「痛いところをついてくる」すばらしき世界 らいぴゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
痛いところをついてくる
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出演者全員、見事にはまっていて皆さんいい演技だったと思う。この10年~20年はどんどん色んなことが進んだけど、画一化も進んでいるように思う。
「こうあるべし」がいつの間にか作られ、縛られていく。年をとっても若くみせるべし。太ってたら醜いから痩せるべし。子供に迷惑をかけざるべし。煙草吸わざるべし(次は飲酒だろう)etc.....
だれかがチンピラにからまれていても、学校や職場で誰かがいじめを受けても、「見て見ぬふり」しなければ今度は自分が標的になる。だから私もその立場だったら、見て見ぬふり、をしてしまうだろう。この映画をみていると痛い。
三上が、立ち直ろうとしてもなかなかうまくいかず兄弟分と話をしたときは心底ほっとしたろう。それは選んではならない道だったとしても。
それでもこの作品の最後がどこか清々しいのは、彼を応援し人間としてつきあった人が何人かいたこと。
彼が死んでわあわあ泣いてくれた人がいたこと。
一番寂しく辛いことは、無関心だ。
人間誰でもいつか死ぬ。自分が死んだとき、一人でもいいから私について何か思ってほしい、と思った。
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