地図職人の恋人のレビュー・感想・評価
全2件を表示
理想の女性という幻想をめぐる奇妙なコメディ
ハル・ハートリーが長編デビューする前に撮っていた短編で、本人にとっては秀作のような扱いらしい。ただ、大学の卒業生作だったという『キッド』に比べると、粗さはありつつもかなりスタイルは完成されていて、そして他のハートリー映画と同様に、女優がすごく魅力的に撮られている。
物語は、実家ぐらしの内気な男のもとに、見知らぬ女が押しかけてきて、そのまま居座ってしまう。この女性が不思議ちゃんといえば不思議ちゃんなのだが、男が運命の相手だと思ってしまうのもわかるし、なにか真理を知っているような存在でもある。
無理やり紐解くなら、男が女性全般に抱く憧憬と不安が人の形になったような、まるで観念と妄想が生み出したような女性なのだが、男性にとって都合のいい存在ではなく、どこか地に足のついたリアリズムを兼ねそなえていることが、とてもハートリー作品らしい。
直訳とは違う「ちょっと暴れた」という字幕に宿った可笑しみも忘れがたい。
コメントする (0件)
共感した! (0件)
デビュー前夜のハートリー/80年代の16mm作品
聞かれもせず、名乗りもしない。
測量士?地図職人?
そんな要素が哲学の如くセリフに羅列され、、、、。
ユニークな雰囲気と、知的な難しさが混在しているようにも思えたり、ハートリーの頭の良さが伺える!?
全2件を表示