テイクオーバーゾーン
劇場公開日 2020年7月31日
解説
中学陸上部を舞台に、複雑な家庭環境で暮らす少女の葛藤と成長を描いた青春ドラマ。沙里が11歳の時に両親が離婚し、母は大好きな弟を連れて出ていった。3年後、だらしのない父親のもとで暮らす沙里は、部費すら払えないギリギリの生活の中で、陸上部エースながらも傍若無人に過ごしていた。そんなある日、沙里はスーパーで弟と再会するが、その傍にいたのは沙里の母と、沙里とは犬猿の仲の陸上部部長・雪菜だった。母が雪菜の父と再婚していたことを知り、衝撃を受ける沙里だったが……。第2回ジュブナイル脚本大賞を受賞したシナリオをもとに、「ヴァンパイアナイト」の山嵜晋平監督がメガホンをとった。2019年・第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門に出品され、主演の吉名莉瑠が「東京ジェムストーン賞」を受賞。
2019年製作/90分/G/日本
配給:キャンター
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2020年8月10日
Androidアプリから投稿
世の中がこういう時代になったのでしょう。かなり現実感のあるテーマです。
離婚、親子のすれ違い、姉弟の関わり、新しい家族とそれに関わる問題を別れた姉の視点で描かれています。
ファミリードラマですが、今までこの形を描いたものは観たことがありません。
とても興味深い映画です。
新たな家族感に悩んでいる方は特にお勧めします。
主人公の感情の動きがしっかり分かって、感情移入が非常に良く出来た。ラストカットもちゃんと意味のあるものになっており、名作だった。
2020年8月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
いやぁ、良い映画だなぁ。
見終わった直後、少女の嗚咽の余韻ととともにしばらくその感情に浸ってました。
冷静に振り返ると、この監督は結構厳しいんです。
『もっと強くなる』
中学生の少女に負わせるにしては、あまりにも過酷な状況なのに(もうすぐ弟とも、せっかく心が繋がった雪菜とも別れてしまうというのに)そう言わせます。
しかも最後は、あれほども頼り甲斐のない父親の温もりに縋って、いつ止まるのか分からないほどの嗚咽のままエンドロールに入ります。
言葉にしたら陳腐で白けてしまいそうなこと(例えば、守るべき存在の弟、とか、リレーの仲間との絆とか)は、すべて端折ってます。
走りながらこぼれる微笑、ラストの父親の待つ軽自動車までの少女の視線、車中での嗚咽…。
まったく奇を衒うことのない、ごく普通の映像の繋がりなのに少女の胸の内が、自分のことのように伝わってきて、感極まって泣けてくる。
中学生の部活の話なのに、部室の汗臭さよりも、心の澱(おり)が綺麗に浄化された感じです。まるで、梅雨明け直後に布団も枕もみんなまとめて天日干ししてすっかりカビ臭さや湿気が抜けたように。
2020年8月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
本日、テイクオーバーゾーン鑑賞。
YouTubeにて見かけてから気になっていた映画である。
主人公サリ役の吉名さん、初主演映画としてレビュー等の目力、役の入り所をチェック。
当時中学生としての演技、初主演の緊張もありそうだが非常に良い。
川瀬さん、365日連休Tシャツ最高。
内田さん、難しい役ですが素晴らしい。
その他、雪菜役、糸瀬さんの受けの演技も光る。
奈良にてオーディションを通して出演されていた方も多数出演との事。
感想として、奈良の景色を美しく描写し、吉名さんのサリが持つ葛藤を素晴らしく演じ、ラストシーンのロングカットについては涙腺崩壊しました。
ネタバレ含みそうなのでラストシーンについては書きません。
非常に心に刺さる映画でありました。
まだ上映2日目のようなので期間中もう一度鑑賞したいと思います。
山嵜監督素晴らしい映画をありがとう!
脚本書かれた岩島さん非常に良かったです!!
すべての映画レビューを見る(全18件)