「俳優が素晴らしいと映画は一気に映える。 主人公・三上を演じる役所広...」すばらしき世界 rossiさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優が素晴らしいと映画は一気に映える。 主人公・三上を演じる役所広...
俳優が素晴らしいと映画は一気に映える。
主人公・三上を演じる役所広司の存在感だけでもこの作品は十分に“観る価値”を放っている。
やはり、日本を代表する名優の一人だと改めて感じさせられる。
物語には、社会の厳しさと人の優しさが静かに潜んでいる。
優しさを持つ人々で社会は成り立っているはずなのに、現実はどこか冷たく、不寛容で、理不尽な一面を見せる。
社会には目に見えない“穴”があって、気づかないうちに落ちてしまうことがあるのだ。
親は本来、その穴に落ちないよう子どもを守り、安心を与える存在。
しかし、主人公の三上のように親を知らず一度落ちてしまえば、這い上がったあとも困難がまとわりつく。
それでもなお、人の優しさが彼を支え、物語を照らす。
社会の不条理と、人の温かさ。
そのふたつの間に揺らぎながらも、世界はかろうじて成り立っている。
この映画は、その“バランス”の美しさと残酷さを静かに映し出した、日本映画の名作だと思う
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