミ入れると思う)
・今村夏子(二人の価値観の象徴。お揃いスニーカーって『ピクニックから来てる…? 5年間て長さも今村作品スパンにぴったり笑 芥川賞受賞ネタも。)
丁寧さという点では、菅田有村の次にキャストクレジットされてる細田佳央太くん・清原伽耶ちゃんカップルの存在。作中では苗字でしか呼び合わないけど、ちゃんと下の名前まで設定されてるのね。明るい未来なのか、絹麦カップルの別れを予感させるのか…。
いずれにしろ、「あるある」と共感できるかどうか…で評価も分かれるとは思う。好みじゃないという方も、丹念に作られてる点をご覧いただきたいな。
別に花束でもない
好き同士でも、年月が経つにつれ、なあなあになっていくんだな。それが我慢できるうちはいいけど。我慢していくとだんだん綻びができていく。
主人公と同じ名前だったので、否応なしに感情移入していったんだけど、仕事の捉え方が仕事に囚われていく。そんな人生は楽しいのか?仕事に対して色々と考えてしまった。
あんなにも趣味嗜好が似ていても最後は別れるのが悲しい。菅田将暉の最後の説得は男という全人格を素直に現した説得だと思った。個人的にとても悲しい映画になってしまった。
偶然
若い男女の恋愛と日常を描いた作品。
偶然が少し多すぎるなと思うけれど、それだけ趣味や思考が合う相手もきっとどこかにいるのかもしれない。
この人♩って直感で感じて出会えるって素敵だな。
リアルな恋愛模様を描いていて、とても素敵な2人ではあるけれど、映画としては単調で変化なく少し退屈に。
たくさん恋してる人には心ときめいて共感する部分も多いのではと思います。
冒頭のシーンをみると、やっぱりこの2人は価値観が合うお似合いの2人ですね。
モノローグが多い、いまどきの物語。
坂元裕二先生の映画作品。
・モノローグを多用していているのが気になった。もう少し人物を想像させて欲しいというか、全部答えを言われている感じがしたので、もっと観客を信用してくれても良いかも。
・それにしても、色々都合が良すぎではないか? 同じファミレスの同じ席の同じ様なカップルで、同じ様な靴履いて、同じ様に本を交換している所にたまたま居合わせる確率って、自分的には奇跡に近くて、それを必然性もなく描いてしまうところが、非常に作家都合に見えてしまい、正直萎えた。
・坂元裕二ワールドというより北川悦吏子の作品を見せられている様な感じ。自己陶酔型。
・京王線がスポンサーなのか知らないけど、サブカルお洒落でしょオーラ出し過ぎ。サブカル好きだけに、かえって鼻についた。
※期待してしただけに少し残念な印象です。オダギリジョーの無駄遣い感が印象に残りました。
と、批判的だけど、やっぱり坂元裕二先生の作品なので☆は3つ。
ただの恋愛映画ではない
深い。
女性側の考え方、男性側の考えかた。
少しずつのズレが生じてしまうのは仕方ない。
歩み寄る事が大切なのだ。それが無理なら別れるしかないのだ。
冒頭は、こんな出会いは運命感じちゃうよね〜。
こんな偶然ある〜♡みたいな。
ジョナサンで告白するシーン。若い頃が懐かしく思えた。
そして、よせばいいのに同棲。
同棲する前の就活を断念しちゃうのも、心の中で【ないわー(笑)】と、
フリーターの割には良い生活送ってるじゃないか、そっか親からの仕送りかと、仕送りは花火の寄付金へと変わり。
そしてムギくんも、『就活するわ』と心変わり。
就職する事を良きと思ってないのかな?キヌちゃんは、、、。イヤイヤ働いた方がいいでしょーよ〜とまた心の中で叫んでしまった。
人って、生活の送り方、過ごし方でいくらでも考えは変わるもの。仕方がない事。
そして、2人の溝が徐々に深くなってしまう。
仕事って本当に大切だ。
生きるために仕事するのだから。
やっぱり、結婚前の同棲は反対だなぁとつくづく感じた。
結局、恋愛って別れるか結婚するかとどちらかしかないのだから、行き急ぐ事はないのだ。
この作品はリアルな所が見え隠れして、男女の感情が良い感じに表現されていて、ありきたりな恋愛映画ではなくヒューマン系に近いのかなぁ。
とても素敵な作品でした。
今日も素晴らしい作品に出会えてし幸せです。
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