街の上でのレビュー・感想・評価
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【噛み合わない日常、愛おしい日常】
どうして、思ったことが口から突いて出てきてしまうのか。
相手を傷つけたり、誤解されたり。
その割に、よく考えて、相手に伝えたいはずのことは、上手い言葉も、良い表現も見つからず、黙り込んでみたり。
僕達の日常は、そんな噛み合わないことだらけだ。
でも、そんな日常も大切な日常だ。
たとえ、カットされても一所懸命やったら、それはそれで大切なことなのだ。
今、噛み合わない歯車のようでも、
一呼吸置いてみたら、
ちょっとリシャッフルしたら、
ちょっとガラガラって振ってみたら、
そう、
よく考えてみたり、
言い争ったり、
怒ってみたりしたら、
案外噛み合うことが沢山あるかもしれない。
小さな深呼吸をしてみよう。
絶妙な空気感が楽しめる、今泉監督色が堪能出来る作品です♪
いろんな作品を観る度にその独特な食感が癖になる今泉力哉作品w
そんな今泉監督作品の最新作は以前から気になっていたので、早速鑑賞しました。
鑑賞した「ヒューマントラストシネマ渋谷」は公開2日目と言うのもありますが、満席。
で、感想はと言うと…良い♪
下北沢と言う永遠の青春が緩やかに心地好く流れる様な街の中での日常の一編の様な物語。
心のバリアの距離のすれ違いや触れあいに時には違和感や温度差を感じながらも互いを気遣いながら、時には同じ空間を共有していく。
良い意味でそれ以上でもそれ以下でもない距離の取り合いがなんか良いんですよね。
多分、凄く好きな人にはハマる作品でこういう空気感を味わう様な作品がダメな人にはダメでしょうね。
もしくは下北沢大好き人間にはたまらない作品かとw
まだ東京に上京したての頃、下北沢に何度も足を運びました。
演劇の小劇場やライブハウス。古着屋に雑貨屋。美味しそうな洋食屋にお洒落なカフェ。
今なら珍しくないお店も当時は下北沢に行かなければ巡り会えない
初めて食べた東京のラーメンの美味しさに感激し、「ザ・スズナリ」の雑居感に圧倒されつつも惹かれて、スズナリの前に通る茶沢通りのカーブを曲がった先にある小田急線の踏切から見える夕陽に感動したのを覚えています。
昼間の賑わいと夜の喧騒が心地良くて、サブカル感が漂う街ですが、個人的には毎日が文化祭の前日みたいでワクワク。
フラッと立ち寄った飲み屋に行くのも良いけど、あまりにも居心地が良すぎて、終電で帰る自信が無いw
そんないろんな「楽しそう」が詰まった街、下北沢。
下北沢にはいろんな思いでも沢山あるので思い入れも一杯。だから観ていて楽しいんですよね♪
ストーリーは彼女が浮気をしてフラれる青年、青の青春の延長戦の様な日常の物語がゆるふわに描かれていますw
草食男子と言えばそうなんですが、温度差の会話のちぐはぐが妙に面白い。
なんでもない日常と言えばそうだし、女々しい奴と言えばまさにそうw
でも嫌な奴ではないし、強いて言えば心を許せるタイプw
毒にも薬にもならない様なタイプですが、一緒に飲むと気遣いせずにダラダラと一緒に飲めそうw そんな絶妙な青を若葉竜也さんの演技はグッジョブ♪
登場人物もいろんな意味で良い距離感の人達w
変な奴は警察官ぐらいw
でも、その警察官との会話がラストの伏線になってるのが面白い。
間宮役の成田凌さんはなかなか贅沢な使い方かと思いますが、成田さんだから出来る良い使い方なんですよね。
その中でも女性陣がなかなか魅力的。
元カノの雪と古書店員の冬子。若手映画監督の町子と映画制作の衣装係のイハ。
個人的には中田青渚さん演じるイハが良い♪ 飲み会後になんとなく意気投合して、イハの家でお茶を飲みながらの恋バナをベースに探り合いの会話が面白い♪
イハと付き合ったら良いのに何故か雪と再び付き合うかが個人的には分からんw
いろんな絶妙な会話の妙が面白くて、その微妙なすれ違いで最後まで行くかと思いきや、なんとラスト手前で5人の鉢合わせw
これにはビックリ。ここに来て一気にコメディ感が爆発して面白さがグッと上がった。
ここまでがまさかの貯めだとすると今泉監督の演出の緩急強弱の妙は一気に上がった感じなのと、こういった作品が今泉監督の本領発揮かと。
今泉監督は「愛がなんだ」や「アイネクライネナハトムジーク」「his」が今泉監督の色彩が色濃く出てましたが、「あの頃。」で少し毛色の違う方向性を示しているけど、今回脚本を担当された大橋裕之さんとの合致も上手くいったのも良い形になったのかと。
現在公開中の「ゾッキ」「音楽」の原作者で妙に癖になる変な感じが脚本でも活きているかと。
撮影の長回しで生まれる空気感も良いし、それを醸し出せる役者陣も絶妙で、こういった空気感を醸し出せるのが今泉・大橋コンビの妙でしょうか
最初にも書きましたが、それ以上でもそれ以下でもなくて、その会話の探り合いが絶妙な会話劇になっているんですよね。
「あの頃。」はあれはあれで凄い好きなんですが何処か商業的な雰囲気もあったし、今泉力哉作品のイメージとしてはちょっと違う感じ。
でも今作は儲けとかを考えずに今泉監督がやりたかった事に近いのかなと。
決して大作ではないし、どちらかとミニシアター系の作品ですが、作品の雰囲気も好きだし、鑑賞中の劇場で良い作品を皆で一緒に観ている空気感を共有しているのも良い。
コメディと言う感じでもないし、かと言って硬い訳でもない。群像劇であるが、下北沢でこそ繰り広げられる青春の日常の一変の物語かと。
かなりお勧めな作品なので、興味があって、良質な作品を観たい方は是非是非な作品です♪
下北愛
ライブハウス、劇場、古本屋、古着屋、雑貨屋
怪しげなBARや喫茶店、深夜の居酒屋で打ち上げetc·····
さすがにあんなお巡りさんは知らないけど笑
私も若い頃の思い出がいっぱい詰まってる街
ザ・下北沢
今泉力哉監督が撮る若い子の感情表現が好き
つい笑ってしまう表情や言葉、会話の間が良い
青を取り巻く女性達の強さも良い
結構気まずい会話が多くて
演じてる方は辛そうだけど見てるコッチは何か笑える
若葉竜也さんは感情豊かな役が上手いですね
最後の成田凌さんとの場面、いい顔してた!
あと素人役者さんの役も凄く良かった
待ちに待った若葉さんの初主演映画!
これまで作品ごとに色んな表情を見せてくれていたのですが、改めて凄い役者さんだな、と思いました
ミニシアター上映なので満席が続いていますが
監督の思惑通りですかね?
広々した劇場より、私にはこの位の距離感が(スクリーンの大きさも)非常に心地よかったです
めちゃくちゃほっこり出来ます(個人的感想ですが)
またすぐに観に行きます
1回観終わってみて、もう又観たくなりました
不思議な魅力のある作品です(*˘˘*).。.:*♡
追記📚✨R3.5.19
すごくすごくリアリティある演技に
若葉竜也が改めて凄いな、と。
最初の別れ話シーンとか
ド緊張で撮影に挑む姿とか
イハとの深夜の恋バナで盛り上がる所とか
間宮くん追っかけないと!って言うとことか
そんな青に好きって言うユキにメロメロになる所とか
(*>ω<)b
公開からこんなに経ってもまだ満席だなんて
何度観ても愛おしい作品です
今日見付けたのが
白鳥座の所で告白に向かう猫Tシャツの後ろで
2番目に好きな女の子がチャリで着けてたwww
若い頃の恋愛の様だなぁ
時間ある限り、寝ても覚めても
好きな人の事ばかり考えてたな。。
大人になれば恋愛どころじゃなくて
仕事の事や親の事や考える事たくさん
あ、でもあのお巡りさんは仕事中でも
好きな姪っ子の事で頭がいっぱいでしたね!
ユキの頑なな心を動かす程の熱量があって羨ましいわ〜
間違いない。
これは、ヤバい!
やり取りがリアルやし!面白すぎ!!!
映画を観ていて、moosic lab色満載だな〜思いつつ、出ている俳優陣然り、その雰囲気然り、エンドロールに出て来る関係者然り、リアルガチ有名俳優陣を除くと、まるでmoosic labのオールスターを見ているようでした。若葉竜也さんの素人が初めてやる演技の演技には、そのやり過ぎ感に笑ったし、
特に、終盤の五つ巴のやり取りは、絶妙で、こうキタらこうキテそこに割り込んで又そこに割り込みの繰り返しはコント見ているようでヤラレタ〜と感じつつも、(私を含めて)観客は爆笑の渦。
リアルな長さだと感じられる少し長い間のとり方や本当にナチュラルな演技を含めて、丁寧に撮られてるな〜とも感じ入り。この映画、大好きです。
近くて遠い素晴らしいファンタジー。
今泉作品に何故ここまで自分は惹かれるのか。
どの若者も美しく感じる。姿も心ばえも。
こんな若者ばかりだったら素晴らしいよなと思い、こんな若者ばかりだったら少々息苦しいなと思ったりもする。
みんなきちんとしている。コミュニケーションもごくごく上手に見える。それぞれがそれぞれに当たり前に悩み苦しんでいるのだが。それでも、すごいよな、今の若い子たちとまぶしく見えてしまう。
力感が心地よい、登場人物たちがキラキラとしている、いつかは終わるかけがえのない毎日を愛おしく描く、この辺りが自分が今泉作品に惹かれる理由だろう。
こんな世界の住人になってみたい、でも自分には難しい、そんな近くて遠いファンタジーを観てきた気がした。
ユーモアのある映画だけど、コメディ映画張りに笑わないでほしい。
シネマカリテで鑑賞。たまに思うことはあったが、この映画館の平均年齢ってそこそこ高い気が、、、。確かにユーモア性のあるシーンは多いんですが、おじさんおばさんの乾いたケラケラケラって笑い声がマッチする映画ではないな、と。
テアトルで見たかった。
素晴らしい作品にはもれなく成田凌がついてくる⁈
今泉監督は、毎回私の個人的な期待を上回ってきますが(『あの頃』はまだ観てませんけど)、今回もまたやってくれました。
〝嫉妬〟という感情を、負のイメージではなく、コントロールなどできない恋心のひとつの表象として、こんなにも愛おしく描くことができるなんて、本当に凄いと思います。
私が前から感じる今泉監督の凄さ。
絶妙な会話や台詞で唸らされ(本作ではユーモアまで卓越)、次は決めの一言かな、というところで、えっ⁉︎、とか、うん?と一瞬戸惑ってしまうような微妙な〝間〟を入れてきてから、場面転換をします。
まるで〝次の一言〟に当たる部分は観ている私たちそれぞれの感性でその先を想像(時には選択)してください、そう言われているかのようなのです。
それでいて、なんの破綻も違和感もなく次の展開へ引き込まれていく。
例えば、雪が自転車に乗って去っていった後、残された4人の会話について映画では何も語られないけれど、観ている我々自身がそれぞれのお気に入りの人物になりかわって、自分だったらどうしてるだろう?などと知らず知らずのうちに想像してるのですね。
ラスト近く、城定イサが古着屋にやってきて、小さな嘘(カットされてなかった)をついた後、何か言いたげな表情と間をおいて、すぐに場面転換されましたが、私は監督の術中にハマり、イサが青と雪の関係に遂にただの友達を超えた〝嫉妬〟の感情を覚えてしまったことを伝えにきたのだと想像しました。
主要登場人物の一人ひとりに、映画で描かれている以上の膨らみや背景を想像させる手腕は、名人芸の域に達していると思います。
『まともじゃないのは君も一緒』以上の作品はしばらくお目にかかれないと思っていましたが、早くも少しも引けを取ることのない素晴らしい作品に出会えました。
本当にありがたいことです。
【追記】
上記で、主要登場人物の一人ひとりに、……
と書きましたが、訂正します。
主要でない端役の人物の一人ひとりについても、普段はどんな人なのだろう、どんな人たちに囲まれているんだろう、と想像をたくましくしてしまいます。
試着の彼と彼女、ぶっきらぼうな元関取、お巡りさんと姪っ子……
週末、また観に行かなきゃ❗️
今泉ワールド、コミカルなタッチ
今泉力哉監督の特徴がものすごく表れてる映画だと思うし、オリジナル脚本だったのかなと思った。様々な男女が群像劇のように同時にそこに居て、良い悪いの判断基準は出さずにものすごく謙虚で誠実な感じの若者たちの日常を垣間見ているようで好感もてた。
長回しのワンカットと寄りのバランスが絶妙。セリフもセンスあって掛け合い漫才のようなコミカル。5人の男女の場面は真剣なのにコミカルでおもしろかった。
至福の時間だった
これは不意に出会った最高傑作。
これだから映画はやめられない。
下北沢、、古着屋で働き、古本屋、飲み屋にラーメン屋、ライブハウスなど、馴染みの場所を一人でループする荒川青。自分は間違いなく彼と同類。
青を演じた若葉竜也くんと同化してしまったんだろうなぁ。出会う女性たちとのやりとりがたまらんかった。
別れるという穂志もえかさんに未練たらたら、古本屋で働く古川琴音さんは自分に気があるんじゃないの?なんて思い、学生たちが撮る自主映画の監督の萩原みのりさんに上げられ落とされた。
一番は映画の撮影クルーの城定イハを演じた中田青渚さんとの語らい。このシーンは神がかっていた。口下手のはずなのに途切れない会話。もれなくツッこんでくれるんで楽しくて仕方ない。関西訛りいいなぁ。
う〜ん、これは至福だった。
至福の時間だった。
映画から出るのが辛かった。
ずっと入っていたかった。
これが今泉力哉マジック。
全ての出演者、街が生きている
日常に溢れるちょっとしたすれ違いの可笑しさや、気まずさが続くヒューマンコメディ映画。
会話劇の面白さや間合いの良さ、テンポの良さでとにかく心地よい。
出番の少ない役者さんも含め、みんなが実在する人物のような錯覚を感じた。
下北沢のもつイメージにぴったりの映画だった。
さまざまな2人の会話劇の先に待つ最高のカタルシス
さまざまな組み合わせの2人の会話をワンカットで長回しするシーンが印象的な今作。
作品中の映画撮影シーンでカメラに撮られていることを意識し過ぎてガチガチになってしまう主人公荒川とは対照的に、本作に出演している演者は、カメラに撮られていることを忘れているような自然な会話が長回しで続く。あまりにも自然な会話過ぎて、2人だけの世界をこっそり覗いている気がして、なぜだか少し緊張感を持って鑑賞してしまっていた。
そして、あらゆる2人だけの自然な世界の先にある、「とある展開」がこれまでのこっそり覗き感覚で鑑賞していた気持ちを一気に解き放させてくれる最高のカタルシスを用意してくれていた。その瞬間、満席の劇場も、みんな思わず声を出してしまうんほどで、劇場で映画をみる醍醐味を久しぶりに体感することができた作品であった。ぜひぜひ映画館で見てほしい作品でした。
日常感
カッコつけない、あくまで日常を切り取ったような雰囲気が素敵な映画。いろんな人が出てきて、いろんな恋愛をしていて、それがいいとか悪いとかもなく、いろいろあって人それぞれ。長回ししてるのか、妙なリアルさがとても素敵です。カッコつけたセリフ、いいこと言ってやるぜ感がなくて。
後半の5人の道のシーンを中心にくすくす笑えるところがあっておもしろかった。
警察官の姪っ子がどんな人か気になる、笑。
間違いなく今泉力哉監督の映画
大切な友人が今泉監督のファンで、フォローしていなくても彼のTwitterの愚痴やらなんやらがタイムラインを横切っていく。正直、Twitterで幅を利かせるクリエイターは作品の評価を過剰に高く見積もってもらえる側面があるので監督のことは嫌いです。そこも本人は計算に入れているだろうし、そういうTwitterのキャラクター込みで仕事が増えたんだろうというのが正直な見解です。
そして、今回もその今泉ファンの友達に連れられてこの映画を観て、友達に少しだけ似ているような役がおり、何故か変な気持ちになりながらも間違いなく今泉監督の映画だなと思いました。不愉快でもないけど、退屈な映画。
映画を観た後、友人には正直に感想を言って色々な話に広がりますが、まあそれでも楽しく話せるので退屈な映画も友人と見るなら悪くないのかもなと思いました。
なんてことない
今泉監督作品がとても大好きです。初めて観たのは「パンとバスと2度目のハツコイ」です。この作品で今泉監督の作風にどっぷり浸かりました。
鑑賞前に舞台挨拶があり、今泉監督と初めて会えました。とっても落ち着いたトークの中でツイ廃の話だったりを交えたりしていて、とても面白かったです。監督が公開を延期した時に言っていた満員の劇場が実現できていてとても嬉しかったです。
そして本編。これがもう面白すぎました。下北沢については詳しくありませんが、下北沢って落ち着いた町だなぁと思いました。
それぞれの女性と出会いますが、そこそこのおクズちゃんが2人、質問攻めが1人、超フレンドリーが1人と、魅力的な女性陣がとても良かったです。いきなり浮気してるのに逆ギレしたり、過去を掘り返したり、自主映画に誘ったのちボロクソ言ったり、ホームへお招きしたりと、現実でもありえそうだなぁってほのぼの感じました。イハちゃんが良い子すぎてあんな子と友達になれるなんて青くんは幸せもんだなぁ〜!
若葉くん演じる青くんも序盤では感情抑えめでしたが、後半になるにつれ、感情をむき出しにしていく感じがとても好みでした。マスターと元カノと青くんとイハちゃんとイハちゃんの元カレととんでもなくややこしい関係から繰り広げられる勘違いでの言い合いが本当に面白すぎて今作で1番笑いました。他にも警官や役者希望のキャラクターにも笑いを誘われ続けました。
成田くんがかなり出演場面が多く驚きました。友情出演すげぇ〜!
愛おしい作品でした。最高です。一年待ったかいがあった〜!
鑑賞日 4/10
鑑賞時間 18:45〜21:10(舞台挨拶あり)
座席 G-4
どこもかしこも今泉力哉。やってくれたなオイ!
今泉力哉監督舞台挨拶&サイン会付き上映にて。
「わぁー!大好きだこれ!好き好き大好き!」これが鑑賞直後の心の叫び。
今泉監督の優しい演出とシュールな笑いが最大限に惜しみなく発揮されている。
上映中、満席の劇場内が笑いで包まれたシーンは沢山あったし、久しぶりに声を出して笑い転げた。
偶然が重なり続け非現実的なシーンが多いけど、そんな「非現実的」というのを観客に敢えてツッコませることで笑いをリードしている。
警官の複雑な話に、自主映画の控え室や、終盤に街中でキャラが大集合するシーンは爆笑必至!思い出すだけでも笑えてくる…
「映画」というより「コント」を観ているような感覚に近い。笑いのテイストで言うとアンジャッシュの勘違いネタに近いかな。
勿論、ただ笑える映画な訳でも無くクソわがままで面倒くさい恋愛劇でもある、というかそちらがメイン。
長回しで男女のリアルな会話を切り取るイメージのある今泉監督だが、今回は舞台挨拶でも語っていたが長回し会話劇が印象的。
特に城定さん(城定秀夫監督で名前を説明していたため印象深く覚えてる)の家での「友人同士」としての会話と「男女」としての会話は面白かった。
友人としてならベラベラ喋れるけど、男女としてだと買い被ってキャラ崩壊する。みたいなある意味恋愛の哲学的テーマについてあれこれ言い合う意見は今泉監督の持論なんだろうな。『有村架純の撮休』6話での「普通って何?」をなんとなく思い出した。
今泉作品は他愛も無い、又は奇妙な会話劇の中にポイと哲学的問いを提示して、それを好き勝手展開させていくのが見所の1つだなと発見。まだあまり今泉作品は観れていないからもっと観ていきたいな。
それにヒロインの存在も面白さの1つ。
・穂志もえか演じる浮気して翻弄する女性。
・古川琴音演じる恋愛に問題を抱える女性。
・萩原みのり演じる新人女性映画監督。
・中田青渚演じる主人公の「友達」である女性。
みんなクセが強くて面倒くさくて。それだけど生き生きとしていて。
女性蔑視が社会問題になってきて「女性をモノとして扱う男」という描写が際立つようになったが、今泉監督の映し出す女性はみんな様々抱えながらも自分勝手に活気よく存在していて、今泉作品にしか無い存在感がある。いい意味で女性らしくないというか。成田凌のセリフじゃないけど「男と女以前に同じ人間じゃないか」という感じ。
みんな生き生きとスクリーンに映されるし、その姿が体温を感じる程リアル。
だからみんな愛おしく感じるし、キャラが際立つ作風なので結果的に映画自体が愛おしくてたまらない。やはり今泉力哉、演出上手いなぁ…
あんなに客席が湧いたのは初めての経験かもしれない。満席って作品に集中しにくくなるから毛嫌いする人も多いけど、逆にみんなで一丸となって見守るような別の楽しさもあるから案外好きだったりする。
それにミニシアターは観客の反応が分かりやすいからもっと楽しいし、料金がシネコンより高くても通ってしまうんだよな〜
映画館という知らぬ人達が同じ体験を共有出来る空間にピッタリな作品です。さらにインディーズ映画的なレトロな空気感も漂いミニシアターとは相性が抜群な気がする。
爆笑必至の誰かと語りたくなる恋愛映画。
ある意味、究極のデートムービーだと勝手に思っています。
苦言は「もっとこの人達を覗いていたかった」のただ1つ。他は最高です。口コミで広まって欲しいな…
時間があったらもう1回観にいきたい。次は恋人と一緒に、っていないんだった……
俄然人が恋しくなる、ユーモア溢れる街の小さな群像劇
『あの頃。』を超える、今年のベスト。あの作品が涙でベストなら、こちらは笑ってベスト。ユーモアと愛と人のこと。可笑しくて楽しくてずっと観てられる。延々と部屋で流していたい。
率直な感想として、延期して良かったなと思う、申し訳ないが。若葉竜也と成田凌が朝ドラに出演したり、城定イハとは関係ない城定秀夫監督を『アルプススタンドのはしの方』で知れたり…。ちなみに、最近観た『さつきのマドリ』に出演していたタカハシシンノスケが萩原みのりと付き合ったり別れたりする役で出ていたのも嬉しかった。そうしたリアルとのクロスに加え、4人のヒロインがここ2年で知名度を上げたことにより、作品が熟されたことは大いに影響している。
次に、脚本の旨さ。本作に脚本に名を連ねている大橋裕之のユーモアがプラスに作用したのだと思う。『ゾッキ』のように角度のついた作品の表現者なのだから、くだらなくて愛おしい会話の応酬に一役買っているに違いない。
ミニシアターも相まって、ドッと湧き上がる笑い声や下北沢の柔らかい空気で起こる出来事が一体感を作る。だから、映画館に来て、知らない誰かと共感しているという体験が伴っている。それが最高に気持ちよくて堪らないのだ。
また、ビックリしているのだが、何故か人が無性に恋しくなる。友達とか、恋人とか、知らない誰かとか…。人に興味のなかった私が、誰かと話せる歓びと快感を渇望している。きっとこれは魔法。そういう作品なのだ。
小さな世界の街を切り取った、小さな空間に居候させていただく心地よさ。可笑しいのに愛おしい。ただ人が恋しくなる。喜怒哀楽どれでもいい。そのユーモアは確かに人の中に存在しているのだから。人と話したくなるのは、この作品が人間の"らしさ"と"本能"をくすぐってくるからだろう。
2021/5/21 2回目@イオンシネマ大宮
日常(と文化)に恋する映画の魔法 --- 舞台挨拶!余韻がすごい
聞きますよ、恋バナ。どう思う?アウェーもホームにしてしまう。下北沢という街への愛に溢れた今泉監督流『ハイ・フィデリティ』みたい。公開が1年延期され、今ではもう"日常"ではない日常に思いを馳せるよう。誰も見ることがないけど、確かにここに存在してる。相変わらず、どころか普段にも増しての長回しで生み出される独特の空気感が本当にいい。現場でのアクシデントやその場その場の空気がそのまま生かされているのを感じる、随所に見て取れる。どのシーンを思い返しても愛しい。この映画すごく好きだ、特別だ。何から何まで最高すぎる。あ〜すっげー悔しいなぁ…。すっかり他の作品見る気失うくらい。
初主演だからといって特段気負うこともなく普段のまま佇む若葉竜也の受け・リアクションの芝居がいい。友情出演の成田凌然り、やっぱり監督と初めてでなく、ある程度気心知れた関係だからだろうか。例えば、まるでウディ・アレンが自身の作品にまるで自分のようなキャラクターを出すように、荒川青という主人公もまた少し今泉監督っぽさがあるのじゃないのだろうか?…なんて考えてしまう。嫌味なくまっすぐピュア。
また、今泉監督は本当に女性を魅力的に撮る。そして、監督の作品の根底にある誰かを好きだという気持ちと、成長しなくていいという考え方。セリフなんかも小津さんばりに繰り返すオウム返し。ゆるりと、けどしっかりと困らされていて、考えうる、ううん、誰も考えつかないような方法で日常の延長線上を面白おかしく描いてしまう手腕には本当に唸る、頭が上がらないよ。
遂に見た!もう嫉妬、観客という形でしか本作に関われないことが何よりもどかしい。これ作りたかったと嫉妬しすぎて、つらくなるから、一時期少し避けていたほどに…。本作の存在を知ってから恐らく1年以上、やっとの思いで実際に見てみるとだめだ、めちゃくちゃ引きずってしまう。満たされたのに虚無みたい。本当はもっといい意味であっさりと楽しめるはずなのに、不思議と引きずってる。誰にも教えたくない。映画に恋した。これはパッケージ出たら絶対BD買う。下北沢に最近ずっと行っていなかったけど、すごく行きたくなった。また足を伸ばしてみよう。ラッキーオールドサンはもちろん最高だ。そういや彼らのライブを昔見に行ったのも下北沢だったなと思い出した。
P.S. 舞台挨拶。監督の手の振り方かわいかった。昔、ヒューマントラストシネマでオープンスタッフ(?)としてバイトしていたらしく、スタッフの人がなかなかポスター立てる台の設置手こずっていたら、自らされていて素敵だった。あ〜あ、2回ともチケット取っておけばよかったな。中田青渚さんを見るのは『ミスミソウ』の舞台挨拶のとき以来、2回目だったけど、勝手にすごく感慨深いものがあった。あと、森の妖精・精霊みたいな服装ですごくすごくかわいかった。天使かと思った。
作中ポスター『愛がなんだ』、『苦役列車』『嵐電』『きみの鳥はうたえる』
今泉力哉ワールドが全開!
東京 下北沢を舞台に繰り広げられる 若者たちの恋愛や愛おしい日常を切り取った群衆劇
別れた恋人のことが忘れられない男性
憧れの俳優と浮気をするも元恋人の良さに元鞘に戻ろうとする女性
歳の近い姪っ子に恋をするお巡りさん
いつも好きになるのは既婚者という女性
役作りのために必死に太る男性
気持ち良いくらいに物事をはっきりと言う関西弁の女性
小生意気な美大生の映画監督
彼女に振られても合鍵を持ち続ける男性
市井の人々の様々な恋愛模様や恋愛観が本作を通して浮き彫りになる。
『愛がなんだ』や『his』のように「こんな恋愛があってもいいよね」「いろんな愛があるよね」的な、今泉監督の全肯定が作品にも表れているから、彼の作品ってどこか温かくて瑞々しくて包み込んでくれるような優しさに溢れている(「あの頃。」「his」も優しさで溢れていた)。
また日頃私たちの感じている言語化できない気持ちをセリフや演出で巧みに表現している。
壊されてはつくられ、時代とともに移ろいゆく街のように、我々もいつか居なくなる。
だけど確かに存在する。街も人も、恋も仕事も友情も。人々の気持ちのズレやその時に感じた喜び悲しみ、あの人の温もりや冷たさも。
古着屋、古本屋、レコード、味わいのあるカフェ、バーやライブホールなどサブカルの街 下北沢の魅力も本作を通して伝えている。本作は下北沢映画祭からの依頼で2019年に製作されたんですね。
今作も今泉監督作品でお馴染みのキャスト陣が脇を固める。
彼の作品に出演するキャスト達は、親近感があり味のある人たちが多いから、観るものにリアル感を与えより共感を生むのかも。
最後の路上で男女が集まり、わちゃわちゃするシーンは可笑しかったなぁ。最高でした!
全201件中、181~200件目を表示