「動いている絵本みたい」フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0動いている絵本みたい

2022年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
なんて長いタイトルなんだ!笑 最初はそんな長いタイトルに引かれて見ようと思ったけど、予告を見て単純に興味がすごく湧きました。これ、多分自分が好きな映画だと。予想大的中でした。めっちゃ好きでした。

昔懐かしくてオシャレで絵画を見ているかのような気分になる映画。冒頭から独特な世界観を放ち、この映画が好きな人は多分開始1分からハマると思うし、逆にここでハマらない人はついていけないかも。エピソード0に当たるのかな?そこからもうキレっキレでカッコイイ。未だかつて無い!ってよく言うけど、本作は未だかつて無いを詰め込んだそんな作品でした。

予告だけではどんな映画なのか全くわかりませんが、超簡単に言えば雑誌編集の話です。と言っても、「騙し絵の牙」のような編集者の戦略的な話ではなく、雑誌の中身の話がメインです。3つのエピソード+‪αで構成されていて、オムニバス映画っぽい。

1つ目は美術・ファッション、2つ目は政治運動、3つ目は食でどれも同じ映画とは思えないくらい作風が違う。でもどれも編集者の想いが詰まっていて、ビル・マーレイ演じる編集長に譲れないものやアピールポイントを話すシーンはクスッと笑える。個人的には2の政治運動は全然ピンと来なかったが、1と3は大ハマり。特に3のアニメーションには鳥肌モノ。テンションバチ上がりましたし、可愛くてうっとりしてしまいました。

雑誌の中身は編集者が体験したことや聞いたことを文にしている。一面白黒の文字だらけなんだ。ってことは、モノクロで撮らなきゃ!となる監督の発想がすごい。美しい絵や大きな出来事、美味しそうな料理には目立つ様にカラーとなる。そのカラー映像も少し古臭いというか、雑誌のような肌触りのカラーリングというか、なんだか絵本みたいな雰囲気があるんです。あまりにも大胆で魅力的。これまたエピソード3の銃撃戦は白黒が上手いこと生かされていて、心がとても踊りました。マジで好き、この演出。

正直、かなりハイスピードで情報量が多く、字幕を追いかけ続けなければいけない日本人としては、とてもじゃないけどストーリーを一度で理解することは不可能です。大まかな内容はもちろんわかるけど、エピソード2なんか結局何が言いたかったのかサッパリでした。それもあってか2はあまり面白く感じなかったです。

でも何度も言うように、映像美や雰囲気、ストーリー構成に音楽、ファッション、カメラワーク、世界観、動いているのに写真みたいで、ほんのりと紙の匂いがする気がするこの作品は、ストーリーを取り除いても見どころが沢山ある映画です。1回目は何となくのストーリーを把握し作品の美しさに酔って、2回目からはもっと色んなところに目を向けて噛み締めるように味わっていきたいなと思う、そんな映画でした。

ライダーズ・オブ・ジャスティスを見て、今月の洋画ベストはこれだ〜!と4日前に思っていたのに、あっさりと越してきました。ちょっとこれは流石に2回目映画館で見よっかな。個人的にはたまらない作品でした!

サプライズ
masamiさんのコメント
2022年2月4日

サプライズ様コメントありがとうございます😊
サプライズ様に比べると私のはレビューと言えないようなレビューでごめんなさい。

masami