ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密のレビュー・感想・評価
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銀幕映画の再来!
「ルーパー」で一躍有名になったものの、「スターウォーズ エピソード8」をトンデモ映画にしてしまったライアン・ジョンソン監督作を、
渋谷パルコ WHITE CINE QUINTOにて鑑賞。
本作は、近年では珍しい探偵ミステリー。
第92回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされていましたが、受賞は逃しました。(受賞は「パラサイト」)
個人的な傾向として、ミステリーのセットアップがちょっと苦手なのもありますが、
第一幕はかなり淡々と進むので、もどかしい思いを強いられました。
ただ、それを乗り越えた途端に、第二幕からは怒涛の展開にすっかりウェイクアップ!!
三幕目は、アメリカの社会問題も盛り込みつつ、伏線もポンポンと回収していって、
ラストにはガッツポーズ物の展開まで用意してすっきり爽快!!
すっかり作品の虜になってしまいました。
出演者がとにかく曲者揃いなのも、見ていて嬉しくなってしまいます。
ダニエル・クレイブやクリス・エバンスといったハリウッドスターと、クリストファー・プラマー、ジェイミー・リー・カーティスなどの燻銀役者のアンサンブル!
美術も豪華で、館のセットは見応えがありますし、映画館のスクリーンを「銀幕」と言っていた頃の、往年の映画を思い出される素敵な映画でした。
個人的には、「スターウォーズ」で一気に信頼を失っていたライアン・ジョンソン監督でしたが、本作で上方修正することができました。
本国でもかなりヒットしたらしく、続編も予定されているようなので、期待です!
軽快な内容だけど、発想の面白さが最後まで持続するミステリー。
冒頭、かなり急ぎ足で主要人物が登場するので、字幕を追っかけつつ人物関係を整理するのが大変な人も多そうです。ただ中盤にかけての人物描写がかなり丁寧なので、自然に関係が理解できるようになっています(ある重要人物の位置づけが理解できず、最後までもやもやするところもありましたが…)。
悪魔的なトリックを仕掛ける犯罪者や、天才的な頭脳を備えた探偵に頼らないライアン・ジョンソンの脚本は見事でした(ダニエル・クレイグ扮する探偵は厳つそうで、どこか危なっかしい)。本作の、全編に漂う軽快な調子をかつて何かの作品で体験したことがあるな、と思い起こしてみたら、遙か昔に観た『殺人ゲームへの招待』(1985)でした。するとジョンソン監督が本作の製作に当たって参考にした映画の一つとして、この作品を挙げていたので、やはり、と思いました。
それぞれの人物の服装センスや、調度品、小物を眺めているだけでも楽しめる作品です。ご丁寧にも広角レンズを多用して隅々まで見せてくれる場面が多いので、目移りするかも知れませんが。
キャスティングが絶妙なミステリーの秀作
これは面白かった。ブリティッシュ・テイストあふれる正統派ミステリー。ライアン・ジョンソンのオリジナルだという脚本はアガサ・クリスティーに捧げたクラシック・スタイル。
総資産が1億ドルは下らないであろうミステリー作家の祖父(クリストファー・プラマー)が亡くなり、名探偵ブラン(ダニエル・クレイグ)が子供や孫、専属の看護師や家政婦を集め、死の真相を探る。
兎にも角にもキャスティングが絶妙!クレイグの探偵はメチャ渋いし、常々私より男らしいと思っているジェイミー・リー・カーティスはもはや性別判定が困難になっていたし、『ヘレディタリー 継承』でオスカー(もちろん主演女優賞)を獲ると信じていたトニ・コレットの異彩は尋常でないし、ホント突っ込みどころ満載で楽しくて仕方がない。
極上のエンターテイメントでありました。
映画は楽しくなきゃ(^^)
先日、「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の秘密」を観た。「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」で複雑な世界観を展開し、賛否両論の波紋を呼んだ、ライアン・ジョンソン監督のオリジナル脚本である。
結論を書くと、最近観た「9人の翻訳家」と並んで、ミステリ映画としては出色の出来映え、おすすめである。
探偵役の"007"ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド以上のハマリ役。ヒロインのアナ・デ・アルマスも魅力的。小説という媒体では描ききれない、映画ならではの表現もあり、ミステリ好きには申し分ない感興に浸ることができる。
ストーリー・テーリングとしても申し分なく、これを差し置いて、なんであれがオスカー脚本賞なんだ?😡
とにかく、映画を観て楽しい気分になりたいひとにはおすすめである。5つ星⭐️。
それはそうと、あの映画が作品賞とはね〜
あーいう救いのない映画がオスカーを受賞するのと、トランプが再選するのが共存する世の中なんだろうな〜
なんだかなあ😔
いちど、ガラガラポンしたほうがよいかも。
そして、映画はやっぱり、20世紀のものがよいなあ(´-`).。oO
本格推理
楽しい謎解きミステリー
隠れた良作
あまり目立って宣伝がされていないので、
知名度が低そうですが、
内容はかなり良作だったと思います。
私が思ったのは、以下 2点。
(1) なんてコスパが良い映画なんだ!
ホラーもの、クローズドミステリーもの
に共通していると思いますが、
ロケ地が限定される
(本映画では、ほとんど家の中での撮影)
ので、製作サイドは安上がりに。
同じ背景や場面が多くなるので、
大抵、後半飽きてきたり、
どうしても安っぽく見えてしまう映画が
多いと思いますが、
本作はそれを感じなかったです。
BGMもしっかりとしていましたし、
演出や脚本も良く、非常に良作だと感じます。
「工夫次第で、お金をかけなくても、
いい映画が作れる」そんな話の良き例に、
本作はラインアップされたと思います。
(2)善行は報われる!
どうしても、生きていくためには、
色々と現実的に考えないといけない。
それも、もちろん大事なことです。
が、やはり、その人の真価というものは、
究極の選択を迫られたときに、問われることになると思います。
「われわれはみんな、光と影を心の中に持っている。問題は、どちらを選び、行動するかだ。それが、本当の自分を決める」
(ハリーポッター シリウスの言葉より)
端からみると、損をしてバカだなと思われることであっても、自分の心に従って行動したならば、きっと悔なく生きていくことができる。
(ちょっと、宗教臭くなりますが…)
信じるものは救われる、の真の意味とは、そういうことなのだと思います。
それに加えて、本映画のように、善行を行った人が報われるような社会であれば、なお良いなと思います。
願わくば、少しでも、実社会もそうあってほしいと思います。
邦題の副題が
ミステリー好きならぜひ!
ノーマーク作品でしたが、職場の同僚に勧められて鑑賞してきました。物語が進むにつれてぐいぐい引き込まれるようで、本当におもしろい作品でした。
洋画のミステリーは、登場人物が多く、なかなか名前と顔がくっつかないから相関が捉えにくいです。結果、置いていかれることが多くて楽しめないというのが、いつものパターンです。しかし、本作は違います。序盤で主要人物が一気に登場するのは、いたしかたないですが、渋滞を起こさないように事情聴取の形をとりながら一人ずつ印象に残るように登場させています。これが実にありがたく、作品世界にスムーズに入っていけました。
肝心のストーリーは、洋館で発見された死体から遺産相続にまつわる殺人事件が疑われるという、ミステリーの鉄板ネタではありますが、その見せ方がとにかくおもしろかったです。当然のことながら主要な人物全員に動機があって怪しいので、犯人を推理する楽しさはもちろん、迫りくる捜査の手に怯える、追われる側の緊張感も味わえる上に、さらにその裏の裏をかくような展開のおかげで、最後まで全く目が離せませんでした。
ラストで見せる探偵ブランの謎解きも、実に鮮やかで小気味よかったです。演じるダニエル・クレイグが、ジェームズ・ボンドとは一味違ってこれまたよかったです。序盤から周到に張られた伏線の回収もお見事で、中でもラストシーンのマグカップの演出は秀逸でした。謎が解けたスッキリ感だけでなく、どことなく爽やかな印象さえ受けました。エンドロールで余韻に浸ったのち、気持ちよく席を立ちました。オススメです。
米版「犬神家の一族」
SW最後のジェダイの監督ライアン・ジョンソンがアガサ・クリスティに捧げたというオリジナル脚本のミステリー。007の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開を控えるダニエル・クレイグがこんな探偵演っててええのん?という役どころでちょっと驚く。「ローガン・ラッキー」といい今作といい、「カジノ・ロワイヤル」でせっかく渋いボンドに引き戻してくれた功績、そのイメージで固まってしまうことを彼の役者本能は全力で回避しているのだろうか?ところで良くできたミステリーを達者な役者陣で描く米版「犬神家の一族」なのだ。楽しめましたが…面白いけれど監督が自分の仕掛けた術中に溺れた感が否めず、ちょっと無理があるような?しかしながらかなりの手腕である。
中高年向け…水戸黄門みたい。最近の映画はいろいろ過剰だから、こうい...
英国っぽいけどアメリカ映画
舞台が貴族の館でミステリ作家が殺された謎解き…と来たら、英国ミステリかと思ったのだけど、米国映画でした。英国映画にある、シニカルなトークが無いのは寂しいけれど、プロットはよく練られていて、かなり楽しめます。
探偵役のダニエル・クレイグが渋い。ジェームス・ボンドとは一味違ったジェントルマンな探偵で、小道具のコインやコートなどが渋い。そしてなんと、アナ・デ・アルマスがメインキャストで出演。「ブレードランナー2049」でキュートな魅力を振りまいていた彼女である。丸顔で日本人受けしそうな可愛い顔立ちで、ハリウッドの中でも異質なキャラクター。本作でも嘘をつくとモドしてしまうという特殊な設定で、物語を引っ掻き回しながら自分も翻弄される面白いキャラクターを見事にやり切った。また、キャプテン・アメリカのクリス・エバンズが、ミステリ作家の遺産をねらう一族の鼻つまみもので、これまたイメージと違う役を綺麗にこなしていた。「ゲティ家の身代金」で大富豪を演じた名優クリストファー・プラナーや、「シェイプ・オブ・ウォーター」の敵役マイケル・シャノンなど、一筋縄ではいかないスロンビー家の面々を、個性的に演じていて飽きない。
少し曖昧なところもあるが、一流の出来栄えで、ミステリとして記憶に残る作品だ。
懐かしさすら覚える王道の謎解きとサスペンス
郊外の古めかしい豪邸に主(あるじ)のコレクション、遺言状と謎の探偵、誰が味方で誰が敵か、・・・これはもう、金田一かホームズかポアロの世界です。
ただ、犯人当てをするには、最初の方が結構大変でした。事件が起こったと思う間もなく、人物紹介と警察の聞き取りが同時にされるので、頭に入れなければならない事柄が一度にわっと来ます。
私は処理しきれなくて、ちょっと眠気が・・・でも、効果音のヴァイオリンが起こしてくれました。それ以降は眠くならず、色々な要素も入っていたし、犯人の予想はついたけれどサスペンスで面白く観られました。
聞き逃しがあったせいか、knives Outの意味がわかりませんが(汗)、続編が作られるなら観るつもりです。
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2/14追記
bloodtrailさんに、outは大失敗した、なんて時に使う言葉だと教わりました。野球のアウトと同じと考えればいいんでしょうかね。そして、knivesについても、解説してくれている人がいました。
ナイフは重要な小道具だったわけですが、knife=敵意と考えられるそうです。
つまり、「敵意(それも、複数のむきだしの敵意)がアウト~!」というわけですね。な~るほど~!
これは★4の映画でした。次回作が楽しみです♪
これはコメディなのかミステリーなのか
悪くはないけど傑作とは言えないな~。ダウントンアビーより退屈はしない(少なくとも眠くはならなかった)けどミステリーとしては全然ドキドキや緊張感も無いし盛り上がりも無い。ミステリー好きな方はかなり物足りなく感じるのではないだろうか。
アガサ・クリスティの"ねじれた家"の方がよほど見応えあります。
コメディテイストのミステリーを狙ったのだろうと思われるがいかんせんコメディというほど笑えるところもさほど無くそこまで面白くない。「嘘をつくと吐く」という設定もウケると思ったのかもしれないが、不自然過ぎるし単に汚ならしく下品としか思わなかった。なんというかミステリー/コメディどっちも中途半端な印象。もう少しどちらかに絞った方が映画として良くなったのではないかと感じる。ストーリーはまずまずなのでもったいない。
主人公のダニエル・クレイグはこの役には若すぎると思った。もう少し年配で喜劇の得意な役者さんだったら映画全体がもっと面白くなったんじゃないかという気がする。コメディより真面目な役の方が向いてるクレイグはやっぱりジェームズ・ボンドが一番。
ブランじゃなくてブランクって発音してなかった?
高慢な英国人を高慢なニューイングランド米国人に変換させたクリスティリスペクトで陽気な密室殺人映画。個人的に推理映画で大切なのはキャストを見ただけで犯人がわかってしまわないことだと思っているけど、俳優陣が濃くて、誰が犯人でも面白く、パッと見てはわからないことが高得点。
名探偵物はそれを売りにすることが多いが俳優さんは実際本当によかった。刑事さんはゲットアウトでかわいそうな目にあってたあの役の人だな、と思ってたら長女夫婦はゲットアウトに出ててもおかしくない感じだし。(「ハミルトン」日本でも上映してほしい。) ワトソンがあれっていったらあれでしょ?だし。(あれもあれな人だから殺害手段はあれ。) ゾッド将軍とヘレデタリーのお母さんとキャップとラブサイモンとITが親戚。
映画にはちょっとしたネタがあちこちに散りばめられており、物語はマサチューセッツのマンションで起きた事件で、探偵のブラン(ク)は「そんな訛ってるやつ昨今いるのか?」レベルに濃い南部訛りで、立ち位置としては英国人の中にいる外部の人であるポワロに近い。ポワロの名前は英国人にはほぼ正確に発音されないので、自己紹介することが多いが、ブラン(ク)も最後のCをはっきり発音して自己紹介してた。
死ぬのは推理小説で財をなした作家だが、ニューイングランドの人気推理小説作家といえば、片田舎で脅威の凶悪犯罪(殺人)件数をほこるキャボット・コーブにお住まいのジェシカ・フレッチャーを思い出さずにはいられないが、マルタが家に帰るとお母さんが見ていたのはスペイン語吹き替え版のMurder, She Wrote (ジェシカおばさん事件簿) だった。あの番組はその設定にかなりミス・マープルからヒントを得ていると思うが、ボストンなどのシーンはらしさを出すので当たり前だが、かなり Murder, She Wrote っぽい絵になってる。
アメリカローカライズもネタだったけど、開始シーンは推理ものではアルアルなのだが、英国ドラマとか見慣れている人にはありえないと思うと思う。ある意味アルアルシーンでありえなくてかなり笑った。
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