「前シリーズまでのテーマをも否定」ランボー　ラスト・ブラッド　カメさんの映画レビュー（感想・評価）

個人評価:3.3
シリーズ通してグロテスクなアクションがウリなのはわかるが、根底に流れるランボーのルーツと悲しみがテーマとして存在するので、作品が成立していたが、今回はそれがあまりにも杜撰に表現されており、単なる殺戮マシーンだけのランボーだ。これでは単なるグロアクションとして成り下がっている。それは作品性が高かった前作までのシリーズのテーマも安っぽくする行為であり、作り手としても一流なスタローンは何も思わなかったのかと、寂しくも思う。
またアクションのグロを売りとして、ジョン・ウィックに対抗するような演出も安く感じる。まるでランボー版のホーム・アローンだ。
ベトナム戦争帰還兵の悲しみと孤独を背負った作品ではなく、死神に取り憑かれた殺戮マシーンをただ描いたアクションだと、シリーズ通して言われた気になりました。