花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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どう評価すれば良いか分からなかった
今まで見たことのないタイプの映画でした。というか、あまり映画っぽくなかったなと思います。 物語自体を楽しませようとしている感じがしなかったからかもしれません。 「面白いか面白くないか」ではなく、「共感できるか否か」に尽きていたように思います。 だから、もろにこんな別れ方を経験したことがある人にとっては傑作になる一方で、私のように恋愛経験が未熟な人にとっては「よくありそうだな」で終わるし、もっと刹那的で激しい恋愛をしてきた人にとっては「くだらない」となるのかなと。 個人的にはあまり面白くなかったです。 まず演出なのですが、いちいちくどい。皆さんもレビューでおっしゃっていましたが、特にファミレスのシーンは長すぎる。そして、モノローグで内心を全て語ってしまうのは私の好みではありませんでした。 次にキャラクター。キャラクターを好きになれたかどうかで映画の良し悪しを判断するのは出来れば避けたいのですが、今回に関してはどうしても好きになれませんでした。特に絹ちゃん。 二人とも文化人ぶってイキッている感じがあって見ていてしんどかったです。 ちょっと男に誘われたからって好きなバンドのライブに行かないなんてありえないし、イヤホンは両耳でつけないとダメだって人の受け売りを我が物顔で言ってるのもちょっと引きました。ファミレスでミキシングについて語ってたおじさんとあの二人は決定的に違うように見えました。 と言いつつも、ここで長々と批判レビューを書いている私とあの二人と何が違うのだろうとも思うので同族嫌悪に近いのでしょう。 最後に二人の関係性についてですが、最初からまったく同じ方向を向いていた訳ではないように見えました。趣味嗜好が同じことと本質的に似ていることは違うし、そういう意味では歯車がぴったりかみ合っているように見えて実は最初からそうでもなかったのかもしれないと思ったりしました。そもそも人間二人いたらズレていくのなんて当たり前なんだから、二人ともそこで修正する努力をしてない時点でダメだろって思っちゃったのですが、実際聖人みたいには相手に気を遣えないだろうし、すれ違いってこんなもんなのかな・・・。 長々と書いてしまいましたが、総じて言うとどういう見方をすれば良いのか分からない映画でした。「気の合う男女が付きあうけれど徐々にすれ違って別れる話」として観るならちょっとチープかなと思います。逆に、私が思ったモヤモヤみたいなことを皮肉として描いていたならすごいなと思います。 どちらにしてもこんなダラダラ書くほど囚われていたのだからそういう意味でとても良い映画だったのかもしれません。
過ぎ去った恋の記憶
見る人の経験によって感想が大きく変わる映画だと思う。 自分が10代後半〜20代後半辺りに経験したことをなぞったみたいな映画だった。 もう戻れないな、あの感覚は感じられないんだろうなという経験を映像で再現されているみたいでヒリヒリした。
花束みたいな素敵な邦画ラブストーリーを見た
昨年、ヒューマン・ミステリー『罪の声』が絶賛された土井裕泰監督。
本来のフィールドは恋愛/感動モノ。
良かったのもあれば、ビミョーなのも…。
本作は評判上々やコロナ禍でのヒットも納得。
土井監督作の中でもお気に入りの一つに。
2015年。終電を逃した事をきっかけに出会った大学生の麦と絹。
小説、映画、漫画、ゲーム…趣味や好きな事が驚くほど共通。これって、運命の出会い…?
幾度か会ったり、食事したり、映画観たり、ミイラ展に行ったり、ファミレスでまた終電の時間まで他愛ない話したり…。
いよいよ告白。晴れて恋人同士に。
ここから、2人の5年間が始まる…。
昨今、カップルの期間ラブストーリーがよく作られる。
『弥生、三月』は30年、『糸』は18年。
それらに比べると短いが、私にとってはそれらより素敵な5年間だった。
まずは菅田将暉と有村架純の実力派2人のケミストリー。
ナチュラルさ、ユーモア、掛け合い、会話のやり取り、瑞々しさ、キュンキュンさ、中盤からそれらが徐々に変化していく演技や感情の体現はさすが。
初めてのキス。絹が「こういうコミュニケーションは頻繁にしたいです」
鼻血ブー!レベル。ハーイ!私もしたいです!(←この変態野郎!)
2015年~2020年までの実名での文化やサブカルが楽しく、リアリティーを生む。
小説、映画、漫画、ゲームなどの作品名のみならず、作者名やアーティストも。
ちなみに2人の最初の共通点であるご本人出演による“神”。私もすぐ分かりましたよ。
また、ロケ地の東京都調布市の多摩川や京王線など魅力的。
“カップルあるある”が散りばめられているという。
俺/私の事、どう思ってるのかな…?
ただ趣味が合うの仲のいい“友達”…?
告白するタイミングって…?
ドキドキ、ドキドキ、揺れに揺れ動く。
恋人同士になってからは、いっぱいキスして、セックスもして。
絹の両親は厳しい。実家を離れ、同棲を始める。
麦はイラストレーター、絹はケーキ屋でバイト。
近くのパン屋の焼きそばパンが美味しい。
バイト終わりは必ず落ち合って、話しながら一緒に帰る。
大晦日。捨て猫を拾って“バロン”と名付けて飼う。
幸せ。とっても幸せ。
特別なラブストーリーではない。“普通のカップル”の“普通のラブストーリー”。だからこそ、共感度たっぷり。
イヤホン共有の是非の通話や、女の子から花の名前を聞くと男の子はその花を見ると一生その女の子の事を思い出す…というリアリティーのある話。
数々の名作TVドラマを手掛けてきた脚本家、坂元裕二の名執筆。
普通のカップルだからこそ、それは訪れてくる。
お互い両親からの仕送りがストップ。
絹は資格を取って、就活。
俺も男だ。その姿を見て、麦もイラストレーターの夢を捨て、就活。
共に就職が決まり、フリーターから社会人として変わった以外は変わらずの筈だったが…
麦の仕事が忙しい。仕事に没頭するように。
気付けば、あんなに好きだった小説や映画や漫画やゲームに興味すら沸かず。今はもう、今村夏子さんの『ピクニック』を読んでも感動しないだろう。
会話も少なくなり、セックスも暫くしてない。
決定的な事が。突然イベント会社に転職した絹。
麦は、仕事には責任がある。例えやりたくなくても、生活の為にやらなければならない。
絹は、仕事も生活も楽しみたい。やりたくない事は無理してやらなくてもいい。
麦の意見は分かるが、如何にもな男性的な意見な気もする。
絹の意見は自由ではあるが、甘い意見な気もする。
仕事や生き方に対しての考え方、価値観の違い…。
すれ違い、溝、一度生じたそれらはなかなか修復難しく…。もはやお互い、何も感じないまでに。
別れたいけど、またもやそのタイミングやどう切り出すか分からないからただまだ一緒に居るだけ。
そして2019年。友人の結婚式の終わり、いつものファミレスで遂に別れ話を切り出す。
すると男は未練がましくなる。これまで何度か返事を待っていた結婚話を再び。でも、この時のプロポーズが酷い。今愛情が無くたって、子供が産まれて、長く一緒に居れば…。言いたい事は分かるけど…。
女は男のプロポーズに揺れ動きそうになりながらも、一度決めた考えを通す。涙ながらに。
そんな時、近くの席に初々しいカップルが座る。
あのカップルは、かつての自分たちだ。
今、自分たちに欠けているものは、あのカップルそのものだ。
2人は別れを決意した…。
ところがどっこい!
この後の展開が何ともユーモラス。
邦画ラブストーリーあるある、中盤の展開から悲しいオチで終わると思ったら…。
本作、前半は明るく楽しく、中盤はシリアス悲しく、そしてオチはまた明るく楽しく、ハートフルに。
よくよく考えると、一組のカップルの出会いから別れまでの話。普通だったら、切ない。
それをこう描くとは!
OPとEDは繋がり、Googleストリートビュー、“バイバイ”の巧み!
邦画ラブストーリーの秀逸作。
お見事!
あるあるだけど、
上映中に観に行けなかったので、レンタルですが念願叶いようやく観ることが出来ました。
上映が始まって間もない頃、
"カップルで観に行くと破局するかもしれない危険な映画"などとSNS上で話題だったので、どういう意味か気になっていましたが…なるほどなぁと。
理想と現実、
理想を追えばキリが無いし生活は楽ではないし
だからといって、ただ生活するだけの為に生きているのは味気ないし。
お互いに"違う方"を選択して生活を始めるが、そんな中で生まれた価値観の違いやすれ違い。
徐々にすれ違いもう出逢ったばかりのあの頃には戻らない二人に心苦しくなりました。
パートナーと同じタイミングで同じ方向を見て進み続けることって本当に難しいですよね。
最後のいつものカフェでのシーン。
私自身も戻らない"あの頃"を見せつけられている気になりました。
あるあるな話だけど、だからこそ多くの人が経験したことがありそうな。
観るタイミングや年齢や経験によって見方がガラッと変わりそうですね。
今のパートナーと別れを考えていたり不満を抱えていたら、たしかに"危険"な映画かもしれません(._.)
あとはあれですね…
お金の余裕は心の余裕ですね。
余裕を持って生きられるように私も頑張ります。
作品自体は特にこれと言った大胆な見せ場はありません。
ですが、嫌な気持ちになるシーンも無く終始穏やかなトーンで丁寧で、最後まで心地良く観ることが出来ました。
また是非観たい作品になりました(^^)
邦画…やるやん…
映画は好きだけど恋愛映画にはビタイチ興味が無い。 ましてやせっかくの大スクリーン大音響でなんで他人の恋愛模様見なきゃあかんのや、とすさみきった感性の持ち主でしたが、各所でべた褒めされてたので見に行きました。 生まれつきチョロいので。 結果は、映画館でみて大正解の作品でした。 暗い部屋で、物も言わずスマホも触らず細やかな描写を克明に見つめる体験って、自宅だとなかなか難しいんですよ。 ついついトイレいったりお菓子あけたりTwitter開いたりして集中が途切れる。 でも映画館ではそれが出来ない。 だから、菅田将暉と有村架純のあまりにも真っ直ぐ愛しあう2人がめちゃくちゃ愛しくて尊かった。キスシーンのたびに照れた。わたしが。なんも関係ないのに。 エッチシーンは精々ふたりの足とか手しか見えないのにめちゃくちゃえっちだった。セックスは挿入や愛撫だけじゃなくて、言葉を交わして同じ空気を吸う、その「雰囲気」に宿るんだと認識させられた。めっちゃえっち。ふたりで一緒に布団入るな。えっちだから。 夢見がちな男は現実を見せつけられて「社会」に迎合することを選び、夢は違う形でもいいから叶えようと健気に頑張る女はそんな彼を寂しそうに見つめる。ああーーーこの世のどこにでもある光景ーーーーーただ世の中のカップルは菅田将暉の顔面も有村架純の可愛さも持ってないーーーーこのふたりだから絵になるしお話になるーーーーーーこんなん現実にあったらとっとと別れて終わるーーーーー ~完~ いや終わらん。 この映画の何がすごいかは色んな人が色んなところで言ってるので割愛する。 けどこれは、映画館という特殊環境だからこそ、ここまで2人の行く末に没入できた。 邦画の、しかも恋愛に力を入れてる作品はなにかと事故に巻き込まれたり病気になったり片方死んだりもう死んでたりするけれど、この映画でそういうわざとらしいトラブルは起きない。 あくまで、淡々と、出会って、愛し合って、すれ違って、結果──別れる。 ドラマらしいドラマなんてない。日常の積み重ねの上に選択し、明日が来た、それだけ。 だからこそ生々しい説得力というかリアルさがあった。 こういうの作れるんやん邦画界。 最高やん。 これから邦画もっと見よ。 結論。 恋愛映画はいいぞ。 食わず嫌い、良くない。
なぜか泣けない
この映画を観るためにUnextに入り、配信された翌日、仕事から帰宅して期待しながら観た。 偶然の出会いがあり付き合い始め、盛り上がって5年間同棲し、互いの思いがすれ違って別れた話。 平たく言うとそういう話。 後半、麦君と絹ちゃんが泣いて別れ話をしたが、感情移入できなかった どうしてだろうと3回見たが、理由が分からなかった。 別れた後、出会ったファミレスで再開するということは、お互いを思い出して「ここに来たら会えるかも」という淡い期待も合って来ていた可能性もあり。 別れた1年後にそこで再開したところ、双方ともに別の恋人がいたのは早いかも。 5年間も同棲した相手と別れての切り替えの早さに、ついていけなかったのかもしれない。 お互いシングルのままファミレスで再開してエンドロールだとしたら、その後を想像して余韻に浸れたような。 まあ、北海道まで遠征しなかった分、「糸」よりは製作費をおさえてそれなりの恋愛映画におさめたという点は評価していいのかもしれない。
明るい未来
前評判を聞いてる限りはもっとサブカルが全面におしだされていると思ったがそこまで。坂元裕二節もそこまで多くなく彼のドラマより見やすい。後、20代、30代がみて共感性が高いシーンがあったのがヒットの理由だと思った。麦と絹ちゃんが終始かわいく癒やされた。しかし、別れるまでのすれ違いを描いてたが歩みよる描写が少ない。最後にちょっとだけでも変わった描写があればよかったと思う。じゃないと笑顔がもう少し苦恥ずかしい笑顔になると思う気が…
いいラブストーリーだ
個人評価:4.0 坂元裕二の至極のラブストーリー。 形が無いはずの心の輪郭を、見事に炙り出し、形にしている。 価値観が変わる事への否定と肯定。どちら側に立って見るかで、見方も180度変わってくる。 夢追い人を描いた又吉作品の劇場の様に、変わる側、変わらない側を描いている様に感じる。 自分に無いモノを持つ人を好きになるとも言うが、同じ価値観や、同じ推しの人に出会った時の高揚感。それも本作は教えてくれる。 いいお話だった。
無さそうでよくある人生のドラマ
なんとも言えない気持ちにさせる映画でしたね。 起きていることは、本当にありふれたことばかり。 おそらく、世のほとんどの大人が経験してきたであろう 出会い・ときめき・喜び・すれ違い・ケンカ・別れを 静かにリアルに描いている「だけ」の映画。 ヘタな役者に演らせたら「え?これだけ?」ってなりそうなくらい、さほどドラマティックではない展開。 でも、30代以上なら、誰しも自身の若い頃を重ねて胸をギュッとされるんじゃないかしらね。 菅田将暉と有村架純は、上手いですねぇ。 21歳の大学生の初々しさから、社会に出て疲れてきた姿、 ふたりの関係がこなれすぎてしまった姿、 別れた後の思いの外ふっきれた様子も、 すべて自然に演じて見せてくれています。 なんか、所謂ハッピーエンドというわけではないと思うんだけど、妙に後味の良い映画でした。
いまどきのラブストーリー⁈
話題になっていたので映画館へ 予告編がいいとこ取りで、見せ場全部だったのでは… 出会い、別れ、ドライヤーシーン、入浴シーン、多摩川のお散歩、信号待ちのラブシーンそこが見せ場=予告編 最近映画やドラマでありがちな主人公の心の声で物語が進んでいくパターン この映画のヒットの影には、インスパイア曲の良さが大きいと思う 映画主題歌ではなく、あくまでもインスパイア曲 それを取り入れたことがこの映画をヒットへと導いたと思う 物語の内容としては、男性が結婚しようと積極的で、女性が冷めているが、現実には、逆 女性が25、26歳になると結婚を意識して、煮え切らない男性に別れを告げるパターンが多いのではないだろうか?
花束をあなたに
スタートのもどかしさから、ずーっと 2人の世界観のやり取りに、にやにやけてしまい 一人のでの映画の世界にどっぷり、満たされました。 現実を観続けより、そばの幸せだがぼやけた側と、 離れてみたことで、より自分の世界観を確立していく、 過程に幸せを見出した側の対比が、演技とカメラ、 変わっていく小物と、そのままに置きざれにされた思い出の花束 大事なものは、忘れた頃、改めて気づき 温かい光に照らされ、新しい道として美しく広がっていく 止められない、巻き戻せられないものを束ねること 生きて、出会って、恋して、日々の当たり前になっていく。 素敵な花束という時間をもらいました。
「有村架純がかわいかった。」
キラキラ恋愛映画に見せかけて、固有名詞出しまくりも普通のお話。 誰かが難病で死ぬわけでもなく、二人に立ちはだかる身分といった壁もない。 壁の代わりになるのが”社会”という名のお風呂。 ある人はお風呂で溺れ、主人公の山音麦(菅田将暉さん)はお風呂に入ろうともがく。 普遍的な物語に時代性を散りばめながら余白を作っているので、いろいろな解釈が成り立つ。 最近はYouTubeなどでいろいろな人の感想や解釈を、その人の表情を見ながら聞くことができる。 そんな新たな映画の楽しみ方をわかりやすく提示してくれているように感じた。 いろいろな感想や解釈を聞いてみよう。 私は自分の娘に解釈を聞いてみたら「有村架純がかわいかった。」の一言だった。 それもこの映画の大きな魅力に違いない。
♪木綿のハンカチーフ
う~ん、、、と観終わったあと唸ってしまいました。 結局5年辛抱と言われて、本当に5年目経ったら余裕ができて自分を取り戻した?みたいな。 だったらこの結末じゃなくても良かったんじゃない?みたいな。 昔、松尾潔がラジオで「人間の性格は変わらない。変わるのは沸点である」と言っていて、なるほどなと感心した覚えがあるけど、つまり麦は相変わらず麦だったし、絹は変わらずに絹だったという気がします。 あと本当にどうでもいいがクリアファイルはケチらずにA4サイズにしようぜ!(笑)
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