ナイル殺人事件のレビュー・感想・評価
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パンフレットは美しいナイル周遊ツアー
オリエント急行から船に乗り換え、アブシンベル行きのミステリーツアー。美しい風景や船の内装等の美術、衣装デザインは堪能できましたが、ミステリーとしてはイマイチ。78年版は複雑な人間関係や推理を絵解きで見せる謎解きミステリーの秀作だったけど、今回はポワロの過去を含めメロドラマ的要素が強い内容です。そのため、主役の三角関係にフォーカスが当てられ、脇役陣の描写がおざなりになっているので、後半のポワロの尋問や推理が取ってつけたような印象になってしまうのが残念。また、多様化を否定する訳じゃないけど、当時の時代背景や社会状況を考えると、妙に人種に配慮したキャスティングや、唐突なLGBT要素にちょっと違和感を感じました。役者では、見慣れてきたせいか、ケネス・ブラナーが前作よりいい感じですが、なんと言ってもエマ・マッキーがとても綺麗で魅力的でした。前半とイメージが変わるくらいの美しさで、クライマックスが盛り上がりました。
原作知らないと話に付いていくの厳しいかも
原作小説が大好きで友人を誘って観に行きました。
個人的には「ナイルに死す」を映像化したらこんな感じか~と、楽しめました。内容も無理なアレンジなども無く2時間という枠の中でそれなりに上手く纏められていたと思います。
しかし、残念ながら友人(原作知らない)は話についていけなかったようです。理由はいくつかあるようですが、特に登場人物の人間関係や心情の描写が映画化に伴い削られてしまっているのが大きな原因のようです。
確かに私自身もこの点は気になりました。原作(の人物描写の長さ)を知っていれば映画化する以上は仕方がないと割り切れる部分ではありましたが、単体のミステリー作品としてはやや不親切だと感じます。
よって、映画の評価としては
原作知ってる私→☆3.5
原作知らない友人→☆2
の間をとって☆3というところになります。
さすがポアロ!
前作の「オリエント急行殺人事件」以来アガサクリスティーのという作品に魅力されています!
今回は、その続編にあたる「ナイルに死す」
ポアロの過去に触れながら物語が愛というテーマに進んでいきます。
愛があるからこそ起きてしまうものがある。
そこにあるのは真実なのか?
誰かの欲望なのか?
他の誰も犠牲にしてまで手に入れる愛に価値があるのか?
そんな事を疑問視してしまいました。
今回も驚きの犯人で面白かったです
戦争映画?
いきなり白黒の戦場シーンから始まるので見るスクリーン間違えたのか!?ってビックリしてしまいました。
前半はそれぞれの登場人物がどういった人達かを描いていて、後半の事件後はそれを元に尋問して行く感じです。
ポアロの推理の中には納得行かないのが有ったので、そこの部分は興ざめしてしまいました。
でも全体的には中々面白かったです。
しかしどこかで見た顔だって思ったら、ワンダーウーマンの人だったんですね。
ポワロのトラウマにこだわりすぎ?
ケネス・ブラナーの「オリエント急行殺人事件」を観たので、流れ的にお付き合い。もう作品の良し悪しより、アガサ・クリスティ原作のゴージャスシチュエーションミステリを、豪華配役で映画化という【文化財】を見物する意義。シドニー・ルメット監督の75年公開の「オリエント急行殺人事件」からジョン・ギラーミン監督の78年公開の「ナイル殺人事件」という流れのデジャヴ。まあ昔のは監督もポワロ役も(オリエントはアルバート・フィニー、ナイルはピーター・ユスチノフ!)継続性はなかったがね。その点ではプラナーは連作的な統一感を持たせているようだ。
古典的ミステリー
古典的なミステリーでタイトルは知ってるけど読んだことなく…。
こんな話なのね…。
どこまで原作に忠実なのかはわからないけど、人間関係的になんとも…という内容だったかなぁ。
リネットとジャクリーンの配役は逆の方が良かったのでは?
どっちが魅力的に見えるかは、個人差があるのかも知れないけど…。
もう一度観ようとは思わないけど、まあまあ楽しかったかなぁ…。
古典的な名探偵ですが、見た目は子供の名探偵の方がすごく見えてしまうかなぁ(笑)
愛とは、波乱万丈なものだ。
原作未読。
はじめの事件が起こるまでがやたら長い。で、あいつがあれして、こいつがこうなって。なんだか、そんなにびっくりするほどの仕掛けがあるわけでもなし、むしろ、無理展開に思えたかな。ポアロの詰問は、裏付けがどうも薄い印象があるせいか、職務とはいえちょっと嫌な感じだった。他の方々ほど思い入れがないので、感想がわいてこないし、考察する気力もない。そうそう、映画には無関係だけど、ドラマ「ミステリと言う勿れ」の整くん、先生目指さないで探偵目指せばいいじゃん、って思った。
2022年 43本目(劇場 6本目)
オリエントよりは幾分か良かったかな。
オープニングの内容が、結果こうなるのねと。
映像は綺麗。ただ事件が起こるまでが長い!
2年前の撮影とはいえアーミーハマーが痛すぎるよね。オールスターキャストも前作と同じで凄いとは言えないかな笑
ガルガドット目当てがエママッキーに❤️
007でレアセドゥ目当てで行ったらアナデアルマスにやられたってくらい❤️エママッキーの今後に期待!
冒頭数分は映画間違えたか?っていう始まりがイイ!
ネタバレ厳禁なあのトレードマークの由来とか!
オリエント急行同様に前作見てたんで結果は分かってはいたが楽しめた!やっぱ映像美の進歩に拍手ですね〜
このままケネスブラナーで地中海殺人事件もやってもらいたい!
王道ミステリー
ようやく公開されました。
王道のミステリー映画面白かったです。
ナイル川やピラミッド、アブ・シンベル神殿を大画面で観れてちょっとした観光気分になりました。
旧作も良い映画です。
原作読まない派なので、映画だけで判断しているので、原作の方が遥かに素晴らしいと言う方はいるでしょうね。
ケネス・ブラナーの圧倒的な映画愛
とてもスケールの大きい映画です。これこそ映画館の大スクリーンで観る映画と言えるでしょう。エジプトのピラミッドから、ナイル川へ物語は展開しますが、兎にも角にも圧倒的な映像美でわたしたちをスクリーンに釘付けにさせます。音楽も良いです。良いタイミングで“ジャズ”が心地よく鳴り響きます。結末はみなさんが知っての通りですが、それは「予定調和と笑わないで」観て欲しいです。ケネス・ブラナーは今月末公開の『ベルファスト』でアカデミー賞を獲るのではないでしょうか。その前哨戦といった映画です。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
アーミー・ハマー見納め作か
大好きなアーミー・ハマー。
彼ほど精力絶倫役が似合いながら
嫌悪感を感じない俳優もいない。
これだけ技術が発達した時代に
なぜあれほどCG丸出しのエジプトにしたのか、
なにか意図があるに違いないと思ったが
最後まで分からなかった。
ポワロはあんなに当てずっぽうに詰問するような
キャラクターだっただろうか?
前半のダンスシーンはエロくて良かったです(良いところ探し)
こちらも延期延期を経てようやく公開されましたね。ケネス・ブラナー監督のオスカーノミニー作がもうすぐ日本公開されようというこの時期に。
78年版は大阪難波の南街シネマで観ました。たしかパンフレットもあったはず、と探してみたらまだ持ってましたよ!定価300円。パンフの広告に日産ローレル。時代ですねぇ。別のフロアでは「キタキツネ物語」が上映されてたような。
当時中学生の私(トシがバレる 汗)はエジプトの自然や遺跡に魅了され、面白かったぁと思ったのを覚えています。
まぁ細かいところはすっかり忘れていますけどね。オリビア・ハッセーさんが薔薇より美しい(わかる人はそこそこな歳ネ)こととアブシンベル神殿に突然ジャクリーン(当時はミア・ファローさんという女優さんをまだ知らなかった)が現れて怖かったことが鮮明に記憶に残っています。
さてブラナーは同じアガサ・クリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」に引き続き探偵ポアロ役として主演もしてる今作。
冒頭はいきなりモノクロの第一次世界大戦のシーン。「1917命をかけた伝令」ですっかりお馴染みになったあの塹壕がまたまた出てきます。あれ?シアター間違えた??ナイル川どこ???と戸惑っていたところに若きポアロが登場。
正直ポアロの過去にはあまり興味ないんですよね。
いや、あってもいいですよ過去シーン。だけどその設定が後にそれほど活きてないのよねぇ。
そこに尺を使わず謎解きにもっと時間を割いてしっかり描いてほしかったなぁ。アレじゃあ(なるほど〜そういうトリックかぁ〜わぁスッキリ!)とはならないでしょ。
ネタバレになるから詳しくは言いませんけどアレでは弱すぎます。
ポアロも威圧的でしたけどもう少し愛嬌があるように描いてほしかったな。
ガル・ガドットは美しいですよ、そりゃあもう間違いなく。
でもジャクリーン役のエマ・マッキーもなかなかの美人なのがキャスティングミスかなと。78年版のミア・ファローの方がハマってましたねサイコパスぶりが。
今作ではそんなに観光気分も高まらなかったのはきっと当方が「世界ふしぎ発見!」などでピラミッドやスフィンクスなどを見過ぎてしまっているからでしょうか。旧作の方が絵に迫力あった気がするのですが。
いろいろ書いてしまいましたが私の期待値が高すぎたのでしょうね。
リメイクって難しいですね。
(やはりスピルバーグのリメイクはレベチでしたね)
アガサ原作を未読で旧作も観ていない人の方が楽しめるのかも。
原作を未読の方は是非
こちらのレビューでよく見る、
原作ファンの方々の批評を横目に観に行きました。
原作未読の自分にとっては楽しめました。
映像がゴリゴリのCGばかりだが、
優雅で豪華な旅の演出が美しかったです。
時代を越えて「ありきたり」になった名作
本作は今から85年も前に出版されたアガサ・クリスティーの『ナイルに死す(原題:Death on the Nile)』という小説が原作です。アガサ・クリスティーは「ミステリーの女王」と呼ばれるほどの名作家ではありますが、85年も前の小説故に「古さを感じるのではないだろうか」と、鑑賞前は若干の不安を感じていました。
実際に鑑賞した感想ですが、「意外と悪くないが、ありきたりに感じる」と言った感じです。85年前の作品ではありますが、「古さ」は抱きませんでした。しかしながら殺人のトリックなどのミステリーとしては「ありきたり」に思えてしまいます。これは古き良き作品に絶対付きまとう呪いのようなものなので仕方ないことではありますが、小説や映画に限らず『ナイルに死す』のフォロワー的な作品は無数に存在します。そのため随所で「どっかで観たことあるな」という既視感を覚えるんですよね。私は原作未読なんですが、ミステリー作品は一時期ハマって小説や漫画を読み漁っていた時期があったので、なおさらそう感じてしまったのかもしれません。
あと、「これは映画オリジナルの設定か?」と違和感を抱く部分が何ヵ所もあったのですが、調べてみると原作には無いオリジナル設定でした。原作では白人のキャラクターが本作では黒人になっていたり、ただの友人という設定だったキャラが同性愛カップルになっていたり。こういう行き過ぎたポリコレ配慮は鑑賞の際にはノイズになり、私は心底不愉快に感じます。こんなのをポリコレ配慮とは言えません。ポリコレ描写をノルマとして見ているような薄っぺらい描写です。昨今の映画業界の悪い部分だと個人的には思っています。
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舞台は1930年代。富豪の娘である大金持ちリネット(ガル・ギャドット)とプレイボーイのサイモン(アーミー・ハマー)の結婚を祝うパーティーが行われた。パーティーの参加者たちは、エジプトのナイル川を巡る豪華客船に乗り込み優雅なパーティーを楽しんでいたが、リネットの親友でサイモンの元恋人であったジャクリーン(エマ・マッキー)も乗り込んできたことで雰囲気が一変する。
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元々交際していたのはサイモンとジャクリーンであったが、サイモンは金持ちのリネットに乗り換え、2人は結婚してしまう。ジャクリーンはストーカーとなり二人をつけ回し結婚記念のパーティーが行われている豪華客船にまで乗り込んでくる。そしてついに、リネットが凶弾に倒れる殺人事件が発生してしまう。動機で言えば間違いなくジャクリーンが犯人なのだが、彼女には鉄壁のアリバイがあった。
ミステリー作品としては良くある展開ではありますが、事件の解決よりもどちらかと言えば「愛」というものにフォーカスして描かれている印象があります。もちろん恋人やパートナーへの愛もそうですが、親子愛とか友情とかもしっかり描かれていて、ここが私としてはかなり高評価ですね。
ミステリーとしては、先述の通り「どこかで見たようなありきたりなもの」というのが正直な感想です。もちろん面白いんですけど、やはり原作が85年も前の作品であるが故に「当時は新鮮だったんだろうけど今となっては使い古されたもの」という印象が残ります。巻き込まれサスペンス映画の元祖『北北西に進路をとれ』とか、ワンカット映画の元祖『ロープ』を観た時と似た感覚ですね。現代では撮影技術も向上しているし、多くの作品を経て手法が更にブラッシュアップされている上位互換とも呼べる作品が多く存在します。それ故に、その道を切り開いた元祖の作品は、何十年も経過してから観てしまうと、ありきたりだと感じてしまいます。
そして、私が一番気に入らなかったのは「過剰なポリコレ表現」。これは最近の洋画で個人的に許せない部分なんですけど、原作の設定を捻じ曲げてまで多人種のキャスティングや同性愛描写を出すのはいかがなものなんでしょうか。原作が執筆された年代や舞台となる時代背景を考えれば、別に登場人物全員が白人である方が自然で、逆に黒人やアジア系や中東系の人種の人がいる方が不自然です。ノルマのように登場する有色人種や同性愛者に私は辟易しました。こういうポリコレ配慮は作品を鑑賞する際にはノイズにしかならないので、本当にやめてほしいです。
全体的に見れば面白かったんですが、見飽きたようなありきたりな展開と観たくないような過剰なポリコレ描写がノイズになる映画でした。
前作の勝ち
40年の時を越えて、1978年の前作と今回の作品両方とも映画館で観ました。
◇今作のいいところ
①ドローンの撮影が多く、雄大な景色が綺麗
②カメラが水の中から出てくるなど、カメラの縦横無尽の動きが良い
③ ポアロの人間性に迫っていてかっこいい
④前作のオリエント急行殺人事件のポアロと同じであり、キャラも同じキャラが出てくるのでシリーズとして楽しめる。
◆今作の今一つのところ
❶日本もアメリカも同じ傾向であるが、役者がみんなジャニーズ系アイドル系になっていて、昔のように癖がすごい個性的な役者が少ない
❷後半の謎解きが、ポアロがしゃべっているだけで、実際どのように犯行が行われているのか? 実際どのような可能性でこの人が犯人なのか? が具体的に頭に思い浮かばない
❸後半の謎解きがテンポが良すぎて、それにより上映時間が短くなっているが、珠玉のミステリーを味わえる時間が少ないとも言える
❹お金持ちの令嬢と結婚した無一文の男がなぜ髭を生やしている? ちょっとキモイ
◇前品のいいところ
①役者が当時のオールスター勢揃い。馴染みのある顔であり、個性的。
②特に主演のミアファローの存在感は壮絶で他に変わるものなし
③事件の瞬間の船の右舷の廊下と左舷の廊下のトリックを見事に再現フィルムで表していて、ナイル川に浮かぶ客船の上での事件という良さを活かしている
④それぞれの容疑者が犯人であるという再現フィルムがひとつひとつ出てきて、どの人も犯人であるという疑いを強く思わせる。
◆前作の今一つのところ
❶登場人物を細かく描いていてさらに、ポアロの皮肉の効いた洒落た会話があるので実質的には時間が長く、現在見るとテンポが悪いと感じる
❷ カメラがさほど動かずアングル屋カット運びが現在の日本のテレビドラマのようで単純
結果
6対4で前作の勝ち
総評
カメラ技術などは圧倒的に現在の方が良く、ポアロをアイドル的にしたり、必要以上にテンポを良くしたりして、映画個体としての出来はよくできているが、人間描写やミステリーとしての細かい作り込みなどがまだまだ足りない。全作品はとても古いので、その映像を現代の人が見るに耐えるかどうかは分からないが、圧倒的に人間描写やミステリーとしての醍醐味は前作1978年の作品の方が良い
壮大で華麗な映像美で包み込まれた印象
出だしのシーンから華麗に切り替わる映像対比とか、迫力満点の景色とか、怪しくも美しく輝く人物やモチーフに終始包まれて魅了された印象。そこに様々な人間関係や人生模様が巧妙に差し込まれていて、かなり見入りました。
内容の好き嫌いとか原作が有名すぎるとかはあるので、好みも分かれるとは思いますが、上質な作品だと思います。
人は愛のために何でもする
ケネスブラナー監督のポアロシリーズ2作目。
第一次世界大戦の一幕で始まる本作は頭から予想を裏切られ、完全に心を掴まれた。
ポアロの立派な口髭や本作のテーマである愛について冒頭で描く事で観客に本作の方向性を提示していて、作品に没入できた。
本作も前作同様に個性豊かで怪しげなキャラクターが数多く登場する。特にメインキャラクターであるガルガドット演じるリネットとエママッキー演じるジャクリーンの2人は圧巻で愛情や嫉妬で入り乱れた表情、セリフで作品にとどまらず、観客をも振り回していて、圧倒された。
この2人以外にも魅力的なキャラクター全員に嫉妬や欲望が溢れていて誰しもが犯人になりうるこれぞアガサクリスティといえる上質なミステリーを織り成していた。
本作はキャラクターやミステリーだけでなく、エジプトのピラミッド、アブ・シンベル神殿、ナイル川を舞台に壮大なスケールで体感することができ、満足だった。しかし、少々CG要素が強く、現地の映像で観てみたかったと感じた。
「人は愛のために何でもする」
という本作のテーマ通り、人間の愛や嫉妬、欲深さを丁寧に描いていて最後の最後まで目が離せなかった。
こんなのポアロじゃない!
懐古厨になってしまうようで申し訳ないけど…
デヴィッド・スーシェのポアロが好きなのでケネス・ブラナーのポアロはイメージが違い過ぎる。
でもこれは前作『オリエント急行殺人事件』から思っていたのをわかった上で観たので仕方ない。
ただ、ポアロ自身に余計なエピソードを付け加えたのはなぜ?
前作にもカトリーヌを想うエピソードがちらっと出てきていらないと思っていたけれど、今作はそれを更に掘り下げてきた最初の戦争の場面はなんなのだ?
ポアロの代名詞の髭も顔の傷を隠すためなんてエピソードはポアロにも作品にもなんのプラスにもなっていない。
小説でもポアロはいけ好かない人物ではあるし犯人に厳しい一面もあるけれど善人には優しく変なこだわりを持ちつつも愛すべきキャラクターなのに、その要素がほとんどなくあんなに攻撃的なポアロはポアロに思えない。
ケネス・ブラナーのエルキュール・ポアロの解釈が合わな過ぎて、作品がどうの以前に「こんなのポアロじゃない!」と思ってしまう。
唯一良かったのはポアロが遺体の足をまっすぐに直すところだけ。
様々な愛の形に胸焼けが。
吹き替えで観賞。前作のポアロの声優さんが草刈正雄さんでとても良かったんですが、今回は別の声優さんだったので不安でした。だけど、聞いていくうちに違和感がなくなり気にならなくなりました。
物語はこれでもかというほどの「愛」について。様々な愛の形があるけれど、やはり男女の愛だけは理解できないものがあって、ついていけなかったのが本音。ポアロの詰問シーンでは相手に揺さぶりをかけたり、鋭い洞察力で確信に迫ったりと興奮しました。原作はかなりの厚さの小説なので結構改変やカットシーンがあるのだろうなということは察せられる。真相は驚きはあるけど、動機が酷すぎてなんとも後味の悪い終わり方に。ポアロの推理シーンならずっと見ていたいかも。それも思わず笑ってしまうような圧倒的な推理を。哀愁をにじませるポアロもいいけど、もっと飄々としたポアロも見たかった。今回はそれが少なかったかな。3があるなら期待したいです。
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