テッド・バンディのレビュー・感想・評価
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深い
現代なら違う展開なんだろーな。
予備知識が無いと辛い
マーダー・ケースブックにてテッド・バンディという
連続殺人犯の存在を知り、その後はテレビ番組等で
取り上げられることはあったが、アプローチの仕方は
似たり寄ったりであった。
この映画は今までのドキュメント映像とは一線を画す、
違った視点での構成になっている。
テッド・バンディの恋人による著書を原作としているため、
犯行の一部始終を詳らかにするというものではなく、
周囲の人々がいかにしてこの凶悪連続殺人犯に翻弄されていき、
やり場のない怒りにどうやって終止符を打つのかということを
考えさせられる作品。
観終わると虚無感だけが残る。
作品の品質が悪いという訳ではない。
裁判の再現などは完璧と言っても過言ではない。
性交シーンや、衝撃的な映像を含んでいるのでお子様には
お薦めできない。
タイトルなし
余裕の微笑みを保ち続けるシリアルキラーに翻弄される
ドキュメンタリータッチ!
ザックエフロンが、製作も兼ねている。
連続殺人犯なのか?
無実なのか?
映画は、裁判と
リズとの関係で進んでいく。
彼は、頭がよく弁護士も兼ねている。
なやむリリーコリンズもいい。
ラストの実写が
この作品を締めくくっていく。
自分を大切に
テッド・バンディについて、彼が何をしたのか、どんな結果になったのか、サラッと把握している状態での鑑賞。
把握しているのに、最後の最後まで惑わされ迷わされた。
殺人鬼の遣り口を描いた実録サスペンススリラーを観るつもりでいたけれど、彼の騒動に巻き込まれ振り回されながら、「やったのか、やってないのか」と苦悩させられる作品だった。
テッド・バンディは徹底的に否定する。
真剣に自分を弁護し、真摯に無実を訴え、本気で逃げようとし、「パピヨン」を愛読する。
何が起きたのかきちんと説明されないまま彼が逮捕され、あれよあれよという間に疑いの中身が濃くなっていく様を観ていると、「本当にやってないんじゃないか」と思えてくる。彼のまっすぐな視線も相まって。
俯瞰の描き方と構成が秀逸。
殺人や誘拐の直接的シーンも決定的な証拠も画面になかなか映らないので、どこに真実があるのか分からない。
どんどん進む裁判劇、追い詰められてもなお抵抗するテッド、確実に病んでいく周りの人間の描写は、ある意味殺人鬼の所業よりもスリリングに感じた。
忠実かつドラマチックに再現したシーンの連続にも痺れた。
テッドを愛しテッドに愛された女、リズになったような気がしてくる。
信じればいいのか、疑えばいいのか。
彼女だからこそ感じるとてつもない苦悩とやり切れないジレンマを全身で受けて、本当に辛くなった。
「愛してるから問題なのよ」というセリフが胸を突いた。
愛し合った時間は本物だったのか、自分もいつかは殺されていたのか、子供はどう思うのか。私ならどうしようか。
裁判を傍聴にくる民衆の一人になったような気がしてくる。
一連の事件も裁判劇もかなりエンタメ的で、世間が面白がるのもわかるじゃない。
清廉潔白で平凡な人よりも後ろ暗いモノを背負った怪しい魅力のある人に性的魅力を感じてしまうじゃない。
テッドに群がる人々と映しだすテレビカメラが、スクリーンにくぎ付けになっている私と重なった。
最後にぶつけられる静かな衝撃。むせ返るような切なさと仄かな希望を感じさせるラスト。
頭が熱くなった。
本当に本当に本当に、見せ方が上手すぎる。
焦らしに焦らした末の答え。さりげなく鳴る音に鳥肌。
テッド・バンディというシリアルキラーをストレートに見せることはせず、彼のしたことによって苦しむ人や振り回される世間を中心に見せた作品だった。
しかしそこを描くことで、間接的にテッド・バンディの異常性も浮き彫りになってくる。
恐ろしい人だ、と心底思う。
キャロルがテッドとリズを振り返るシーンがとても印象的。
尋常じゃない振り返り方だよねあれ。執着の強さをあのぼやけた一瞬の中で表現する巧さ。好きだな。
多分、少数意見だと思うんですが この作品になんの面白みも感じら...
恋人の視点で描いているのに、彼女の描き方が薄い
悪魔は善人の顔をしている
監督のインタビューだったかな?
実に、この言葉通りの映画だった。
物語の構成としと決定的なものは出てこない。ラストカットに至るまで彼は一貫して無罪を主張し続ける。
真っ直ぐと曇りがない目で。
観終わって思うのは死刑制度への批判も込めたかったのか、と。
観客にはその凄惨な事件写真も殺害方法も一切明示されない。彼にどのようなアリバイがあって、それをどう崩したかも明かされない。
司法が開示しない闇を暗示するかのようでもあった。
結局のところ、彼の自白によって、彼の罪を肯定するかのような構成だった。
この事件の詳細を知らない俺はそんな事を思った。
キャスティングは驚く程に的確で、エンディングに当時の映像が流れる。
ザック・エフロンを起用した理由も凄く良く分かる。結びつかないのだ。
30人を殺害した殺人鬼。
当時の彼にも、作中のエフロンとも。
実に両極端のメッセージが込められていたように思えた。
見応えあった。
ただ、エフロン側しか描かない演出上、唐突さを感じずにはおれず…本国では認知してるであろう経緯を把握しているならば、その辺りの空白は埋めやすいのだろうと思う。
そおいう極端な偏りしか描写してない事にも「公正さ」への問題提起を感じたりする。
悪魔がいるとするならば
「シリアルキラー」という言葉が生まれたくらい有名な殺人鬼テッド・バンディ。ドキュメンタリーから彼にインスパイアされたフィクションサスペンスやホラーまで数々の作品に取り上げられたけど、残虐な話や映像をほぼ使わずに、無実と信じる恋人から見た彼の姿を描いたのが面白い。
ザック・エフロンは誰もが惹かれるイケメンぶりでブイブイ魅力振り撒いてるし、フィル・コリンズの娘のリリー・コリンズはやさぐれてもキュートで美人、ハーレイ・ジョエル・オスメント君は色々と大きくなったけど優しそうな笑顔は健在だし、大好きなジョン・マルコヴィッチは相変わらず味のある素敵な演技で引き締めていて、なにげに豪華な出演陣でした。
今なら科学捜査でもっと確実な証拠が出るだろうけど、当時はこれで精一杯か…何が真実なのか、誰を信じていいのか分からないのが何よりもゾッとする。これだけ見ると最後の最後まで冤罪だと信じてしまう。悪魔がいるとするならば、彼のように魅惑的で恐ろしい生き物なんだろう。
それにしても、なぜ彼女は殺されなかったのか。観終わっていろいろと調べたくなった。
あえて内面に迫らない
テッド・バンディに騙された
実話がベースになっている映画ですが、できればこの実話を知らない人が観たほうが楽しめる映画ではないでしょうか。
知らなければ最後の最後まで真実がわからずにドキドキハラハラできます。
実際に実話を知らないで観た僕は、緊迫感のある展開とスリルに鑑賞後は疲労を感じてしまうほどでした(僕はすっかりテッドに騙されてしまいました)。
とても見応えのある映画で面白かったです。
なんだこの軽薄な男は…。
残忍なシーンがなくとも、そのきな臭さに若干不快な気分になった。
リズだけには特別な何かがあったんだろう、そんな部分の描写を期待したり、そしてキャロルの存在にがっかりしたり。
気がつくと完全にリズ目線で観てしまっていた。
シリアルキラーでないなら結婚詐欺をやりそうな軽々しい態度と、甘い思い出。
揺れ動くリズの気持ちと気持ちは重なり、胸の奥の方の引っかかりが解けないままだ。
本人についてネット検索してみると、描かれていなかった犯行の手口や行為の詳細が分かり、ハウスジャックビルドのジャックと被る。
シリアルキラー大全集の様なその作品で、様々なパターンの残忍な犯行を惜しみなく映像で確認する羽目になったのだったが、なぞるように思い出すとやはり強烈で、IQの高さも超える抑えきれない性衝動の恐怖を感じた。
ラストに背中がゾクッ
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