「ワンカット風なんてどうでもいい」1917 命をかけた伝令 アンディ・フクさんの映画レビュー(感想・評価)
ワンカット風なんてどうでもいい
アカデミー賞だの驚異のワンカットだの聞いて、よーしどんな映像かじっくり観てやろうじゃないのと腕組みをして鑑賞。
昼寝から歩き出す冒頭シーン、沼の周りを歩くところ、へぇー、どうやって撮ってるんだろう?カメラの後ろはどうなってるのかな、なんて思ってたら、
その後諸々のハプニングに驚き、ドキドキしていつの間にか映画の中に入っていた。
気づけば一緒に隠れたり走ったり、もう止まらない。
山のような死体と砂埃、炎と暗闇の中輝く照明弾、満開の桜、美しい歌声。生と死は紙一重で、地獄と天国も隣り合わせ。
悲しんだりする暇もなく明日には違う命令が出され、最後の一人になるまで戦いは続くのだろう。
擦り切れ疲弊し、つかの間の休息。最後のシーンは確かに私も一緒に隣で座っていた。
こんな戦争映画があったのか。
悲しいとかかわいそう、悲惨、ではなく、圧倒的なリアリティーをつきつけられた。
ぜひ大きなスクリーンで、できるだけ前の席で一緒に走ってもらいたい。
そして、2回目にじっくりと撮影や映像について観察しながらまた観たい。そんな映画でした。
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