弥生、三月 君を愛した30年のレビュー・感想・評価
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展開が早すぎたけど感動
普通に見ていたら知らずに東日本大震災が出てきて宮城出身として「見てられない」と思ってしまう場面もあったが、やっぱ現実を受け止めて前に進まなきゃ変われないなと改めて思った。
さくらのテープにはとても感動した……
自分が死ぬとわかってるときに他人の幸せを願えるなんてできない気がする……
他人を想えるって素敵(;_;)
展開が早すぎるとも思ったけど最終的には観て良かった作品です。
長く付き合ってくれてる親友や家族、恋人を大事にしようと思いました!
強そうに見える人もほんとは打たれ弱い
とても感動しました。
波瑠さん演じる弥生は、最初こそ何にも動じず物怖じしない強い女性に描かれていますが、家族のことだったりとても苦労していて、実は心が脆くて今にも壊れてしまいそうなギリギリを生きていたんですよね。
成田凌さん演じる山田とも学生時代から付き合いそうで付き合わない。
歳を重ねて山田と弥生は再び会うことになりますが、弥生は既に結婚していて夫に嘘をついて山田に会いにいく。その後流れで二人は一夜を共にしてしまいます。
その直後に震災が起き、弥生の夫は亡くなってしまう。弥生はあの日山田に会いに行かず傍に居てあげれば夫は死なずにすんだかもしれないと自分を責め塞ぎ込みます。介護に通う自分の父親にも、お前が若い時に俺の言うことを聞かず見合いを断り家族を見捨てて生きたからこんなことになったんだと罵られる毎日。
自分自身も歳をとり弱りきった弥生には言い返す言葉もありません。
このお話はタイトルにある通り、互いのそれぞれの自分の行いから招いた現実の傷が癒え結ばれるまでの長い年月を描いています。山田も学生時代から見栄っ張りな性格で口では大きなことを言うがロクに夢も叶えられず、元妻との間の成長した息子に会う勇気も出せずにいましたし、互いに傷つきながら歳をとって、やっとエンディングで結ばれます。
色んなことを乗り越えて二人が現実と向き合っていく姿にグッとくるものがありました。
年月はかかったけれど、とにかく二人が結ばれて良かった!
人生の全てはタイミング
ずっと気になっていてようやく鑑賞。
いやぁ、なんでいうんだろうね。
人生はタイミング次第ってひしひしと感じた。
小さいすれ違いが大きな後悔につながって、それでも進んでいくんだろうな。
31日間で色々な描写を描いていたのもとても良かった。
ただ、弥生の夫がめっちゃ意味深に電話したりとかそういう細かいところはなんでだったのかなーってなった。
原作あるなら読みたいな。
ラストのやめろコールは狂ってるな。
あの学校。
バスっていうものを止められるか止められないかでターニングポイントを表現してたのもグッときた。
モチーフみたいなものがきちんと提示されていたのも良かった気がする
87/100
気持ちはわかる
30年か。
気が遠くなるような時間。
50歳でやっと本当に好きな人と結ばれる。
還暦で結婚する人もいるんだからまぁアリかな。
3/11が出てきたり、時計を映してたからまさかと
思ったけど震災絡めましたか…。
波瑠さん、50歳になってバス追いかけて走るシーン
良かったです。ちゃんとオバさん走りになってたから。
岡田健史君、やっぱり好青年の役が似合いますね。
大・感・動
レンタルして見たの久々なんです。たまたまです。前々から気になってた映画でしたがプライムビデオで無料になったら、くらいに見よう思ってたんだけど、はやく見れば良かった。映画館で見たかった。
私は、昔から波瑠さんのファンでしたが、彼女の良さがこれほどにまでいかんなく発揮された作品が今まであったろうか。
波瑠は単髪が似合うと思っていたが、この映画で長い髪も似合うし美しいなと感じた。
彼女がブレイクしたのは朝ドラですが、強い意志のしなやかな感性の女性像で彼女にはまった。それ以来のはまり役じゃないでしょうか。
この作品での主人公、弥生は教師になるような、まっすぐで正義感や意志の強い、男っぽいようなサッパリしたタイプの、友達や家族想いの優しい女性。
成田凌演じるサンタ、杉咲花演じるサクラ、この3人の高校時代の固い絆をベースに、サクラが亡き後に、弥生とサンタの人生とすれ違いの恋愛を描いています。
弥生が本当に苦労する役です。
映画の中では、説明が前後しているけれど、父親の借金の肩代わりのために、教師を諦め、結婚しようとするが、直前に踏みとどまる。そして教師になり、結婚するが、離婚した父親の介護のために仙台に帰り、被災し、夫を亡くす。
サンタも、Jリーガーの夢がなかなか叶わず、デキ婚の末、離婚。サッカーチームを首になり、息子を事故から庇い、足を怪我して障害が残り。※しかしコーチしててホッとした。
弥生とサンタが二人ともに恋愛に不器用で、互いの気持ちを伝え合うことなく、何回か、すれちがうんですね。やっと気持ちを伝えた時には弥生も結婚していて、夫を裏切るような形になり、そのまま震災でなくなってしまい、バチが当たったと自分を責める弥生。また夫の両親からもお前のせいで息子が死んだと言われてしまう。失意から教師の資格がないと辞めてしまう弥生。また介護をしている実父からも、昔に、家族が離散したのは、お前のせいと罵られ。(ただこの父親は本当に最低、こんな親にだけはなってはいけない見本みたいな人です)自分を責めて、サンタを拒絶し、連絡を断つ。
※前後するが、サンタが弥生におされて息子に会いに行くシーン良かった。親子両方の気持ちがわかる。また弥生が弥生らしさをここでも出ていた。
後半のほうで、亡くなった友人サクラのテープを届けるためにサンタが高田馬場に弥生を探しにいく。古本屋で本棚の向かい合わせの本をとった隙間から、お互い見つめ合う二人。ここベタだけどいいシーンです。やっと会えたのに、しかし逃げる弥生。最後に二人を引き合わせたのは、友人サクラの好きな歌が店の中でかかり振り向いた時だ。坂本九の「見あげてごらん、夜の星を」。やっと二人は出会うのだ。しかしまた、別れて。最後に、サンタの乗るバスを弥生が追いかけるシーンがあったりして。
この追いかけるシーンは、最初の冒頭のシーンをシンクロさせてる。いろんなとこで演出が細かい。そして君をすきになったのは、サクラにキスした時だと告白するサンタ。
サンタの息子が保護者や生徒に責められる場面で、弥生が乗り出して彼をかばう叫びのような鬼気迫る、訴えのシーン、かっこよかったなあ。このシーンの言葉はいい事を伝えていた。
※弥生の良い性格の部分が一貫して映画の中で描かれており、本当に愛らしい、サンタも強くはないけど優しくて愛らしい。
最後に弥生とサンタが友人の墓石の前で歌を歌う。私は歌は好きなんですね。ラストシーン。大・感・動です!!
泣ける〜。長く生きてくると単純な恋愛ドラマは響かない。こういう紆余曲折して、なお、ひかれあう二人に感動するのだ。
1点、引っかかるとしたら、震災を絡ませる必然性があったのというくらい。震災は重いテーマで、さらりと扱うべきではないし、この映画じたいが、震災がなくても成立する作り込まれたよくできたは映画であるからこそ、あえて入れる必然性があるのかみたいな感情はよぎりました。
でも良かったです。もう1回見ます。
考えオチ
年次違いで毎日を追うというカッコいい構成のアイディアが浮かんで、それのみにひきずられてしまったのか。先にサンタの結婚を見せておいて、後で弥生の結婚未遂が出るあたりはちょっと面白かったけど、後半はほぼ時間通り。あの悲劇を挟むのはあまちゃん以降何度目か。誰もあまちゃんを超えられない。いくら何でもバスを追うのが5回は多すぎ。最初と最後の2回で十分。でっかい木も一本で十分。悲劇が続く2人と周囲の人生。波留に成田凌、2人とも嫌いじゃないんだが、はあ。期待が大きすぎたか。皆さん評価が高いんですが今日のおいらにゃ合いませんでした。すみません。
陳腐
なんじゃこりゃというヘンテコな映画ですね。
遊川和彦という人はとにかく奇をてらった脚本家でその行き過ぎ感満載の作り話には
吐き気をもよおす時すらあります。
この映画はそこまでは行きませんがいたるところに作り話感があって
興覚めしてしまいます。
・まずバスは道路運送法で停留所以外は止めてはいけません。完全に法律違反です。
・杉咲花が演じるサクラがHIVという設定に違和感を覚えますが、1980年に大問題になった
「薬害エイズ事件」をモチーフにしています。全国で1800人が感染し400人以上が死亡したのだから、遊川氏の身近にそういう人がいたのか?もしくはただ年表を見て「ああ1980年代ならこの病気がいいな」なのか?このサクラの病気については深い突っ込みも無く、闘病カットも殆どなくなぜかあっさり死ぬから、まあ恐らく後者の方でしょうな、笑 若い人はピンと来ないだろうがこの人が考えそうなことです。
・そのサクラの墓ですがなんじゃこりゃですね、苦笑
桜の木の下にポツンと、しかも「さくらへ たくさんの思い出をありがとう」と彫ってある。てことは
普通の墓では無く追悼碑?誰が作ったの?学校?墓は別にあるの?よくわからん
・交通事故のくだりもありきたり過ぎて情けない脚本。書いてて恥ずかしくならないのか?
・息子とのサッカーボールの場面もなぜか急にボールが転がってきてそれを拝借してパスするというくだりも長くて、貸した側の少年が可哀想になってくる
言い出したらキリがないのでこれくらいにしとくが、、、
・最後のサクラの録音テープ。あの両親は毎年弥生から年賀状をもらってるのになんで30年以上経った今さら?しかも内容はジジババになった弥生と太郎に送るような内容。いかにもラストに持ってきたようなクサい内容。
最後のミュージカル風なところは爆笑もんだけど、もはや精神異常者が作ったとしか思えないから「陳腐」という言葉がぴったりだろう。
「見上げてごらん夜の星を」って歌もこの映画には全く合ってなくて違和感しかない。
すれ違いの連続
すれ違って、行き違って、、、なかなか結ばれぬ恋と、波乱万丈な人生
どんなに遠回りしていたって、サクラちゃんという存在がこの2人を最後の最後まで繋げていてくれたのかな。
なかなか忙しめな映画でしたが、まあまあまとまっていて良かったと思います。
なんといっても、、、!
出てくる俳優さん女優さんみんな演技が上手でした!
が、最後の歌にはがっかり、、、
良かったですよ!
弥生とサンタの30年のすれ違いの物語です。
2人とも人生の挫折や幸せを味わい、
そして、時には支えあったりで、、
最初から両思いなんだけど、、
結構じれったいです。そして
ちょっと時系列が分かりにくいです。
3月を軸に過去に行ったり戻ったりで、、
でも好きです、この映画!!
すれ違い過ぎですけど(笑)
人生の辛さや、理想とは離された厳しさ、
そして幸せや迷い、、
そ してタイミング‼️←これ重要
たくさん共感したし泣けた😞💦
ちょっと最後がしっくり来ないけど
それは人によるかな~
波瑠の高校生と40代の演技の幅にビックリした、
特にバス追いかけるシーンが対比(他にも)になっていて、
波瑠上手いな。
成田くんも良かったですよ✨
ちょっとドラマっぽいって言うか
ドラマで、ゆっくり見たかったかも。
でも満足です。
こんな2020年3月であって欲しかった
『GTO』『魔女の条件』『女王の教室』『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』『同期のサクラ』などなどなど。
あまりTVドラマを見ない自分でも知ってるこれら大ヒットTVドラマの脚本を手掛けた遊川和彦の映画監督第2作目。
映画監督デビュー作の『恋妻家宮本』は熟年離婚にあたふたする阿部寛がユーモラスな大人のコメディだったが、こちらは邦画の伝家の宝刀とでも言うべきすれ違いラブストーリー。
弥生、サンタ(本名は山田太郎、略した山太から)、サクラは高校の仲良し同級生。
弥生とサクラは唯一無二の親友。サクラはサンタに想いを寄せ、弥生とサンタは相思相愛ながらも想いを隠している。互いを想うあまり…。
卒業寸前、サクラがエイズで死去。卒業後、弥生とサンタは惹かれ合う気持ちを抱きながら、すれ違い続ける別々の道を歩む事に…。
そんな2人の30年を、3月の1日ずつ切り取って歳月が流れていく。
つまり、OPは80年代の3月1日で、ラストは2020年の3月31日という風に。
2011年の『ワン・デイ 23年のラブストーリー』の邦画版と言った感じ。
監督のこだわりは、時系列では描かない、テロップは出さないなど。
時々過去に遡ったり、テロップの変わりに劇中のアイテムで歳月を表現。
過去に戻ったりするのは2人のこれまでの歩みを見る上でいいが、年代表現はもうちと工夫して欲しかった。Jリーグ話や携帯→スマホだけじゃねぇ…。
大学に進学し、教師になる夢を実現させた弥生。歯科医の男性と出会い、結婚も順風満帆の人生を歩む。
一方のサンタはJリーガーの夢破れ、できちゃった婚するも、うだつが上がらず、息子の身に起こった事故が原因で離婚。どん底の人生を歩む。
ある時再会し、弥生はサンタを叱咤激励。またその時、2人は初めて…。
ダメな自分を奮い立たせてくれた最愛の人。
でもそれは、別の視点から見れば逆であった事が分かる。
実はサンタより先に結婚が決まっていた弥生。が、それは借金まみれの父親の勝手な都合で。
式当日、望まぬ結婚に悩む弥生に、出席していたサンタが背中を推す一声。それで意を決し、自分の人生を歩む決心をした弥生。
弥生はスゲェよなと言うサンタだが、弥生の今の人生があるのはサンタのお陰。
やはりお互い、運命の糸で結ばれた相手。
サンタは子供サッカーチームのコーチになって人生をやり直すも、一方の弥生はある悲劇が…。
舞台が仙台にもなり、2011年、日付は3月11日…。
東北人なら決して忘れる事の無い“あの日”。
どれほどの人が大切な人を亡くし、人生を狂わされたか。
弥生もその一人。
弥生の姿を通して当時の日本人の心の傷を表しているが、でも、必ずしも東日本大震災を絡ませる必要あったのかなぁ、と。
これはそれを出汁にしたラブストーリー…? だったら、文句の百個でも言ってやりたいが、
作品は春を連想させるものが多い。サクラという名、弥生=3月。近年の歳月が流れていくし仕方ないか…。
名前にぴったりなのも3月。10月だったらモノマネ芸人だし。
震災で夫を亡くし、生きる気力まで亡くした弥生。遺体安置所で会ったのを最後に、教師を辞め、連絡も取れなくなり、姿を消す…。
サンタも諦めかけた時、亡きサクラが生前カセットテープに遺したメッセージが…。
サンタは弥生を探す。
かつて弥生が自分を奮い立たせてくれたように。
今度は自分が弥生を助ける番。
果たして弥生を見付ける事が出来るか。
気付けば、2020年。あの頃から30年が経っていた…。
当初は弥生役を断ろうつもりでいたという波留。理由は、自分には無理。
いやいやいや、作品を見れば彼女のキャリアに於いても大変大きなハマり役。
美しさ、魅力、聡明さ、爽やかさ、意志と芯の強さをたっぷり堪能。
冒頭の走るバスへダッシュ、エイズでクラスメイトにいじめられるサクラに突然キス、周囲への影響力…その行動力!
クライマックスの教室のシーンはアドリブだとか!
そんな前半から、後半のか弱さ、脆さも加味。
全てが詰まり、波留好きは必見!
成田凌もさすがの巧演。序盤の自信家から中盤の落ちぶれっぷり、終盤の大人の男へ演じ分け。
2人共好演。序盤の高校生と終盤の中年期はちと無理あったが…。
出番は僅かだが、常に2人の心に居続けるサクラ役の杉咲花も印象的。
冒頭と終盤の走るバスへのダッシュ、教室での訴え、弥生とサンタのそれぞれの人生…対比するようなシーンが多い。
それはそれで巧み。
坂本九のあの名曲も重要。
でも、伏線張られ、お見事!…とまでは行かず、終盤の再会などありえねー!レベルのご都合主義。
『君の名は』もびっくりのすれ違いラブストーリーであり、『君の名は。』もびっくりのある一種のファンタジー!
ミュージカル風に歌うラストにこれまたびっくり!…いや、唖然。
さらに、ラストシーンの結ばれた2人の双子の赤ん坊かと思いきや、実は…なんて、狙い過ぎ。
とは言え、遊川のオリジナル脚本は及第点。
最後は2020年の3月で終わり、さすがに今のアレは当然ながら蔓延していない。
が、公開されたのはその2020年の3月。
アレのせいで興行的には苦戦したろうが、その時見ても今見ても、人と距離を取る事を徹底される中で、相手を想い、人が愛おしく感じられる作品であった。
途中まではよかった
レビュー書く時題名迷います。題名通りです。途中まで感動しました。上映中しゃべって迷惑な高校生くらいの子がいても感動しながら見てました、が、え?最後こんなにあっさり?エンドロールは見る人によっては感動でしょうが、私はシラケました。すれ違いにもイライラさせられましたがムビチケ買ってまで見る作品ではありませんでした。途中ずっと抑えていての不倫行為もシラケるし相手が気の毒。岡本玲に頭来たり。俳優さんの演技がよかったのにシラケストーリーがもったいない。震災のせいにもできないし。残念な作品でした。
若手の新進俳優さんたちに拍手!
副題に『君を愛した30年』とあるので少し心配したんですがやはり高校生から熟年までの30有余年をそのままの俳優さんが演じられたんですね。
でもヨン様とチェ・ジウさんが『冬のソナタ』で演じた高校生役と比べたらお二人とも結構違和感最小限に抑えバッチリ演じられていたので感心しました。役者としての実力発揮!ってところでしょうか!?
3月に関連するキーワード(弥生、サクラ、桜の映像)、バスを追いかけるシーンの繰り返し、携帯電話の進歩具合、重要シーンでの『上を向いて歩こう』のメロディ、それぞれがいい役どころというか重要になっていること、しみじみ感じました。
どなたかも書かれていましたが波瑠さんの目ぢからというか目で語る演技素晴らしかったです。
NTT docomo のCMで 「新人の村松です!」ってヘマばっかりして落ち込むけど頑張るぞ!って新入社員たちに力を与えてくれたボーイッシュな髪型の頃(もう10年くらい前?)から目をつけてたんですよね~って「それが何!」っていわれそうですが。
久しぶりに行った映画館の隣のスクリーンでは『囚われの殺人鬼?』をやってる人が(まだ観てないので間違ってたらゴメンなさい)こんなにも内面・心の葛藤を見事に演じ切ってるのは素晴らしい役者さんの証拠ですね、成田凌さん!
TVドラマ 『コードブルー』での気弱な研修医や『逃げ恥』での今どきの若い社員などなど怪人二十面相なみ役の幅広さに脱帽です。『カツベン』観逃してしまったのでVODで観るのが楽しみです。
もちろん杉咲花さんのテープの声、岡田健司さんの先生役の奮闘にも心打たれました。
さすが監督・脚本の遊川さん、数々の大ヒットドラマを世に送り出しただけのことはありますね。この作品もどなたかおっしゃっておられましたが、1クールぐらいのドラマでやってもよかったんじゃないかと思います。その方が時間軸の行ったり来たりで頭をひねらなくて済んだかも。
あと私もエンドロール前のラストシーンは坂本九さんの歌で締めくくってもよかったんじゃないかと思いました。でも色々なシーンで胸と目頭を熱くさせていただきました。よかったです。
Santa
いじめられるさくらを、弥生が守る冒頭のシーンが一番泣けると言っても過言ではない(過言です)
。涙腺が緩むポイントをうまく抑えられた、さすがドラマ脚本の名手、遊川和彦です。
しかし、ドラマ脚本の方というのもあるのか、いささか映画にするにはテンポがうまくいきすぎていて感情移入しづらいところがちらほら。高校卒業後から東日本大震災までの流れは、特にテンポが速く、気づいたら2人が...といった感じで少し覚めてしまいました。そして、ほら!ロマンチックだろ!と言わんばかりの再会のシーンは、ロマンチックな演出が多すぎて、ちょっと情報過多な印象。ヘレンケラーとスキヤキの両方を使いたいのはわかるけど...そしてラストの歌を歌ってからのくだりは必要あったかな、、、?主題歌は別において普通にエンドロールでよかったような気がしました。
杉咲花さんは、出演シーンこそ少なかったですが、声だけでも凄い女優さんだと思いました。明るい声の中に潜んだ、底知れぬ寂しさを声だけでしっかり感じました。
色々と書きましたが、映画館が再開して初めて見に行った映画としては、かなり良作だったと思います。タイミングがどれほど大事か、自分の信念を貫くことがどれほど難しいか、愛する人がそばで生きていることはどれほどの奇跡か、今だからこそ色々と考えることができる映画でした。
そして余談ですが、中学聖日記にハマっていたわたしとしては、岡田健史くんが先生をやっている姿にはキュンとしてしまいました笑
結構面白かった
・個人的に気になった点は子供からサッカーボール借りているのに、長い間パスが続かず早く返してやればと思ったことw
・場面転換が何か個人的に好きになれなかった。
・今から30年前の高校生が坂本九の曲を好きになることが違和感に感じた。
それ以外は時間を感じさせなく物語を楽しめた。
「弥生、三月」を五月に観る。
30年間の三月を描いた中でも、序盤の教室が最高のシーン! 波瑠ちゃんの演技に呑まれました。そして、3人とも高校生としての演技が光ってましたね!
しかし、だんだん尻すぼみの感が否めない…。人生の困難にぶつかっていく話だから、仕方ないのかなぁ。(成田くん波瑠ちゃん、がんばってたけど40〜50代には見えなかった…)
そして、作品中、説得力の無さと不自然さはどんどん増していくのだ。
「サッカーしない?」と、一度だけしか会ったことない女性に憧れて教職に就く息子。(憧れても、教師というところじゃないのでは)
30年後の教室のシーンだが…担任の父親が向かう不可解さ(サッカー教室の子から聞いたの?)、
生徒や保護者の前で担任吊し上げ(あゆむセンセイから訴訟起こされたら学校は勝てない)、
いきなり「辞めろ」コールの生徒(何があったのだ⁉︎ 担任の正否はともかく、あんな行為する子ら見て親も教師も引かないの??)、
何より、あゆむセンセイの演技力は…。他キャストの演技が素晴らしいので演技力公開処刑になってしまっている。唯一のキャストミスと言えるのではないか。
そして、重要なさくらのカセットテープ。…なぜ、さくら父は30年後に発送したり届けに来たりしたのだろう。予告編でも触れられている最大の仕掛けなのに、疑問が残るようでは…。
一番の問題点は最後の歌…必要だろうか。赤ちゃんのときからの縁があるってのも、手垢がつき過ぎてるネタ。これで終わらせるのはちょっと弱いのではないだろうか。
あと、細かいこと言うと、日本では4G回線は2012年からなんだよね。震災の年にはまだ無かったはず。
要素がたくさん
いろんな要素がたくさんあって、よくわからなくなります。震災を絡めて作品作る意味あったのかなーと。
不倫して旦那亡くなった後悔が震災って…
震災当時、仙台に居た私は、あんまりいい気持ちしなかったなって思いました。
でも巡り合いとか、そういった視点では素敵な作品だったと思います。
ストーリーはいいのに
ストーリーはいいのに、なんだか日本のドラマっぽい。
物語の途中からこんなことばかり思ってしまって没入できなかった。
と、いうのも一つ一つのコマが短すぎる。
同じ30年を追った作品でも、ワンデイなんかはもっと上手くやってるんだけど。
ストーリーとしては泣ける要素がいっぱいあるはずなのに、どうも泣けない。
映画が終わって監督を調べて納得、普段はドラマシリーズを作られている方なのね。
映画専門の監督が同じ作品を脚本したらもっと違う印象を受けると思う。
波留のキャラクター設定には少し無理があって感情移入しにくかったが、いい演技だったとは思う。
あれだけのキャストとストーリーを持って、どうも泣けないのが残念、監督って大切なんだなと思わされた。
歩み
アカン…これは見たらアカンやつや。
人生って辛いわぁ。
俺の記憶が確かなら、彼が最初に覗きこんだ新聞は昭和61年だった。西暦だと1986年、逆算すると…1969年前後の生まれになる。
俺は、彼や彼女と同じような時代を生きてきた。
後悔も懺悔も不必要だった人生なんてあるんだろうか?人生は選択の連続で、その選択が正解かどうかなど分かるはずもない。
選ばれなかった選択肢は、金輪際選べない可能性が高い。一方通行の迷路を僕らはずっと絶え間なく歩いてる。
そんな話だった。
同年代に近いからなのか感情移入が半端ない。自分達みたいで恐ろしいくらいだ。
まるで自分の人生を自分で傍観してるような…めちゃくちゃ居心地が悪い。色んなシーンが自分の人生とリンクする。
サンタがまたやらかすから…その都度、後悔をひきづっている自分に気づかされるようだ。
そんなこんなで「もうやめてくれ、分かってるから、そんなにバラさないで!」と土下座してしまいそうだ…。
迷いながらも懸命に歩いている全ての人へ向けた作品にも思う。
と、同時に残酷な時間の流れにも恐怖する。
迷おうが、立ち止まろうが、時間は冷酷に過ぎていく、老いは待ってはくれないのだ。
枯れていく花を見るのはしのびない。
波瑠さんは素晴らしかった。
あんな溌剌とした雰囲気の女性でも、あんなに影に覆われる事があるんだ、と。
人生って何が起こるか分かんない。
彼女の人生はホントに波乱万丈だったと思われる。サンタの人生も色々あったけど、お前はその都度流されてただけ…あぁぁぁっ、そんなとこも俺と被るようで、嫌だぁぁぁあ!
流されてく俺を…いやサンタを引き留め掬い上げるのは弥生だった。
彼女はサンタの前でだけ、生来の気質に戻るようだった。
余所見ばかりするサンタと、前だけ見て黙々と歩き続ける弥生。
形のないクッションのようなサンタと、堅固な岩のような弥生。
まるで正反対のようだけど、足して2で割ると丁度いいような2人。
彼らに幸せが訪れて良かった。
細やかな幸せなのかもしれないけれど、そこがスタート地点で少しずつ積もっていくものかもしれない。
物語は3月のみで語られるという大胆な構成だった。それがもたらすものは圧倒的なスピード感と絶対的な傍観者としとの立場だ。
介入できない。
自分の思考を挟む余地がない。
起こった事象だけを見せられる。
その時間の空白を埋める主演2人は見事であった。また、その空白などなかったように振る舞う関係性にも説得力があり、脚本の構成力に唸る。
エンドロールの後、彼らが産まれた3月のシーンがある。まるで赤い糸で結ばれていたようなシュチュエーションでもあり、随分と遠回りしたんだなぁとも思う。
黒木さんが演じる母親ってのは…まるで予言者のようであり、母性って計り知れない力みたいなのがあるだなぁとしみじみ。
ただ、まぁ、そんな運命の2人みたいな結末には若干モヤッともした。
いつかまた見る機会が訪れるのだろうか?その時に俺は彼らに顔向けできるような人生を歩んでいられるであろうか?
俺も頑張ってたぞと、胸を張りたい。
だからさ…さくらのお墓の前とかで、話しかけたいけれど、こんな自分を見られたくないって気持ちが痛い程分かんだよおおぉぉ。
まぁ、それでも彼ら同様、俺の人生は俺だけのものなので胸を張らざるを得ないのだけれどね。
そんな映画。
「人間50年」って織田信長が本能寺で舞うのだけれど、これは所謂、寿命としての50年なわけだけども…この映画に当てはめるなら、幸せを追い求める50歳までと、その幸せを堪能する50歳から、と。
50で人間、一区切り。
なんて事を言われてるような気にもなった。
なんか、きっと見る年代によって全く違う感想が飛び出てくる作品なんだろうなぁ。
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