Redのレビュー・感想・評価
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「愛」は理屈じゃなくて…心の芯から感じるもの
震えました。人が…生きている間にこれほどまでに求め合う相手に巡り逢えた事が「奇跡」ですから。
レビューを読むと…人それぞれ男女それぞれ受ける印象が違う、視点が違う事が明らかですね。あと、その方の人生の厚み(愛についての)によっても全く感じ方は違うと思います。もちろん学歴や職歴や貧富とかそういうものではなく人間が生まれながらに持っているであろう「愛」の厚みです。心揺さぶられる程の愛を感じられる異性と出逢い、常識やモラルや様々な壁にぶち当たった経験値。その値で、この映画の響き方はかなり違います。
もがき苦しんでる塔子の心の痛み…私も感じていたから…。もちろん映画のような2時間で収まるストーリーなんかじゃない…もっと生々しく苦しく涙でグチャグチャになるようなこれまでがあった。自分の心の中は、誰かに理解してもらうものじゃなくて…自分自身でちゃんと向き合って見つめて、認めてあげないと……生きていながらにまるで心だけ死人のように真っ黒い塊のようになって輝きを失います。 周りの人が間違ってると言ってももし自分の心が求めるのなら…ちゃんと心も身体も息をしながら前に進んで行く方がいいに決まってるから。誰が悪いわけじゃない…夫も優しいし、子供も可愛いし、恵まれた家庭環境で「幸福」そのものなのかもしれない。でもそれは他人から観た形だから。自分自身が求めてないのなら、そんな場所も本人にとっては苦痛で「不幸」そのものかもしれませんよね。だからといって夏帆さん演じる塔子を完全に「良し」としているのではなくどう表していいか難しい程に渦巻く心の苦痛感を映像にする事、映像に出来ている事が素晴らしいと思いました。とりとめなく長々とすみません。最近「柄本祐」が好き(*^ω^*)
なんともなく、魅力的。推してます(笑)
文学が映像に昇華された美しさ
美しさに酔う
三島有紀子監督の映画は、五感に訴える映画だ。絶対映画館で、大きなスクリーンで見るのが良い。おいしそうなコーヒーが入る音、布をシャキシャキ切る音、人生の苦労を感じさせる階段の段差、少女のふわふわ感を感じる宙を舞う白い布。
今回も、冒頭からひりひりと突き刺すような吹雪の中、行き場を探して舞っているような赤い布が目に入り、悩ましげな塔子(夏帆)の表情に、ジェフ・バックレイの「ハレルヤ」がかぶさるように流れる。生々しく、しみいる歌声。「ハレルヤ~♪」と歓喜の言葉を吐きながら、なぜか苦しそうにも聞こえる歌声。これから始まる物語を予見しているようだった。
女性は、人生の中で様々な選択を強いられる。男性よりも,その選択を、周りから、世間から批判されることが多いように思う。だから、選択は、時に無難な方に流れ、自分を見失いがちになる。そしてある時、選択の間違いに気づく。軌道修正するかしないか。これもまた選択だ。
何かを好きになることは、人間に与えられた最高の能力なのかもしれない。そして、それは、人生の隅々まで、影響を及ぼす。そんなことを思った映画だった。
何も感じるものが無かった
夏帆ちゃんきれい。
久しぶり映画らしい映画を観たという印象。
映像きれいだし、漂ってる空気感で、観ている人なりが読みとっていくっていう、こういうのが映画だよな、って思う。
夏帆は魅力的だったけど、男性目線でなく、女性監督が選んだんですね。
女性は良妻賢母ありきにまだまだ縛られている、っていう、絵に描いたような幸せならそうあるべきという日本社会の風潮を問いかけてるけど、
でも安直にそれを選んでいるのも本人だし、
男性の働きかけ次第で変わっていくのもまた、
なんだかお人形さんのような可愛らしさの夏帆ちゃんがやるから、リアルなのか、皮肉なのか、ちょっと考えてしまった。役としてははまり役でした。
こんなにきれいな女優さんなのに、ちょっと大人しくて
もったいないかな、もっと活躍して欲しい気がします。
でも、恋愛が人をかくも掘り下げるのは確かだし
肌の触れ合いは、欲望というのを越えて、巡り合う運命で求め合って生きている意味にもなるし。
こういう映画を観て、自分も掘り下げられた気になる。
それって満足感、充実感ですね。映画ならではの。
口出しするな!
働いてもいいと、結婚するとき約束したじゃない。国立市の高級住宅街に暮らす村主塔子(夏帆)。一人娘ももうすぐ小学校に上がることもあり、かつての不倫の仲だった鞍田秋彦(妻夫木聡)と同じ会社に就職しようと決意する。夫の真(間宮祥太郎)も優柔不断というか、かなり偏執的な愛のため結婚した経緯があった。偏執ぶりはタイトルから判断願います・・・ん、変質だったか?
谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」という本が一つのテーマとなっていて、それが塔子や秋彦が設計事務所という繋がりも見せている。読んだことないのですが、部屋の隅々まで明るくすることで陰翳の中の美学を確立するという内容らしい。
普通の不倫ものといった感じもするのですが、トンネル内の赤いランプ、雪の上の血など、色彩にはこだわりを見せています。明るさという点では大きな窓にこだわったり、酒蔵のデザインにもこだわる塔子。清楚なママさんを演じていたのに、秋彦との再会により急にエロくなっていく様子も面白かった。
新潟県の雪も印象的でしたが、2年前の大雪被害をも思い出させてくれました。また、家を作るなら~♪という歌まで・・・
寒々とした中ぬるいベッドシーン
愛するとは何か。。を深く考えました。
妻夫木+えもたす+間宮=
「最後に抱いてくれる?」この妻夫木さんの台詞!!!
この声量、声質、最高でございました!!!
こんな(※※)作品じゃなく!!
もっとちゃんとした設定で、ぜひこの台詞、おかわりおなしゃす!!!
と、原作が好きじゃない作家さんだったんだけど、
妻夫木さんとえもたすが何やらエロいと聞いたので、
下心だけで観てきましたw
正直、内容なんてよくある感じだし、
こういう結婚しちゃいけない女っているし、
オチも読めたし、そんなに面白かった作品ではない。
でも、台詞なんだよ台詞!!!
この二人の放つセリフのまぁエロいこと!!!
えもたすもエロい!!
コダカさんだがオダカさんだか、もうどっちでもいいや、
この路線で10年食えそうな勢いですw
この二人と、最近同じような立ち位置の間宮祥太朗、
この3人で十分だった気がします。
辛口なことを言えば、
セックスシーンだって全然見応えないし、
女性監督ならではの悪い癖も出ているし、
ここじゃねー、これじゃねー感があちこちにあるしで、
いろいろツッコミも尽きないけれど、
とりあえず、それらどうでもいいと思わせるほどに、
最後の妻夫木さんのセリフが素晴らしかった。
ちゃんとした設定で、もう一度聞きたい。
妻夫木さん!!!
私、脚本書きますから!!!
その時はぜひその台詞、またお願いしますwww
尺の長さ?
女の一人称映画
商社マンの夫と娘、夫の両親と何不自由なく裕福な環境で安穏に暮らす主人公・村主塔子という女の、徹底して一人称の映画であり、彼女を通して三島有紀子監督が描く、女であることの苦悩と女であるゆえの煩悩を、粘液的にねっとり絡みつくように映像化した抒情詩が本作です。
毛穴がはっきり見て取れるほどの極端な人物の寄せカット、手持ちカメラの長回し、暗然とした色調、更に台詞が極端に少ない映像は、自ずと官能的で蠱惑的な情炎を内に滾らせ、観客が冷静にスクリーンを眺めることを許しません。台詞が少ない、ト書きの多い脚本であり、従い役者のドウサ(演技)の演出は監督の独壇場となり、三島監督の制作意図が直截に表現されたと思います。
引きのカットは殆どなく、また決して女の煽情的な衣装やアクションは皆無ゆえに、却って女の心の奥底で醒めた炎が消炭の中に熾り続けているような、予測不能な不気味さに慄然とします。少なくとも男の私にとっては・・・。
10年ぶりに再会した男は、多分消炭を熾らせた触媒に過ぎず、己も無自覚に鬱屈していた女は理性では動かず、感性、更に言えば子宮で行動するのでしょう。男との情事のシーンの長回し、これも台詞はなく、ただ濡れ場が延々と続くものの、その描写は極めてソフトで胸部や下半身は一切見せません。
女性視点である所以ですが、繰り返される情事は全て男の射出感覚ではなく、女の分泌感覚で描かれており、突出した一瞬の爆発ではなく、終わることのない濃密で粘っこく絡みつくような描写で終始します。
劇中「男は1000年経っても男のまま」という台詞があります。男は、少年のままに齢を重ね、遂に老年に至り少年のままに死を迎える一方、女は一生涯変貌し続けるということでしょうか。全く異なる生き物と言っても良いのですが、それ故にこそ、実に微妙なバランスの上で共存し共栄してきたのでしょう。
冒頭、雪景を疾走するトレーラーの、長尺荷を警告するための真っ赤な(Red)布が烈風に激しく靡く様、そしてラストでは遂にその赤い布が風に吹き飛ばされてしまう、その血の色を連想される“Red”こそ、本作に相応しいエスタブリッシング・ショットでした。
孤独な恋愛
島本理央の原作は既読。恋愛の心理描写と駆け引きを巧みに表現し、男女の縺れ合う官能の世界を濃密な性描写を交えて綴られ、きわどい表現にも挑んだ大人の恋愛小説。
ただ、本作はそこまで踏み込んだ描写や展開にはなっておらず、やや肩透かし。キスシーンだけで、R15というのどうなのかな…?
ストーリーは、真面目でマザコンの夫、昔の恋人で強引な鞍田、同僚で軽薄な小鷹の3人の男達に、最初は翻弄されている様に見えた塔子の揺れ動く女心を描く、悲恋ストーリーです。
しかし、原作で描かれている、塔子が次第に男達を巧くコントロールし、女の内面に宿る強かさが滲み出てくる様子は、今ひとつ伝わらなかった。まぁ、正直どの人物にも共感はできなかったのですが…。
妻夫木さんと夏帆さんは、それなりに良かったと思います。でも、欲望を貪り合うような原作に忠実な役柄としては、2人のこれまでのイメージが邪魔した感じでした。
でもさあ、人間、どれだけ惚れて、死んでいけるかじゃないの?
佇まいだけでクズ臭が漂う鞍田と、いまだに過去の甘味が身体から抜け切れていない塔子。エピソードがひとつも出てこないので想像するしかないが、演じる妻夫木の冷めた目、夏帆の訴えかける表情で十分それは伝わってくる。それは孤独な男と孤独な女ゆえ。そして、暖色系と寒色系の色彩を、立場や感情に合わせて巧みに訴えかけてくる映像、それが醸す空気。そこらへんは監督の見事な手腕だ。
だけど、反面、そこが女性監督ゆえの弱点。美しい恋愛映画にでも仕上げようとしているのか、泥臭さがない。だいいちこの映画、脱ぐ勇気をもたない女優が主役ってどうよ。塔子の覚悟が見えてこない。役者の覚悟(例えば「火口のふたり」の瀧内ほどの)が足りないから、説得力も足りず、塔子の最後の選択を許す気になれない。そりゃあ僕だって、一人の人が好きで忘れられないなんて人間の性、業なんだもの、しょうがないと思っている。だからこそ、そこは他人をねじ伏せるもの、つまり、”どれだけ惚れたか”をみせてくれることを期待したのだが。
赤=止まれ?
嫌なものは嫌
夏帆さんの切ない表情がよい
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