NO SMOKINGのレビュー・感想・評価
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都会的
細野さん個体での活動を全く知らなかったので、 とても興味深く楽しめました。 知らないことを知るのは良いですね。 あとは、やはり、育ちが良いなー、と。 終戦後であの生活は富裕層だなー、と。 育ってきた環境も多分に影響されているのかと。 都会的ですもん、やっぱり、仰ることも音楽も! 終戦後で、あのような生活ができるということは、結構な富裕層だなー、と。 育ってきた環境も、多分に影響されているよなー、と。 都会的ですもん、やっぱり、おっしゃることも、音楽も!
ご本人の幼少期からの回想、学生時代の風貌、ミュージシャンになりたて...
ご本人の幼少期からの回想、学生時代の風貌、ミュージシャンになりたての頃の話、音楽活動50年にも及ぶ積み重ね、周囲の人々とのつながり… 深いドキュメンタリーでした。周囲の人脈が、どのお方も第一人者のような凄い方々ばかりで、改めて驚きです。 私的には、Yellow Magic Orchestra の頃からファンを続けていますが。さすがおそるべしと再確認できました。 2023/08/28 有楽町マリオン "I'M A SHOW" にて鑑賞。音質もよく、いいシアターでした。
どうして誰もかれも過去を振り返りたがるのだろう。
人はいくら多くの経験をし、その経験を積み上げたとしても、それで自分を肯定したり、満足することなどできやしないんだよ。いまある状態の中で、自分の望ましい生き方をし、その中に意義を見出していくものなのだ。そんな生き方ができればそれに越したことはない。 「はっぴいえんど」「ティパンアレイ」も「YMO」も過去の遺物でしかない。いまも色あせることはないような気もするけれど、過ぎ去ってしまった美しい曲たちなのだ。思い出すだけ息苦しくなる人たちもいる。細野晴臣は分かっているのだ。残された時間が少ないということを。 だから、画面の中で呟いたのだろう。「やっと、歌うことが好きになった。愉しくなった。」と。 音楽で一番難しいのは、やはり、歌うことだったのだ。 50年もの時間を費やして得られたそのことを彼は誰に伝えておきたかったのだろう。。。。。
偉大なる、生ける伝説から「真の個性」を学ぶ
海外の文化をいち早く取り入れるハイカラな両親の元に生まれた細野少年は、幼少期から両親に連れられ銀座の繁華街を頻繁往来し、知り合いにはコロンビアレコード女性編集者などがいて、最新のファッション、カルチャーや音楽に触れられるようなナウイ環境にいた生粋のシティボーイである。 後の彼の、常に時代の先をゆくものや誰もやらないものを求めて進んでいく彼の精神性の礎を築いたのは、この粋な都会の大人たちの温もりと人情ではないだろうか。 彼が後年、星野源やコーネリアス小山田、水原希子からマックデマルコまで若くて新しい才能に積極的に関わっていく姿勢も、若い時から老いていて老いてからも若いという感性も、戦後間もない江戸っ子の粋さとシティボーイ的な洒脱さ、親譲りの新しいカルチャーに敏感なアンテナやそれらをすんなりと吸収する能力、それらの賜物か。 本作で細野氏が「誰もやってくれないから自分がやるしかない」といった旨を語っていた。 あらゆる分野の優れたクリエイターというのは、 これと同じことをよく言っているなぁと思った。 芸術だと岡本太郎、作家だと松本清張、中島らも、村上春樹、漫画だと手塚治虫も赤塚不二夫、みうらじゅん、アニメーションでは宮崎駿や庵野秀明、芸人ではタモリ、ビートたけし、音楽だと大滝詠一、高田渡、いとうせいこうあたりが「誰もやらないから自分たちがやるんだ」という精神性や使命感について語っていたのを聞いたことがある。 (彼らが創作意欲などについて語っている動画やエッセイについて調べれば出てくると思う) どれも一時代を築いた開拓者たちである。 こうした開拓者たちは文化や時代の必然性のやうなものを肌感覚やら第六感のやうなものでわかっている。 時代を創る人々はみなこのような能力に長けているのやもしれない。 日本語ロックからトロピカル、テクノからワールドミュージック、ゲーム音楽にアンビエントと常に時代の先を行っていた細野氏も間違いなくそのタイプであろう。 昨今の「次はこれが来る!」とやたらとうるさいマーケティング業界やビジネス業界に完全にムーブメントを掌握されてしまった現代には、この使命感を持ち合わせている人間はどれだけいるのだろうか? 憧れの真似事と悪目立ちする自己顕示欲ばかりで、カルチャーの加速度というのはテクノロジーの加速度と比べて非常に停滞してしまったように思う。 というのも自己顕示欲と使命感というのは全く別物であり、昨今はSNS事情により「俺が俺が」という承認欲求ばかりが悪目立ちする時代になってしまったわけだ。 これが最悪なのは本人らはあたかもオリジナリティがあるように装っているが、実際のところそれらはオリジナリティからは最も遠いところに存在することを知らない。 小林秀雄は個性に関して 「人間ていうのはそういった意味の個性は、その人のオリジナリティではないんです。それはむしろスペシャリティです。特殊性です。こんなものは誰にだってあるんです。」と言っていた。 これと似たようなことは 「自分を消さない限り、表現ってうまれないんですよね」橋本治 「真の個性というものは、何度も何度も模写した中でそれでも滲み出てくる自分のくせ、のようなものである。」養老孟司 村上春樹も個性とは足し算ではなく引き算だといったことを言っていた。 自己表現についてのこられの似たような記述は枚挙にいとまがない。 情報過多で足し算の個性、造られたオリジナリティが氾濫する世の中にあたり、このような偉大なる先人たちを振り返りつつ、人々はも少しだけ冷静になりながら世界を見つめる視線を持つべきではなかろうか。
遊びに来ました細野さんちへ
ドキュメンタリーなんだけど、「Bar 細野晴臣」に飲みに行ったような感覚が終始残った。 これまでがあるから、今の細野晴臣がある。 教授と高橋幸宏との偶然のセッションは鳥肌が立った。 紡いできた歴史、それぞれが重なって、また離れて…。 あんな風に歳を取れたらステキだなーと思った。 どうやったって喫煙を止めない細野さんw どうぞいつまでもお元気で。
煙が聴こえるひと
野球帽の少年のエピソードが大好き。きっと宇宙人に出会った気持ちだったと思う。 同人誌のような深夜番組のような、何ともいえない味わいで、細野さんのことを知っているつもりで実はあやふやな自分ものんびり贅沢に歴史を確かめることができました。 50年という時間を振り返っているのに全く後ろ向きでなく、マイペースで歩く細野さんは何も変わらず、背景だけが目まぐるしく早送りで流れているような不思議な感覚。 親しみやすくてお茶目なおじいさん。と思わせておいて、煙について語る姿はちょっとあやしくてやっぱり魔法の世界にいる方だとゾクッとした。 煙の言葉が読め、煙の歌が聴こえるような人生は楽しいだろうけど…やっぱり大変かなと思う凡人の私。 なぜか配信を観るより映画館に出かけるほうが億劫でないので、上映という形で触れることができて良かったです。 古今東西、ミュージシャンの方々のファッションは似合うものを着ていて最高に素敵。楽しい時間でした。
良い家族に愛を持って育てられたら素敵な人になるのだなぁ
素晴らしいα波映画! 生い立ち+人となりを穏やかに綴る内容。 ”苦悩からの立ち直り”とか”レコード会社との対立”みたいなドラマチックな描き方は一切しない。 愉しそうに音楽を演奏/実験する細野さんに人が集まってくる心地よさ~。 真顔でひょこひょこと変な動きをし続ける細野さんがホント愛らしい。 飄々としながらも上品さが漂う。 劣悪な家庭で生まれた…とかじゃなくて、良い家族に愛を持って育てられたら素敵な人になるのだなぁと。 ライブ映像は直近のワールドツアーが中心。 この映像/音楽が素晴らしすぎて……5回ほど涙が出ました。心地よすぎて泣ける嬉しさ。 特に矢野顕子が登場する映像はほっこり+鳥肌。 そしてあのサプライズがー! 細野さん以外の人も映るけど、基本的にインタビューされたりはしない。 語るのは細野さん本人のみ。 細野さんがマック・デマルコとジム・オルークを「マニアというより音楽を普遍的に好きな人たち」と表現してたのは素敵だなぁ。なるほど。 先日に『JOKER』を見てざわついた心を細野さんの今作が鎮めてくれました。 対極に位置する映画かも。タイトルもタバコ吸いまくりのアーサーに対して”禁煙”だし。 といっても細野さんはタバコ吸いまくり。 これがまた絵になるんだー。 タバコを吸っても上品。 タバコを吸っても上品に見えるのは煙をくゆらせるのを楽しんでるように見えるからかもしれない。 ダラ~っとせずにシュッとしてる。 喫煙という行為に酔ってるのでなく、タバコを楽しんでる。 タバコ嫌いの自分だけどこういう吸い方をしてる人は好きだなぁ。
【紫煙を燻らせながら、多様な音楽を楽し気に作り続ける稀有なミュージシャンの半生を描く。70歳を過ぎても、彼の軽やかなステップは衰えない】
戦後に生まれ、細野さんは子供心に”戦争が終わっていて良かった。平和な時代に生まれたのだと思った”と語る。 米兵にチョコレートを貰ったりしながら、健やかに成長。 細野さんの音楽の素養は母親譲りということを知る。ピアノも習ったそうである。幼少時の習い事が70歳まで続いた人なんだなあ。 細野さんが関わった、立教大学時代からの数々の名バンド及び幅広い交流。 細野さんと関わった多くの方が、現代の音楽史で名を残しているのは、周知の事実。 ・大瀧詠一 ・松本隆 ・ヴァン・ダイク・パークス(オオ、お元気そうではないか!) ・ローウェル・ジョージ ・横尾忠則(音楽家ではないが、仲良しとは知らず、交流の幅に驚く。) ・坂本龍一 ・高橋幸弘 ・小山田圭吾 ・星野源 凄いなあ・・・・・。(感嘆) そして、日本語とウエストコーストサウンドを融合させた”はっぴいえんど”が誕生。 その後の”YMO"での活躍は誰もが知る所。 YMOではソリッドなエレクトリック・ミュージック(テクノ・ポップと言われていたなあ)を追求し、歌謡曲でも名曲を多数残してきた細野さん。 現在は、緩やかなグルーブを楽しみながら、舞台上で、歌い、演奏する細野さんの姿が実に楽し気で、観ているこちらまで嬉しくなる。 ”細野晴臣 イエローマジックショー2”で星野源、水原希子、宮沢りえ、そしてYMOの相棒たちと楽しそうに火星歩行をする姿も微笑ましい。 <”キーワードは自由” 生まれた時から、自由な雰囲気の中、多種多様な音楽を世に出して来た、稀有な音楽家の見事な半生である>
煙草の煙への憧れ
細野晴臣50周年記念ドキュメンタリー。最高にクール。楽しかった。はっぴいえんどって2~3年しか活動してないんだね。YMOやらソロ曲やら提供曲やら、ライブもプライベートもたっぷりで、もやサマロケ中に偶然遭遇しちゃったときの映像もしれっと盛り込まれているからファン的には興奮。
祝50周年!まだまだ現在進行形の細野さん
日本の音楽界の頂点に立つ細野晴臣さんの50周年のドキュメンタリー。 正確には彼が生まれた1947年からの72年間を俯瞰するアンソロジー+現在のライブ活動のハイライト。 あまりにも偉大な人物でありながら、いつも気さくでお茶目だ。奇妙な歩行に奇妙なダンス。笑わずにはいられない。
ドキュメンタリー映画としては・・・
まさに細野晴臣は面白くて巨人と呼ぶに相応しいと思ったけれど、ドキュメンタリー映画としての質はあまり・・・という印象だった。 とはいえ、細野晴臣がレジェンドたる所以がよく理解できた。 ただ、どうしても納得しかねるのは、演奏される曲名がテロップとして表示されなかったこと。コンサート会場や地名はテロップされるのに、曲名は?と多少のストレス─。カバーとかも演奏していたわけだから、なおさら曲名表示は必要だったのでは。
良い年のとりかた
細野晴臣は個人としては、さほど詳しくはないが、はっぴいえんどやYMOからみで知っていた知識のみで観に行った。レジェンドとして、あんなに海外で人気があることにビックリ。そして、自分のしたい音楽を貫いて、表現し、楽しく生きているのが本当に羨ましかった(もちろん、苦労はしているのだろう)。水原希子の足の長さにもビックリした。
タバコ・ロードにセクシーじいちゃん
細野氏とは「トロピカル・ダンディ」以来のご縁だが、すっかり好々爺になったなあと。歩いている姿などは年齢を感じざるを得ないが、ステージに立つと俄然ミュージシャンの佇まいになる。近年も海外公演を随分こなしているのに感心した(海外のファンはYMO以外にどのあたりの細野氏を認知しているのだろうか)。古い時代のライブ映像をもっと見たかった。 このポスターの細野氏のイラストはいいな。 映画館もよほどこの映画を押しているのか、スクリーンの両脇にもタイトルが掲げてあった。
細野晴臣のことは、細野晴臣をして語らしめよ
とても良く作られたドキュメンタリーだ。 ・生まれから最近に至るまで、全生涯を収めている ・音楽活動について、必要最小限とはいえ、時系列で丁寧に追っている ・ナレーションが入って、とても分かりやすい ・ライブ映像がたっぷり。昔のお宝映像もある ・茶目っ気たっぷりのキャラクターが、描写されている 96分の長さなら、これ以上望めないほどのクオリティである。 欲を言えば、2時間の作品にして、活動の歴史部分をもっと膨らませて欲しかったと思う。 唯一の欠点は、別に映画館で観る必要はない、ということか・・・。 こういう映画は、とかくインタビューがダラダラ続く、まとまりのない作品になりがちだ。 しかし、この映画は、他者のインタビュー映像は排して、「細野晴臣のことは、細野晴臣をして語らしめよ」とばかりに、細野自身のインタビューと映像にフォーカスして、スッキリとまとめている。 ただし、他者のインタビューも今のうちに取っておかないと、間に合わないことになりかねない。(例えば大瀧詠一はもうこの世にいない。) 古い言葉で言えば、本作品は“A面”だけで、“B面”のないレコードである。
好きなことを、好きなように
細野さんの音楽には、確かに、「枠」といったものがないような気がする。 YMOで目に触れる機会は多くなったような気がするが、その後の活動を見ると、やはり、非常に自由な感じだ。 ただ、細野さんが、今の音楽には欠けているものがあって、それは40年代にはあったもので、それを大切にしたいと言っているのを聞くと、やはり、何か音楽を好きとか、そういったハートに関わることかなと感じる。 テクノロジーの発達で何でも出来る様に感じる人は多いと思うけど、実は特定のジャンルの中で窮屈にやってるだけの可能性だってある。 特定のターゲットに絞らないと商業的な計算が成り立たないといったしがらみのようなものもあるのかもしれない。 でも、細野さんの音楽には、聴いてるとボブ・ディランの影響もあると思うし、新しいことにチャレンジすることは、何も昔をスクラップにしてしまうということではないことは明らかだ。 アメリカ人が、細野さんのライブに行って、グルーヴィーだと喜んでいるのを見ると、音楽は世界共通だと思うし、流行を追いかけているだけではない人が沢山いるのも嬉しくなる。 映像を通して聴いても、リズムを取りたくなる。 最後に、横尾忠則さんが、昔、Twitterで発信してたなかに、好きなツィートがあるので紹介します。以下、 「だけど、今は何んでもコンセプトにしたがるアーティストがいる。コンセプトの枠の中で自由になれる? 確かに枠内では自由だろうが、枠の外には無限の自由がある。これじゃ広過ぎるので自己限定が必要なのかな? 限定はすでに自由を放棄したようなものだ。」 細野さんに送った言葉のようだ。
煙草の煙のように自由で気負いない革新
銀座シネスイッチでと思っていたけど満席状態で、座席予約が取れたハロウィン明けの渋谷ユーロスペースへ。細野晴臣さんのドキュメンタリー映画「NO SMORKING」を観てきた。細野さんの50年に及ぶ音楽人生は常に新しく革新的で、それでいて気負ったところがなくどこか飄々としている。いつの時代も、いつの時代の人も彼の音楽を楽しむことができるのは「自由」を声高に叫ばない細野さんの静かでいて熱き音楽探訪があるからなのだろう。映画のなかで若い世代から慕われている細野さんを観ていて、さらにその思いは強くなった。僕は煙草を吸わないけれど、細野さんが煙草を吸う姿はとても好きです。その煙をくゆらせる細野さんの佇まいが細野さんそのものを表していて、その佇まいこそがセクシーでチャーミングな細野さんなんだなぁって思う。ワールドツアー、ロンドンでは幸宏さんと龍一さんが加わり久しぶりにYMOメンバーが揃い即興演奏の瞬間も観られた。エイプリルフール、はっぴいえんどから今日まで、そしてこれからも、細野さんの音楽は、あの煙草の煙のように自由に気負いなく世界へ立ち昇り続けるのだろうな。細野さんに会いに行こう。
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