劇場公開日 2020年2月14日

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「ワンカットは黒子のテクでいい、それよりIMAX」1917 命をかけた伝令 ピラルクさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ワンカットは黒子のテクでいい、それよりIMAX

2020年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ワンカット映像という見せ方は古くからあったテクニックのようだが、私がこれを知ったのは「カメラを止めるな!」である。メイキング映像をおもしろく創りあげた感じで、メタレベルの視点が演出にも一役買っていた。ただしワンカットについてはさすがに徹底しすぎて無理が垣間見えた。まぁワンカットとはどういうものか、それを見せる作品でもあったのだろうからあれはよしとしても、映画製作という土俵の上で悪ノリしてる印象が私のなかではワンカット撮影と結びついてしまい、そこにノリたくない心境だ。
さて本作。ワンカットは大々的に宣伝されているが、IMAXでみるべしという宣伝は影に隠れている。YouTubeの「1917 命をかけた伝令 IMAX 特別映像」を私はみてしまった。IMAX映像はプラス26%もの映像が上下に足されるのだそうだ。ワンカット映像にはさほど期待していないが、だからこそ観た後に『ワンカット映像なんて作り手の自己満足が80%かな』と自身の中で結論付けるためにはIMAXで観ておかないといけない。ということでIMAXで観た。
 のっけから切り替わらないカメラが意識されて逆に物語に没入できなかった(笑)。これはいかんと頭を切り替える。で、カメラを意識しないでおこうと努めたら、すっと物語へ入っていけた。そのようにできたことが、きっとワンカットの成果なのだろう。体験とか没入より「時空の共有感」という言い方が正確かな。
 で、ワンカット云々はもういいとして中身である。ダンケルクでみたような映像詩のトーンが全編にわたって漂っていた。曇り空のグレイッシュな色調と湿り気を感じる空気。本作の監督サム・メンデスはクリストファー・ノーランの影響を受けているらしい。ストーリーテリング、つまりは主張ありきの物語ではないから、必然、映像がすべて。割高でもIMAXで観たのは正解だった。

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ピラルク