すばらしき世界のレビュー・感想・評価
全628件中、261~280件目を表示
実直過ぎて生きづらい人生を丁寧に描いた作品。
ある程度ゆるーく手を抜いて生きてないと
人生って生きづらいですよねー
素直に生きると生きづらい世の中です、はい。
三上のどうしようも出来ないもどかしさ、
わかります。
だからどうできるわけではないですが。
個人的にはココロにグッときました。
特に10数年檻の中から出てきて浦島太郎の状態で
時代も変わっててもっと苦しいだろうと。
孤独やなぁ。
ままならないのが人間
どうしようもなく真っ直ぐな人間を描いていたな。
太賀の演技が良かった。
約束を守るために、生きるために自分を殺して、そして死んじゃう。
自分たちはどうなんだろうかね。
自分を殺してないんだろうか。
空は広いはずなのに、独房で生きてるんじゃなかろうか。
生きるって、大変だね。
88/100
圧倒的役所広司
「偏見」という表現が「悪」であることを知りながら、我々はあえて「レッテルを貼る」ことによって対人の不安を解消していたりもする。
学歴・人種・肌の色・職業・経歴・宗派・支持政党…
そのどれもが、その人物の本質を何ら表さないと知っていてもなお。
普遍的な善人などというものはいない。
悪人も同様に。
役所広司扮する三上は、正しいと思うが故にルールをはみ出してしまう。
ルールを侵すモノが一律「悪」ではない。
ルールを守るのがいつも「善」でもない。
長澤まさみ扮するディレクターは言う。
「撮らないなら割って入って止めろ。撮るなら伝えろ。その場から逃げ出すのは最低だ。」
橋爪功扮する後見人弁護士は言う。
「その場から逃げ出したっていい。」
梶芽衣子扮するその妻は言う
「世の中は我慢の連続だ。耐えられなくなりそうなら私達を思い出せ。」
正解なんてない。
ただ、自分の居場所がほしい。
2時間ずっと、私は三上を好きになったり嫌いになったりしながら進んでいった。
でも、やっぱり彼ら社会的弱者が幸せになれる社会がいい。
俳優達の素晴らしい演技に拍手。
心の中に様々な種類の「ああ…」が溢れ続ける映画だった。
空は広い。
三上が出所したところから始まる。
何となく想像できる範囲だった。塀から外の生きずらい世の中でまっとうに生きたい主人公の三上。何かにカッとする気持ちを抑えられない。元やくざということで働くこともままならないし偏見を持たれる。
でも、偏見はやくざだけではなくて映画に出てきた障害を持った人とか。色々な所で偏見はあるし、それらを乗り越えながら皆生きている。それができる人と出来ない人。がいる。
三上は上手く順応出来ないほうの人間で多分やくざの世界のほうが生きやすかったのかも。でも、やくざの世界もだんだんと肩身が狭くなって生きづらい。見て見ないふりして生きていくことが辛くそれがストレス(心労)になっていった……。三上にとっては生きづらい塀の外(世界)だったのかもしれない。
三上にとっての広い空はあったのか。
生きづらい世界から解き放たれた瞬間。
それこそがすばらしき世界だったのかもしれません。
運転免許を取る場面では可笑しくて笑っちゃいました。役所広司は魅力がありますね。
役所広司さんの演技良かったです!ラストは予想出来ましたが三上の為に...
役所映画。映画好きなら必見。
少しコミカルなところと、凄みのある部分のギャップが
素晴らしい。
三度目の殺人では、三隅だったっけ?
どっちも訳ありの殺人犯。
短気で、攻撃的な、暴力的な性格は、
遺伝子なのか、生活環境なのか?
ただ、同じ環境でも全員ヤクザになるわけでは無い。
つづく
西川美和の三上への"愛"。
西川監督の、三上という特殊な人間に対する暖かい視線を終始感じることができる作品でした。三上はいわゆる「社会不適合者」と言われても仕方がないような人物である。犯罪常習者で、感情的で短気、すぐに暴力で解決しようとする。こんな危なっかしい人間が、出所してまともに生きていけるのだろうかというのがまず興味の一番である。案の定、あちこちで衝突しもめごとに巻き込まれるが、次第に彼自身も、彼に関わる周囲も変わっていく。三上にはどこか力になってあげたいと思わ
せる人間性みたいなものがある。それは例えば、身元引受や生活保護の対象者であったり、テレビ取材の対象者に過ぎないうちは気づかないが、彼の人柄に触れ一人の人間として向き合うことで初めて理解されるものだ。
そんな三上という人間を、役所広司が実に魅力的に演じてくれた。西川監督の三上への思い入れも十分に伝わってきたように思う。この世界は、表面的には不寛容であったり、利己主義や独善主義がはびこっているが、皆が少しづつ「善意」や「好意」を持ち寄ればきっとよくなる、そんなメッセージがこの「すばらしき世界」というタイトルに込められているように思った。
本当に良い映画
本当に良い映画だと思った。
生きづらさを抱える、今の世の中を生きる人の気持ちにスポットを当てている。その冷徹な現実を見つめ、寄り添い、時に突き放し、なだめて、背中をそっと押してくれる、そんな風に思えた。
主人公は、真っ直ぐで一本木な男だ。人生の多くの時間を刑務所で過ごし、ずっと社会の裏にしか自分の居場所がなかった。そんな一見特異な人物にも、自然と感情移入ができて、なんとか人生がうまくいってほしいとハラハラしながら見ている自分がいた。予想していたよりも見ていて心を揺さぶられたし、泣けた。
救いはあった、といえるのかな。。
ラストシーンは賛否が別れると思う。
それでも、この映画が気持ちが揺さぶられるすごく良い映画だったことには、疑問の余地がない。
ただ淡々と
はじめてのおつかいを見ている気分
主人公・三上がヤクザの映画はあまり好きじゃない。なぜなら、反社というレッテルで周りの対応が予想できるので、結末もお涙頂戴の展開になると思っていた。期待してないけど映画館で何度もPVを見たので思い切って見に行きました。
結果良い映画だったけど、主人公に感情移入しすぎてハラハラしました。三上は純粋で人間味あふれる人物なんですが、理性が育ってない、いわばブレーキのない車という印象でした。なので三上がやることにハラハラしっぱなしで、見終わった後疲れました。
私が特に三上に対してドン引きした瞬間は、不良二人がおやじ狩りをしているシーンです。三上は不良をやっつけるために力を振るうんですけど、相手の腹に嚙みついて撃退した時に血まみれの歯をにっこりと友人に向けるシーンが印象的でした。
最後には私も三上に感情移入してしまい、下唇を噛みしめながらこの映画を見終えました。
エンディングが安易過ぎてちょっと許せない
愛おしすぎる三上さん
自己責任社会への警鐘
この映画が伝えたい事を簡潔に言うならば、現代の日本が抱える自己責任論への警鐘だろう。
犯罪を犯した者だけでなく、一度躓いた者達への不寛容な風潮がどれほど社会を危険なものに陥れているか。現代に蔓延る様々な問題の諸悪の根源は、この不寛容さにあるのではないか?
それを最後のすばらしき世界という皮肉を込める事によって問題提起しようという強いメッセージを感じることができる。
演技は役所広司始め、脇役に至るまで熱演であり、大変素晴らしかった。
しかし長澤まさみ演じる女性はノイズ気味、かつ主人公との繋がりも薄く心的描写も少なかったので必要だったか?という疑念も生じたのが正直な感想である。
このコロナ禍だからこそ、人との繋がりを再認識することの大切さを感じさせてくれる作品である。少しでも興味があるなら是非、劇場に足を運んでいただきたい。
全628件中、261~280件目を表示