「真鍋昌平ですか?」辰巳 野獣モノスさんの映画レビュー(感想・評価)
真鍋昌平ですか?
たまたま予告編で見ていてちょっと気になり時間がある時に観に行ったという程度で鑑賞した。予告編では「目的の無い男が~」とか「復讐~」みたいな事が流れていましたが、そんなことはさておきストーリー以上に役者や世界観に魅了されました。
とにかく登場人物が汚い。ビジュアルや行動言動全てが汚い。
言葉や行動以上に登場人物の薄汚れた格好や身形、坊主刈を伸ばしっぱなしの髪型、筋彫りだけの刺青、代り映えしない単調な風景や工場や型落ちの乗用車がその底辺のリアルさを醸し出しています。
薄汚れた人物、寂れた景色、底辺の生活と葛藤、全編通して華々しいものは一切無く淡々とストーリーが進行して行く中で特筆すべきは森田想さんと倉本朋幸さんの演技のリアルさと迫力です。むかし地元にこういう輩いたよなーというような強烈なインパクトでした。
真鍋昌平の漫画をそのまま実写化したらこうなるのかなというような作品です。
ウシジマくんやスマグラーも実写化されてるけど描写やキャラ設定や世界観があれこれ脚色されて原作のリアルさが失われていますが、原作者でもないのに本作の方がより真鍋昌平漫画に近い印象を受けたました。
たまたま観に行って凄い良作に当たった感じ。真鍋昌平漫画好きの方はオススメです。
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