きみの瞳(め)が問いかけているのレビュー・感想・評価
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キンモクセイとシーグラス、そして椰子の実
韓国映画『ただ君だけ』を原案とした作品ですが、大元はチャップリンの『街の灯』。盲目の女性とボクシングといったイメージを損なわないように横浜流星がキックボクサーだという設定にアレンジしてありました。もしかして、主人公の明香里(吉高由里子)の名前も『街の灯』から取ったのか?などと考えながら観てたのですが、その名作は“あかり”ではなく“ひ”と読みますから!と自演ツッコミしてしまいました。でも、無口なのはサイレント映画を意識してませんか?
序盤から中盤にかけて、ただ美しい出会いと塁の心を開いていく様子が描かれていて、それほどの高揚感はありませんが、終盤に向けて一気に観客の心をわしづかみにしていくような仕掛けが施されていました。「ロミオとジュリエット」の中の言葉「君の目が問いかけている。僕は答えなければ」が好きだという明香里。どこだ?どこで問いかけてるんだ~と気になってしょうがないけど、涙に溢れた眼が泳いでいる様子でしっかりと問うてます。
アントニオと言えばすぐに思い出すのが闘魂イノキなのかもしれませんが、真っ先に思い出したのがマイケル・フランクスの「アントニオの歌」です。アントニオ・カルロス・ジョビンに捧げられた名曲。ラストにこの歌がかかればもちろん満点にするつもりだったのですが、かかった(というより口ずさんだ)のは「椰子の実」。自分の身・過去を海に流してしまおうと考えたのでしょうか。もしくは2年の間、海を漂っていたことを描いたのでしょうか・・・とにかく死なないでほしいと風吹ジュンが祈っていたに違いありません。
シーグラスという伏線はなかなか良かった。やはり塁にはとげとげしい部分があったと明香里が気づいたからかもしれないし、角が取れて平和に暮らそうという思いが感じられます。また、なぜ映画でキンモクセイを伏線として選んだのかはわかりませんでしたが、匂いですぐわかるから・・・だけのような気がします。匂いを確認するために思わずトイレに行ってしまいました。で、トイレで思いついたのが「君の瞳は10000ボルト」!そういやキンモクセイが出てくるよ!!明香里は地上に降りた最後の天使だったんだよ!きっとそう・・・ボルテージが上がったのもこのためだったのかも。
あふれる涙にマスクが濡れる
前半は、心がざわついて何か落ち着かない感じ。
観る側としては、明香里(吉高由里子)と塁(横浜流星)の恋愛が成就することを願いながら観るわけですが、明香里の上司であったり地下組織のヤクザもんであったりが、心をざわつかせます。
また、塁の過去に犯した犯罪も心に影を落とします。
吉高由里子の目の不自由な方の演技は、「見えない目撃者」の吉岡里帆と同じくらいによかったと思います。
どちらも韓国の作品なんですね。
横浜流星は「わたしたちはどうかしている」でも寡黙な役だったけど、「白でも黒でもない世界でパンダは笑う」の森島直輝より寡黙な役の方がいいと思う。
後半は前半にいろんな伏線が張られているのを、すごく上手に回収できていると思いました。
愛犬スクの成長で時間の流れを感じたり、スクが塁に吠えたり、明香里が失明した原因のもととなる事故の原因を明日香が知ったり、オルゴール、マッサージ、キックボクシング、などなど
吉高由里子がすごくチャーミングで、自然な演技で好感がもてました。
風吹ジュンは一服の清涼剤ですね。出演シーンはずっと安心して観ていられました。
存在感のある女優さんになられました。
エンディングは満足してます。こういう終わり方じゃないと心にもやもやが残ります。
エンドロールは涙で曇って見にくかったです。
本当に涙で溺れそうになった
私の映画史上一番泣いた
足まで震えるはほど泣いた
三木孝浩監督史上、吉高由里子史上、
横浜流星史上最高の映画だと思う。
横浜流星の表情のひとつひとつが繊細で言葉以上に想いを語っていて、吉高由里子の湧き出る感情が真っ直ぐに伝わってきて、本当に胸を打った
チャップリン街の灯
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