Redのレビュー・感想・評価
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彼女は鞍田と再び男女関係をスタートさせた。 数回ある長い性的行為の描写、 そのためにこの映画はR15+に指定されている。
動画配信で映画「Red」を見た。
2020年製作/123分/R15+/日本
配給:日活
劇場公開日:2020年2月21日
夏帆
妻夫木聡
柄本佑
間宮祥太朗
片岡礼子
酒向芳
余貴美子
予備知識なしで見はじめる。
映画タイトルの「Red」がなんの意味かは分からない。
劇中で赤い布がひらひらしていたのは覚えている。
塔子(夏帆)は主婦。
幼稚園に通う娘がいる。
マンションかと思うよな大きな一戸建てに住んでいる。
相当なお金持ちのようだ。
夫の仕事の関係のパーティで塔子は男(妻夫木聡)を見かけた。
はっとする。
追いかけた。
見失う。
ぱっと手を取られて引き寄せられた。
唇を奪われる。
強く。
何度も。
それに十分に応える塔子。
ひょっとしてこの映画は不倫がテーマなのか?
二人は旧知だった。
建築士の鞍田(妻夫木聡)。
大学時代鞍田のアシスタントのアルバイトをしていた塔子。
二人は愛し合っていたことがあった。
10年ぶりの再会だった。
夫(間宮祥太朗)との意思の疎通、義母とのやり取り、
期待されている妻、母親としての存在、
そこからはみ出さないように生きていた塔子。
彼女は鞍田と再び男女関係をスタートさせた。
数回ある長い性的行為の描写、
そのためにこの映画はR15+に指定されている。
会社勤めをまたはじめた塔子。
塔子にちょっかいを出してくる小鷹(柄本佑)
魅力的な女性なら結婚していても相手は気にしないようだ。
鞍田とのやりとりが続くうちに、
塔子にとってすでに鞍田の存在が夫よりも大きくなっている。
そして最終的に塔子がした決断とは?
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
焦点が絞られていていい
主人公トウコの心情を描いた作品。
タイトルの「Red」は多義的だ。
赤という色の示す意味 制限を超える荷物を積んでいる警告の旗 その対象は個人かそれとも全員か?
トウコとクラタの間に落ちた赤い旗 それをまたいでクラタの車に戻るトウコ。電話ボックスの電話の上に捨ててきた結婚指輪。一線を越えた二人。
この作品は女性の幸せがどこにあるのかなどという昔じみた感覚はなく、恵まれていながらも不自由な生き方をしてしまっている女性にとって、本当に選択すべきことは何かを問いかけている。
物理的設定も面白い。愛する娘 優しい旦那と裕福な生活… それと天秤にかけるのが昔好きだった男 悪性リンパ腫を患う余命宣告された男。
コダカがトウコや彼女の身の上、クラタのことなどを見抜いていたように、クラタも好きだった女性トウコのことも家庭内の事情も見抜いていた。
だから新潟まで車を走らせたのだろう。大雪のため、飛行機も電車もすべて止まってしまっているにもかかわらず、タクシーでも帰って来いという夫。
下道で帰りながら途中で見つけた電話ボックスから自宅に電話すると、「どうやって帰っているの? 君のことが心配だ」などという夫の言葉に腹が決まる。
当然一番気がかりなのが娘ミドリのことだ。
しかしミドリが今後育つ上で不十分なものは何もない。
これ以上村主家には居られない。
彼女がそう決断するまでのことを描いている。
Redとは、今までずっと赤旗状態で生きてきたトウコのことを指しているのかもしれない。
腹が決まったことでその旗が取れ、赤旗ではない場所、好きな男の場所へ行くことができたのだろう。
その時トウコはすべての犠牲を払うことになっても、自分自身の心の自由を選択できたのだ。
一昔前の映画にはなかったものだろう。
生きるとはいまであり、そこに先のことなどない。
自分の心だけに従い、夫や村主家、娘のことさえも自分の心よりも下に据える。
自分の気持ちを何よりも優先するという思考は、これから主流になっていく思考だと思う。
指輪を捨ててクラタの車に戻ったトウコにはどこかすっきりした雰囲気が漂っていた。
そして、クラタが死んだ後も、トウコは娘にせがまれても、元に戻ることはしない。
最後のシーンは、あの日トンネルを抜け雪の世界から抜け出したとき、美しい朝日が二人を包んだシーンを、トウコが思い出したことで作品が終わる。
あの日の誓い、そして二人で見た朝日。
自由を選択した時、初めて訪れた光景。
「そこ」にしか自分で創造できる未来はないのだろう。
良い作品だったと思う。
不倫することに微塵の躊躇もない
まず、夏帆の母親、娘の婚家に来てあの態度はないな、と思った。嫌味を言われたわけでもないのに常識なさ過ぎる。娘を妬んでるの?
一時の恋愛に溺れて娘を棄てるとか何事?ああ、自身の父親と一緒か。
この人はあっちやこっち、どんどん恋愛する人なんでしょうね。ホント、こーゆー人は結婚しない方がいい。周りがみんな不幸になる。
会話もないし大したエピソードもないし肉欲に溺れた人の話。
女ってのは、大変だぃね…
正解なんて無いのだけれど、賛否両論は必至だろうな。
原作は未読なので、映画で現してる部分だけだと浅いのかも知れないが、それでも心情をさぐると深さを感じた。
誰がイイ人で、誰がワルイ人、と云った区別はし難い。
かけがえの無いモノ、も人それぞれだから、プライオリティも人によりけりだと感じた。
数年後に観直すと、また違った観方になるかも知れない。
今はなんだか寂しい気持ちにさせられた。
視聴後に余韻が残る。セクシーだった。家族が現在の日本では優先されな...
視聴後に余韻が残る。セクシーだった。家族が現在の日本では優先されない価値観になった。お金至上主義による政策、システムは家族を分断させ、シェアや助け合いを阻止する。
本作は、妥協ではなく本命を手に入れよう、というメッセージがあったと思う。代償を払うリスクなしで望みが叶うことはない。おかしな狂った世界から、または居心地の悪い空間から抜け出すには、出口へ向かって進んで行かなければならない。常識や同調圧力などの恐怖のトンネルを抜け出すには、駆け抜ける勢いが必要だ。主人公は「鞍田さん」が一緒だったから可能で、鞍田さんが全てに勝る事だった。全てを捨てるほどの価値があった。
さて、自分が本当に望むものは何だろう。
妻夫木やっぱりかっけーわ
夏帆ちゃん主演でR15なんで
「大人の恋愛映画」とやらを
一人で鑑賞しましたよ。(悲)
んー?R15の場面は無かった。
見逃した?寝てた?
カネ返せー
それにしても妻夫木やっぱりかっけーわ。
あんな風に生まれてたらねえ(笑)。
50点
イオンシネマ近江八幡 20200319
原作が大好きなだけに残念
これも1つの物語、と割り切って観るなら良いかもしれない。
でも原作で大いに共感した立場としては、映画の結末に意外性と衝撃を感じながらも、残念という感想が先立ってしまった。
あの夫は原作の中で最終的に憎めないところが出てきたり、主人公を追い詰めるのは決して夫だけでは無かったり、そこがこの物語の重要性だとも思っていたので…。
でも2時間の映像の中で盛り込むには無理もあるかと。
だから、こういう形になるのも、1つのストーリーとしてはアリなのかなって感想を抱いた。
キャスティングはとても合ってる!と思った。地味だけど綺麗で清楚と思ったら妖艶さも纏う塔子、影があるけど熱を帯びた眼差しの鞍田さん(思い描いていたよりは若い)、飄々としてるのにここぞと言う時に核心をつく小鷹さん…イメージにぴったりだった。
あとはタイトルのRedに寄せた演出が多い様な気もした。要となる場面はさすがに映像化しにくいか…と。
トータル的にちょっと残念感が勝る印象だった。
女の不倫!
日頃の夫への不満を発散すべく、意気込んでDVDを見ました。
素晴らしい表現。
令和になっても、依然子供の責任の多くは母親にあり、母親自身が幸せな状況でないと、子供の真っ直ぐすぎる愛情に応えるのは難しいものです。
だからこそ、世の夫様達には、奥様を本当に理解して、愛せるようでいてほしいなと思います。
夫の理解と本当の意味での愛。
女性にとって最も必要なものだと思う。それが得られないとわかった最後の場面で、1人、もうこの世にいない恋人の死に取り憑かれたように歩いていく塔子、恐ろしい表情。見事だった。
ただ、ただです。
できれば、みどりちゃんに最後のセリフを言わせたくなかったな。
お母さんと同じ道は歩みたくなかったのでしょうが、できれば、別れを告げるのは旦那さんだけにしてほしかった。
廃人のようでしたね。
捨てる、てこういうことだよ。ていう隠喩なのかな?と思いました。
本当の愛に生きたいのなら、もうちゃんと持っているじゃないですか。
子供との間に。
自分が死ぬとわかっていて、あえて塔子を探し出し、家族をも捨てさせてしまった鞍田さんの愛も、旦那さんのそれと同様、勝手なものだな、と思います。
塔子にももう少し我慢して欲しかった。
大きくなったら、建築家のお母さんのすごさが、みどりちゃんにもわかったに違いないからです。
女にとって真実の愛って、男の人かな?
演技だけを観る
言葉少ないヒロインの表情や、雪のシーンにそこはかとなく漂う物悲しさがとても良くて心を掴まれるのだが、センシティブなテーマだけにちょっとでも自分の考えと違うところがあると途端に拒否感を覚えてしまうので、物語には目をつむり俳優の演技だけを観るようにしていた。なぜ悲しい顔をするのかと問われれば、私の解釈では、それは不合理な選択と分かっていてもそれを理性で止められないからだ。
こういう柄本佑が見たかった
柄本佑がいい。
二人の間を一歩引いて見てる感じとか。
「火口の二人」よりずっと色っぽい。
あらすじ紹介にある「なんの不自由もない暮らし」って。
まさか。
大きな家があれば不自由ないって言う?
しかもDVなんかより、あからさまなマザコンより
ずっとずっと始末に悪い。
でも言わない妻も妻。
聞き分けのいいふり、大人のふり
いいなりで暮らしている日常。
本音は何も言わず、望まれるままに摩擦を避ける事だけに終始する日々。
だとするなら妻もまた夫に対して非道。
何が不満なのか想像する事が出来ない夫にとって、妻の行動はまったく寝耳に水だったろう。
母親の育て方が間違っているわけだが
だからと言って、物語に登場しがちな紋切り型の最悪な人格の馬鹿親ってわけでもない。
この映画の最も違和感の出るポイントは幼い娘と塔子の関係。
そこには姑との同居で子育てするのとワンオペでするのとでは手間の掛かり方が違う以上に、自分の責任範囲が分割されるという状況が影響してくる。
いくら夫が神経数本抜けてようが、無遠慮で横暴で身勝手でそれを無自覚である点を含めても
ママ帰ろうと泣く娘の手を離す、この場面に対する違和感は(たとえこの子役が子役感満載だとしても)男女ともに拭い難い。
それは
夫が言う 押し付けがましい母親の役目 への反動、、、
それだけではない。
「ママと暮らそう」
そう言えないのは自分の罪深さを自覚しているから。
そしてそこには、同居の義母との子育てが少なからず影響する。
自分がいなければ死んでしまうだろう状況で育ててない子育てなのだ。
女も全員が男への恋慕に勝る母性を持っているわけではない。
保険金のために我が息子の頭を押さえて海に沈めた女が昔、佐賀にいた。
最後に助けを求める相手は母親でしかない少年はその命を母親に奪われた。お金と引き換えの、それも男に狂った母の手で。
そんな狂気はない塔子の行動は、塔子の側からの描写では視聴者の同情も引き、母もまた女であり人間である事を感じさせるけれど、
実は幼い娘に残す傷は思うより深い。
普通は、そうか。
本能で生きることを選んだ女性のはなし。
「普通なら」不倫するにしてももっとずる賢くうまくやってのけるのかもしれない。でも塔子は、自分の理性を捨てることを選んだ。
この作品には3パターンの男性が出てくる。一般的な幸せを築くのにちょうどいい旦那・人生を賭けて恋愛する運命の人・温かい愛情をくれる上司
塔子ははじめ、ずるい女だった。職場の上司を利用してうまく不倫を始めようとした。その狡さと器用さは、徐々に精神を蝕んでいって、幸せのために必死に我慢していたことがどんどん我慢できなくなってくる。
伝えるべきだったこと、話し合うべきだったこと、それらを全部飲み込んで、結局目的の一般的な幸せとはかけ離れたところに堕ちてしまう。女性の恋愛にはこういうことが大なり小なり起こりがちなのでは無いだろうか。
初めて、行為中のシーンで泣いた。恋愛は運とタイミング、とはよく言ったものだ。好きな人同士が結ばれることは普通喜ばしいことなはずなのに。タイミングを一歩間違えただけで、塔子はとてつもない孤独に向かっていくことになる。この刹那的なセックスがどうしようもなく辛かった。
不倫肯定の作品、というより、女性にとっては自分自身の恋愛と重ね、ときに反省させられるような作品なのではないだろうか?
加えてとにかく音楽と役者の演技がいい。全体的にセリフは少ないが、目線や表情、カメラワークで伝えるべきことを伝えてくれる。無音のシーンが多いが、表情や自然音などで惹きつけられるのも非常に印象的。そして妻夫木聡さん演じる鞍田さんがとにかく魅力的。何もかもに諦めているような表情と時折見せる愛おしい表情に色気がすごい。そして女の危うさを明暗さまざまな表情で魅せる夏帆さんもとても魅力的。
お前、本当に何で結婚したの?
その一言に尽きる。当たり前のこと言うけど、旦那、子供がマジでかわいそう。塔子にとって鞍田しかいなく、鞍田にとっても塔子しかいなかったのだろう。旦那や小鷹の方がどう考えても良い男だが、そーゆーことじゃない。鞍田の元へ行く塔子は、どう見てもやつれていた。だが、心底惚れていた。母の言う通り、好きに生きることに決めたのだ。しかし鞍田を失う塔子はどうなるだろうか。前向きに生きるとは思えない。やはり共に死ぬしかないのか。
クライマックスの大雪のシーンが合間に出てきて、先が気になる演出だった。
とにかく妻夫木がかっこいい。
儚さは伝わりました
所謂条件面では何不自由ないんでしょうが、心が満たされないのは良くあるパターンで。
昔好きだった人と再会し、同じ職場で働いてより距離が縮まるのも良くあるパターンで。
その好きだった人は病気で先が短そうというのも良くあるパターンで。
原作を知らないので何とも言えないですけど、作品の要素としてはとにかく良くあるパターンでした。
でも、儚さだったり、各々の胸を熱くさせる想いと言うのは痛いほど伝わってきました。
理屈や何が正しいかは別で、非常に人の想い・感情にフォーカスした作品なんだと思いました。
作品に流れる空気感はとても素敵で、出演されている俳優さんの演技も良かったと思います。
原作を読んでいたので。。。
原作を読んでいて、話の背景を知っていたので流れについて行けましたが、原作のように主人公の感情の浮き沈み・悩みが描き切れてないので、非常に雑な展開に思えました。
原作では、主人公は、もっと悩み苦しんだ上の選択でしたが、映画だとなんだか・・・
ナラタージュの映画が良かっただけに、残念。
生ける全ての人間に
生いている、もしくは亡くなった方全てに個々の人生があった。
愛され愛し合う事が人間としての尊厳であり生きる意味でもある。
自由奔放で生きれれるなら、それが幸せなのかどうか。
そんな事を考えさせられました。
人間は自由であって良い。ただし、その行動に於て責任は自分にある。
見方による
確かに婚姻関係を破綻させる節はあるが、既婚者&男性の立場からすれば、
ただの不倫を美化してる映画に過ぎない。
自らと母を残して、女と駆け落ちした父と同じ事をしているだけ。
映像的には赤が際立ち、美しいシーンが印象的。
母性本能なるマスコミの造語から女性を解放するかも。
夏帆が子を愛せていないかもな表現は新味。
元彼との性交や仕事への愛着に比して子への情愛は格段に薄い。一応は泣くが。
観客がこの子を可愛いとは思わぬように巧妙に撮られている。
母性本能なる非科学的なマスコミの造語から女性を解放するかもな一作として記憶しよう。
原作とは異なる箇所がなんとも
生粋の島本理生作品の読者である私だったが、今作品は退屈だった―と書こうと思ったのはラスト5分までの話。なぜなら、ラストが原作と異なっていたからだ。
映像で、役者の方の演技で異なる部分は大きいと思うし、原作を読んでどう感じたのかなんて様々だ。特にこの作品はそうであろう。夏帆が何らかの雑誌のインタビューでも話していたように、小鷹とのやり取りでは素が出ているように感じる。塔子の目を覚まさせようとする場面もあった。しかし塔子は、「生涯でただ一人惚れた女性と結婚した」と豪語するも考え方に前時代的な部分が多く見受けられる真をパートナーにしている。その後彼と袂を分かつも、最終的に選んだのは自らの情欲に溺れさせてくれはするが「一生一人で生きていそう」と感じさせる鞍田。原作では母としての自分と女性としての自分を天秤にかけ、前者を重んじたような表現が見られた。どこまでも自らの殻を破れない女性であると感じたと記憶していただけに、この終焉には衝撃だった。
原作と異なり、女性としての自分を重んじるところにしたたかさを感じさせられた。「一生一人で生きていそう」と思いつつ、また自らも小鷹にそう言われつつ、この人は私がいなければ、という気持ちが疼いたのだろうか。以前インタビューで作者である島本が「三十代になると女友達の重要性がわかる」といった話をしていた。塔子にはないものだ。溺れるような恋愛をする塔子を止めたのはただ一人小鷹だけ。彼女はそれを「1000年前から男は男」であると突っぱねる。もし彼女に女友達がいたら、客観的に物を言う女友達がいたら、何か違っていたのかもしれない。
私は緑に感情移入する部分もあった。いくら父親や祖父母に愛されようが、自らを産んだ母親の存在は格別であろう。緑が幼稚園で塔子を待つ場面、そして最後塔子と別れる場面、胸を締め付けられた。
原作でも今作でも感じたのは、男性の愚かさである。真は与えられたものに対し感謝し満足するのみで、塔子について何か察することは愚か、返すことさえもしない。男は働き女が家や子を守ることが当たり前だと考える男性がこの世から一人でもいなくなることを祈りたいものだ。
全90件中、1~20件目を表示